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FMfanのアーカイヴであの時代にタイムスリップ!タイムマシーン特集

ポップスからクラシックまで幅広いジャンルを網羅した音楽情報とオーディオ関連の記事で人気を誇ったFM情報誌「FM fan」のアーカイヴを一挙公開。伝説のライヴリポートや秘蔵インタビューなど、ここでしか見ることのできない貴重なコンテンツ満載!

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逮捕のニュースでおさわがせ!新作もほぼ完了のスティーヴィー・ワンダー

1枚はジャズっぽく、もう1枚はロック調
No.7

逮捕のニュースでおさわがせ!新作もほぼ完了のスティーヴィー・ワンダー
Photo: Redferns

 南アフリカのアパルトヘイトへの抗議デモに参加し逮捕、保釈金を積み釈放のニュースも耳新しいスティーヴィー。しかし本業の方を決しておろそかにしている訳ではなく、新作のレコーディングをほぼ完了した。

今回のアルバム、2枚組全22曲という超豪華盤で、タイトルは『イン・スクエア・サークル』(ビクター)。1枚はジャズっぽく、もう1枚はロック調というが、これに参加のミュージシャンにこれまた感動!ウィントン・マルサリス、ディジー・ガレスピー、スタン・ゲッツ、チック・コリア参加のジャズ盤に、リトル・リチャード、チャック・ベリー参加のロック盤。発売は6月、もう早く聴きたい気持ちでいっぱいだろう。その前にリリースされるシングル「アップ・セット・スタマック」は再び映画がらみでこちらはバニティ主演のモータウン映画“ラスト・ドラゴン”の主題曲という。

しかし、スティーヴィーの新作を待ちきれない人のために、4月21日にミニ・アルバム『スティーヴィー・ワンダー・スペシャル』が出るぞ。ここには『ウーマン・イン・レッド』からの第3弾sングル『ドント・ドライブ・ドランク』の12インチバージョンとそのインストゥルメンタル、そして「愛と嘘」のロング・バージョンが収録されている。今発売中のロックウェルのシングル「コブラ」にもバック・ミュージシャンで参加、CMにも登場と、あくまでもアクティブにまだまだ活躍しそうなスティーヴィーだ。

(共同)

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3ヶ月で67億円かせぐ ブルース・スプリングスティーンとEストリート・バンド

95日間にわたる米国45都市ツアー
No.7

3ヶ月で67億円かせぐ ブルース・スプリングスティーンとEストリート・バンドPhoto: Redferns

 ブルース・スプリングスティーンとEストリート・バンド1月末、ニューヨーク州シラキュースのキャリア・ドームで2日連続の公演をし、連日各3万9,000人を集めた。これは彼らにとって新記録。

 同公演は95日間にわたる米国45都市ツアーを締めくくるもので、この期間のかせぎは2,600万ドル(約67億円)にのぼった。キャリア・ドームは入れ物が大きく、音響装置は普段の2倍の出力をもつシステムを持ちこんだ。少々古くなった「ロザリタ」や「ジャングルランド」はあっさりお蔵入りし、替わって「リーズン・トゥー・ビリーブ」「ワーキング・オン・ザ・ハイウェイ」「トラップト」「アイム・オン・ファイア」が公演の目玉となった。

 スプリングスティーンは長丁場の疲れも見せず、ご機嫌だが、その理由は新しいガールフレンドの出現にあるらしい。彼女は女優でモデルのジュリアンヌ・フィリップス。キャり・ドームでのアンコール曲の最初は2日とも「キャント・ヘルプ・フォーリング・イン・ラブ(愛さずにはいられない)」だったが、単なる偶然なのか?

 最後には「ロッキング・オール・オーバー・ザ・ワールド」を取り上げたが、この後、オーストラリアと日本、続いて欧州に遠征する予定。

(共同)

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ソングライターとしての実力を実感させる中島みゆきの新作

日本の音楽界の常識を超えた、スケールの大きい共同プロジェクト・アルバム
No.8

 『はじめまして』で新境地を示してくれた中島みゆきが、またまたファンを喜ばせてくれそうな新作を発表する。

 1979年11月に、桜田淳子、加藤登紀子、小柳ルミ子らに提供した曲を自ら歌った作品集『おかえりなさい』を発表し、評判を呼んだ彼女だが、今回の新作『御色なおし』はその第2弾というべき内容になっている。収録曲は、研ナオコの歌で知られる「かもめはかもめ」、柏原芳恵の「最愛」、増田恵子の「すずめ」など全9曲。中島みゆきの作詩、作曲ということで話題になった曲ばかりだ。

 そういえば最近では、井上陽水が中森明菜などほかのアーティストに提供した曲を集めた『9.5カラット』が評判を呼んだが、中島みゆきはこうした企画の元祖的存在といえるだろう。しかも、この種のアルバムをひとりで2枚も出してしまうのは、彼女が初めての例らしい。

さらに注目したいことがある。この『御色なおし』では、甲斐よしひろ、センチメンタル・シティ・ロマンス、クリスタルキング、後藤次利、クニ河内といったそうそうたる顔ぶれが各曲のプロデュースを担当しているのだ。普通に考えれば、さまざまな問題が障害となって、一堂に会することのない彼らが、ひとつの場を共有していることに大きな意義がある。日本の音楽界の常識を超えた、スケールの大きい共同プロジェクト・アルバムといえるだろう。この新作、発売は4月17日、キャニオンから。

なお、中島みゆきは、現在、2月27日にスタートしたツアーの真最中。ちょうど今ごろは、ツアーの中盤を迎えているところだ。4月10日から6月2日の最終日まで、あと20回のコンサートが彼女を待っている。

(共同)

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ブリティッシュ・ジャズ・ファンクの真髄、レベル42

本国での人気はシャカタクと同等もしくはそれ以上
No.18

ブリティッシュ・ジャズ・ファンクの真髄、レベル42Photo: Getty Images

 シャカタクをきっかけに日本でもここ数年盛り上がりをみせているブリティッシュ・ジャズ・ファンクの切り札ともいえるのがレベル42。本国での人気はシャカタクと同等もしくはそれ以上と噂される彼らの2枚組ライブ・アルバムが到着した。タイトルは『フィジカル・プレゼンス』(ポリドール)。80年の結成以来、現在まで5枚のアルバムを発表し、今やコンスタントにベスト3入りができる実力グループにのし上がった彼ら。今回の初のライブ・アルバムでは、初の全英ヒットとなった「サン・ゴーズ・ダウン」から未発表の新曲「フォロー・ミー」まで、代表曲を網羅したベスト選曲が楽しめる。

 高度なテクニックと音楽性の豊かさもさることながら、ライブならではの圧倒的なノリのよさは昨年8月の来日公演でも実証ずみ。このアルバムでも冴えたプレイが全編をかけぬけ、ホット&ファッショナブルな彼らの魅力を十分に聴かせてくれる。中でもバネの効いたリズムが躍動する「ターン・イット・オン」「ホット・ウォーター」やマーク・キングの驚異のチョッパー・ベースがうなる「ミスター・ピンク」「ラブ・ゲーム」「88」などは聴きものだ。

 このライブ・アルバムに続くスタジオ・レコーディング・アルバムも7月末に完了。9月中旬にはイギリスで発売の予定だ。

(共同)

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女子ロックの当たり年の注目少女・渡辺美里

“元気、ひたむき、育ちざかり、本気”がテーマ
No.20

 10歳のころから、沢田研二に影響されてシンガーを目指していた女の子。CBSソニーのミス・セブンティーン・オーディションで歌唱賞を取った女の子。とても歌のうまい、パワーのある女の子、それが渡辺美里。今年5月にテレビ番組の主題曲として、ケニー・ロギンスの「アイム・フリー」をカバーしたので覚えてる人も多いかも。

 ところで、美里デビューのきっかけを今さらながら説明すると、佐野元春や白井貴子が所属する事務所ハートランドのスタッフが、コーラスの女の子を探したところから始まる。美里を、何となくいいなと思って歌わせてみると、本気でいいのだから「これはコーラスでなく、このままデビューだ」となったわけ。つまり才能ですね。

 そして進んだレコーディングは、“元気、ひたむき、育ちざかり、本気”がテーマ。なんでも、裸足にハンドマイクという異例のレコーディング風景だったらしいが、本人も2曲詞を書き、詞のチェックや相談に時間をかけたという作家陣の選択の良さも光るアルバム『アイズ』10月2日発売。

(共同)

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トム・ウェイツ もう一つのNYストーリー

LAからNYに移ったのは「平和と安逸を得るため」
No.21

トム・ウェイツ もう一つのNYストーリーPhoto: Redferns

 トム・ウェイツは現在、「ストレンジャー・イン・パラダイス」を手がけた若手監督、ジム・ジャームッシュと映画「ダウン・バイ・ロー」の撮影計画を進めている。同作は11月ニューオーリンズでクランク・イン予定で、ジョン・ルーリーも出演するという。またウェイツは撮影終了後、キャスリーン・ブレナンと共作したミュージカル“フランクス・ワイルド・イヤー”にも出演するそうだ。一方製作に2年を費やしたニュー・アルバムでは米で今月中にリリースされる予定で、同作にはキース・リチャーズ、ロバート・クイン、G・E・スミス、クリス・スペディングといった名うてのギタリストたちが参加しているという。またタイトル『レインドッグス』について、彼は「税金も払わず、下着も着ない―そういう連中のことをいうのさ。一種の“NYストーリー”だよ」と説明している。LAからNYに移ったのは「平和と安逸を得るため」だそうだ。

(共同)

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