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FMfanのアーカイヴであの時代にタイムスリップ!タイムマシーン特集

ポップスからクラシックまで幅広いジャンルを網羅した音楽情報とオーディオ関連の記事で人気を誇ったFM情報誌「FM fan」のアーカイヴを一挙公開。伝説のライヴリポートや秘蔵インタビューなど、ここでしか見ることのできない貴重なコンテンツ満載!

TOPICS - 1972※当記事の著作権は全て株式会社共同通信社に帰属します。

現代ジャズ界の最高峰に立ったジャズ・グループ、ウェザー・リポート

ファン待望のうちに新春1月3日に来日
No.3

現代ジャズ界の最高峰に立ったジャズ・グループ、ウェザー・リポート
Photo: Redferns

 結成以来わずか1年余りで、現代ジャズ界の最高峰に立ったジャズ・グループ、ウェザー・リポート(天気予報)が、ファン待望のうちに新春1月3日に来日した。東京・渋谷公会堂での1月4日の初公演は、1972年のジャズ界を占うかのような超満員の入りで、香をたいた会場は熱気に包まれた。

 このグループの中核をなすサックスのウェイン・ショーター、キーボードのジョー・ザビヌル、ベースのミロスラフ・ビトウスの3人はいずれも高度なテクニックと独創性をもっており、ジャズ界をリードするトップ・コンボのメンバーとして異彩を放っていた大もので、日本へはこれまでに数回来日している。

 メンバーはほかにパーカッションのドン・ラモー、ドラムスのエリック・ブラバーを加えた5人編成で、全く新しいジャズ・サウンドとスタイルを確立、ジャズ界に新しい時代の到来を告げた。公演では「アンブレラ」、「セブンス・アロー」、「モーニング・レイク」、「ウォーター・フォール」、「オレンジ・レディ」など代表作を演奏、感動を呼んでいた。

(共同)

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世界的な人気をもつ黒人女性シンガー、ディオンヌ・ワーウィックが日本公演

洗練された美しい歌声できかせるディオンヌ節に盛大な拍手
No.10

世界的な人気をもつ黒人女性シンガー、ディオンヌ・ワーウィックが日本公演 Photo: Hulton Archive

 世界的な人気をもつ黒人女性シンガー、ディオンヌ・ワーウィックが日本公演した。昨年一度来日が中止になっているため、大きな期待を胸につめかけた多くのファンで会場は満員。バカラック・シンガーとして無類の実力を誇る彼女は、「涙でさようなら」でスタート、自分が最も好んでいるという「ドント・メイク・ミー・オーバー」、大ヒットした「恋よ、さようなら」、「サン・ホセへの道」など、バート・バカラックとハル・デビットの名コンビによるナンバーを一気に歌いあげる。「バカラックの曲は私を魅惑する。とくにメロディーはすばらしい」と心酔しているだけあって、その表現力は第一級。洗練された美しい歌声できかせるディオンヌ節に盛大な拍手が続いた。

(共同)

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アイク&ティナ・ターナーが70年12月に続いて2度目の来日

“セクシー・ダイナマイト”の本領をいかんなく発揮
No.15

アイク&ティナ・ターナーが70年12月に続いて2度目の来日 Photo: Redferns

 モダン・ソウルの王者アイク&ティナ・ターナーが70年12月に続いて2度目の来日、エネルギッシュでパワフルなステージを展開して“セクシー・ダイナマイト”の本領をいかんなく発揮した。2人は57年からのコンビというから、もう10年以上にもなる大のベテランだ。アイクが編曲、バックのギターなどを担当、ティナはその上に“熱狂のソウル”を重ねていくわけだが、2人は私生活の上でも正式な夫婦、息が合うのも当然といえる。

 3人のソウル・コーラス・グループ「アイケッツー」「ファミリー・バイブス」の演奏にささえられた、ティナ・ターナーは舞台せましと歌い、踊りまくる。

 ティナのたたきつけるような歌唱に通路まで超満員の観客は押しまくられぎみ、熱っぽい会場はソウルの興奮に支配された。
「カム・トゥゲザー」「ホンキートーク・ウイメン」そして「プラウド・メアリー」などたてつづけに19曲。

 おりもおり、ソウル復興のきざしに強力な第一弾は投ぜられたのである。

(共同)

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ヘビー・ロックの5人組み、ディープ・パープルがやって来た

熱演、真夏の嵐のように
No.19

ヘビー・ロックの5人組み、ディープ・パープルがやって来た
Photo: Redferns

 イギリスのヘビー・ロックの5人組み、ディープ・パープルがやって来た。5月に来日を予定されながら延期になっていただけに、夏も盛りの8月17日、東京・日本武道館での公演には待ちかねたファンがつめかけ、観客動員数1万3,000と、大ホールがほぼ満員の状態だった。

 「ハイウェイ・スター」で演奏が開始されると、こもっていた若い熱気が一挙に爆発、激しい手拍子と感性で会場は興奮の渦と化し、たちまちのうちに若者とロックの世界が出来上った。キーボードのジョン・ロードをはじめ、長髪を振り乱しながら狂ったように彼らのサウンドをたたきつける演奏陣。カン高く、ダイナミックにうたいあげるボーカルのイアン・ギラン―「スモーク・オン・ザ・ウォーター」「スペイス・トラッキン」「レイジイ」と、ニュー・ヒットを立て続けに披露する彼らのエキサイティングなアクションのひとつひとつに触発された観衆は、立ち上がって拍手を浴びせる。中には階上から跳びおりるもの、最前列に張り巡らされたロープを越えてステージに上がろうとするもの、また花火や紙テープを投げるものなどファンの模様はさまざま。

 ともあれ、このディープ・パープルの熱演、真夏の嵐のように、暑苦しさを一気に吹き飛ばしてくれるものだった。

(共同)

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レッド・ツェッペリンが昨年9月に続き2度目の来日

日本武道館公演をはじめ6回の日本公演
No.22

レッド・ツェッペリンが昨年9月に続き2度目の来日Photo: Redferns

 イギリスのロック・グループ、レッド・ツェッペリンが、昨年9月に続き2度目の来日をし、10月2日東京・日本武道館公演をはじめ6回の日本公演を行なった。

 レッド・ツェッペリンは、1968年にリード・ギターのジミー・ペイジを中心に結成された。メンバーのロバート・プラント(ボーカル)、ジョン・ボーナム(ドラムス)、ジョン・ポール・ジョーンズ(ベース・ギター、オルガン)は、現在もまったく変わっていない。ひとりひとりの音楽性やフィーリングがしっかりとかみ合って、誰ひとり抜けても存続が難しいほど。この無類の強いチーム・ワークによって彼らのサウンドは確立され、その信念を維持することが出来るのだろう。

 ペイジのギター・ワーク、リーディングのよさはもちろん、プラントのボリュームたっぷりのエキサイティングなボーカル、重量感あふれるボーナムのドラムスとジョーンズのベース・ギター……これらが一体となってたたき出す、あの体中にビンビンと響きわたるような超ヘビー級のロック・サウンド。そのすさまじい迫力に圧倒されて、観衆は熱狂的な拍手をおくる。ヘビー・ロックの世界に若者たちが完全に吸い込まれていく感じだ。

(共同)

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ポップ界に大きな影響を与えてきたローラ・ニーロ

東京・厚生年金会館を皮切りに5回の日本公演
No.25

 ローラ・ニーロが初来日、11月11日の東京・厚生年金会館を皮切りに5回の日本公演を行なった。

 女性シンガー・ソングライターとして最初に話題となり、その後もポップ界に大きな影響を与えてきたローラ・ニーロである。彼女の作品がスリー・ドッグ・ナイト、BS&Tといったビッグ・グループによって積極的に歌われているように、コンポーザーとして男まさりの活躍ぶりを見せる。歌の方は決してうまいとはいえないけれども、ピアノを弾きながら聞かせるその魅力的なカン高い声、コントラストの強い歌いぶりには独特な味がある。

 大都会ニューヨークに住み続け、その生活のあらゆる感覚を体臭としたローラが、クールなステージ運びにのせて切々とその体験をつづると人々はたまらなく心をひかれる。まさに、ローラならではのフィーリングであり、説得力なのだ。

(共同)

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