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「自分の信念を貫きたいから、これからも戦い続ける」― ファンテイジア 最新インタビュー
壮絶な過去を持ち、自身と幼い娘の為の最後の夢として出場した人気オーディション番組『アメリカン・アイドル』で見事優勝し、デビュー・シングル「アイ・ビリーヴ」が米ビルボード・シングル・チャート1位という史上初の快挙を達成。昨年リリースされた4thアルバム『Side Effects of You』も米ビルボード・アルバム・チャート2位、これまでに10以上のグラミー賞にノミネートされるなど、圧倒的な歌唱力とパフォーマンスで全米中を虜にするファンテイジア。昨年11月からは、トニー賞7部門にノミネートされたブロードウェイ・ミュージカル『After Midnight』に出演、今月15日には、ハリウッド・ボウルで開催されたジャズ・フェスティヴァルで初ステージを披露するなど、多方面で輝き続ける彼女が、待望の最新作やデビュー10周年を迎える心境について語る。
自分の信念を貫きたいから、これからも戦い続ける
▲ "Sunny Side of the Street" from AFTER MIDNIGHT on Broadway
??『After Midnight』がフィナーレを迎えることとなった現在どのような心境ですか?
ファンテイジア:悲しいわ。パティ・ラベルの後任は、グラディス・ナイトの予定だったから。私が始めて最初から携わったブロードウェイ・ショーでもあるし、若い出演者たちは家族のような存在になっていた。とてもハードワーキングで、彼らがどれだけジャスを敬愛しているか私は知ってる。才能溢れる人々で、今後も素晴らしい功績を残すと思うわ。そしてジャズがまだまだ“生きている”と人々に知ってもらう為に必要な作品だったから、その点でも悲しい。本当に素晴らしい音楽なの。若い人々に音楽の発祥を知ってもらうために、あのような作品を今後また誰かが制作してくれることを願うわ。
??ジャズ・フェスティヴァルのラインアップを連想する時、あなたの名前は即座には挙がりませんよね?
ファンテイジア:そういった会場でパフォーマンスしたり、イベントへ出演することはずっとやりたかったことではあるの。でも、私と私のストーリーには障害が尽きなかった。でも、やっといい状況になりカムバックを果たして、フェスティヴァルに出演するのは光栄なことだった。ジャズ・ミュージックを歌う素晴らしいブロードウェイ・ミュージカルにも出演できたわけだし。本当に最高だったわ。
??次回作で、再びハーモニー・サミュエルズと仕事をする予定はありますか?
ファンテイジア:近々2人でスタジオに入る予定よ。彼は私の良き理解者だから、アルバムは彼と作らなきゃって感じるの。彼は私のクインシー・ジョーンズ。『Side Effects of You』は、彼がキーボードを弾きながら、真っ新な状態から作り始めたアルバムだった。「それ、いい感じ。もっと続けて。」って感じで。そういう風にアルバムを作れるのは、最高だと思う。近年稀なことだから。大体スタジオに入ると、プロデューサーに既に書き終わった曲やトラックを渡される。ハーモニーは、私が私らしくあることを許してくれるの。
??新作では、『Side Effects of You』で取り上げた“ロック・ソウル”のフュージョンをより探究するのですか?
ファンテイジア:この“ロック・ソウル”的な方向性は常に頭の中にあるわ。私はいつまでもソウルフルであり続ける―5歳の時に教会で歌い始めたから、その部分はこれからも揺るがない。ロックもやってみたいという面も私自身の中にあるけど、R&Bからその方向へ進むのは難しいこと。でも自分の信念を貫きたいから、これからも戦い続ける。次回作は5作目で、デビューから10周年でもある。音楽面、人生面の両方で成長しているから、そのすべてをこのアルバムの音楽に反映したい。
??他に、やりたいことはありますか?
ファンテイジア:これまでやってきたことすべて、計画されたものではなく、自然と私のところへやってきた。神は不思議な力を持っているとしか、言いようがないわ。『The Color Purple』は、プロデューサーにスコット・サンダースを迎え制作された。そして後に彼が「『After Midnight』をやらないか?」と声をかけてくれた。本(『Life Is Not a Fairy Tale』)も書いたし、その自伝に基づいた映画もLifetimeで放映された。現在は、Rock Soulレーベルの仕事をしてる。他の才能あるアーティストを聴くと、舞い上がっちゃう性質だから。それに若い女性ポップ・グループとも仕事してるし、自分のファッションラインも立ち上げてる。いつも言ってることだけど、神が私に与えてくれたものには、250%で挑み、ベストを尽くすわ。
▲ 「Summertime」 (Live on American Idol)
??この10年間、一番容易かったこと、そして一番ハードだったのは?
ファンテイジア:これまで歩んできた道に容易かったことなんて、一つもないわ(笑)。でも、そのおかげで今の私があるわけだから、感謝してる。6月30日には、30歳になる。そしたら、30歳では経験したくないことや30歳になってまでやりたくないことをやってのけて良かったと言える。今やってることだって、誰かにとやかく言われるかもしれない。でも現時点では、あまり気にしてないわ。誰かに気に入られようと思ってやってるわけではないし。秩序を保ち、ステージに上がり、歌いたい。私の歌を気に入ってくれるのであれば、感謝したい。そうでなければ、ごめんなさい。ステージに上がることが出来なくなったら、クレイジーになっちゃう。私にとってセラピーで、解き放たれ、自由になれる場所だから。そしてこの贈り物を与えてくれた神様に恩返しできる方法でもあるの。
??以前のファンテイジアと現在のファンテイジアを比べると?
ファンテイジア:昔のファンテイジアは、若く、青く、騙されやすく、楽しい人間だった。今でも楽しい性格だけれど、賢くなった。そしてこの業界で失いがちな、喜びに満ち溢れている。これまで経験してきたことすべてを喜ばしく思ってる、なぜならそれをステージや音楽で表現し、他の若い女性たちと分かち合えるから。そして彼女たちが私の二の舞にならないように、人生の良し悪しをリアルに伝えることができるから。
Q&A by Gail Mitchell / 2014年6月18日 Billboard.com掲載
"Without Me ft. Kelly Rowland, Missy Elliott" Music Video
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バック・トゥ・ミー
2010/09/01 RELEASE
SICP-2743 ¥ 2,640(税込)
Disc01
- 01.アイム・ドゥイン・ミー
- 02.ビタースウィート
- 03.マン・オブ・ザ・ハウス
- 04.フーズ・ビーン・ラヴィン・ユー
- 05.コラード・グリーンズ&コーンブレッド
- 06.ティーチ・ミー
- 07.ムーヴ・オン・ミー
- 08.トラスト・ヒム
- 09.ザ・スリル・イズ・ゴーン (feat.シー・ロー・グリーン)
- 10.フォーリング・イン・ラヴ・トゥナイト
- 11.イーヴン・エンジェルズ
- 12.ザ・ワースト・パート・イズ・オーバー (日本盤ボーナス・トラック)
- 13.アイム・ヒア (from “カラーパープル”ミュージカル) (インターナショナル・ボーナス・トラック)
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