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モーニング娘。'14 『時空を超え 宇宙を超え/Password is 0』インタビュー
モーニング娘。初の単独インタビューを石田亜佑美に敢行。人気再燃中のモーニング娘。の中で個性を爆発させるメンバーに対し、見出だせずにいた自身の存在意義。やっと見つけたオリジナリティ。彼女は何も諦めていない。あの頃と同じ、負けず嫌いの女の子のままだった。ぜひご覧ください。
つんく♂さんが戻ってきたときに「おまえたち、進化したな」って
--現在は全国ツアー【モーニング娘。’14コンサートツアー春 ~エヴォリューション~】開催中ですが、今回はどんなテンションで臨めてる感じですか?
石田亜佑美:今回は“エヴォリューション”ということで、進化という意味なんですけど、つんく♂さんから「おまえたち、進化しろよ」って言われているような気がしていて。
--現状に甘んじずに、ということですね。
石田亜佑美:ただ、今、つんく♂さんは治療中のため現場でお会いすることはできないので、今回のコンサートは映像で確認して頂いたりはしてるんですけど、直接観せれていないんですね。なので、つんく♂さんが戻ってきたときに「おまえたち、進化したな。エヴォリューションしたな」って言ってもらえるように……っていう気持ちで、メンバー10人で頑張ってます。
--モーニング娘。って去年から今年にかけて凄まじい勢いで再燃していますけど、この状況についてはどんなことを感じたり、思ったりしていますか?
石田亜佑美:急に「再ブレイクしましたね」とか、周りの方から言って頂けるようになって、それはすごく嬉しいんですけど、正直「なんでだろう?」って思う部分もあって。私たちも急に“はじめまして”のファンの方が増えたなとか、女性のファンの方が増えたなって感じるようにはなったんですけど、それがなんでなのかは、自分たち自身では的確には分かっていない状態。でも最近格好良い系の曲が増えてきて、それこそフォーメーションダンスを始めて。そういうつんく♂さんの方針や考えが今の時代にハマったのかなとは思います。
--でもメンバーからすると、「なんで今になって振り返ってくれるようになったんだろう?」と思いながら活動してる部分はあるんですね。
石田亜佑美:そうですね。私はそういう気持ちなんですけど。でもそういう風に思うのって、自分たちの実力にまだまだな部分があるからで。私は「ダンスが得意です」って言って入ってきたので、ダンスには自信があるけれど、「じゃあ、歌は?」って聞かれたらそこまで「上手です」って言えるものではないし。だからひとりひとりの実力はまだまだなのに、こうして皆さんが注目して下さってるのは「なんでだろう?」って思うし、でも注目してもらえてるんだから今のうちにもっともっと実力つけないと、っていう気持ちでいます。
--世間の評価に自分の実力が追いついてない。それ故の戸惑いもあると。
石田亜佑美:戸惑いもあったりするんですけど、でもオリコン4作連続1位を獲得させて頂いたのは、ファンの皆さんの応援があってこそなので、そこはもうファンの皆さんに感謝だなって思います。
--4作連続オリコン1位の快挙を達成した瞬間は、どんな気持ちに?
石田亜佑美:正直に言うと、モーニング娘。の歴史上初めての結果と言われても、その言葉だけじゃなかなか実感できないし、CDの売り上げ枚数で言えば「LOVEマシーン」の頃のほうが売れてるんですよ。なので、今のこの状態でオリコン4作連続1位を頂けたのは嬉しいんですけど、まだまだだなって。数字がすべてではないんですけど、もっと自分たちに実力をつけて、自信を持って「私たち1位獲得しました!」って言えるようになりたいです。
--謙虚ですね。では、今のモーニング娘。'14、石田さんの中ではどんなグループになっているなって思いますか?
石田亜佑美:今、道重さゆみ(リーダー)さんは10年以上活動していて24歳。でも最年少の工藤遥ちゃんは14歳、一番新しいメンバーの小田さくらちゃんは加入1年半なんです。そう思うと、先輩との差はすごく大きいんですけど、それでも先輩に喰らいついていこうとしてる。私たちにとって、アイドルの中で一番のライバルって昔のモーニング娘。なんですよ。そのときのモーニング娘。を新しいモーニング娘。で超えていきたいんです。
--あの時代以降のモーニング娘。における最大のテーマですね。
石田亜佑美:あと、楽屋ではみんなワーキャーしてて、すごく楽しくて……正直言ってうるさいときとかもあるんですよ。でもライブになったら格好良い顔して、格好良いパフォーマンスしてっていう、そのギャップがモーニング娘。'14の一番の魅力じゃないかなって思ってるんです。家族みたいな感じで仲良くやってるんですけど、時にはライバル意識したり、パフォーマンスは全力で格好良いものを目指したり、そこが私にとっては魅力だなって思います。
--では、その今のモーニング娘。'14の中で、10期(飯窪春菜/石田亜佑美/佐藤優樹/工藤遥)はどんな立ち位置になっていると思いますか?
石田亜佑美:10期は『元気印』オーディションで加入してきたので、やっぱり10期が一番元気なんですよね。特に佐藤優樹ちゃんはその場の空気も考えずに面白いことを始めたりするので、自分が落ち込んでいるときにはすごく元気付けられるし、ちょっと悲しいショックなことがあっても、何も考えずに話しかけてくるから「別にいっか!」って思わせてくれる。そういう元気をファンの皆さんだけじゃなくグループにも与えてる。あと、9期メンバー(譜久村聖/生田衣梨奈/鞘師里保/鈴木香音)さんと加入時期が1年も離れてなくて、年齢も近くて。だから最初は期同士でライバル意識が強くて、対決したりとか。
--以前、田中れいなさんからいろいろ伺いました(笑)。(※大槻ケンヂ原作舞台で勃発!9期vs10期ガチ闘争(!?))
石田亜佑美:でも最近は道重さんがリーダーとしていてくれて、その下に9期10期がいる感じなので、そこが対立し続けていたらいけないし、先輩後輩の壁はちゃんと作らなきゃいけないんですけど、時としてそこは上手く壊して話し合いをしていく。それが出来るようになったのは、11期の小田さくらちゃんが加入してきて「教えてあげなきゃ!」っていう気持ちにさせてもらえたからで。小田ちゃんへの気持ちが9期10期の関係性を良い方向へ変えてくれた。
--では、今のモーニング娘。'14において、石田亜佑美はどんな存在になっていると思いますか?
石田亜佑美:うーん……私、自分のことが自分でよく分からない人間なんですけど。でも私がモーニング娘。に加入したとき、最初のシングルは『ピョコピョコ ウルトラ』っていうすごく元気いっぱいの、可愛らしい曲だったんですけど、それ以降は可愛いシングルがなくなって、本当に格好良くってダンサブルな方向に変わっていて。
--『恋愛ハンター』以降ですよね。
石田亜佑美:私は「ダンスが得意です。ダンスは誰にも負けたくありません」みたいなことをつんく♂さんに言っていたり、やっぱりダンスの面では、最近のシングルの中でも鞘師里保さんと2人で踊らせて頂いてますし、私が加入してきたことでそういうダンスシーンも作って頂けるようになったのかなって思います。
--加入当初と今の自分ではどんなところが変わったと思います?
石田亜佑美:一番変わったのはキャラクターですかね。最初は負けず嫌いで、常に強がってて、周りの方からも「すごくギラギラしてる」って言われていたんですよ(笑)。でも最近は知らないうちに作っていた壁がどんどん壊れてきて、素の石田も見えるようになってきたと思うし、分かりやすく言ったら“スベりキャラ”っていうのが、何でか分からないんですけど定着してきて。
--何でか分からないけど“スベりキャラ”定着って、一番イタいパターンですよ(笑)?
石田亜佑美:アハハハ!
--自覚症状はないと。
石田亜佑美:そうなんですけど、そんなキャラクターも自分の知らないあいだに出来ていて(笑)。それに気付かせてくれたのもリーダーの道重さんで。何がキッカケだったかは覚えてないんですけど、よくツッコんで下さったりとか、もちろんフォローもして下さったり。あと、私がつまらないことを言ってシーンってなる空気のことを「石田タイム」っていう風に名付けて下さったのも道重さんなんですよ。リーダーのおかげで変われましたね。
リリース情報
時空を超え 宇宙を超え/Password is 0
- 2014/04/16 RELEASE
- 初回限定盤A[EPCE-7039/40(CD+DVD)]
- 定価:¥1,728(tax in.)
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Interviewer:平賀哲雄
心の中では常に「負けたくない」って思ってる。
メンバーの誰にも。
--感謝してるんですね(笑)。ただ、石田さんは、今回のツアー初日のMCで「いろいろ悩むこともあるけど、みんなのおかげで元気になった」的な話をしていたと伺っています。今はどんなことで悩むことが多かったりする?
石田亜佑美:最近は、さっきも言ったように自分が自分でよく分からないから「これでいいのかな?」って考えたり……。こういうお仕事してるとアンケートを書くことが多くって、「最近の趣味はなんですか?」とか。私、無趣味な人間なので、そういうのも苦手なんですよ。そうやって自分のことを書こうとしたときに何にも浮かばないから……「どうしてファンの皆さんは私のファンになってくれたのかな?」とかも考えるようになっちゃったんです。でもコンサートを通して私のことを応援して下さってる皆さんと会ったら、理由とかじゃないんだなって思って。人を好きになるのに理由は要らないじゃないですか。それと一緒なのかなって。
--正直、モーニング娘。がこれだけの注目を集めるグループになった中で、自分の立ち位置について悩んだり、「私はこのグループにおいて重要なメンバーになっているか」って不安になったりすることもあると思うんですが、石田さんの場合はいかがですか?
石田亜佑美:コンサートだと自分の大好きなダンスを踊れているので、そこで不安になることはないんですけど、バラエティとかに出演させて頂いたときに悩むというか。生田衣梨奈さんや鈴木香音さんとかは分かりやすくツッコみやすいキャラだけど……
--ツッコみやすいキャラが結構揃ってるんですよね。今の娘。って。
石田亜佑美:そうなんです(笑)。でもアイドルとしてツッコみやすいって一番大事だと思うんですよ。私もファンの皆さんには“スベりキャラ”だって知ってもらってるけど、何にも知らない人からしたら、どんな娘か分かんないからツッコむこともできないし、ツッコんでもらえるようなことも言えないし。だから自分はどんな立ち位置でいたらいいんだろう?っていうのは、今でも悩んでますね。
--今日の話を聞いてると、石田亜佑美が一番気にしているのは“個性”なのかもしれませんね。
石田亜佑美:個性、気にしますね。正直言って、ダンスが得意と言って入ってきたはいいものの、鞘師さんもダンスが得意だし。スベりキャラと言っても生田さんもスベりキャラだし、ほぼ被ってるんですよ(笑)。
--“私だけの”を見出せないでいると?
石田亜佑美:見出せないですね。
--それで自信が持てないところもあるんですか?
石田亜佑美:あります。
--今のモーニング娘。'14って各メンバーそれぞれに個性を爆発させているじゃないですか。10期もまーちゃん(佐藤優樹)とかくどぅー(工藤遥)とかバンバン前に出てくる。でも石田さんは少しお姉さんのポジションだから冷静に周囲を見守っている印象があって、本当はもっと前に出たいんだろうなと思うことがあります。実際はどうですか?
石田亜佑美:前に出たいのはもちろんだし、バラエティに出演させて頂いているときも喋りたいのはもちろんなんですけど……やっぱり難しいなって思っちゃうし。自分のキャラが確立できてない分、いろんなことが言えるし、出来る。でもいろんな方向へ行っちゃったら「この人って結局どんな人なんだろう?」って思われて終わっちゃうし。うーん……難しいですね。でも、なんだろう。うーん…………
--今はそこを模索してる最中なんでしょうね。
石田亜佑美:そうですね。
--石田さんって加入当初は「打倒!鞘師里保」「ダンスは誰にも負けたくない」ってガツガツしていたじゃないですか。でも一時期から「鞘師さんの存在はやっぱり大きくて。もちろん“負けたくない”と思うところはあるんですけど、私のダンスでは敵わない」って、トータル的なパフォーマンス力を上げていくことにシフトしましたよね。個人的には、ここがひとつのターニングポイントだったのかなと思うんですけど、どう?
石田亜佑美:…………田中れいなさんが卒業されて、今の10人でパフォーマンスしていくってなったときに、やっぱりセンターっぽいというか、エースっぽい人がアイドルグループには必ずいますけど、自分はそこじゃないなっていうか。もちろん、センターに憧れたりはするけど、なんか……なんだろう。私、リーダーとかも正直向いてないと思うんですよ。リーダーを支えるサブリーダー的な立ち位置のほうが自分には向いてると思ってて。周りを見るというよりも、人の話を聞いてあげたりするほうが得意だなって思っているので。だから例えばエース的な人を支えるじゃないけど、自分が真ん中に立ってみんなを引っ張るんじゃなく、その引っ張っている人を支えて……引っ張る、みたいな?
--言いたいことは分かりますよ。支えて成立させる。かつて田中れいなさんは先輩がいると「負けるもんか」と燃える。でも「打倒!○○○○」みたいな人がいなくなったら指針を見失ったことがあると仰っていたんですけど、それに近い感覚もあるんですかね?
石田亜佑美:それはありますね。自分たちのコンサート映像とかを観ているとき、鞘師さんに限らず「やっぱりここ、格好良いな」って思う部分があったらマネしたいってなるし、他の人がダンスとか何かで褒められていたら「自分だって……」っていつも思うし。口には出してこなかったけど、自分も褒めてほしいし。っていうのは、いつも心の中にある。
--さっきの「支えて……引っ張る」存在を目指すなら、石田亜佑美が勝ち取るべき役割は“最強のナンバー2”になる訳ですけど、今話してくれた悔しさから感じ取れるのは、向上心。誰にも負けたくない、という想い。
石田亜佑美:どうなんですかね? ファンの方は応援して下さっているので「センターになってね」って言ってくれる方もいますし、私も「センターで踊れたら気持ち良いだろうなぁ」って思うし、コンサートとかでたくさん移動している中でセンターに立つ瞬間があったりすると、ファンの方々が「うぉー!」って言って下さったりするのは嬉しい。でも……「絶対的なエース」とか言われたら、ちょっと心苦しくなりそう。そんな感じがします。
--個人的には、石田さんと鞘師さんが並んでダンスしている姿を見るのが大好きなんです。石田さんが「負けるもんか!」って意地を感じさせれば感じさせるほど見ていて熱くなる。石田さんにとってもすごく重要な見せ場になってると思うんですけど、いかがですか?
石田亜佑美:ファンの方からも「2人で踊っているところが好き」とか、たまに「絶対、石田のほうがダンス上手いよ」とか言って下さる方もいて、それがすっごい嬉しいんですよ。なので、鞘師さんと2人で踊らせて頂くときは、口では「やっぱり鞘師さんは上手いです」みたいなことは言うけど、心では「自分だって負けないぞ」って思ってるし、見えないところで練習して「鞘師さんより上手い」って言われるようになりたいとは、常に思ってます。
--だからお願いがあるんですけど、石田さんには「打倒!鞘師里保」をずっと掲げていてほしいなって。みんなが好きな石田亜佑美は……というか、一番輝いている石田亜佑美は、大人で冷静な石田亜佑美じゃなくて、いつだって負けず嫌いでガムシャラな石田亜佑美なんですよ。自分でもそう思いません?
石田亜佑美:そうですね。ファンの方とか周りのメンバーからも一時期「ギラギラしなくなった」って言われたりしたんですけど、でもそれは口に出さなくなったり、表に出さなくなっただけで、心の中では常に「負けたくない」って思ってるし、メンバーの誰にも……。私、そういう自分を見せるのも苦手なんですよね。
--メンバーの前でそういうことを言えなかったり?
石田亜佑美:はい。それもあるし、悩みとかを打ち明けるのも苦手な人なんですけど、でも心では常に「負けたくない」「何とかしたい」って思ってる。だからファンの皆さんがもし「ギラギラしなくなったな」とか「センターになるのを諦めてるのかな」みたいな風に思っているんだとしたら、それは心配しないでほしいなって思います。そんなことはない。
--モーニング娘。の更なるブレイクの鍵は、石田亜佑美の覚醒だと思ってるんです。石田さんが誰にも負けない存在感を発揮すること。それがモーニング娘。のレベルアップにそのまま直結する訳じゃないですか。
石田亜佑美:うん。なんか……ありがとうございます。私、ダンスは周りの方から認めてもらえて、それで嬉しいとは思ったんですけど、同時に「ダンスしかない娘」みたいに思われるのがすごく嫌だったんですよ。モーニング娘。は歌で何かを届けなきゃいけないのに、ダンスしかない自分は何なんだろう?って。なので、最近、特に頑張りたいのは歌だなって思っていたり。あと、今のメンバーの中で他の誰にもできないけど、自分にはできるものってラップなんですよ。
リリース情報
時空を超え 宇宙を超え/Password is 0
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- 初回限定盤A[EPCE-7039/40(CD+DVD)]
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10年後のモーニング娘。にも、今の私たちをライバルとして
--あるじゃないですか。“私だけの”。
石田亜佑美:最近のカップリング曲とかでよくラップを担当させてもらってるんですけど、ダンスをやってきていた分、リズム感があるからって抜擢してもらえたのはすごく嬉しかったし、モーニング娘。のCDでラップを入れている方がいるんですけど、その方にも「上手い」って言って頂けたので、そこは誰にも負けずに、これからも極めていきたいなって思いますね。
--モーニング娘。でラップと言えば、OGのガキさん(新垣里沙)が思い浮かぶんですけど、彼女のラップも勉強になるんじゃないですか?
石田亜佑美:勉強になります! ラップ中の動きとか。普通に歌っているなら綺麗に動けばいいんだけど、ラップのときは激しく、ちょっと男らしい動きも必要になってくるので、その点で学ばせてもらってます。私、振り付けを教えられたものを踊るのは得意だけど、フリーダンスとかすごく苦手で。自分で考えるのが苦手なんですよ。そういうときに新垣さんのマネをしてみたりしてます。新垣さんのそれはすごく格好良いんですよね。男らしくって。でもどこか綺麗で、とても惹かれます。
--つんく♂さんからはどういうアドバイスをもらうことが多いですか?
石田亜佑美:今回のツアーのリハーサル映像を観て下さったんですけど、私が「いよいよ初日始まります。緊張するけど、頑張ります」みたいなメールを送ったら、私が新垣さんのラップパートを頂いた部分があって、それについて「結構、様になってたよ」っていう風に返して頂けたんですよ。本番前だったので、そういう風に言って頂けて、本当に自信を持ってやれました。
--それ、絶対観に行きます。
石田亜佑美:お待ちしてます(笑)。あと、普段はダンスじゃなく歌についてアドバイスしてもらうことが多いです。歌への自信のなさが伝わってしまうのか分からないですけど。
--石田さんが歌にも自信を持てるようになったら、それこそモーニング娘。の曲はもっとカラフルになりますから、その期待の表れかもしれないですね。つんく♂さんの期待に応えたい気持ちは強い?
石田亜佑美:強いですね! モーニング娘。に加入したときに「歌もダンスもずば抜けていた」って言って頂いたんですけど、私は歌なんて自信なかったので、そう言って頂けたのに「申し訳ないな」っていう気持ちもどこかあったり。あとは「エンターテイナー性がどうなるか?」みたいなことも言って下さっていたんですけど、今現在“スベりキャラ”になっちゃってるから、その方向性は大丈夫なのかな?っていう(笑)。
--スベりも確立すれば、立派な芸ですから(笑)。でも石田さんの場合はパフォーマンスでのエンターテイナー性を磨けばいいんじゃないですか。笑いを取る人たちはもう結構いるので。
石田亜佑美:そうなんですよね。だから「パフォーマンスではスベらないように」っていつも思ってます。
--今まで以上に輝けそう?
石田亜佑美:どうなんでしょうね? でもあるスタッフさんから「今回のツアーで何か変われるんじゃない?」みたいなことを言って頂けたりして。あと、ダンスの先生が「石田に足りないのは女性らしさ」って具体的なことも言って下さったりしたので、そこを今回のツアーで頑張りたいと思ってます。
--パフォーマンスにおける女性らしさってどう磨けばいいんですかね?
石田亜佑美:多分、表情とか動きとか。私、ずっとチアダンスとかヒップホップとか硬い動きのダンスばかり習ってきたので、キレは自慢だけど、しなやかに動くとか苦手なんですよね。あと、表情とかもパターン化しているというか、ここではこの顔、このときはあの顔って決めちゃってるように見えるから、そこの引き出しをもっと開けて「新しい石田を見せなさい」って言ってもらえてるので、そこは常に意識していたいと思ってます。
--でも石田さんの表情に関しては、デビュー当時に比べたらかなり……
石田亜佑美:それも言われました(笑)。「昔はすごく引きつった笑顔で踊ってたのにね。でも最近は楽しいでしょ?」って。「はい」って言ったら「すごくキラキラしてる」って言って頂きました。
--そんな石田さんのパフォーマンスも楽しみなモーニング娘。'14の新曲「時空を超え 宇宙を超え」。イントロから今年最高にぶっ飛んでいて、心揺さぶられました。石田さんは聴いてどんな印象を持たれました?
石田亜佑美:本当にすごく素敵な曲だなと思って。自分たちでレコーディングする前に、つんく♂さんの声で仮歌を頂くんですけど、そのつんく♂さんの歌が最高なんですよ。正直、自分たちよりつんく♂さんが歌ってるバージョンを聴いてもらいたいぐらい(笑)、すごく素敵だったんですよ。それを聴いて本当に泣きそうになって。なので、私たちは少しでもつんく♂さんの表現力に近付けるようにたくさん練習して。また、最近のモーニング娘。にはないミディアムテンポな曲なので、ファンの方にも新鮮に感じてもらえると思うし、新たなモーニング娘。の一面が歌からもダンスからも知ってもらえる曲だと思います。
--石田さんはどの部分で泣きそうになったんですか?
石田亜佑美:つんく♂さんの歌声なんですけど、全体的に囁くような感じで歌われていたので、常に聴いていたいって思うぐらい素敵だった。あと、歌詞の中では「悔しくて泣いたっていいから」っていうところが、すごく好きで。なんとなく自分に当てはまるなって感じたんですけど、よくお母さんからも「泣きたいときは泣いていいんだよ」って言われてたんですよ。でもなかなか素直になれなくて「別に大丈夫だよ」って。ただ、今、こういう活動をしていると……なんだろう。こういう言葉がすごくグッと来ます。
--モーニング娘。の活動の中で、実際に悔しくて泣くことは多い?
石田亜佑美:うーん……体力的にじゃなくって、活動が忙しくなると精神的に疲れるときがあるんですよ。そういうときに、なんでか分かんないんですけど、涙が流れてきますね。
--あと、今回のシングル。「Password is 0」も「What is LOVE?」の進化系みたいになっていて、強烈なインパクトを与えるナンバーですよね。今これだけ格好良いダンスミュージックを打ち出せているアイドル、他にいないと思いませんか?
石田亜佑美:アイドルではいないと思います。「Password is 0」もすごく速い曲で、ジャンプしながら“0”を作ったりしている中で、それでもマイクで歌ったりしてるんですよ。ライブでは。この曲踊ってる映像を観ながら「凄いね」って自分たちでも言っちゃうぐらいなので(笑)。だからコンサートは本当に体力勝負になってくるんですけど、綺麗な“0”を作りたいし、今回のフォーメーションダンスでは、上から見たら“☆”が出来るようになってるんですよ。それは本当にちょっとでもズレたら、手を伸ばす角度が少し違うだけで何だか分からなくなっちゃうので、フォーメーションダンスのレベルもより進化させていますし、凄いことになってると思います。
--これで5作連続1位獲れたら、一番格好良いですよね。
石田亜佑美:凄いですよね。もちろん狙ってはいきたいですし、今はとにかく10人でできることをしたいです。4作連続1位というモーニング娘。史上初の記録を更新できたら嬉しい。それで10年後のモーニング娘。にも、今の私たちをライバルとして「あのときを超えたいね」って思ってもらえるようになりたいです。
--で、満を持しての紅白出場。これが決まったら完璧じゃないですか?
石田亜佑美:去年は残念ながら出場できなくて、そのときはすごく悔しい気持ちだったんですけど、今考えると、それにより、さらに向上心がアップしたなって、前向きに思える自分もいて。2013年の時点で3作連続1位を頂きましたけど、それこそ実力の部分ではまだまだでしたし。ファンの方からは「モーニング娘。格好良い」って言ってもらえてるけど、もっと広い世間的に見て、他にもたくさんのアイドルグループがいる中でどう思ってもらえるか。そこに関して完全なる自信があった訳ではなかったので、たしかにまだだったのかなって。
--冷静な分析ですね。
石田亜佑美:でも、いつになるかは分からないですけど、それでも諦めずに目指していきたい場所ではあります。
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時空を超え 宇宙を超え/Password is 0
- 2014/04/16 RELEASE
- 初回限定盤A[EPCE-7039/40(CD+DVD)]
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Interviewer:平賀哲雄
時空を超え 宇宙を超え/Password is 0
2014/04/16 RELEASE
EPCE-7047 ¥ 1,100(税込)
Disc01
- 01.時空を超え 宇宙を超え
- 02.Password is 0
- 03.Password is 0
- 04.時空を超え 宇宙を超え [Instrumental]
- 05.Password is 0 [Instrumental]
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