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モーニング娘。【BJMA2013 スペシャルパフォーマンス】インタビュー

モーニング娘。【BJMA2013 スペシャルパフォーマンス】インタビュー インタビュー

モーニング娘。プロミュージシャンとしての挑戦。

 かの坂本九「SUKIYAKI」が日本人の曲として初めて米ビルボードチャート1位に輝いた年に生まれたヒット曲の数々が、その50年後のアイドルシーン最強のパフォーマンススキルを誇るモーニング娘。によって生まれ変わる。

 今回のインタビューでは、そんな【Billboard JAPAN Music Awards 2013】で前代未聞の挑戦を実現する彼女たちが、如何にプロミュージシャンとして厳しい試練を乗り越えてきているのか。また、モーニング娘。の看板を背負いながら戦い続けなければならない、17歳と15歳と14歳がその胸にどんな想いを抱え込んでいるのか。目を潤ませながら語ってもらった。

 彼女たちが真っ当な評価を受け、その夢を叶えられるように。そんな想いも込めつつ、ここでしか読めないモーニング娘。の本質をお届けする。終盤、かなりエモーショナルです。

50年前にその曲を聴いていた方々が、私たちを観てどう思うのか

--この度は【Billboard JAPAN Music Awards】出演ありがとうございます。今回は譜久村さん、鞘師さん、小田さんに加えて、リーダーの道重さゆみさん。4人で50年前のヒット曲をカバーして頂く訳ですが……今から50年前って、もしかしたら3人の親御さんも生まれてないよね?

譜久村聖(17):生まれてない。

鞘師里保(15):生まれてないです。

小田さくら(14):お父さんはギリギリ生まれています。

--ですよね。今から50年前(1963年)の日本ってどんな国だったイメージ?

小田さくら:全然分かんない。昭和?

鞘師里保:バブル?

--バブル期ではないです。もっと前。

譜久村聖:じゃあ、ドラゴンクエストとか?

--それはバブル期(笑)。日本国産連続30分テレビアニメ第1号『鉄腕アトム』が放送されたり、江崎グリコ「プリッツ」が発売された年です。

鞘師里保:へぇー! プリッツ、先輩……

小田さくら:プリッツ、超先輩!

--あと、東京オリンピックが開催される前年なんです。1940年代~50年代、戦争に負けてボロボロになった日本が苦しい時代を超え、一気に成長していって世界から再び注目されるようになった時代。高速道路が開通したり、新幹線が走り出したりする直前、言うならば、今のモーニング娘。のような状況だったんです。

全員:おぉー!

--ちなみになんで50年前のヒット曲を歌ってもらうことになったかと言うと、アメリカのビルボードチャートで日本人が初めて1位を獲ってから、今年で50周年だからなんです。その1位を獲った曲って分かる?

譜久村聖:「上を向いて歩こう」?

小田さくら:上を向いて歩こう~♪

--正解です!

鞘師里保:外国で何て呼ばれてるんでしたっけ?

--「SUKIYAKI」です。その「SUKIYAKI」に負けじと当時ヒットしてた「サンライト・ツイスト」「私のベイビー」「悲しきカンガルー」。この3曲メドレーをモーニング娘。にカバーして頂くことになった訳ですが、もちろん知らない曲だったよね?

譜久村聖:聴いたことないはずなのに、何故か知ってる感覚だった。だからすごく憶えやすかったんですよ。今は音楽自体が難しくなってるじゃないですか。だけど、昔のアイドルってサイドステップで踊ってるイメージで、私たちはそういう感じの曲を歌うことがないので、今回歌えるのがすごく嬉しくて。50年前にその曲たちを聴いていた方々が、今回の私たちを観てどう思うのかが少し心配でもあり、楽しみでもあります。

小田さくら:私は家で練習していたときに、母が「あれ? これって聴いたことある!」って反応していて。あと「サンライト・ツイスト」は元が英語の曲で、ジャズの方の「サンライト・ツイスト」も聴いてみたんですけど、歌い方がすごく強い感じなんですよね。今の私たちはすごく激しいダンスをしながら歌っていますけど、当時は激しい曲でもまっすぐ立ったままで歌っていて。それを知れたことは今後にすごく生かせそうだなと思いました。

--鞘師さんはいかがでしたか? 先日のリハーサルでは熱唱していましたが。

鞘師里保:自分たちがモーニング娘。に入って、こんな形で歌うことができるとは思っていなかったので、すごく不思議な感覚だったし、リハーサルに入るまでどんな雰囲気になるのかな? 私たちが歌ったらどうなるのかな?って思っていたんですけど、一流のバンドメンバーがいらっしゃって、その中で歌ってみたらすごく楽しかったんですよ。自分たちで自由にリズムを取りながら歌えるっていうのは、モーニング娘。で激しく踊りながら歌うのとはまた違う楽しさを感じたので、本番が楽しみで。この貴重な経験をちゃんと自分の記憶にしっかり残しておきたいなって思ってます。

--真後ろにバンドがいる中で歌う経験自体、今まであんまりなかった?

鞘師里保:少ないですね。

譜久村聖:リズムの感じ方とか全然違うんですよね。音が激しいし、格好良くて、なんて言うんだろう? ……「今、自分たち、格好良いな!」って思っちゃう。ちょっとロック歌手になった気分。

--ただ、噂では「サンライト・ツイスト」に苦戦していたそうで?

鞘師里保:メロディーはすごく憶えやすいし、口ずさみやすかったんですけど、歌いながらピッチを取るのはすごく難しかったです。楽譜を見てみたら、すごく細かい音符の並びになっていて「やっぱりこれは難しい歌なんだ」って。私のソロのパートがあるんですけど、行によって音のキーが全然違うんですよ。最初はすごく高いのに、途中からまた低く戻ったりとか。

小田さくら:鞘師さんのソロで半音上がって転調するんですけど、その音を聴いているのに次のパートで半音下がるんですよ! 転調はモーニング娘。の楽曲でもあるんですけど、そこで半音下がる曲は初めて聴いたので「あれ?」ってなっちゃって。耳は半音上がっていたキーを聴いてたのに、その直後に半音下がったキーを歌わなきゃいけないので、上手く声が出て行かなくて。

譜久村聖:でも「サンライト・ツイスト」はちゃんと歌えるようになるとすごく楽しくて。モーニング娘。はつんく♂さんから頂いた仮歌を聴いて、つんく♂さんが歌っているようなニュアンスで歌うんです。それがモーニング娘。らしさになってるんですけど、今回はつんく♂さんの仮歌はないのに「サンライト・ツイスト」も「私のベイビー」も「悲しきカンガルー」もちゃんとモーニング娘。らしくなってて、それがすごく愛おしく感じたんです。

--先日、リハーサルの様子を外から覗いていたんですけど、この世代の女の子たちが「ビーマイビーマイベイビー♪」って歌っている姿は、とても新鮮でした。あとは、ファンはもちろん、視聴者の皆さんが「え、こんなに歌える娘たちなの?」ってなったら、モーニング娘。の勝ちかなと。

一同:(笑)

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--あと、今回のカバーって、モーニング娘。をよく知らない人にも存在を認知してもらえる良い機会だと思うんですよ。なので、その魅力を伝えていきたいなと思うんですけど、自分たちでは今のモーニング娘。ってどんなグループだなと思っていますか?

鞘師里保:モーニング娘。は今までの歴史があってこそ今があるので、みんな使命感を持ってパフォーマンスしてるなって。これまでのモーニング娘。があった上で「今のモーニング娘。をどうしていこうか?」って常に考えているところが、他のグループとは違うところ。それでみんなダンスも歌も猛勉強中というか、レベルアップしていってる最中なんですけど、9期、10期、11期が道重さんに引っ張ってもらって、頑張ってる姿を見てもらえるのも良いところだなって思います。

譜久村聖:9期、10期、11期が入る前のモーニング娘。を観ていたときに、アイドルだけどアイドルじゃない感じがしたんですよ。それがモーニング娘。の良さというか、他のアイドルと違うところなんじゃないかなって。それを観てきたからこそ、そういうモーニング娘。に近付きたいって常に思う。歴史を繋いでいかなきゃいけない使命感も強いですし、これからもモーニング娘。はどの世代の方にも愛されるグループじゃなきゃいけないって思ってます。

--モーニング娘。は、パフォーマンスが評価されています。そこに関しては、どのアイドルグループよりも上に行かなきゃいけないと思ってる?

譜久村聖:それはありますね。先輩方もずっと今のモーニング娘。を応援してくださっているので、やっぱりなぁなぁではやっていっちゃいけない。そのときそのときにできる、最高のパフォーマンスができたらなっていつも思っています。あと、とにかく今のメンバーは負けず嫌いが多いんですよ。向上心も凄いので、みんな仲は良いけど、ちゃんとライバル心も持ってる。だから他のアイドルグループに負けたくない気持ちもあるけど、その気持ちはモーニング娘。内にもちゃんとある。

鞘師里保:他のメンバーを見てて「確実に伸びてるな」って気付くと、すごく悔しい気持ちになったりします。でもそういうことを日々感じているのは、今のモーニング娘。としてのスキルが上がっていってる証拠なので。パフォーマンスを評価して頂いている以上は、そこは極め続けていきたいなって思ってます。他のアイドルグループでも「パフォーマンス、凄いな」って思う人たちがすごく増えてきているので、その中でも「やっぱりモーニング娘。だ」って思ってもらえるように頑張りたいです。

--世の中には、口パクで歌うアイドルも普通にいますし、ダンスのレベルも決してプロと言えないアイドルもいます。だけど、モーニング娘。をはじめとするハロプロのアイドルって、歌とダンスを徹底的に鍛えていくじゃないですか。あと、表情の作り方とかも含む表現力も凄いよね。これは何でだと思います?

鞘師里保:モーニング娘。は、バンドのボーカルオーディションに参加していたメンバー5人によって誕生したじゃないですか。つんく♂さんが最初からプロの人を求めていたオーディションで選ばれた5人なので、その時点でモーニング娘。のアーティストとしてのスタイルは出来上がっていたんだと思います。

--プロデューサーがバンドマンであり、ミュージシャンであるのは大きいですよね。つんく♂さんがプロとして歌っていくことの厳しさ、人前でパフォーマンスするということがどれだけ大変なことなのか、痛いほどよく知っているからこそ、求めるレベルも高くなる。

鞘師里保:ライブとかでスタッフさんや先生とダンスや歌の話をしていると、もし自分が他のグループに入っていたらこんな話はしなかっただろうなって。

譜久村聖:分かる!

--例えばどんな話をするの?

鞘師里保:歌のリズムの取り方とか。自分たちが「気持ち良く歌えたなぁ!」って思った日でも、そこにリズムがなかったりして「聴いている方は全然気持ち良くないんだよね」って言われたりするんです。それで「なるほど、そういうことか」って思ったり、モーニング娘。やハロー!プロジェクトの中にいると「私はまだまだだな」「納得いかないな」って思うことも多い。でも他のグループにいたら「自分はすごく歌が上手くて!」って思っていたかもしれないし、成長できなかったかもしれない。だから今こうして常に「進化していかなきゃ」っていうプレッシャーを感じながら活動できているのは、幸せなことだなって思ってます。

小田さくら:私が驚いたのは、スタジオでコンサートと全く同じ流れを作ってリハーサルしたりするんですけど、最後の最後になって「CDではこう録ったけど、ライブではこう歌って」ってつんく♂さんから言われたときに、CDの音源を崩してもっと良い形にすることもあるんだって知って。

--つんく♂さんは、みんなをプロミュージシャンとして見てるんだろうね。だから厳しいことも言うし、高度なリクエストも普通にしてくる。

鞘師里保:そうですね。

--つんく♂さんがミュージシャンである前にビジネスマンだったら、モーニング娘。って別もののグループになってますよね、きっと。というか、ここまで長く続いてないし、3人が憧れるようなグループにはなってなかったかもしれない。そんなモーニング娘。に入りたいと思った理由、改めてそれぞれ聞かせてもらえますか?

譜久村聖:小さいときから本当に大好きで、ハロプロキッズのオーディションで自分と同年代ぐらいの人たちが合格している姿を見てたら「自分もあそこに行けるかもしれない」と思い始めて、シングルVとか買って、1日中ずっと観ながら踊りをマネしてたんですよ。ご飯の時間とかも忘れるぐらい、それをやっているときが一番幸せで。で、ハロプロエッグに入るんですけど、そこは明日までに何曲も何十曲も踊りを覚えなきゃいけないプロの世界で、それでメンバーから外されたりしたこともあったし。だからこそすっごく練習したし、誰にも負けたくないって思うようになったし、ハロプロが自分を負けず嫌いにしてくれた。だからモーニング娘。にも受かりたいってずっと思っていて。受かってからも更に積極的になったり、今はサブリーダーとしてやらなきゃいけない課題がたくさん増えてるんですけど、かつての憧れが今は使命感に変わっていってる。昔はハロプロを観ているだけで幸せだったけど、今はハロプロを作っていきたい。そういう意思に変わってます。

--ひとつの映画にしたいぐらいの話だね。

譜久村聖:ハハハハ!

--そんな譜久村さんと同期の鞘師さんは?

鞘師里保:モーニング娘。が好きになったのは、幼稚園のお遊戯会で「Go Girl ~恋のヴィクトリー~」を踊ってからで。それから「モーニング娘。みたいに踊れて歌えて目立つ人になりたい」っていう風に憧れてダンスとかも始めるんですけど、実はまだあんまり話したことないエピソードがあって。私、そのお遊戯会、センターで踊ってたんですよ。

一同:おぉー!

鞘師里保:そのときに「私、この場所を先生に選んでもらえたってことは、もしかしたら、将来は本当にアイドルになれるかも! モーニング娘。みたいになれるかも!」って思って、そこで自信がついてダンスを習い始めるんです。真ん中で踊れたことが嬉しかったし、恥ずかしさはなくて、堂々と踊りたい!って思ったことをすごく覚えてる。

--人生初センターはすでに幼稚園のときに獲っていたという。

小田さくら:すごい!

鞘師里保:それがなかったら、モーニング娘。を観て応援しているだけで終わっていたかもしれない。

--小田さんは?

小田さくら:私は保育園に通ってたんですけど、みんながモーニング娘。のことを知ってたんですね。モーニング娘。のファイルとかウチワとかペンとか、みんな何かしら持っていて、それで「みんな持ってるよ、お母さん! なんでさくらは持ってないんだよ!」みたいな。

--(笑)

小田さくら:それが全ての始まりで、モーニング娘。に入る前はハロプロ研修生として、バックダンサーとして活動していたんです。元々歌がすっごく好きだったんですけど、ハロプロ研修生ってファンの方の前で歌える機会が年に3回しかなかったんですよ。だからハロプロ全体のコンサートとかで、先輩が前で歌っているのを見ながら「私もマイク持って歌いたいなぁ」って思っていて。なので、モーニング娘。になって一番嬉しかったことってマイクを持てたことで! あと、自分がアイドルという立場になって、アイドルが更に好きになっていって、街中に可愛い女の子が歩いてるだけでも「あ、可愛い!」って目で追っちゃったりとか、電車に可愛い女の子がいたら前に座ってみたりとか。

--それ、完全に男子だよ。

小田さくら:アハハハ! それぐらい、最近可愛い女の子が大好きで。だからハロー!プロジェクトもどんどんどんどん好きになっていくし、それがきっかけで他のアイドルグループさんとかも見るようになると「あ、自分たちとはここが違う」とか比較するようになって、そこで初めて「これはモーニング娘。にしか出来ないことだったんだ」って気付いたりして、自分はここにいれることが一番幸せなことなんだなって。

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--モーニング娘。ってクオリティが高い分、いろいろとハードルも高いと思うんですけど、不思議と「ついていけないので、辞めます」みたいな人って出てこないじゃないですか。その理由は愛だったんだなと、今の3人の話を聞いて分かりました。

譜久村聖:みんな好きなことをやっているので。ツラいこともたくさんありますし、加入当時とか「もう限界だ」って思うときもあったし(笑)、でもその分だけコンサートで歌ったときのファンの方の声援とか、応援して下さる方たちの姿を見てると、「あ、自分はここにいてよかったな」って毎回思えるんですよ。あと、自分たちもハロプロにいる中で、先輩方の歌を聴いて元気になったりすることもあるので、メンバーだけど、ファンとしての感覚もあるっていうか。

--ファンとしての感覚、特に譜久村さんは強いですよね。

譜久村聖:はい(笑)。

--あと、昔のメンバーにもよくしていた質問なんですが、どんなに苦しくても辛くても、アイドルって人前では笑顔が基本じゃないですか。本当は笑いたい気分じゃなくても、笑顔じゃなきゃいけない。その大変さを感じることってあったりします?

鞘師里保:どうしても調子悪い日とかは「歌えない」って思うぐらい、自分が嫌になっちゃうこともあって……でもそんなときにステージに立つと本当に励まされるというか、ファンの方ひとりひとりの顔を見ると、そういう気持ちになっていたのが申し訳なくて涙が出てきたりとか……………………。

(鞘師、目に涙を溜める)

鞘師里保:そういう風に感じることが、最近多くて。モーニング娘。のライブを観に来る為に休日を使ったり、もしくは仕事の日も使って(笑)モーニング娘。を観に来てくださってるのが、本当に有り難いことなんだなって思って。自分たちはコンサートツアーで30回ぐらい公演をやらせてもらって、いろんなところを回ってるんですけど、その中の1回だけを観に来てくれる人もいる訳で、その1日をずっと前から楽しみにしてくださってるんだなって思うと、やっぱりひとつひとつの公演を大切に、ひとつひとつ言うことにも歌うことにも幸せを感じたいなって。だから辛くても……………いつも励まされてます。

--今も泣きそうでしたね。

鞘師里保:すみません(笑)。

--譜久村さんはサブリーダーとして活動するようになった訳ですが、やはり変わってきた部分はありますか?

譜久村聖:サブリーダーになって一番最初のリハーサルが、夏のハロコンだったんですけど、「今、自分がやらなきゃいけないことって何だろう?」って風に考えて、若干追い込まれる感じになってしまって。道重さんと急にお話が出来なくなっちゃったりとか……

--それはなんで?

譜久村聖:分かんないです。自分から話せなくなっちゃって……。あと、自分と同じサブリーダーの飯窪春菜ちゃんを比べたりもして……「あ、はるなんはこうしてるのに、自分は今こうしてない。なんで出来ないんだろう?」って、自分を追い込んでしまって。その期間は逆にみんなに迷惑をかけてしまったんじゃないかなって思ってるんですけど。でもその中で「もっとみんなのことを知っていこう」「もっといろんなことに気付けるようにならなきゃダメだな」「こんな自分でいるのはダメだ」って思って、そんな風に悩んでる時間も勿体ないから、もっとちゃんと有効に時間を使わないとって思って、今は頑張ってる途中です。

--落ちていたモードから復活してきている?

譜久村聖:そうですね! 復活……してきてますね。落ち込んでちゃダメだなって思ったんですよ。でも急にそういうモードに入るときもあったりとか、「メンバーの前でこういう自分を見せちゃいけないな」って思うのにそういう自分がいたりとか……いろいろあるんですけど、でも自分が今やっていかなくちゃいけないのって、みんなのことをまとめることなので。道重さんはすごくいろんなことに気付いてるんですよ。それでマネージャーさんとかとお話ししている姿を見て、すっごい格好良いなって思ったので、道重さんとは気付く場所が違ってもいいから、私もとにかくいろんなことに気付いていこうと思いました。

--今度は僕が聞いてて泣きそうになりました。

譜久村聖:(笑)

--また、小田さんは、11期メンバーとして1人で入ってきて。プレッシャーとかもあるんじゃないですか?

小田さくら:初参加させて頂くコンサートツアーのときは、リハーサルとかも本当に大変で。本番前日までいっぱいいっぱいになってて、やらなきゃいけないんだけど、何からやればいいのか分からなくて。余裕がないから間違えても「今、間違えただけだから」ってスルーしちゃって、それで結局ちゃんと本番で踊れなかったりして。小さい頃からモーニング娘。に入るのが夢だったんですけど、自分にはできない。でもモーニング娘。だったらできる……みたいな感じで迷い出して、コンサート中に笑顔がなくなっちゃって、「あれ、今、なんでこうなってるんだろう?」って………なんかもうステージに立ってる意味も分かんなくなっちゃって。

--完全にテンパった状態ですね。

小田さくら:踊ってる理由も、歌ってる理由も、笑顔でいる理由も分からなくなってました。それで「これじゃダメだ」って思うんですけど、それは答えにはなってないじゃないですか。答えが分かってないのに「これじゃダメだ」っていう否定だけあっても何も解決しなくて。ただ、そんなときにメンバー個別の握手会があって、ファンの方が「大変なことがあったら、たまにはファンの前で弱いところを見せてもいいんだよ」って言って下さったんですけど、そこで私は「絶対に見せたくない!」って思って!

--おー! 逆にそう思ったんだ?

小田さくら:「絶対に見せたくない!」ってことは、これが正解なんだなって思ったんですよ。この気持ちをずっと持っていれば、モーニング娘。をやっていけるかもしれないって思って。だから今はもう本当にすごく楽しい。もちろん悔しいことも「大変だな」って思うこともあるけど、楽しいこと、自分がやりたいことをやっているからこそだと思ったら、自然と笑顔になってくるし。何をしてても、結果、恵まれてるっていうことに気付けたことが、今に繋がってるし、今後にも繋がっていくと思います。

--時間が迫ってるんで、〆に入っていきたいんですが、【Billboard JAPAN Music Awards 2013】が放送される(12/14)頃、世はすっかり年末です。モーニング娘。、どんな風に2013年を締め括れたらいいなと思っていますか?

譜久村聖:締め括り……。

--どんな1年だったなと言いたいですか?

譜久村聖:たくさん動いた。

--それは思うだろうね(笑)。

譜久村聖:いっぱい移動したなって。握手会でもコンサートツアーでも日本全国を廻り……

鞘師里保:フォーメーションダンスでもいっぱい移動したし!

--いろんな意味で動き回った1年だったと(笑)。じゃあ、その動き回った2013年を経て、来年はどんな1年にしてやりましょう?

鞘師里保:「最近、またモーニング娘。が来てる」って言ってもらう度に、私は「まだまだだぞ」って思うんです。だから2014年は「最近、またモーニング娘。が来てる」って言っていたときより全然凄いじゃん!って思ってもらえるような1年にしたいなって思うし、モーニング娘。に興味がなかったりする人にも、モーニング娘。の魅力に気付いてもらえるように頑張りたい。私たちの気持ちが届けばいいなって思います。

Music Video

モーニング娘。「The Best! ~Updated モーニング娘。~」

The Best! ~Updated モーニング娘。~

2013/09/25 RELEASE
EPCE-5993/4 ¥ 3,960(税込)

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Disc01
  1. 01.LOVEマシーン (updated)
  2. 02.I WISH (updated)
  3. 03.恋愛レボリューション21 (updated)
  4. 04.ザ☆ピ~ス! (updated)
  5. 05.そうだ!We’re ALIVE (updated)
  6. 06.THE マンパワー!!! (updated)
  7. 07.歩いてる (updated)
  8. 08.恋愛ハンター (updated)
  9. 09.One・Two・Three (updated)
  10. 10.ワクテカ Take a chance (updated)
  11. 11.Help me!! (updated)
  12. 12.ブレインストーミング (updated)
  13. 13.君さえ居れば何も要らない (updated)
  14. 14.わがまま 気のまま 愛のジョーク
  15. 15.ウルフボーイ

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