『ミュージック・ジャケット大賞2013』で大賞に

▲YouTube「Yun*chi - Reverb*」

－－今年の9月に『ミュージック・ジャケット大賞2013』の受賞結果が発表され、見事Yun*chiさんの1stアルバム『Yun*chi』が大賞に選ばれました。

Yun*chi：一昨年は桑田佳祐さん、昨年がきゃりーちゃんと選ばれている凄い賞なので、まさか選んでいただけるなんて！ 吉田ユニさんが作ってくれた凄くかわいい作品です。何より嬉しかったのは最後の選考が一般票で決まったということ。で、その投票が凄く多かったらしくて、みんなが票を入れてくれたというのが本当に嬉しかったです。

－－また、夏にはイギリスはロンドンで開催された【HYPER JAPAN 2013】に出演してライブを行いました。

Yun*chi：人生で初めての海外でもあったし、もちろん初めての海外ライブだったので1曲目は本当に緊張しました。でも、そこでロンドンのお客さんが大きな拍手で盛り上がってくださったおかげで緊張はとけていきましたね。 あと、周りのスタッフの方に言われて気付いたのですが、ロンドンが終わってからライブのときの笑顔が多くなったみたいです。楽しめるようになってきたのかもしれませんね！

－－Yun*chiさんは緊張するタイプなのでしょうか？

Yun*chi：きゃりーちゃんや中田（ヤスタカ）さんは「緊張したら損だからね」ってアドバイスしてくれるんですけど、私は緊張ばかりで（笑）。ただ、そういうときにとても大きいのがお客さんの存在で、客席から名前を呼んでいただけたりすることで緊張が楽しみに変わっていくんです。だからライブをたくさんやらせていただいているのは本当に嬉しいですね。ユンタリスタに出会えたことは、人生において本当に大きいです。

－－お客さんとの関係性が変わったと感じる部分はありますか？

Yun*chi：最初の頃はなんでかとても怖かったんですよ。人前に出て歌うことが好きだから始めたはずなのに、「何でこんなに緊張して怖く思ってしまうんだろう？」って自分でも不思議で。でも、だんだん色んな事に気付いて、今は楽しくなってきました♪

Asobisystemの仲間たち

▲YouTube「Una（ユウナ）『JUICY JUICY』MVフル」

－－所属事務所のAsobisystemでは、TEMPURA KIDZやUnaなど、後輩もデビューしてきましたね。

Yun*chi：TEMPURA KIDZはむしろ先輩なんじゃないかってくらいしっかりしていて、勉強させてもらうことが多いです。Unaとはイベントなどで一緒になることがあるし、私がやっているイベントにも来てくれたりとか、相談ごとをしてくれたりとか……。やのあんなちゃんもそうですけど、みんなから刺激を受けさせてもらってます。本当にいい事務所だと思います。

－－また、このたびリリースされた『Your song*』はYun*chiさんにとって初めてのシングルになりますが、近年のシングルはチャート上位がアイドルなどで埋め尽くされているのが現状です。そういう中でシングルをリリースする意義というのは？

Yun*chi：Yun*chiは小さい頃からシングルに対する憧れがあって、シングルを出せることへの嬉しさばかり考えてました（笑）。今回のシングルは、お客さんと一緒にライブを楽しみたくて作った3曲なんです。色々な経験をさせてもらった1年がある中で、みんなで楽しめる曲を作れたかなって思います。

Floor on the Intelligence 田中隼人との初コラボ

▲YouTube「Yun*chi - Your song* (MV Full Ver.) ＜アニメ「ログ・ホライズン」エンディングテーマ＞」

－－しかも今回のシングルタイトル曲「Your song*」は、アニメ『ログ・ホライズン』エンディングテーマに起用されています。

Yun*chi：アニメも大好きなので夢が1つ叶ったような気持ちでした！ じつは、深夜アニメを毎クールごとに全部録画して消化するのが楽しみで、その中で今期アニメのエンディングを歌えることは、人生史上とても凄いことで！

－－その「Your song*」は、インストだけでも成立するくらいゴージャスなサウンドですよね。

Yun*chi：シングルがミニアルバムやアルバムと違うのは、インストが入ることだと思うんです。「Your song*」を作るとき、みんなが歌いたくなる曲にしたいと思っていたので、インストを入れられたことでみんなが歌ってくれるかもっていう喜びや希望が持てるのも嬉しさの一つです。

それに夕方から放送されているアニメのタイアップだから、小学生や親御さんが聴いてくれますよね？ 「Your song*」はメロディがキャッチーで、リフレインがあるし、歌詞に関しても丁寧な表現を心がけたので、聴いたときに頭に残って欲しいなって思ってます。

－－同曲を手がけたFloor on the Intelligence（田中隼人）とのコラボは初めてですね。

Yun*chi：隼人さんは……、イケメンです（笑）。「Your song*」の歌詞は、アニメの登場人物 アカツキちゃんをYun*chiが全力で推したいという気持ちで書かせてもらいました。そういう無口だけどお茶目でキュートな美少女の慎ましさを出すには「歌い方1つで変わってくるよね～」と。隼人さんはそこまで一緒に考えてくれる人でした。

私はちょっとガサガサした質感の音が好きなんですけど、この「Your song*」もキラキラなサウンドの中にさりげなく懐かしさが入っていて、そのさりげなさが紳士的で、隼人さんは凄いなって！

「Your song*」はアカツキがモチーフ

▲YouTube「Yun*chi - Waon* with IroKokoro Project」

－－今、歌詞はアカツキがモチーフだと仰っていましたが、アニメ全体の世界観まで表現していると思ってました。

Yun*chi：人付き合いがちょっと苦手なシロエという主人公の男の子が、ひょんなことからアカツキちゃんという女の子と一緒に行動することになって、その二人の間に、恋とも友情ともちょっと違う感じでお互いのことが気になるような展開が待っているんです。
なので、純粋な女の子の恋を描こうと思って書きはじめ、そうしたら自分でもビックリするぐらい真っ直ぐな歌詞になりました。

－－そして2曲目の「Waon* with Irokokoro Project」はNHKワールド『J-MELO』エンディングテーマに起用されています。

Yun*chi：日本のカルチャーやファッション、音楽に興味がある世界中の女子が集まるコミュニティ“Irokokoro Project”のメンバーが一緒に歌ってくれました。みんなが録音してくれた声を集めていって、私の声と重ねたハーモニーで構成されている曲だから“Waon”という曲名にしました。

全部で27人くらいの女の子の声が重なっているんですけど、声って本当に気持ちが伝わるものだと思うんですよ。1人1人の声を聴いただけで楽しいって気持ちが伝わってくる。このプロジェクトに参加して日本語で歌うことが楽しいっていう気持ちがもの凄く伝わってきたので、私も負けないようにがんばりました！

－－日本を愛している世界中の人たちが、“アリガト”や“ダイスキ”など世界中の人にも伝わる日本語を歌う。本当に素晴らしい1曲ですよね。

Yun*chi：ミュージックビデオで使わせてもらった映像も、みんながそれぞれ撮ってきてくれたんです。歌詞の意味も考えてくれていて、身振りや手振りをしてくれているその姿にとっても感動しましたね。

今回のジャケットの秘密

▲シングル『Your song*』ジャケット

－－そして3曲目の「Fuzzy*」では、作詞作曲にNIRGILISの岩田アッチュさんが参加されています。

Yun*chi：デビュー前、少女Yun*chiはNIRGILISのライブを観に行ったりしてたのですが、歌を始めてからたまたまのご縁で、アッチュさんのイベントに呼んでいただく機会をいただいて、「何か一緒に作りたいね」って言って下さったんです。そういうきっかけがあっての今回なので思い入れが強くて、少女 Yun*chiの夢が詰まった1曲になっています。

－－また、今作もジャケットは吉田ユニさんになりますが、CDジャケットにCDが描かれた面白いアートワークになっています。

Yun*chi：Yun*chiは実際に会うと、思っていたより小柄だと言われることが多いので、そういう感じも出したいと思ってくださったのかなって。このジャケットのCDは直径が140cmくらいあるんですけど……

－－今回もCGではなく、実物を作ったんですね。

Yun*chi：ユニさんは実物で作るからビックリしてもらえて楽しいってことを大切にしているらしくて。これは実際のCDと同じ素材で出来ていて、この写りこんでるテーブルも実際にスタジオにあった机が写り込んでるんです。

－－CDという商品の価値が薄れていく現代に、握手券や特典ではなく、あくまで表現の中でどう面白がってもらえるかを突き詰めて……

Yun*chi：むむむ、私は握手したい派なんです！（笑）。今回もインストアや、みんなに楽しんでもらえるイベントを一緒に考えさせてもらったりしていて。そのワクワク感もあるんです！

Yun*chiは握手会が大好き？

－－握手会をしたいというのは面白いですね。

Yun*chi：自分の曲を聴いてくれた人たちの意見を直で聞けるんですよ!? そんなぜいたくはないですよ！ それって凄い貴重なことですよ！ 握手もしたいし、話聞きたいです。
ブログよりもTwitterの更新がついつい多くなってしまうのもそういう理由だと思うんですけど、ラジオのレギュラーをやらせていただいていたときも、お手紙にはできるだけ答えたいなって思っていました。

－－今後の活動の中で、ファンとの繋がりを強くしていきたい？

Yun*chi：できる限りそうして会えるようなことを続けていきたいと思ってますね。ミュージシャンとしてはできなくなってくるような状況が目標なのかもしれないですけど、触れ合って、生の私が考えていることを感じて欲しいと思います。だからサイン会のときは一言でも多く喋りたいなって。そういうことはこれからも続けていきたいなって思います。

－－近年のアイドルは握手以外にも色んな接触イベントを行っています。Yun*chiさんはどこまでやれそうですか？

Yun*chi：むむむー、全然関係ないかもしれないですが、私、小さい潔癖症なんですよ（笑）。プールサイドを裸足で歩くのが苦手で……

－－風呂場のタイルとタイルの間とか？

Yun*chi：そうそう！ 他人の使ったコップとか食べ物を一口もらったりとかもあんまり得意じゃなくて、たぶん弱潔癖症なんですよ。

－－それなのに握手会はOKなんですか？（笑）

Yun*chi：握手は全然平気です！ Yun*chiを好きでいてくれて、会場に足を運んでくれる事ってすごい事ですよ！こんな言い方をして良いのかわからないですが、愛おしくてたまりません！ 凄く嬉しいんです！ 聴いてくれること、好きになってくれることは凄いことだと思います。