名盤探検隊 in 新宿

Special

名盤探検隊

　4月に再始動した名盤探検隊。数々の名盤がリリースされ、2013年最新リマスター、最新書下ろしライナーノーツ、歌詞・対訳付きでスペシャルプライス1200円（税込）と、あの時買い逃していた音源がお手頃価格で手に入ると音楽好きの間で評判を集めています。そんな探検も気がつけば、もう夏も終わって10月に突入。楽しくも結構疲れてしまった探検隊の面々は少し休憩しようということで、その成果を自慢しに新宿のロック・バーに繰り出しました。夜の明かりに誘われてはしご酒が始まります。

名盤探検隊成果その1
名盤探検隊成果その2

　探検隊が一軒目に選んだのは新宿歌舞伎町にある“Crawdaddy Club”。前髪の長いお兄さんや、胸元が開き過ぎなお姉さんの甘い誘惑をかわしながら地下へ。店名の通り、70年代の王道ロックからブリティッシュ系を中心に上質な音楽を聞くことができるのだ。「やぁ、久しぶりだね。探検から戻ってきたの？」とマスターが気さくに声をかけてくれたので、探検隊も嬉しくなってその成果を自慢します。「また、珍しいの持ってきたね。流石だね。あ、これ良いね！」とマスターがピックアップしたのはクラプトンやポルバタらの若さ漲るプレイを集めた歴史的コンピ『ホワッツ・シェイキン』。カウンターに並ぶ他のお客さんにも「すごいなー。あぁこれは知らないや。」など、自分たちの成果を褒められてとっても上機嫌になりました。

『ホワッツ・シェイキン』

エリック・クラプトン＆パワーハウスの貴重なテイクをはじめ、ポール・バタフィールド・ブルース・バンド、アル・クーパー、ラヴィン・スプーンフル等、若さ漲るプレイを集めた歴史的コンピレーション・アルバム。詳細・購入はこちらから＞＞

名盤探検隊チョイス！

エクレクション
『エクレクション』

トレヴァー・ルーカスとジェリー・コンウェイが中心となり結成された女性シンガーを含む５人組フォーク・ロック・バンド、エクレクションが1968年に発表した唯一のアルバム。英国フォークの隠れた名盤。 (C)RS

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クラウディア・リニア
『クラウディア・リニア』

1970年代を代表する女性ソウル・シンガー、クラウディア・リニアが1973年に発表したアルバム。ロックとソウルの間で独自の存在を示した彼女が、チャック・レイニー、アラン・トゥーサン、スプーナー・オールダム、ジク・ケルトナーらを迎えてリリースした唯一のソロ・アルバム。世界初CD化。 (C)RS
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Crawdaddy Club

新宿区歌舞伎町2-28-15 Kビル地下1階
tel：03-5155-5253

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　ご機嫌になった探検隊は二軒目へ。降り出した雨も心地よく歌舞伎町から少し歩いて二丁目の“VELVET OVERHIGH'M d.m.x.”に到着。店に入ると、こちらでもマスターが「おや、いらっしゃい。またいっぱい名盤探してたの？」と優しく迎え入れてくれ気持ちが良くなります。長いカウンターには常連さんからそうでなさそうな人まで、お客さんがギッシリ。渋い曲からそうでもない曲まで、リクエストに応えてマスターがBGMを用意。音楽に耳を傾けているとマスターが「声が良いよね。でもセッション・マンとしての方が有名なのかな。」と、ジャクソン・ブラウンに見出されアサイラム唯一の黒人シンガー・ソングライター、スティーヴ・ファーガソンを手に取った。アサイラムなのにソウル、ジャズ系のバックメンバーが奏でる円熟の演奏とジャンルを包括するような彼の歌声と共に夜は更けてゆくのであった。

スティーヴ・ファーガソン『スティーヴ・ファーガソン』

ジャクソン・ブラウンに見出された、アサイラム・レーベル唯一の黒人シンガー・ソングライター、スティーヴ・ファーガソンが1972年にリリースした唯一のアルバム。黒人のソウルでも白人のフォーク・ロックでもない独自のサウンド・クリエイションが際立つ作品。 (C)RS 詳細・購入はこちらから＞＞

名盤探検隊チョイス！

ルーサン・フリードマン
『コンスタント・コンパニオン』

ウェスト・コースト屈指の女性シンガー・ソングライター、ルーサン・フリードマンが1969年に発表した唯一のアルバム。 (C)RS

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ザ・ベルモンツ
『シガーズ、アカペラ、キャンディー』

ニューヨーク、ブロンクス出身の３人組ヴォーカル・グループ、ザ・ベルモンツが1972年に発表したアカペラ・アルバム。ベルモンツが原点に立ち戻りブロンクス・ソウルを披露した傑作。 (C)RS
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VELVET OVERHIGH'M d.m.x.

東京都新宿区新宿2-14-13 筒井ビル1階
tel：03-5379-3220

　そして、新宿の夜の締めくくりは四谷へ。かつて花街と呼ばれた荒木町の路地にひっそりと緑色の看板が光る“TEXAS FLOOD”へ。マスターがスティーヴィー・レイ・ヴォーン好きというのが店名からうかがえるが、そればかりが流れているわけではなく、大人なロックが聴ける店だ。「おや、珍しいお客さんだ。探検隊の名盤リリース見てるよ。アレいいよね！」とマスター。どの店も優しく迎え入れてくれることが嬉しくてたまならい探検隊は、ここでも9月にリリースした成果を自慢。「また珍しいのばっかり持ってくるね。知らないのもあるし、面白いなー。」とチョイスしたのはキース・ジャレット異色の作品『レストレーション・ルーイン』。「１人でフォーク・ロックやってんだよね（笑）」とジャズを離れ、シンガー・ソングライターとして誠実に音楽に向き合う彼のミュージシャンとしての才能に酔いしれた。