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来日記念:グレアム・パーカー 特別解説 by 大貫憲章(KENROCKS)
グレアム・パーカー&ザ・ルーモアとして70年代を席巻、エルヴィス・コステロやジョー・ジャクソンらと並びパブ・ロック~パンク・シーンに絶大な影響を及ぼしたUKロックシーンの雄 グレアム・パーカーが9月にいよいよ単独来日を果たす。
ビルボードライブ東京で9月14日、15日の2日間行われるグレアム・パーカー来日公演に嬉しいサプライズが!
1980年から続く伝説的ロックイベント「LONDON NITE」で数多くのフォロワーを輩出し、音楽ファンのみならず現役ミュージシャンからも絶大な支持を誇る日本のロックDJのパイオニア 大貫憲章(KENROCKS)がこの公演(9月14日)のオープニングDJを務めるというのだ。
なんとパーカー氏と大貫氏は誕生日わずか三か月違いの同い年。英国、日本、両国のロックシーンの歴史を築き上げてきたレジェンド二人の運命的ともいえるこのコラボを記念し、大貫氏による『グレアム・パーカー特別解説』をお届け。さらに両氏によるオープンレターも!
「あのパンク前夜のイギリスの吠えるボーカリストが再び日本襲来!」
かなり大袈裟な感じですかね?自分的には素直にそう思うんですが。まぁ、そうは言ってもアレから時代は移り変わり、実際のところ、初来日から30年以上がたっています。その初来日を体験し、さらにその際にNHKでのスタジオ・ライブの収録も見学した自分には、いつまでたっても彼、そう、その名も雄々しい、グレアム・パーカー!!彼の姿は30年前のあの時のままなんですから。
ただ、現実はそうではなく、彼も自分も同じように年を重ね、今や立派な還暦過ぎの大人もいいとこ。おじいさん、と言われてもやむを得ない年齢です。しかし、奇遇ですが同い年の彼も自分も、未だに十分現役、かつ、新しいことにもチャレンジして、こうして頑張っています、彼は本国イギリスだけではなく、主にアメリカを拠点に世界中で今もその「吠えまくる野生の声」を多くのファンに届けています。
簡単に彼のプロフィールを紹介します。まず、生まれはロンドン、それも自分と同じ世代で、1950年11月生まれの寅年(イギリスに干支はないでしょうが)で、今62才。で、同じような音楽体験を重ねてます。英国ではもちろんビートルズ世代バッチリ。日本での環境とは大違いでしょうが、そのへんの音楽の世代の共通性は理解出来ます。
最初はビート・バンドに夢中になり、やがてそのルーツであるブルースやR&Bなどに興味を抱く、なんていうのはイギリスも日本もそんなに大差ないと思います。プロになることを志し、幾多のバンドで経験を積み、ついにパンク直前の75年、スティッフ・レコードのボス、デイブ・ロビンソンと出会うことで大きく運命の歯車が動きだし、正式なデビューに至ります。
ソロであった彼にバンドを与え録音させたデイブの慧眼にも脱帽。そのバンドはデイブ自身がそれまでマネージメントしていたブリンズリー・シュワーツという、いわゆる英国固有の「パブ・ロック」バンドの代表格であり、ニック・ロウの在籍していたバンドとしても広く音楽ファンに知られたものです。そこに60年代アメリカ南部のソウル・サウンドに不可欠だったメンフィス・ホーンのような感覚のホーン・セクションを加え、より生々しいブルースやレゲエがルーツになったロックを生み出すことになったんです。そのスタイルは時代は変われど少しもブレることなく、今の彼の中に生きています。
80年代以降の彼はザ・ルーモアが解散に追い込まれたこともあり、ソロで活動するようになり、またアメリカでもそこそこ成功したので、拠点をアメリカに移し、90年代から今日までいろいろな人たちとプレイしたり、ちょっぴり余裕のある彼の個性に沿った歌を歌うようになり、イメージもかなり健康的な感じで、かつての「チンピラ」風なところは微塵もなくおおらかなソウルを愛する歌手、として世界で活躍しているんです。
大貫憲章×グレアム・パーカー、二人がお互いに送ったメッセージを公開!
今度のビルボードライブ東京でのライブでDJをやらせてもらうKENSHO ONUKIという長いことロックを愛して来た人間です。
あなたとは初来日の折りに、取材したり、NHKの公開放送の現場でも会ったりしています。日本で発売されたアルバム『Heat Treatment』のスリーブノートを書かせてもらってもいます。今もそれは手元にあります。
次回東京で再会するのを心から楽しみにしています。まずは、元気に日本に来ていただけますよう、心より祈っております。では、ビルボードライブ東京でお会いしましょう。
Enjoy Rock‘n’Roll Forever!
――大貫憲章(KENROCKS)
ハロー ケンショウ!
9月に行われる来日公演にDJとして参加してくれることになって嬉しいよ!明らかに過去に接点があり、その関係が何十年後の今になっても続いてるなんて。ライブのために色々なセットリストを検討しているんだけど、俺のキャリアを網羅する内容になるよ。ソロで演奏するのにピッタリな「Fools Gold」や「White Honey」なんかの過去の名曲や、もちろん『Squeezing Out Sparks』から「Discovering Japan」もプレイする予定だ。
2ショー、まったく違うセットリストになるかもしれないし、その時の気分で内容を急遽変更するかもしれない。まだわからないな。でもこれがソロ・セットで演奏する醍醐味なんだ。ワイルドカードを使うことができるからね!じゃあライブまで元気で。
All the best,
――GP
Hello Kensho,
Thank you for being a part of the upcoming shows! We obviously have some history together and all these years later we are still going strong. I am working on various set lists for the shows, with all kinds of material from many parts of my career, making sure I include some good oldies like "Fools Gold" and "White Honey" which work well solo, and of course, "Discovering Japan" from "Squeezing Out Sparks."
I may do two completely different sets for two shows, or I may mix and match songs unexpectedly. I don't know yet. This is the freedom of the solo act: you can play the wild card! Hope all goes well between now and then.
All the best,
――GP
公演情報
グレアム・パーカー来日公演日時:2013年9月14日(土)~15日(日)
会場:ビルボードライブ東京
Opening DJ :
大貫憲章(KENROCKS) 14日1st&2ndステージ、15日2ndステージ
DR.IHARA(CLUB SKA) 15日1stステージ
※各公演開場~開演まで
More Info:Billboard Live
DJ PROFILE
■大貫憲章(KENROCKS)
言わずと知れた日本のロックDJのパイオニア。1980年にロックDJイベント「LONDON NITE」を立ち上げて以降、現在に至るまで、若者から現役ミュージシャンまで数多くのフォロワーを生み続けている、日本のロックシーンに欠かすことの出来ない最重要人物。
■DR.IHARA(CLUB SKA)
'80年代後半より自身のDJとしてのキャリアをスタート。 「LONDON NITE」「CLUB SKA」のメンバーとして Ska,Reggaeを中心にRhythm & Blues, Soul等のRoots MusicをPlayし続ける。 2008年、LONDON NITEを退いた後も、GAZ'S ROCKIN' BLUES, FUJI ROCK FESTIVAL等でのPlay~バンド「KILL DEM」結成と、 精力的に活動。自身の「REBEL ROCK」を押し進める。
ロックパラスト 1978&1980
2012/07/27 RELEASE
YMBA-10333 ¥ 3,300(税込)
Disc01
- 01.ヒート・トリートメント (1978 Live WDR Studio L-Cologne)
- 02.ホワイト・ハニー (1978 Live WDR Studio L-Cologne)
- 03.ソウル・オン・アイス (1978 Live WDR Studio L-Cologne)
- 04.あの日に帰ろう (1978 Live WDR Studio L-Cologne)
- 05.ヒート・イン・ハーレム (1978 Live WDR Studio L-Cologne)
- 06.フールズ・ゴールド (1978 Live WDR Studio L-Cologne)
- 07.ウォッチ・ザ・ムーン (1978 Live WDR Studio L-Cologne)
- 08.雷雨 (1978 Live WDR Studio L-Cologne)
- 09.スティック・トゥ・ミー (1978 Live WDR Studio L-Cologne)
- 10.おもちゃの家をぶっ壊せ (1978 Live WDR Studio L-Cologne)
- 11.主よ訊き給うな (1978 Live WDR Studio L-Cologne)
- 12.ノット・イフ・イット・プリージズ・ミー (1978 Live WDR Studio L-Cologne)
- 13.ニューヨーク・シャッフル (1978 Live WDR Studio L-Cologne)
- 14.ソウル・シューズ (1978 Live WDR Studio L-Cologne)
- 15.ホールド・バック・ザ・ナイト (1978 Live WDR Studio L-Cologne)
- 16.ステューペファクション (1980 Live Grugahalle-Essen)
- 17.ノー・ホールディング・バック (1980 Live Grugahalle-Essen)
- 18.ジョリー・ジョリー (1980 Live Grugahalle-Essen)
- 19.ラヴ・ウィズアウト・グリード (1980 Live Grugahalle-Essen)
- 20.ディスカバリング・ジャパン (1980 Live Grugahalle-Essen)
- 21.パッション (1980 Live Grugahalle-Essen)
- 22.ハウリン・ウィンド (1980 Live Grugahalle-Essen)
- 23.雷雨 (1980 Live Grugahalle-Essen)
- 24.マヌーヴァーズ (1980 Live Grugahalle-Essen)
- 25.ドント・ゲット・エキサイテッド (1980 Live Grugahalle-Essen)
- 26.ビーティング・オブ・アナザー・ハート (1980 Live Grugahalle-Essen)
- 27.エンプティ・ライヴズ (1980 Live Grugahalle-Essen)
- 28.デヴィルズ・サイドウォーク (1980 Live Grugahalle-Essen)
- 29.エンドレス・ナイト (1980 Live Grugahalle-Essen)
- 30.プロテクション (1980 Live Grugahalle-Essen)
- 31.ノーバディ・ハーツ・ユー (1980 Live Grugahalle-Essen)
- 32.主よ訊き給うな (1980 Live Grugahalle-Essen)
- 33.トライプ・フェイス・ブギー (1980 Live Grugahalle-Essen)
- 34.ソウル・シューズ (1980 Live Grugahalle-Essen)
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