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フランツ・フェルディナンド 『ライト・ソーツ、ライト・ワーズ、ライト・アクション』インタビュー

フランツ・フェルディナンド 『ライト・ソーツ、ライト・ワーズ、ライト・アクション』インタビュー

 「女の子が踊れるような音楽を作る」というスローガンでアルバム『フランツ・フェルディナンド』で2004年にデビューしてから早10年近く。特別に演奏が巧かったわけでもない、ルックスが良かったわけでもない…だけれどロックとダンス・ミュージックの垣根を超え、その中毒性のあるグル―ヴィーなロック・サウンドとアートスクール的な自由なスピリットと感覚で、ザ・ストロークスやザ・ホワイト・ストライプスなどの新世代ロック・バンドが次々と羽ばたいていった2000年代初頭のロック界に「踊れるロック」革命を起こしたフランツ・フェルディナンド。その勢いは、本国イギリス、ヨーロッパに瞬時に飛び火、当時イギリス出身のバンドにとってもっとも困難とされていたアメリカ進出もなんなりとこなし、そこで収めた成功は、のちに続くアークティック・モンキーズなど若手UKバンドの飛躍にも大きく貢献することとなった。そんな彼らが、約4年ぶりとなる4thアルバム『ライト・ソーツ、ライト・ワーズ、ライト・アクション』を引っさげカムバック!リリースに先駆け、7月中旬にフロントマンのアレックス・カプラノスとともにプロモーション来日を果たした隠れファンも多い(?)ベーシスト、ボブ・ハーディに単独インタビューを行った。

1曲、1曲ずつどのような曲にするか事前に決めてから曲作りを行った

――前作『トゥナイト』から約4年ぶりの新作『ライト・ソーツ、ライト・ワーズ、ライト・アクション』が、8月にリリースとなりますね。

ボブ・ハーディ:うん、とてもエキサイティングだよ。それにみんながアルバムを聴いてくれていた方が、ライブも盛り上がるから、はやく手に取ってもらいたいな。

――『トゥナイト』のツアーが終わってからは、どのように過ごされましたか?アレックスは、執筆や他のバンドのプロデュースを行ったりしていて、ニック・マッカーシーとポール・トムソンは他のバンドでも活動していますが、中でもボブの存在は一際ミステリアスだな、と思って。今でも絵は描くんですよね。

ボブ:(笑)。そう、家にアトリエがあるんだけど、僕が絵に取り組む時は、“無”の時間を多く要する。音楽もそうだけど、いい作品をつくるには、構想に費やす期間と実際に制作する期間と、とにかく集中できる自由な時間が沢山いる。せっかく作り始めたのに、時間の都合で制作を止めてしまうのはもったいないし。前作のツアーが終わってから、1年間ぐらい費やして何枚か絵を書いたよ。2011年の春ぐらいには、再びメンバーと会って、それからはこのアルバムを作ることに専念していたから、最近は何も描いていないな。

――そう言えば、昔ボブの家には家具がないと言っていましたが、今は?

ボブ:アハハ。確かに!今はちゃんとあるよ、イスとテーブルと…(笑)。

――では話を戻して、2011年の春ぐらいに新作の制作を始めたと言っていましたが、具体的にどのようにスタートしたのですか?まだ全員グラスゴーを拠点と…

ボブ:いや、僕とポールは、まだグラスゴーに住んでるけれど、アレックスはグラスゴーの南に住んでいて、ニックはロンドンにいる。制作プロセスをどのようにスタートさせるかは、すべてのアルバムにおいて違うんだけど…今回はデビュー・アルバムを作った時と似ているね。曲を書いて、それをリハーサル・ルームで練習して、スタジオでレコーディングする、という感じ。まず最初にどのようなアルバムにしたいかという構想をメンバー全員で練った。そこで浮かび上がったアイディアというのが、1曲、1曲ずつどのような曲にするか事前に決めてから曲作りを行うことだった。そうすると音楽と詞が同時に発展していく。たとえばアルバムに収録されている「ザ・ユニヴァース・エクスパンデッド」は、僕が持っていたアイディアにみんなでピアノで音楽と詞をつけていって、それが出来上がったら、アレックスとニックがバンドで演奏するために編曲し、スタジオで完成形となったんだ。

「Right Action」
▲ 「Right Action」 (Official Video)

――昨年出演した【SUMMER SONIC】では、既に最新作より「ライト・アクション」を演奏していましたが、新曲が出来上がってから、どれぐらいのタイミングでライブで披露するのですか?

ボブ:結構早いね。去年の夏頃に出演していたフェスでは、君が言ったように何曲か新曲を披露している。その後スコットランドやイギリスでアルバム制作を行っていた時にもいくつかの小さなクラブ・ギグをやっていて、そこではその当時作っていた曲をもう数曲セットに加えている。その曲が完成している場合もあるし、そうでない時もあるよ。スタジオでないセッティングで作ったばかりの曲を演奏してみるとまた違う風に感じる時もあるから興味深いよね。

――たとえば、その曲がまだレコーディングされていない場合、観客の反応によって内容を変えたりすることは?

ボブ:多少ね。新作に収録されている「ブリーフ・エンカウンターズ」は、何度かライブで演奏していたけれど、少しゆっくりめな曲だから、観客にとって即時性がなかった。その結果…

――テンポを速めてみた?

ボブ:そう、数倍テンポを速めて、元の曲のフィーリングと全く異なるものをスタジオでレコーディングしたんだ。でも結局はオリジナル・バージョンに戻した。気をつけなくてはいけないのが、80%古い曲、20%新曲で構成されたセットで演奏する時に、やっぱり新曲と古い曲に対しての反応は全然違うということ。観客が新しい曲に慣れるのには、ある程度の時間がかかる。僕らのライブはかなりエネルギッシュだから、急にみんなが踊るの止め、静かになると、「この曲は、いい曲なのかな?」って不安にはなるけど、みんなちゃんと曲を聴いてくれてるんだな、と思いつつ演奏しているよ。アルバムがリリースされたら、その状況は変わると願いたいけどね(笑)。

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フランツ・フェルディナンド「ライト・ソーツ、ライト・ワーズ、ライト・アクション (デラックス・エディション)」

ライト・ソーツ、ライト・ワーズ、ライト・アクション (デラックス・エディション)

2013/08/21 RELEASE
HSE-10133/4 ¥ 3,122(税込)

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Disc01
  1. 01.Right Action
  2. 02.Evil Eye
  3. 03.Love Illumination
  4. 04.Stand On The Horizon
  5. 05.Fresh Strawberries
  6. 06.Bullet
  7. 07.Treason! Animals
  8. 08.The Universe Expanded
  9. 09.Brief Encounters
  10. 10.Goodbye Lovers & Friends
  11. 11.Evil Eye (Todd Terje extended mix) (日本盤ボーナストラック)
  12. 12.Stand On The Horizon (Todd Terje extended mix) (日本盤ボーナストラック)

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