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EXHIBITION vol.1~ART of PUNK & ROCK
ポップ・ミュージックとアートの関係は昔から密接だが、とりわけ60年代以降、ロック〜パンクはファッションやアートとともにユース・カルチャーを牽引し、新たなムーヴメントを巻き起こしてきた。音楽の魅力だけでなく、ジャケットやポスターなどのアートワーク、映像、ファッションなどと融合することで様々な流行やカルチャーを生み出してきた重要な作品たちを紹介したい。
「ロック」を、「パンク」を決定づけた歴史的名盤
60年代のビートルズ×ピーター・ブレイク、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド×アンディ・ウォーホル、といった作品が代表的だが、1970年代にはジェイミー・リードがアートワークを手掛けたセックス・ピストルズのアルバム『Never Mind the Bollocks』やシングル「God Save the Queen」は、パンク・ロックのイメージを決定づけた。
『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ』
[UICY-15187/8]
アンディ・ウォーホールによるジャケット・デザインにより俗に「バナナ・アルバム」と呼ばれて親しまれるロックの面からもアートの面からも代表的な歴史的名盤。
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※ジェイミー・リード:これ以降出現する数多くのアーティストからリスペクトを受けるイギリスのアンディー・ウォホール的存在。ピストルズの仕掛人、マルコム・マクラーレンがアナキズムに傾倒していた当時の彼にピストルズのアートワークを依頼したことから始まった。カット&ペーストで描かれる手法はパンク・ロックのイメージを決定づけた。
●現代を牽引する美術作家によるアートワーク●
近年は、ジェフ・クーンズをはじめとする現代美術作家がミュージシャンからの依頼でアートワークを手掛けることも珍しくないが、村上隆とゆず、奈良美智とbloodthirsty butchersいった日本人の活躍も目立つ。
『Home [1997-2000]』
[SNCC-86911]
ゆずが2005年に初めてリリースしたベスト・アルバム。2枚同時にリリースされ、こちらは「地下街」「なにもない」「夏色」「少年」を収録。2001〜2005の楽曲を収録した『Going [2001-2005]』も村上隆がイラストを担当。
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『banging the drum』
[COCP-50847]
国内外のミュージシャンから愛される北海道出身の脅威のロック・バンドがリリースした2005年作。アルバムタイトルをそのまま表現したような一曲目はメンバー4人全員でドラムを奏でている。
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●大物が愛するグラフィティアーティスト●
00年代以降はストリート出身のグラフィティ・アーティストが手掛けたクールなアルバム・ジャケットが目立つようになって来た。美術館でのゲリラ展示やステンシルを使った政治的なグラフィティで知られるバンクシーが手掛けたブラーの『シンク・タンク』と一連のシングルのアートワークはあらゆる方面に衝撃を与えた。
また、2008年のバラク・オバマ「HOPE」ポスターで有名なオベイ・ジャイアントことシェパード・フェイリーは、レッド・ツェッペリン『マザーシップ』やスマッシング・パンプキンズ『ツァイトガイスト』を担当。また、“レディオヘッドの第6のメンバー”と呼ばれるスタンリー・ドンウッドのように、全てのアートワークをミュージシャンとのコラボレーションで生み出すアーティストもいる。
『シンク・タンク』
TOCP-54074
ギターのグレアム脱退後にリリースされた3人編成で制作された本作。進化し過ぎたそのサウンドに当時は敬遠もされたが、彼らのターニングポイントとなる重要作として位置づけされている。
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『マザーシップ』
[WPCR-14841/2]
ロック史に燦然と輝くモンスター・バンド、レッド・ツェッペリンのベスト・アルバム。ジミー・ペイジ自らによる最新リマスターは、すべての作品を聴きこんだファンをまたしても虜にしてしまった。
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※バンクシー:美術館、ギャラリーでの展示会をほとんど行わず、世界各地でゲリラ的に絵を描いている覆面ストリートアーティスト。奇想天外な方法で表現される社会風刺的作品は世界中にファンを持ち、セレブや投資家たちがこぞって買いあさる。ミュージシャンからも熱いラブコールを受けるがデヴィッド・ボウイやマッシヴ・アタックといった大物のオファーを断っている。
※シェパード・フェイリー:(オベイ・ジャイアント)イラク戦争前からアンチ・ブッシュを掲げ、オバマに共感し、彼のプロモーションポスターを制作して街中に貼るキャンペーンを展開。瞬く間にアメリカ中に貼られたポスターで全世界注目の的となった。現在はオバマの公式サイトでも採用されている。アンドレ・ザ・ジャイアントをモチーフにしたステッカーも有名。
展覧会情報
【Art of PUNK & ROCK】この度、ミュージシャン自身が制作したアート作品や、アーティスト、デザイナーが音楽にインスパイアされて生まれた刺激的な作品を展示、販売する『Art of PUNNK & ROCK』が開催。4月17日(水)〜22日(月)を『PUNK』、23日(火)〜29日(月)を『ROCK』の2会期に分け前者ではセックス・ピストルズやザ・クラッシュ、ザ・ストゥージズ、パティ・スミス、バッド・ブレインズなど、後者ではビートルズ、ローリング・ストーンズ、デヴィッド・ボウイ、レッド・ツェッペリン、ブラー、レディオヘッド、カート・コバーン、ニール・ヤング、マイケル・ジャクソン等にまつわる作品を展示・販売。見ているだけでメロディが浮かんでくるような、刺激いっぱいのアートを体感できるはず。
Vol.1 PUNK:4月17日(水)~22日(月)
Vol.2 ROCK:4月23日(火)~29日(月)
10:00~19:30 ※22日(月)のみ10:00~17:00
@Bunkamura Box Gallery
東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura 1Fメインロビーフロア
tel.03-3477-9174
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