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JUJU 『桜雨/READY FOR LOVE/S.H.E./Last Kiss』インタビュー

JUJU 『桜雨/READY FOR LOVE/S.H.E./Last Kiss』 インタビュー

 JUJU、インタビュー初登場。映画「余命1ヶ月の花嫁」主題歌『明日がくるなら JUJU with JAY'ED』が配信累計300万DLを突破、2009年年間配信チャート1位の大ヒットを記録した、新女性シンガーの代表格である。とは言え、彼女には売れない不遇の時代もあり、ヒットに恵まれるまでに壮絶な試練も経験。広く深く音楽を知り、ボーカリストとしての才能も卓越している故に「売れなくてもいい」なんて構えて、自らの可能性を潰しそうになったときもあった。

 今回のインタビューではまだ世にあまり知られていない、JUJUの歴史と人間性。また、目まぐるしく変わる音楽の聴かれ方についてやニューシングル『桜雨/READY FOR LOVE/S.H.E./Last Kiss』の制作秘話まで、“これさえ読めばJUJUのすべてが分かる!”と言ってしまいたくなるほど、彼女にガッツリ語ってもらった。

私たち子供に社交ダンスを教えるんですよ

--そもそもJUJUさんってジャズシンガーを志していたんですよね。そのキッカケって何だったんですか?

JUJU:子供の頃から周りにいる大人が全員音楽好きだったんですよ。ウチの母方の兄妹がいて、叔父ちゃんは演歌しか聴かなくて、北島三郎さんの歌が惚れ惚れするぐらい上手いんです。で、叔母ちゃんは若い頃にすっごい好きな人がいて、その人と結婚できなかったからっていうので一生独身を貫いてて、でも恋多き女で。毎晩、ウィスキーをカランコロンさせて飲みながら、私たち子供に社交ダンスを教えるんですよ。「今日はルンバ」とか「今日はチャチャ」とか言って。あと隣に座らされて、お酒を飲んでる叔母ちゃんが歌うジャズとかシャンソンを聴かされたりしてたんです。

--ほとんど映画の世界ですね。

JUJU:ウチの母とかもディスコミュージック大好きで。でもお三味線の教室とかもやってるんです。だから私の周りにはいろんな音楽があって。で、私が3,4才のときに初めてその音楽好きの大人たちの中でカラオケを歌わされるんですけど、そこで「あれ、この娘、上手いんじゃないの?」って言われて。私にはあまりにもデキる姉がいまして、それまで「お姉ちゃんはアレができるけど、この娘は駄目ね」って言われてたんです(笑)。日本舞踊とかも私は「お師匠さんが怖いから、ヤダ」って言って辞めたりとか。でもお姉ちゃんは賞を取るぐらい凄かったり。そんな中で私は「歌が上手い」と言われたことで初めてアイデンティティを手に入れたんです。

--なるほど。

JUJU:それからいろんなタイプの音楽を大人たちが私に歌わせるんですね。アバを歌わされたかと思えば、演歌を歌わされたりとか、いろんな音楽を歌っていって。その中で子供ながらに違和感を唯一歌いながら覚えたのがジャズだったんです。それで「いつかジャズが歌える大人になりたいな」と思って、ずっとジャズシンガーに憧れていたっていう。

--けれど今はジャズももちろん飲み込んでると思いますが、ジャズだけに拘ってシンガーをやられていないですよね。

JUJU:それはやっぱり今話した子供の頃の環境が大きかったと思います。日曜日の朝、私がシルエットロマンスにうっとりしている隣の家で、叔母さんが大爆音でボサノバを流していたり、車に乗ったら母親がアバしか流さないとか。そういうぐっちゃぐちゃなところから始まって、比較的早い段階で自分が聴きたい音楽を自分で選ぶようになっていったんです。それでクラシックのレコードを一番初めに買って、小学校5,6年生のときには空前のユーロビートブームが私の中であって。で、中学に入ったらディー・ライトにハマってみたりとか、ヒップホップやR&Bにハマってみたりとか。要するにずっと雑食だった。なのでずーっと底辺にジャズは流れていたんですけど、その音楽的な気の多さがそのまま今に繋がってる気がします。

--単身渡米したことも今の自分の音楽に影響を与えていますか?

JUJU:そうですね。ニューヨークに行ってからは更に雑食になりました。街中がいろんな音楽で溢れていて、道を歩いていても店ごとに聴こえてくる音楽が違うし、ラジオも1目盛りごとにジャンルが全部違ったりとか、テレビもチャンネルごとに全然聴こえてくるモノが違ったし。ライブとかも観ようと思えば何でも観れたりしましたからね。あと「私はジャズシンガーになれない」って思ったのもニューヨークに居たときで。そこでジャズをやってる人って本当に3度の飯よりジャズなんですよ。ジャズのことばっかり考えてて「私みたいなR&BもファンクもソウルっぽいのもJ-POPも歌いたい人は、ジャズシンガーって言っちゃいけないんだな」って気付いたんです。で、同時に「私はシンガーだ」って。そこからはいろんなモノを歌うのが私なんだと思うようになりました。

--2004年には日本でメジャーデビューする訳ですが、いつ頃から日本でデビューしたいという頭に切り替わっていったんでしょうか?

JUJU:デビューしたいとはずーっと思っていなかったんですよ。歌はうたいたいけど、人前に立つのが嫌だったので。矢面に立ちたくない。だから誰かのユニットで歌をうたう人の立場がいいなって。なので、歌で生計を立てたい気持ちはあっても、日本でメジャーデビューしたいとは全然思ってなくて。ヴィジョンもなく歌い続けているうちにフィーチャリングのオファーが来たりとか、いろんなオムニバスCDやサントラの楽曲制作依頼が来たりとか、そういうのが心地良かったりして。それで「こういうことが音楽で生計を立てるってことなんだ」って思っていたら、デビューの話が来た。

--どんな気持ちでそれに応えたんですか?

JUJU:デビューするのはいいけど、私はその当時から一緒に仕事をしていた“DJ HIROnycのユニットの中で歌っている人”っていう立場だったらやりたいと。でも私個人ではやりたくないと思ったから、すごく時間が掛かったんです。

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このままやり続けたとしても、よくないよね

--最終的にJUJUとしてデビューする決め手になったのは何だったの?

JUJU:そういう自分のヘタレな理由でこの話を断ったら、私はニューヨークで洋服屋のマネージャーをやっていたので、それをずっと続けていくことになる。で、50才ぐらいになって「なんであのときに「うん」って言わなかったんだろうな」って思うだろうなって。あと「この人とだったら一緒にやっていけそうな気がする」って思えたんです。それが今ディレクターをやってくれている人なんですけど。

--で、いざデビューしてみてどうだったの?

JUJU:なんだかなー!っていう日々でしたね。私、本当に人の注目を浴びることが嫌いなんで、撮影とか大っ嫌いなんですよ。ビデオにも出たくないし、ジャケット写真とかも撮りたくないし、雑誌とかもイメージ画像みたいなモノを使ってほしい(笑)。って思っていたんですけど、それは私自身がJUJUっていう人と折り合いがついていなかったというか、格好付けたい自分がいて「別に売れようと思ってやってませんし」みたいなスタンスを取ってたり、恥ずかしがっていたり、なーんか踏ん切りついてなかったからで。そんな感じだから歌が誰の心にも響かないんですよ。ましてやニューヨークで暮らしてて、一緒にやってるE-3にしてもDJ HIROnycにしても20年以上日本に帰ってない人だったから、日本のマーケットのことなんて全く分からないし。それでも「私たちが良いと思うモノでいいだろう」って思っていたんだけど、そうでもなくて。

--いきなり頭を抱えることになったと。

JUJU:全く何をしていいか分からない。全然売れもしないし、ウンともスンとも言わない。で、アマチュアだったら上手い人が偉いけど、メジャーレーベルにいる以上は結果を出さないと良くないから。だから“結果を出せない=この人たちはダメな人”みたいな感じに見られるのがすっごい嫌でした。でもそれは自分がJUJUと向き合っていなかったからだなって、今振り返ると思う。当時の曲自体は今聴いても「良い曲だな」って思ったりもするんだけど、私の心意気が足りなかった。

--僕の中ではかつてのJUJUは大人が聴く音楽だったんですよ。そして今は聴く相手を選ばない音楽へとどんどんシフトしていってる印象があって。

JUJU:最初の2作っていうのは自分やニューヨークチームがやりたいことを形にしたモノなんですね。で、結局それが売れない。ウチのレーベルって多分ソニーの中で一番バカなレーベルだと思うんですけど。本当に音楽が一番なんですよ。みんな音楽が好きでやっているから、売り上げのこととか二の次、三の次ぐらい、だったんですね。私がサインしたときとかは特に。だから常に赤字だし、でもそんなこと誰もお構いなしで、自分たちが格好良いと思うモノばっかりをやっていて。で、ウチの木村も御多分に漏れずそうだったんですよね。でもフッと気付いたときに「このままやり続けたとしても、よくないよね」ってなって。それから「もうちょっと人の心に届くモノを作るという観点で曲作りをしよう」ってことで、制作だけをする2年間に入ったんです。

--なるほど。

JUJU:でも日本からの指令が凄かったんですよ。「aikoみたいな曲を作れ」と言ったかと思ったら「ノラ・ジョーンズみたいな曲を作れ」って言って。レゲトンが流行ってたら「レゲトンを作れ」だの「ラップしろ」だの言っておいて、今度は「松田聖子みたいな曲作れ」とか「ちょっと山下達郎いってみよう」とか。「サザンみたいに日本語だけど日本語っぽくない曲作って」なんていう指令もありました。もうとにかくブンブン振り回されて。で、曲を作って送っても全くレスポンスがなかったりとか、ちょっと引っ掛かったとしても「A面としては弱いよね」「本当、B面曲作るの、得意だよね」って言われたり。

--(笑)。

JUJU:それで私たちももう疲れ果てて、ただの無駄撃ちみたいに感じてきて。ずーっとマラソン続けるのもしんどいから「本当に契約切ってくれ」って言って。会社も会社で2年間リリースがないアーティストをどうしていいか分かんないから「じゃあ、最後の最後にこの曲に賭けましょう」ってなったのが『奇跡を望むなら...』っていう曲で。

--USEN年間総合チャートで1位を獲ったりした曲ですね。

JUJU:でも『奇跡を望むなら...』ってその制作期間である2年間の最初の頃に送って、全くノーレスポンスな曲だったんですよ。だから「この曲を最後のシングルだと思って勝負してください」って言われてもこっちはテンション上がらなくって。「え~!? 1年半ぐらい放置してたじゃん、何で今更これなの?」っていう想いがあったんですけど、これが最後のシングルになるんだとしたら後悔はしたくないから、全身全霊で向き合おうと。で、その曲をリリースすることになり、初めて大阪でのライブで歌ったときに、見知らぬ女の子が「ありがとう」って言ってくれたんですよ。ラジオ局のイベントでSoweluちゃんと古内東子さんも出ていたんですけど、その頃に私を観に来たお客さんなんて本当にいなかったはずで。でも私が歌い終わって捌けようとしたら、大きな声で「JUJU、ありがとう!」って言ってくれて。あとで「ありがとうって何だろう?」ってすごく考えちゃったんですね。ニューヨークとかで歌って「良い歌だったよ。よく寝れそうな気がするわ」ぐらいのことを言われたことがあったとしても、あんな「ありがとう」を言われたことがなかったから。それで「ありがとうって素敵だな」って。自分が歌うことで誰かが「ありがとう」って言ってくれたりするんだって、目から鱗で。

--大きなターニングポイントだ?

JUJU:そんなことを思っていたら『奇跡を望むなら...』に対しての反響を目にする機会が本当に増えていって。BBSとかブログの書き込みとかで「すごく辛かったんだけど、この曲に励まされて頑張れました」とか「すっごい癒されました」っていう言葉を頂いて、歌うことの意味っていうのが私の中で180度変わったんです。私は歌うことしかできないから、もしそれで誰かの心が軽くなったりとか、励まされたりするなら「それはなんて素敵なことなんだろう」ってそのときに初めて思って。そう思っていったら良い方向にちょっとずつ状況が変わっていって、契約も切られず最初のミニアルバムが出せることになって、1stアルバムも出て、それから今に至るんですね。で、その過程の中で「私は歌うことが好きなんだな」っていう原点に帰っていったんですよ。「自分がやりたい曲を」っていうよりも歌うことの方が前に来たから、歌いたくない曲が無くなったんですよね。だから今は大人だけが聴く音楽じゃない方に行ってるんだと思う。

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ケータイ壊れて「もうあの曲聴かない」は悲しい

--JUJUさんは様々なミュージシャンとチームを組んで、それこそひとつひとつプロジェクトみたいにして楽曲を作り上げていますけど、それは今聞かせてくれた気付きがあってから?

JUJU:一番最初の頃のまんまで進んでいたらニューヨークチームとしか仕事をしなかったかも知れないんですけど、「歌が好き」っていうことに気付いたことによって「この歌をうたう為にはこの人たちと仕事をした方が広がるだろうな」っていうことを考えるようになった。あと、元々音楽的に気が多いので「この人といつか仕事したい」っていうのが心の中にいつもあって、例えばロックっぽい曲だったら「亀田誠治さんと仕事したいな」とか、そういうのがだんだん実現していった感じです。

--で、そのスタイルが最も明確な形で功を奏したのが『明日がくるなら』だったと思うんですが、あの曲は最初から、JUJU、JAY'ED、Jeff Miyahara、RYLL & coucoというチームで作っていくことを決めていたの?それとも最終的にあのメンバーになっていた感じなんでしょうか?

JUJU:最初は日野皓正さんの息子のJINOと私とJeffで作り始めたんですよ。だから一番最初に出来た曲ってあの曲と全く違うんです。それはそれは良い曲なんですけど、でも今回の曲はこのイメージじゃないなと。それで〆切まで1週間しかない中で、RYLLくんに声を掛けて。そこから全員分担作業みたいな感じになっていって、私とJeffとJAY'EDくんは詞を作りながらメロディを作る。で、RYLLくんにはトラックを頼んでいたんですけど、たまたまcoucoさんがRYLLくんのスタジオに遊びに来てて、ピアノが弾けるからっていうので弾かされて、軽く遊びに来ただけなのに朝までガン詰めされたっていう(笑)。そういう人の増え方でしたね。

--学園祭3日前みたいなノリで生まれた曲なんですね(笑)。

JUJU:本当にそんな感じです!coucoさんも「来るんじゃなかった!こんなところに。なんで来ちゃったんだろう?」って。

--でもその結果、日本レコード大賞で作曲賞を受賞したり、昨年最も着うた(R)がダウンロードされた曲になったり。やはり嬉しかったですか?

JUJU:熱出しながら、最後の最後まで頑張って作った曲だったし、何より長島千恵さんと赤須太郎さんの為に作った曲でもあったので、それがいろんな方の心に届いたっていうのはすごく嬉しかったです。

--あと『明日がくるなら』が昨年最も着うた(R)がダウンロードされた曲ということで、JUJUさんに聞きたい質問があるんです。ケータイで音楽を楽しむってJUJUさんがデビューした頃はまだそんなに浸透していなかったと思うんですが、最近ではそれがひとつのスタイルとして定着した感がありますよね。そういう今の新たな音楽の聴かれ方にはどんなことを感じたりしますか?

JUJU:私が子供の頃はレコードしかなくって、小学生高学年ぐらいからCDっていうモノが出来てきて。時代の移り変わりによって音楽の聴き方って常に変わっていくモノだとは思うんですね。それにケータイで音楽を聴くスタイルっていうのは一番身近な音楽の楽しみ方だし、もっと音楽というモノが生活に近くなるから良いと思う。ただ、やっぱり音楽っていうのは良い音で聴いてこその音楽だから「ケータイも良いけど、CDもね!」とは思います。ちゃんとしたプレイヤーとスピーカーで聴く音楽っていうのは全然違うし、ダウンロードして「ライブ観に行こう」とはなかなか思わないけど、CD買うと「ライブ観に行こう」って思ったりするじゃないですか。そういう違いはあるだろうなって。あとケータイが壊れたから「もうあの曲聴かなくなった」っていうのは悲しい。

--今、ケータイで音楽を聴かせることや、曲の一部を切り取って聴かれることに否定的な人も世の中にはいます。そういう考え方に対しては勿体無いなと思いますか、それとも気持ちは分かるって感じですか?

JUJU:否定はしないですね。どんなスタイルであっても音楽に触れたい気持ちがあるのは、素敵なことだと思うから。もちろん作った方からしてみたら、切り取ったところだけじゃなく全部聴いてほしいけど、例えば、私もバッハの曲の中で「ここ好きだな!」って思うところをリピートして聴いたりするから、それはそれでアリな気がして。とにかく使い捨てにされなきゃいいなって思います。

--個人的には、JUJUさんってケータイで聴いてもらうこと、CDで聴いてもらうこと、そのどちらとも本気で取り組んでいる印象があって、例えば今回のシングルの“4-A SIDE CD”とかもよく考えられてるなって。これって着うた(R)で1曲1曲聴いても成立するし、CDで聴けばアルバム的な楽しみ方もできるシングルだと思うんですよね。

JUJU:私じゃなく、それは多分、ウチの木村がやってるんだと思います(笑)。ウチのレーベルがだんだん大人になっていった成果。「音楽たのしい!」からちょっと「そう言えば、仕事でしたっけ?」って気付き始めて、そういういろんな聴かれ方を意識したモノを作るようになっていったんだと思います。

--では、そのニューシングルの収録曲について話を聞いていきたいんですが、1曲目の『桜雨』。まずタイトルが見事だと思いました。ありそうでなかった。

JUJU:そうなんですよね。“桜雨”って私も今回初めて聞いた言葉で、造語かと思ったらちゃんと広辞苑とかにも載っていて。桜の時期に降る雨のことを“桜雨”って言うんですよね。さすがは松尾(潔)さんと思いました。

--自身ではこの曲の仕上がりにどんな印象や感想を?

JUJU:「大好きな曲がまたひとつ増えた!」っていう感じです。切ない曲ではあるんですけど、歌ってて楽しいんです。歌ってて苦しい曲と気持ち良い曲っていうのがやっぱりあって、これは気持ち良い曲。聴くのも良いけど、歌うと更に「あ~~」って沁みてくる。あとサビの歌詞が変わっていくって久々なんですよ。意図的に「同じサビを繰り返すことが大事なんじゃないか」って思わせる曲が続いたりもしていたので、そこの変化も私の中では大きい。

--松尾潔・Jin Nakamuraコンビによるプロデュースワークにはどんなことを感じたりしましたか?

JUJU:松尾さんは前回のアルバムでも1曲ご一緒させて頂いてるんですけど、Jinさんは初めてで。一緒に仕事をしたいとはずーっと思っていたんですよね。「あの人といつか何かできたらいいな」って心の中にあったので。

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「私、ダメかも。マジで歌手向いてないかも」って

--一緒に仕事をしたかった理由って何だったんでしょう?

JUJU:山P(山下智久)の曲が好きだったんです。あとEXILEの『Ti Amo』とか『Lovers Again』を聴きながら「なんて切ない曲を書く人なんだろう?」って感じていて。私がキュンキュンするポイントを突いてくるんですよ。だから「いつか曲を書いて頂けたらな」って思っていたんです。今回ご一緒できて嬉しかったですね。

--続いて『READY FOR LOVE』、お馴染みのJeff Miyaharaさんと共作したナンバーですが、個人的にはこのコンビにおける新境地を開拓した曲だなって。

JUJU:そうです。分かって頂いてありがとうございます。とある日に「スタジオに入ろう」って言ってJeffのところに集まって、そのときは何のプランがあった訳でもないんですよ。その場で「曲作ろっか」「どんな曲作る?」って話し始めて、いろいろ探っていたんです。その中で新しいモノを作っていこうと思って。それまでJeffと作った曲が切ない曲ばっかりだったんで「アガる曲を作ろう」と。で、Bメロはどうしても、Bメロとして歌うっていうよりも、コーラスワークみたいなBメロじゃなきゃ嫌だとか、J-POPの範疇じゃないところで作っていったので、すごく楽しかったですよ。

--あと、JUJUさんってこんなに可愛らしい声も持ってるんだなって。

JUJU:失礼しました(笑)。

--ちょっとこの声はトキメきますね。

JUJU:ありがとうございます! この曲は先日初めてライブで歌ったんですけど、気持ち良かったです。「よいしょー!」みたいな気持ちになる。

--続いて、3曲目の『S.H.E.』ですが、この曲にはどんな想いを?

JUJU:女の子って仕事をするようになってから味わう挫折とか、いろんなことがある。で、女の子ってシャワーの中で泣くんですよ。でもそれはシャワーの水であって涙じゃないって思い込んだりしながら。で、すっきりして「また明日も頑張れる」みたいなところがあって、それを曲にできたらいいなと思ったんですよね。女の子は日々生きていく中で仕事とかも大変なんだけど、どんなに凹んでも「でも私、今日までやってこれたもん。だから明日からも大丈夫」って思いながら生きてる。私もそうだし。すっごい凹まされても「あーもう歌手辞めよう」と思っても辞めないし。

--ちなみにJUJUさんが「あーもう歌手辞めよう」と思う瞬間ってどんなときなんですか?

JUJU:ウチの木村にすごく叱られたときですね。

--(笑)。

JUJU:本当にぐうの音も出ない叱り方をするんですよ。別に声を荒げる訳じゃないんですけど、普通の会話の中で「こうでしょ?そうでしょ?こうで、こうで、そうでしょ?」みたいな。それに対して言い返したいんだけど、すべて「ごもっともです」って感じなので言い返せないんです。それでメッタメタにされて家に帰って「私、ダメかも。マジで歌手向いてないかも」って思うときはよくあります(笑)。そういうときに『S.H.E.』は聴いてほしい。「もうちょっと頑張ってみよう」って思えるから。

--そして4曲目『Last Kiss』。この曲聴いて思ったんですけど、JUJUさんの声って変幻自在ですよね。一瞬、BONNIE PINKのオリジナルが流れているような錯覚に陥りました。

JUJU:ハハハハハ! 元々BONNIEちゃんのこの曲がすっごい好きで。かつ私はモノマネが得意なんですよ。と言っても私のレパートリーにBONNIE PINKはないんです。でもどっかにあるんでしょうね。私の中のボニーが(笑)。ちなみにこの曲はBONNIEちゃんとカラオケに行ったときに「『Last Kiss』歌っていい?」って言って歌ったら「いいわ~」って褒めてくれて。だから「今度この曲、カバーしていい?」って本人に確認取って今回カバーすることになったんです。

--このカヴァーはBONNIEさんにはもう聴いてもらったの?

JUJU:聴いてもらいました。「送って送って」って言われて送ったら全く返事がなかったんで「やっべ!怒らしたかな?」と思って(笑)。そしたら「ネイルやりに行こう」みたいなメールが来て会ったときに「あ!そうだ!」とか言って。「ずっとメールしようと思っててしなかったんだけど、超良かったよ!」って言ってくれたんですよ。とりあえず怒ってなくてよかったなって。

--僕、この曲の大ファンなので、微妙なカヴァーだったら……って思ってたんですけど、もうJUJUさんがこの曲を愛しすぎているのをその声から感じて、心底感服いたしました。

JUJU:そう言って頂けて良かったです。亀田誠治さんもすごくこの曲が好きらしく、前に【ap bank fes】でBONNIEちゃんを迎えることになっていたんですけど、結局雨で中止になっちゃったんですよ。だからリハーサルまではやったのにこの曲を1回も本番で出来てないからっていうので、亀田さんも「今回、この曲が出来て嬉しいな」って言って下さって。

--さて、そんな聴き応え十分の今作が2010年最初のリリース作品になる訳ですが、今年はどんな1年にしてやろうと企てていたりしますか?

JUJU:10月10日を2年前から“JUJUの日”に認定して頂いてまして、記念日協会に。それで今年は2010年10月10日、10が3つ並ぶのって生きている中で最初で最後だから、そのスペシャルな日をますますスペシャルにするべく、今までやったことのないことをたくさんやったりとか、行ったことがないところでライブをしたりとか、私の心にも人の心にも残ることがひとつでも多く出来たらなって思ってます。もちろんアルバムが出たりもするし、ツアーもあったりするし、夏が来たら夏フェスもあるだろうし、いろんなことをしていく中でひとつひとつ、もう木村に怒られないように……(笑)。怒られたときに逆ギレするぐらい、自分に悔いがない1年にしたい。反論できない理由を無くす1年にしたい。なのでこのシングルのリリース後も頑張っていきます!

JUJU「桜雨/READY FOR LOVE/S.H.E./Last Kiss」

桜雨/READY FOR LOVE/S.H.E./Last Kiss

2010/02/24 RELEASE
AICL-2082 ¥ 1,282(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.桜雨
  2. 02.READY FOR LOVE
  3. 03.S.H.E.
  4. 04.Last Kiss
  5. 05.桜雨 -instrumental-

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PLAYBACK
JUJU「PLAYBACK」

2015/07/08

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ラストシーン
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2014/09/17

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DOOR
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2014/03/05

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GIFT
JUJU「GIFT」

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2012/08/01

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ただいま
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2012/06/13

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2012/01/25

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JAY’ED × JUJU「永遠はただの一秒から」

2011/10/19

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2011/10/19

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