Special
Silent Siren 『Start→』インタビュー
読者モデル4人組ガールズバンド Silent Siren(通称:サイサイ)、結成のキッカケは10-FEET!? 影響を受けたバンドはACIDMAN!?
「ガールズバンドのトップに立ちたい」――。
今回、彼女たちのことをより多くのロックファンに知ってもらうため、メンバーそれぞれに“好きなバンドの曲”を幾つかピックアップしてもらい、その楽曲への想い、バンドとしてどうなっていきたいのか、アンチに対してなど、様々なことを語ってもらった。
※以下 インタビューの際に名前が出てきたバンド。
WHERE'S ANDY、SCANDAL、10-FEET、KEYTALK、[Champagne]、B'z、ACIDMAN etc...
SCANDALに対して、サイサイ結成のキッカケは10-FEET
--すぅさんは“好きなバンドの曲”として、3ピースガールズバンド WHERE'S ANDY(ウェアーズアンディ)の「ロミオ」を挙げていましたけど、何故この曲を選んだのでしょう?
すぅ(vo,g):3ピースだけどサウンドはしっかりしていて、そのうえ曲もキャッチーで可愛らしいんですよね。顔はあまり出していないんですけど、楽曲がすごくカッコイイからちゃんと固定ファンもついているし、今注目のバンドです。
--サイサイと同じ2010年に結成されたようですね。しかも同じガールズバンドですし、言ってしまえばライバルでもあるわけですけど、こういう他のガールズバンドに対して羨ましいと思うこともあります?
すぅ:かっこいいと思うことは多いけど、羨ましいという気持ちはあまりないですね。
--ひなんちゅさんは雑誌で対談するほど、SCANDALのRINA(dr)さんと仲が良かったりしますけど…
ひなんちゅ(dr):すごいなと思ったり、刺激をもらうことはたくさんあります。私たちも最近忙しくなってきていますけど、彼女たちはその何倍も忙しいし、年間100本以上ライブをやっているし、海外にもファンがいるので。だけど、羨ましいという感情はないですね。“私たちもあそこまでいきたい”“ガールズバンドのトップに立ちたい”という想いはありますけど。次の世代に繋げられるようなバンドになりたいし、バンドとして認められたいです。
--また、すぅさんはASIAN KUNG-FU GENERATIONやONE OK ROCKなども好きだと聞きました。あと、サイサイを結成するきっかけは10-FEETだったようですね。
すぅ:ひなんちゅと初めて雑誌の撮影が一緒になったとき、現場のスタジオで10-FEETの「RIVER」が流れてきて、それに反応したのが、すぅとひなんちゅだけだったんです。それを機に話をするようになって、お互いバンド経験者だったことや音楽の趣味が合うことを知って、じゃあバンドをやろうかってことになり、メンバーを集めたんです。
「読モだけやっていればいいのに」というアンチに対して
--ちなみに、読者モデルとバンドの両立って大変ではないですか?
ひなんちゅ:よく訊かれる質問なんですけど、本当にないなって思います。逆に何が大変そうですか?
--単純に忙しそうだなぁと。
ゆかるん(key):時間帯が違うんですよね。午前中に撮影があって、夕方からバンド練習をするパターンが多いので、わりと両立できるというか。どちらも自分たちが好きでやっていることなので苦にならないですね。すごく楽しいです。
--ただ、読者モデルがバンドをやっていることに対して、偏見を持たれる方も少なくないと思います。
ひなんちゅ:そうですね、特に結成当時はアンチが多かったです。
すぅ:「読モだけやっていればいいのに」って言われたりとか…
あいにゃん(b):「遊びでやってるんじゃないの?」「本当は演奏していないんじゃないの?」とか、色々言われていましたね。
ひなんちゅ:そもそも、興味を持ってくれる人があまりいなかったです。前に一度、無料ライブを行う際に原宿でビラ配りをやったことがあったんですけど、声を掛けてくれる人がいても、その人がライブに来てくれるかといったらそうではなくて。Twitterとかで「ファンです」って言ってくれる人がいても、サイサイのライブにまでは来て頂けなかったり…。バンドとして見てもらえないことが悔しかったです。どうやったらライブに来てくれるんだろう? CDを買ってくれるんだろう?って、そこから色々と考えるようになりましたね。
あいにゃん:バンドに対して真剣だって分かってもらいたいから、そのためにはもっと練習が必要だよね。
ひなんちゅ:うん、アンチを蹴散らすためとかではなくて、認めてもらいたいから練習する。
リリース情報
Start→
- 2013/04/10 RELEASE
- 初回限定盤[MUCD-8038/9(CD+DVD)]
- 定価:¥3,500(tax in.)
- ≪試聴可能≫
- 詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤の詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:武川春奈|Photo:佐藤恵
撮影協力:新星堂サンシャインシティアルパ店
“大人たちを見返したいという想いが強かった”
あいにゃん:ただ、自分で意識しすぎていたのかもしれないなとも思います。偏見を持たれているんじゃないかな?って。今はそういう気持ちは全くないですけど。
ひなんちゅ:今はないよね、本当に。むしろ、そういう想いをしてよかったと思う。
すぅ:強くなったよね!
ひなんちゅ:“悔しいからやってやろうぜ”っていう気持ちがあったから、続けることができたんだと思います。“別にいいじゃん”って思うようなメンバーだったら、結束力もなかっただろうし。
すぅ:大人たちを見返したいという想いが強かったです。「バンドとしてまだまだだ」というようなことを言われたこともあって、悔しいけど確かにそうだなと思ったし、もっと練習すれば更に自分たちのやりたい音楽を追究できるなとも思ったから。そういう当時の悔しい想いは、アルバム『Start→』の収録曲「URARA」などにも詰め込んでありますね。
ひなんちゅ:なんか懐かしい。こういう話をすると、初めてライブをやった原宿アストロホールを思い出します。読者モデルのイベントだったんですけど、他の出演者たちの影響もあって超満員だったんですよ。で、初ライブにして300人の集客があったから、私たちは調子にのってしまって。ライブをやったら結構お客さんは集まるものだと勘違いしちゃったんです。でも、次にライブをやったときは、気まずいくらいお客さんがいなくて。
あいにゃん:イベントだったんですけど、私たちを見に来たお客さんは2~3人くらいで。みんな棒立ちで見ていて。でも、やっている私たちも棒立ちだったよね?
ひなんちゅ:うん。だから、私たちが悪いんだと思って、みんなで他のバンドのDVDを観て勉強したりしましたね。そこから自分たちで試行錯誤するようになった気がします。
--そうした道のりを経てメジャー1stアルバム『Start→』をリリースしたというのは、感慨深いものがありますね。
あいにゃん:そうですね。最初は事務所にも入っていなかったし、入ることすら怖くて抵抗していたもんね。
ひなんちゅ:大人たちに囲まれてお金ももらえなくて、みたいなイメージを勝手に持っていたからね(笑)。でも、信頼できるマネージャーさんやメンバーがいたから、嫌なことも乗り越えることができた。例えバンドが売れなくても、このメンバーとは一緒にいると思います。
アイドルに対して“ずるいな!”
--また、ゆかるんさんは“好きなバンドの曲”としてKEYTALKの「太陽系リフレイン」を挙げていました。
ゆかるん:KEYTALKはすぅに教えてもらって好きになりました。私はJ-POPやアイドルばかりを聴いていたので、バンドの曲はサイサイに入ってから聴くようになったんです。 サイサイのライブを観に行って、初めて“バンドっていいな!”と思ったので(※ゆかるんは2012年に新メンバーとして加入)、バンドに詳しくない人でもサイサイの曲は聴きやすいと思うし、私がサイサイの一員として音楽を発信できていることが本当に嬉しいです。
--KEYTALKのギター小野武正さんも、ゆかるんさんと同じももいろクローバーZのファンらしいですね。
ゆかるん:へー! 初めて知りました! 私もももクロ大好きだから嬉しいです!
--ちなみに、ももクロではどの曲が好きなんですか?
ゆかるん:えー! めちゃくちゃ悩みます! 悩むけど………バラードだと「キミノアト」で、明るい系だと「ワニとシャンプー」ですかね。「ワニとシャンプー」はももクロを好きになったキッカケの曲でもあるので。
--ゆかるんさん以外はあまりアイドルは聴かない?
あいにゃん:ももクロのライブ、行きましたよ。バンドだけじゃなくて、いいと思ったものは全て吸収したいです。
ひなんちゅ:私は一昨日、ぱすぽ☆のライブに行きました。ぱすぽ☆はアイドルだけどバックバンドがいて、もう…ずるいな!って思いますね(笑)。アイドルなのにかっこいいし、ロックなのにポップだし。私たちも色々な要素を取り入れて、エンターテインメント性に富んだバンドにならないと駄目だなって思います。
リリース情報
Start→
- 2013/04/10 RELEASE
- 初回限定盤[MUCD-8038/9(CD+DVD)]
- 定価:¥3,500(tax in.)
- ≪試聴可能≫
- 詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤の詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:武川春奈|Photo:佐藤恵
撮影協力:新星堂サンシャインシティアルパ店
ACIDMANを聴いて“バンドっていいな”と思った
▲[Champagne] / waitress,waitress!
--ひなんちゅさんは“好きなバンドの曲”として[Champagne]の「waitress,waitress!」を選んでいましたね。
ひなんちゅ:この曲はドラムがすごく好きで、型にハマっていない感じがかっこいいなと思って。新曲「Forever Young」(4月3日リリース)も今日買いましたけど、今までとは違ってストレートな青臭い感じの曲になっていて、あれもかっこいいですよね。
--あと、B'zも好きらしいですね。
ひなんちゅ:そうなんです! B'z、大好きなんです! CDもDVDも全部持ってます! 元々お父さんが好きで、小学4年生のときに初めてライブに連れて行ってもらってから大好きになりました。あと、私は海外で育った影響もあって、オアシスとか、ベーシックな洋楽をずっと聴いていましたね。
--そして、あいにゃんさんはACIDMAN「造花が笑う」を選んでいますけど、皆さんそれぞれサイサイのイメージとは異なる楽曲を挙げていて少し意外でした。
あいにゃん:「造花が笑う」は、“バンドっていいな”って思うようになったキッカケの曲なんです。高校生のときに兄がやっていたバンドのライブを観に行って、そのときにこの曲をコピーしていたんですけど、ベースラインもすごくかっこいいなと思って。それからACIDMANを聴くようになりました。
“汗くさいような対バンだったりフェスに出たい”
▲Silent Siren / 1stアルバム『Start→』試聴
--アルバム『Start→』についても話を伺いたいのですが、タイトルにはどのような想いを込めたのでしょう?
すぅ:このアルバムで色々なサイサイを知ってもらって、ここからスタートして、もう後ろには戻らないぞという意味を込めました。だから“Start”に加えて“→”を付けてみたり。
--本作の最後には、すぅさん作詞作曲による弾き語り曲「甘草」が収録されていたりと、本当に多彩な作品に仕上がりましたね。
すぅ:2年前に震災があったとき、私の地元・福島も大きな被害を受けましたけど、私はそのとき東京にいて何もできなかったんです。TVからの情報も何が本当なのか分からないし、親戚や友達ともあまり連絡が取れなかったし、そういう大変な状況を私はただ見ることしかできなくて。応援ソングを作ろうとしたけど、作れなくて。だけど自分が今思っていることは形に残しておきたくて、この曲を作ったんです。 もともと表に出すつもりはなかったんですけど、メンバーに聴かせたときに「いいね」「今回のアルバムに入れよう」って言ってくれて。自分の信じたメンバーが、自信を持ってアルバムに入れようって言ってくれたことが、私にとってはすごく嬉しかったんです。
--では最後に、今後バンドとしてどうなっていきたいですか?
ひなんちゅ:もっと色々なバンドの方と仲良くなりたいし、対バンをしたい。あと、一番はフェスに出たいです。
すぅ:うん、汗くさいような対バンだったり、フェスに出たいよね。
ひなんちゅ:この前、THE NOVEMBERSとDIRTY OLD MENと一緒のイベントに出演させて頂いたときもテンション上がりましたもん。私たちは実力的にもまだまだですけど、そういうバンドの方と同じステージに立つと気持ちがシュっとなる。
ゆかるん:私たちのことを読者モデルとして知って下さっている人の方が多いと思うんですけど、もっとSilent Sirenとして知名度を上げていきたいですね。
リリース情報
Start→
- 2013/04/10 RELEASE
- 初回限定盤[MUCD-8038/9(CD+DVD)]
- 定価:¥3,500(tax in.)
- ≪試聴可能≫
- 詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤の詳細・購入はこちらから>>
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Interviewer:武川春奈|Photo:佐藤恵
撮影協力:新星堂サンシャインシティアルパ店
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