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<インタビュー>“声”に救われ “声”で恩返しするSoala、ファンの声を背に新章へ

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Text & Interview: 坂井彩花
Photos: 久保寺美羽

 シンガーソングライター、Soalaの新曲「声の軌跡」がリリースされた。テレビアニメ『真夜中ハートチューン』のエンディング主題歌をつとめる本曲は、様々な“声”に救われ、様々な“声”に寄り添ってきたSoalaが、主人公・山吹有栖の視点に立って書き下ろした楽曲だ。「音楽で誰かの心を救いたい」という思いのもと、リスナーひとりひとりにその声を届けつづけているSoalaは、着々とファンを増やしている。2026年を“第3章” と話すSoalaに本曲に込めた思いや昨年の活動、そして3月に控える過去最大規模のワンマンライブへの意気込みを語ってもらった。

──Soalaさんにとって、2025年はどのような年でしたか?

Soala:「本当に駆け抜けたな」と思う一方で、自分の限界を考えた時期でもありました。レコーディングがすごく重なっていた6月後半に、上咽頭の腫れに気づきまして。いざ病院へ行ってみると、お医者さんに「こんなになるまで、よくいられたね」といわれるほど炎症していたんですよ。しかも、ちゃんと治療を続けたとしても、2年で治るかどうかわからない。本気で「音楽を続けられなくなるかもしれない」と思いました。そんな状況で開催した【Soala ONE MAN LIVE 2025 ~To my 17~】では、やはり声が枯れながらの歌唱になってしまって。いくら「ずっと歌い続けたい」と思っていても、どうにもならないこともあると身に染みましたし、より歌えることへの感謝が増しました。結果として、本格的にボイストレーニングの先生にもお世話になったりと、自分自身を見つめ直した1年でしたね。

──【Soala ONE MAN LIVE 2025 ~To my 17~】は、大変な状況下で行われたとのことですが、どのようなライブになりましたか?

Soala:「真っ白だった自分にみんなが色を付けてくれたから、今のSoalaがいるんだよ」とみんなに伝えられたのと同時に、自分の覚悟が一区切りしたライブでもありました。実をいうと、愛知県から上京してきた17歳の頃の記憶が鮮明に焼き付いていて、東京という街への怖さや不信感がずっと拭えずにいたんです。でも、逃げたかった東京の地にワンマンライブで帰ってきて、私のファンの皆様だけで埋まっている会場を目にしたとき、「私の音楽を、私のことを待っていてくれる方が、こんなにもいるんだ」と実感して安心することができました。【~To my 17~】があったから、東京に行くことが怖くなくなったんです。感情も一気に前向きになりましたし、「うじうじしてちゃダメだ!」と覚悟も決まりました。

──では、【~To my 17~』と連なっている【Soala ONE MAN LIVE TOUR 2025 〜Color Sprinkles〜】は、どのようなライブになりましたか?

Soala:7大都市をまわるのが初めてだったので、「来てくれる人はいるのかな?」「そもそもSoalaを知ってくれている子がいるのか?」という不安が大きかったんですけど、蓋を開けてみたらたくさんの方が会いに来てくれて。「私の音楽を求めてくれている子が、こんなにもたくさんいるんだ」って、すごく実感できたライブでしたし、「もっともっとSoalaのことを知ってもらって、みんなとこの空間を共有したい」という思いも強くなりました。7大都市を駆け抜けられたので、もっともっとたくさんの方に会いに行きたいですね。

──Soalaさんにとって2025年は、“Soalaというアーティスト像”が掴めた年になっていそうですね。

Soala:本当にそう思います! 活動を始めたばかりの頃は「私って何を求められているんだろう?」とか「本当にやりたいことってなんだろう?」と考えて、方向性がグラグラすることもありました。でも今は、カッコイイ曲も可愛い曲も、それこそバラードもたくさんの方に聴いていただけて「私って捉われなくていいんだな」と思えてる。それに、好きだけど勝手に苦手意識を持っていたダンスともちゃんと向き合って、ライブステージを作り上げることにも挑戦できました。たくさんの人の支えがあって、自分のやりたいステージや届けたいメッセージをちゃんと伝えられたことが2025年は多かったので、2026年のSoalaはさらに羽ばたいていけると思います。

──「声の軌跡」は、どのような楽曲になっていますか?

Soala:テレビアニメ『真夜中ハートチューン』のエンディング主題歌として、「本当に愛した人の声を探し続ける」をテーマに書き下ろした1曲です。原作を読んで、主人公の山吹有栖の視点に立って、愛する人へ手紙を書くような気持ちで描いていきました。山吹君がラジオ配信者のアポロに救われてきたように、私自身もいろんな声に救われてきていますし、きっとみんなにも救われた声があると思う。アニメに寄り添うのはもちろん、その思いにもリンクするような歌詞を意識しました。それぞれの中にある大切な声にも寄り添える、温かな楽曲になったんじゃないかなと思います。

──主語が「私」になっていたので、誰視点なんだろうと思っていたんですが、主人公だったんですね。

Soala:そうなんです。タイアップをいただいた当時は、誰かの目線で書くのがすごく好きで。主語を「僕」ではなく「私」にしたのは、『真夜中ハートチューン』に寄りすぎないようにしたかったからでもあります。作品に寄り添いつつも、歌っているのはSoalaなので。アニメ以外から「声の軌跡」に出会ったくださった方にも、印象深くなるように意識したポイントです。

──いつ頃に制作されたんですか?

Soala:実を言うと、曲を作っていたのは1年前なんですよ。なんばHatchでライブをした頃(2025年1月25日)かな。これまでストックとかもあまり作っていなくて、作ったらリリースするという感じだったから、1年前から温めてきた楽曲をこうして時間をあけて届けるのは初めての経験です。不思議な感覚がありながらも、ようやくたくさんの人に聴いていただけるので、めちゃくちゃ嬉しいです。

──『真夜中ハートチューン』にとって、大切なキーワードである〈愛してる〉を、伸びやかに歌い上げるアプローチにしたのは、なぜでしょうか?

Soala:山吹君がアポロの目を見て「愛してる」って言えたときのことを想像しちゃって。ずっとラジオを通して伝えてきた思いを、面と向かって伝えられるときが来たら、山吹君だったら力強く抱きしめると思ったんです。私の勝手な妄想なんですけどね(笑)。だって、山吹君はいつだって自信に溢れているから。そのイメージを受けて、力強い〈愛してる〉が生まれたんだと思います。


──「声の軌跡」は、昨年行われた【Soala FANMEETING Christmas party】で、すでに披露されたそうですね。

Soala:しました! 初めてのファンミーティングだったので、過去のステージセットを組んだり、思い出が蘇るような演出にしたり、ゲームをやってみたり、いろいろと用意したんですけど、「『声の軌跡』を初披露します」と伝えたときの歓声が一番大きくて。「登場のときも、それくらい声出してよ~!」って思うくらいでした(笑)。それほどまでに、みんながSoalaの音楽を求めてくれていることが伝わってきて、すごく嬉しかったですね。正直なところ、歌ったこともなければ歌詞も世に出ていないリリース前の曲なので、どんな反応をしてくれるのか不思議だったんです。でも、涙してくれる子や「衝撃がすごかった」と言ってくれる子がいました。伝わったことがすごく嬉しかったですし、「ステージで音楽を届ける理由がある」と強く感じました。「声の軌跡」を世界中の方に届けられる未来が、より楽しみになった初披露でしたね。

──ちなみに、Soalaさんなりの“タイアップの流儀”ってありますか?

Soala:タイアップする作品にリスペクトを持って寄り添うこと。アニメやマンガに出てくる誰かの気持ちになって、歌詞を書くのがすごく好きなんですよね。タイアップ曲での作品と自分の比率は9:1くらいかな。作品と音楽が重なったとき、世界観に浸ってもらえる曲になるように意識しながらも、Soalaとして現実世界での思いや願いも込めています。

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初心を忘れず、常に新しいSoalaを更新していきます

──3月には【Soala ONE MAN LIVE 2026 〜Aile〜】も予定されていますよね。タイトルには、どのような思いが込められているのでしょうか?

Soala:“翼”や“羽ばたく”といった意味を持つフランス語の“Aile(エール)”と、“応援”を意味する英語の“Yell(エール)”を掛け合わせた、ダブルミーニングになっていまして。2025年からずっと言っている「2026年は羽ばたく年にする」を実現すべく、さらにワンランク上へ羽ばたけるようなステージするのはもちろん、私の芯にある「Soalaの音楽で誰かの心を救いたい」っていう気持ちをみんなに届けたいという思いを込めました。

──開催地となるZeppは、2024年頃のインタビューで目標とする場所のひとつとして、掲げていた会場ですよね。

Soala:そうです~! 「絶対にいつか立ちたい」と思いながら活動してきました。私にとってZeppは、高校生のときにバックダンサーとして立たせてもらった、恩師との約束の場所なんです。個人的な感慨深さもありますし、アーティストとして一歩成長できる公演になるんじゃないかなって思っています。23歳になってから一発目のライブでもありますしね。間違いなく自分にとって大切な日になるので、ちゃんと決意を出せる日にできたらいいな。

──すでに準備は始まっていますか?

Soala:少しずつ詳細が決まってきていますね。でも、追いつかないところもたくさんあって。私の責任でもあるんですが、ステージが完成するのが、いつもギリギリなんですよ(笑)。とはいえ、Zepp DiverCity(TOKYO)では格段に違うSoalaを見せられると思うので、パフォーマンススキルもステージも期待してほしいです。

──フライヤーで着用している衣装にも意味があるんですか?

Soala:羽ばたく羽って、白のイメージじゃないですか。それに、純真無垢にパーカーを着ていた子どもっぽいSoalaが、がっつり大人になってアーティストとして確立したことも伝えたかった。だから今回は、ドレッシーなスペシャル衣装をゼロから作っていただきました。

──お話を聞いていると、アーティストとしてイメージを更新された印象もあります。かつて、大阪に拠点を移したタイミングを「Soala第2章」と称していましたが、現在は第何章を歩んでいる感覚ですか?

Soala:今年は第3章じゃないですかね。今も大阪に住んでいるんですけど、2026年は何かが変わる気がしていて。ワンランク上に行けるんじゃないかなって、この年始から思っています。確定じゃないけど、そうなっていくと信じています。

──第3章のテーマは、何になりそうですか?

Soala:難しいですね(笑)。でも、第1章も第2章も第3章も、テーマは変わらない気がします。ずっと私の芯にある「居場所を作りたい。自分の音楽で誰かを救いたい」という思い。これをテーマに持ち続けているからこそ、今の自分がいるんじゃないかな。ステージが大きくなっていくたびに、昔から応援してくれている子は、どこか寂しい思いをすることが絶対にあると思うんです。だけど、音楽もSoalaも味方だって忘れないでほしい。「遠い存在になっちゃう」とか「自分のことを忘れちゃうんじゃないか」って、絶対に思ってほしくないんです。みんなと一緒に成長するために、私も自分の芯をぶらさずに進んでいくので。ちゃんと地に足をつけて、初心を忘れず、常に新しいSoalaを更新していきます。

──では最後に。2026年は、どのような年にしていきたいですか?

Soala:2026年のSoalaは……というか、これから先のSoalaは、とんでもなくなるよ(笑)。まだ情報解禁前なので言えないんですけど、本当にいろんなことが決まってきていて。新しい年が始まる前から予定が決まっているのは、すごくありがたいし、嬉しいですね。もっともっとみんなの自慢になるような、「応援していてよかった」と思ってもらえるアーティストになりたい。過去の自分を受け入れて進んでいくSoalaは、スーパーパワーアップしていると思うので、大期待していてほしいです。まずは、【〜Aile〜】を通して羽ばたくSoalaを、ぜひ見届けにきてください。これからもSoalaの音楽が未来に続いていけるように、今年1年も頑張っていきます。

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