Special
<インタビュー>WOOYOUNG (From 2PM) 日本ソロデビュー10年の音楽旅路が育てた今の自分と未来への一歩

Text & Interview: 小松香里
Photos: Yuma Totsuka
2PMのメンバーとして活躍するWOOYOUNGが日本ソロデビュー10周年を迎え、初のベストアルバム『3650.zip』(読み:さんろくごーぜろじっぷ)をリリースした。自ら作詞作曲を手掛け、その時々のモードや意志をビビッドに反映してきたジャンルレスな楽曲群が並び、後輩であるGOT7に提供したアッパーでライブ映えする「Yo モリアガッテ Yo」のセルフカバーも収められている。1曲目に収められた新曲「Reason」はモダンなR&B/ポップスで、長きにわたる「君」に対する感謝と愛をまっすぐに伝えるラブソングであり、WOOYOUNGのファンへの深い愛が窺える。ベストアルバムのことやファンや2PMへの思いといった、さまざまなことを聞いた。
──ベストアルバムの選曲にはどんな思いがありますか?
WOOYOUNG:今までのリード曲を中心に、ファンの皆さんがより好きになってくれた曲を選曲しました。ライブであまり披露していない曲も入れようと、いろいろと考えたんですが、ファンの方と思い出をたくさん共有している曲を優先することで、より多くの皆さんに楽しんでもらえるのではないかという結論に辿り着きました。

──新曲の「Reason」はモダンなR&Bテイストのポップスという印象がありました。サウンド面はどんなところにこだわりましたか?
WOOYOUNG:楽曲には、トラックや構成、アレンジといったたくさんの要素がありますよね。この曲は音楽性的にトラックの主張が強いと、僕が伝えたいメッセージが届きにくくなると思ったんです。ファンの皆さんにしっかりと音楽を楽しんでいただく、かつ最大限にメッセージが伝わる方法を考え、ベストなテンポやアレンジ、ムードを追究し、自然とリラックスして聴いてもらえるような曲を目指しました。
──「君」に愛と感謝をまっすぐ伝えるラブソングですが、日本ソロデビュー10周年という節目もあって、ファンへのメッセージソングにも思えました。
WOOYOUNG:まさにこの曲はファンの皆さんのために書いた曲です。多くの人はたくさんの愛や応援を誰かからもらっていて、感謝をする相手がいると思うんです。ふと過去を振り返り、「自分が笑顔になれる理由は君だったんだ」ということに気付かされることもあると思います。「君がいるだけで力をもらえていた」という感覚は多くの人が共感できるものだと思ってストレートな歌詞を書きました。
──この10年間の楽曲やアートワークの変化をどう捉えていますか?
WOOYOUNG:曲を作るたびに、自分らしくあろうと努めてきました。その時々の状況によって、その時だけの感情が生まれます。その唯一無二の感情を表現することを意識して楽曲を作ってきました。ずっと自分に対して率直な表現をしてきたと思う一方で、今振り返ると、音楽的に拙い部分や歌詞がストレート過ぎて少し幼稚に思える部分もあります。ですが、それも含めて、今回のアルバムは「あの時の自分はこういうことがやりたかったんだな」ということが伝わる作品になっていて、鏡を見るかのように過去の自分が見える感覚があります。自分にとって、とても意義深いアルバムになったと思います。

──特に思い出深い曲は何ですか?
WOOYOUNG:ソロ活動の出発点となった「R.O.S.E」ですね。
──10年前のご自身のモードが率直に出ていると感じますか?
WOOYOUNG:そうですね。今改めて見ると、気になる点はありますが、後悔の気持ちはまったくなくて、当時できることのベストを尽くしてるなと思います。
──「R.O.S.E」はバラのような女性に本当の恋を見せられるという気持ちが込められた、前向きで自信に溢れた主人公像の曲です。今のWOOYOUNGさんにもこういったモードがあるのか、また全然違うのか、いかがですか?
WOOYOUNG:この曲を作ってからさまざまな変化があって、それは楽曲の変遷にも表れていると思っています。今は「R.O.S.E」を作った時とは少し違う気持ちではあるのですが、あの時と同じように自信を持って何かにチャレンジしようという気持ちもあります。
──それには日本ソロデビュー10年という節目も関係しているのでしょうか?
WOOYOUNG:そうだと思います。
2PMと僕は決して切り離せません
──WOOYOUNGさんがプロデュースしたGOT7の「Yo モリアガッテ Yo」はライブではパフォーマンスしていた曲です。今回音源として収録された大きな理由は?
WOOYOUNG:まず僕が日本で作った曲を入れたかったんです。その中でも自分が主人公ではなく、GOT7に提供した曲だったら、ファンの皆さんに違う視点を感じてもらえれるんじゃないかと思いました。「Yo モリアガッテ Yo」は「後輩のためにこういう曲を作るんだ」という印象を与えた曲だと思いますし、強力なビートとパワフルな歌詞のとてもハイテンションな曲です。そういう曲はライブに欠かせません。ライブでは歌ってきたけど音源化はされてなかったので、ファンの皆さんにとっても1つのプレゼントになると思い、収録することに決めました。

──音源化する上でこだわったことはありましたか?
WOOYOUNG:まずはオリジナルのサウンドを踏襲するべきか、それともリリースから時間が経っているのでリスナーの方々の音楽を聴く環境が大きく変わっていることを踏まえて、違う方向性にするのか悩みました。その結果、やり過ぎず、控え目にもなりすぎない、ほどよいバランスのセルフカバーを目指しました。
──グループの活動と並行してソロをやることで、内面的にどんないい影響があったと思いますか?
WOOYOUNG:すべてに対して、僕1人では決してたどり着くことができなかったと思います。グループの中には自分と考え方が似ているメンバーもいれば、まったく違うタイプのメンバーもいます。メンバーがいなかったら視野が狭くなっていたでしょうし、メンバーたちと苦楽を共にしてきたことで、自分が誰かの役に立つという発見もありました。そういう経験があったからこそ、1人でやり遂げることが必ずしも正解ではないということを知れましたし、それがもっとも大きな学びだと思います。
──2年前のインタビューで「一人でステージに立っても2PMを代表して2PMのメンバーとして立っている」とおっしゃっていました。その気持ちはどんなポジティブな作用を生むのでしょう?
WOOYOUNG:責任感です。メンバーへの感謝はずっと積み重なっていくもので、僕にとって欠かせない大切な関係として根付いています。メンバーだけが大切なのではなく、スタッフの方たちとのご縁も守っていきたくて、どんどん責任感が積み重なっている状態なんです。2PMと僕は決して切り離せません。どこにいてもその気持ちを忘れない自分を誇らしいと思っています。

──11月と12月に行われるライブは、どんなライブにしたいと思っていますか?
WOOYOUNG:来てくださる皆さんの様々な不安や辛いことも、ライブ中は全て忘れて、時間が止まったように楽しい気持ちになってもらえたらいいなと思います。
──今、気になっているアーティストやシンパシーを感じるアーティストはいますか?
WOOYOUNG:シンパシーを感じるのはアイドルの皆さんです。それぞれ立場は違えど、彼らの多くは同じような悩みを抱えていると思っていて、アイドルとして生きることに向き合うことがアイドルの宿命だと思っています。そして、向き合った上で「成功したい」とか「やり遂げたい」という気持ちを持っている。バンドやソロのアーティストの方々とは別の悩みがあると思うので、アイドルの誰かに会うと不思議と同志のような気持ちが沸いてくるんです。そして、応援したい気持ちになります。
──先ほど今は「R.O.S.E」を作った時のように自信を持って何かにチャレンジする気持ちになれているとおっしゃっていましたが、ソロ活動の今後のビジョンはありますか?
WOOYOUNG:日本でのソロ活動を始めてからまだ10年しか経っていないので、音楽面もビジネス面もわからないことのほうが多いですし、やりたいことがたくさんあります。自分が今後エンターテイナーとしてどう進んでいくかが気になりますが、「Reason」の歌詞のように、僕を笑顔にさせて、力を与えてくれる理由をしっかり噛みしめて新たな出発点にしたいです。
リリース情報

WOOYOUNG (From 2PM) BEST ALBUM『3650.zip』
2025/12/24 RELEASE
<初回生産限定盤A(CD+Blu-ray)>
ESCL-6160〜6161 5,600円(tax in.)
<初回生産限定盤B(CD+Blu-ray)>
ESCL-6162〜6163 5,400円(tax in.)
<通常盤(CD)>
ESCL-6164 3,300円(tax in.)
<Pi Young盤(CD)>※期間生産限定
ESCL-6165〜6166 3,500円(tax in.)
特設サイトはこちら
ツアー情報

【2025 Jang Wooyoung Concert <half half> in Japan】
11月29日(土)、30日(日)東京・Kanadevia Hall
12月27日(土)、28日(日)兵庫・神戸文化ホール 大ホール
詳細はこちら
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