Billboard JAPAN


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<インタビュー>エリック・マーティンが語る、大ヒット・カバーアルバム『MR.VOCALIST』とBillboard Liveでのプレミアムな夜

インタビューバナー

Interview & Text:山口智男

 2025年2月25日、日本武道館でMR.BIGのフェアウェルライブを終えたエリック・マーティンが再び日本に戻ってくる。『I Love Japan tour 2025』と題して、12月15日(月)に横浜、12月17日(水)に大阪、12月23日(火)に東京のBillboard Liveを回る。アコースティックライブとなる今回は、それぞれに『MR.VOCALIST』『BIG Night』と題した1stステージと2ndステージで異なる選曲を楽しませるという。その準備に忙しいエリックがライブの見どころを語ってくれた。

『MR.VOCALIST』というプロジェクト

――昨年に続いて、今年も来日してもらえるなんて、日本のファンは大喜びだと思います。やはり、前回、大ヒット・カバーアルバム『MR.VOCALIST』のリリース15周年を記念して、Billboard Liveで開催した『MR.VOCALIST 15th Anniversary Japan Tour』で大きな手応えを得られたことが、今回の来日に繋がったのでしょうか?

エリック・マーティン:そうだと思う。前回の来日公演はすごくうまく行ったからね。Billboard Liveさんからまたオファーをもらった時はすごくうれしかった。でも、おもしろいことに確かに大きな手応えを感じたけど、同時に15年前、『MR.VOCALIST』というプロジェクトに取り組みはじめた時のことを振り返って、あの時、自分がちょっと不安に感じていたことを思い出したんだ。みんなに愛されている日本の女性シンガーたちの曲の数々を、男である自分に歌えるんだろうか。それも英語で歌うわけだからね。だけど、実際に取り組んでみたら、とてもチャレンジングな、すごくやり甲斐のあるプロジェクトになった。そして、蓋を開けてみたら、30万枚を超えるヒットになったんだ。精神的にももちろんだけど、経済的にも満たされてとてもうれしかったよ(笑)。

――『MR.VOCALIST』ではMR.BIG時代、髪を伸ばしていたエリックのショートヘアとスーツ姿も新鮮でした。

エリック:そうだね。アメリカで言ったら、フランク・シナトラか、マイケル・ブーブレみたいなスタイルでやらせてもらった。それも楽しかったよ。でも、一番やってよかったのは、それまでもいろいろな曲が歌えるという自負はあったけど、このプロジェクトをやったことで、さらに自信を持てたことだ。12月のツアーでは、このプロジェクトに取り組みはじめた時のエネルギーをよみがえらせて、またみんなの前でパフォーマンスできたらと思ってる。

――いろいろなチャレンジがあった中で一番ハードだったのは、どんなことでしたか?

エリック:やっぱり、男性ボーカリストでありながら、女性の世界観に合わせると言うか、マッチさせることが大変だった。英語の歌詞を書く時も、オリジナルの歌詞の意味をちゃんと理解した上で英語に変えることはもちろんだけど、メロディーが変わってしまわないように譜割を合わせるのに苦心したよ。

――特に苦心したという曲はありましたか?

エリック:『MR.VOCALIST』ではないけど、日本のロックナンバーをカバーした『MR.ROCK VOCALIST』で歌ったGLAYの「誘惑」は、日本のテレビ番組で歌うことになった時も<時に愛は2人を試してる because I love you キワどい視線を振り切って>(と歌って)、このタタタタタタタというリズムが難しかったけど、そこに英語の歌詞を当てるにあたっては、GLAYのメンバーと何度もやり取りしながら、ようやく歌詞を書き上げた。あれは本当にチャレンジングだった。いまだに記憶に残っているよ。



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ただ、1つだけ心配なこと

――今回の来日公演では、『MR.ROCK VOCALIST』の曲も歌うんですか?

エリック:今回はクリスマスシーズンだから、バラード中心のセトリになると思うけど、まだライブで披露していない曲もやるからぜひ期待してほしいな。

――今回の来日公演がどんなライブになるのか、改めて教えていただけますか?

エリック:オーケー!1日2回ステージで、1stステージは「MR.VOCALIST」というタイトルで、さっきも言ったとおり、クリスマスソングも含めメロウな曲中心のセトリになる。2ndステージは『BIG Night』というタイトルで、MR.BIGの曲をやるんだけど、『BIG Night』にはデヴィッド・コッテリルというギタリストが僕の隣で演奏してくれる。デヴィッドはデーモンというメタルバンドのメンバーなんだけど、この10年、MR.BIGの活動がないとき、2人で世界中をツアーしてきた。今年の2月にMR.BIGの活動が終わってしまって、すごく落ち込んでたんだけど、デヴィッドが「また世界中をツアーしようぜ」と言ってくれて、それでまた彼と中国、タイ、マレーシア、フィリピンを一緒に回ったんだ。彼とのステージもぜひ日本のみんなに楽しんでほしいな。

――今回は、1stステージも2ndステージもどちらもアコースティックライブだそうですね。なぜ今回はアコースティックライブなんですか?

エリック:エレクトリックなロックは、MR.BIGで30年以上やってきたし、現在はロックオペラ・プロジェクトのAVANTASIAにも参加しているから、趣向を変えて、アコースティックセットもいいんじゃないかと考えたんだ。それに『MR.VOCALIST』の曲はブレスコントロールがすごく重要で、そういう繊細なボーカリゼーションはアコースティックセットにぴったりだろ。去年、『MR.VOCALIST』の15周年ライブをやってみて、改めてブレスコントロールが大事だと思ったんだ。去年とはまた違う一面を見せられると思う。

――Billboard Liveの印象についても聞かせてください。

エリック:去年、Billboard Liveでライブをすることが決まったとき、食事と酒を楽しみながらライブが見られると聞いていたけど、想像していたライブができるダイニングやジャズ・クラブとは全然違ったよ! どちらかというと、いわゆるライブハウスに近いよね。さまざまなジャンルの錚々たるアーティストが演奏してきた場所ではあるんだけど、ロックな雰囲気もあって、場違いな場所に来たという感覚はこれっぽっちもなかった。すごく居心地がよかったよ。しかも、『MR.VOCALIST』の世界観にもすごくマッチしていると思う。ただ、1つだけ心配なことがある。

――えっ、何が心配なんですか?

エリック:僕がこうやって喋りすぎることだよ。

――ハハハ。ファンはMCも楽しみにしていると思いますよ。

エリック:いや、できるだけ多くの曲を届けたいと思っているから、僕が喋りはじめたら、お願いだから止めてくれ! 喋りすぎないように気をつけなきゃ(笑)。



Eric Martin Video Message for Billboard Live

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