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<インタビュー>WENDY「怒りや悲しみや喜びが全部詰まった……俺らの青春のサウンドトラック」UKデビューに海外ライブ、『Don't waste my YOUTH(Deluxe Edition)』語る

ロックの今日に至るまでの歴史を純粋無垢に再構築。それを体現するに相応しいロックスター然とした風貌や佇まいも併せ持つWENDYが11月26日、アルバム『Don't waste my YOUTH(Deluxe Edition)』をリリースした。メジャーデビューから2年、メンバーの脱退など激動の日々を送りながらも、今年9月にロンドンのJPU RecordsからUKデビューを果たし、念願のイギリスでのライブやアメリカ・LAでのツアーも実現。世界的ロックバンドになるという夢に向かって大きく前進した彼らのストーリーと、10代の頃に生み出した楽曲をすべて音源化できたというアルバムへの思い。そして、この先のヴィジョンについてもメンバー3人揃い踏みで語ってもらった。
WENDYメンバー
Skye(Vo.G)
Sena(Dr.)
Paul(G.)

▲左から:Skye、Paul、Sena
Interviewer:平賀哲雄
Photo:Nocturna Photography(アーティスト写真、UKライブ写真)、Ren Imada(LAライブ写真)
ここまで心が折れずに踏ん張ってきてよかったな
--2025年はロンドンのJPU Recordsと契約し、UKデビュー。それに伴ってUKやUSでのライブも重ねてきたわけですが、どんな1年になったなと感じていますか?
Skye:ちょっと前にイギリスから帰ってきたばかりで、先月はLAでも5公演。夢だったWhisky a Go GoとかRainbowとかロックの聖地でもあるライブハウスに立てたということが、俺たちの中ではすごくデカいことだったし、年に2回も海外に行ってライブができたことは本当に嬉しかったです。ロンドンのJPU Recordsからアナログ盤『Don't waste my YOUTH (International Edition)』をリリースすることもできたし、今回リリースする『Don't waste my YOUTH(Deluxe Edition)』ではリードトラックの「Rock my heart」含め、初期につくった曲をやっと全部音源として世の中に出すことができたことも嬉しかったですね。

▲WENDY USライブツアー写真(Rainbow Bar and Grill)
--初期ということは、10代の頃にバンドを組んで初めて生み出した楽曲群なわけで、それが今リリースしても成立するクオリティになっているのって凄いことですよね。大体、最初につくった曲って今聴くと恥ずかしかったりするじゃないですか。
Skye:正直に言うと、恥ずかしかった(笑)。
Paul:モノによってはね(笑)。
Skye:今、22歳になって、例えば「Rock my heart」みたいなタイトルってストレートすぎて照れる感じもあるんですよ。でも、今回、再レコーディングしたときに「やっぱり良いな」と思って。あの時期につくった曲とか、そこに乗せた想いとか、それの延長線で俺たちは変わらず大好きなロックをやっているわけで、そのルーツである楽曲たちを今こうして世に全部出せる機会があることは、純粋に嬉しいこと。それに、歌や演奏はあれからいろいろ積み重ねてきた今のWENDYが奏でているので、今聴いてもらってもちゃんと格好良いロックとして楽しんでもらえるんじゃないかなって。
--そうした楽曲たちを日本のみならず、UKでもリリースできて海外のリスナーに聴いてもらえるようになったことも凄いことですよね。メンバーの脱退があったり、悩んだ時期もあったと思うけど、ようやくここまで辿り着けた。それについてはどんな感慨を持たれていますか?
Paul:2023年の夏に4人でメジャーデビューしたんですけど、そこからの日々はJohnny(初期メンバーのベーシスト)が辞めたこともあって、気持ちの面でもバタバタしていて。でも、今回、4人でやっていた頃の曲を大人になった俺たち3人で再レコーディングして、こうして世に出せたのはすごく感慨深いし、そういう初期の曲を海外でも演奏できたことはすごく心に来ました。ウルっときた瞬間もあったし、ここまで心が折れずに踏ん張ってきてよかったなという想いはあります。

▲WENDY UKライブツアー写真(The Water Rats)
--本当に激動でしたよね。ゆえに今の状況にグッと来るという。
Paul:まずJohnnyが辞めたときは、本当に「どうすりゃいいんだ?」って絶望しました。でも、新ベーシストとしてTheoが入ってくれて、ちょっと希望が見えて「よし、これからこの4人で頑張っていこう!」と思えた矢先にTheoもすぐ辞めちゃったんで。今だから言えますけど、あの時期は心身共に疲れ果てて何も考えられなくなっていた。そんなときにLAでのライブが決まったり、UKデビューの話が飛び込んできたんですけど、それでも最初は純粋に喜べない自分がいたんですよ。
Skye:ベーシストがいない中で、誰と海外に行けばいいのか分からなかったし。
Paul:あと、メンバーが4人いることで、緊張感とかいろいろ分散できていたところがあったから。そこから抜けた穴をいろんな面で埋めなきゃいけなくなって、なかなか難しいなと思いながらも、3人でより強くなんなきゃいけない状況だったので、正直不安はたくさんありました。でも、だからこそ、実際にUKからデビューできたり、海外でのライブを気持ち良くやり終えたあとは「WENDYをやっていてよかった」と心から思えたんですよね。メンバー間の絆も深まったと思うし。それと、個人的には、UKのJPU Recordsから初のレコード盤を出せたことはすごく嬉しかったです。レコードが大好きでコレクションしている身からすると、自分のバンドの盤がリリースされて、それを自分のコレクションの中に並べられるというのは、言葉にならないぐらいの感動があって。震えが止まらなかったですね。
--レコードコレクターからしたら、夢みたいな話ですもんね。
Paul:ディスクユニオンにSkyeとふたりで行ったんですけど、WENDYのそのレコードを壁に飾ってくれていて! レコード好きからすると「こんな未来が待っていたのか」と思うぐらい嬉しいことでした。なので、リスナーの皆さんにはジャケ買いしてもらって、聴いたら「すごい良いじゃん!」ってなる体験をしてもらいたいです!

▲WENDY UKライブツアー写真(The Water Rats)
--Senaは、紆余曲折あったあと、今の状況に辿り着けたことにはどんな感慨を持たれていますか?
Sena:自分はドラムなんで、同じリズム隊のベースが次々変わっていくのは、正直しんどかったんですけど……
Skye:サポートも含めると、4人ぐらい変わってるからね。
Sena:そういう意味では大変だったんですけど、でも、まさか1年の中でこんなに海外に行けるようになるとは思っていなかったし、その中でも憧れのWhisky a Go Goでライブができたのは最高でした。あそこは自分たちが聴いてきたバンドたちがステージに立ってきたライブハウスでもあって、みんなで観ていたモトリー・クルーのドキュメンタリー『ザ・ダート: モトリー・クルー自伝』にも登場する聖地みたいな場所だったので。そこでライブができたのは、本当に夢みたいです。

▲WENDY USライブツアー写真(Whisky a Go Go)
Skye:俺が初めてLAに行ったのは「Chasing a song」のMV撮影だったんですけど、その「Chasing a song」は、サビがWhisky a Go Goのあるサンセットストリップストリートについて歌っているんですよ。「絶対にサンセットストリップでライブする」って17歳ぐらいのときに書いていて。それを今年ちゃんと叶えることができた。当時のメンバー4人でやることはできなかったけど、今年に入って殆どのライブでサポートしてくれているshizupiさんというベーシストともすごく気が合って、友達みたいに仲良くなっていたので。そんな4人であのステージに立てたのは、俺たちの中では今年いちばんのハイライトでした。

▲WENDY USライブツアー写真(Whisky a Go Go)

▲WENDY USライブツアー写真(Whisky a Go Go)
--そのLAツアーのあとに訪れたロンドンやバーミンガムは、いかがでした?
Paul:ロンドンは自分の好きなバンドがいっぱい生まれ育った街なので、興奮が止まらなかったです。空いている時間はSkyeとPUBに行ったりして、ほぼ毎日通っていたかもしれない(笑)。
Skye:PUBとか、クラブとかね。そこで会った人たちに「俺ら、バンドやってて」って宣伝したりしつつ、最初のライブがバーミンガムだったんですけど、今年亡くなったオジー・オズボーンの「クレイジー・トレイン」をカバーしたんですよ。俺らは普段カバーというものをやらないバンドなんですけど、せっかくオジーの故郷でライブをやるなら追悼の気持ちも込めて演ろうと皆で話して。それで、自分たちの曲「Devil's Kiss」「Pull me in」からの「クレイジー・トレイン」をやったら、もうめっちゃ盛り上がって!

▲WENDY UKライブツアー写真(The Water Rats)
Paul:オジーの地元だから、現地のオーディエンスが「うわぁぁ!」って興奮しているのがヒシヒシ伝わりました。
Skye:LAとはまた違うノリだったよね。イギリスは根っから音楽に対して奥深いというか、聴き方も違うし、クールなんだけど、踊りながら楽しんでくれて。あと、イギリスでは俺たちのアルバムをリリースしていることもあって、お客さんがWENDYの曲を聴いてきてくれていたし、同じレーベルのI SEE ORANGEというイギリスのバンドがオープニングアクトでライブをやってくれたこともあって、お客さんがいっぱい集まってくれたんですよ。逆にLAはライブハウスのイベントの出演枠ににキャスティングされたりしていたので、試されている感じもあって。
Paul:Whisky a Go Goは、「WENDY、どれぐらいやれるんだ?」みたいな空気が分かりやすく伝わってきて。でも、イギリスは待っていてくれた感じ。だから、俺らが出て行った時点で「うぉぉ!」みたいな。でも、LAもUKもとても手応えはありました。
- 本物のロックスターってこういうことなのかな
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リリース情報
『Don't waste my YOUTH(Deluxe Edition)』
2025/11/26 DIGITAL RELEASE
https://wendy.lnk.to/dwmy_deluxe
関連リンク
本物のロックスターってこういうことなのかな
--どちらのリスナーもリズムにうるさい国民性だと思うんですけど、そこでドラムを叩くのはどんな心境でした?
Sena:あんまり意識しなかったというか、それどころじゃなかったので、とりあえず必死に叩いていました。自分のドラムセットでもないから、特にイギリスはいつものセッティングじゃなかったし、バスドラも最初から皮が破れていたし(笑)。だから、いろんなことを考えている余裕もなくて、とにかく叩くことに神経を尖らしていました。
Skye:本当はワンタムなのに、ツータムだったし(笑)。
--他人の車を操縦しているようなもんですもんね。しかもちょっと故障しているっていう(笑)。
Skye:でも、イギリスはリハーサルの時間があったからね。Whisky a Go Goは一切なかったから。ラインチェックだけやって「はい、どうぞ」みたいな(笑)。BARエリアのあるライブハウスだから、お客さんもバーで飲んでていつ集まってくるか分からないし。でも「大きな音出せば、こっちに来るかな」と思ってボンッ!ドカーン!って音出したらみんな集まってくれて、あれは気持ち良かったですね。
Paul:最初は様子見している感じだったけど、ライブが始まって「いいな」と思ったら前に来てくれる。そうなると「あ、これは認められたのかな」と感じて演奏も楽しくなってきたし。
--そんな海外でのライブもできるようになり、UKでのデビューを果たしたタイミングだからこそこんな質問をしたいんですけど。メンバーそれぞれ今、WENDYの中でどんな存在になっているか聞かせてください。まずPaulは2人から見てどんなメンバーになっています?

▲WENDY(Paul)USライブツアー写真(Whisky a Go Go)
Skye:このバンドを始めて5年ぐらい経ったんですけど、Paulは15歳ぐらいの頃から「ギターヒーローになりたい」と言っていて。いわゆるテクニカルなギタリストではないんだけど、人格がすごく良いからそれがギターにも滲み出ているんですよ。先日、サポートのshizupiさんと飯食いに行ったんですけど、そこでもPaulの話になって。Paulは言ってしまえばおバカさんというか(笑)。こういうインタビューでもすごく素直なんですよね。で、ライブの日はバタバタしちゃったりするんですけど、ステージに立ったらロックスターになる。だから「Paulが何気にいちばん本物だよね」という話をshizupiさんともしていて。バンドのリーダーとしては扱うのがマジで大変なんですけど(笑)、ロックアーティストとしては本物なのかもしれない。
Paul:すげぇ嬉しい。
Skye:正直、イラつくときもあるんですけどね(笑)。
Sena:ふたりでよく言い合いしてるよね(笑)。
Skye:ケンカになるわけじゃないんですけど、ちょっとズレちゃって「なんだよ、おまえ」みたいな瞬間がちょくちょくある。ヘンな方向に走っちゃうんですよ。優しい奴なんですけど、その優しさが空回りしちゃったり。でも、結局、ステージに立ったら最高なんですよね。それは初期の頃から一貫してる。昔はお客さんが少なかったりすると、俺たちはちょっと心が弱ってそれがパフォーマンスに出ちゃっていたんですけど、Paulだけは初期からずっとオーディエンスが何人だろうと、どんなにステージが狭かろうと、何万人もの前でライブをやっているかのようにパフォーマンスしていたんですよ。俺らが憧れているロックバンドのマネージャーとかの話で「あいつらの面倒は大変だった。でも、ライブは最高だった」みたいなことを聞いたりするけど、Paulを見ていると「本物のロックスターってこういうことなのかな」って思う。偽者感がない。
--ナチュラルボーン感がすごいですよね。
Skye:それは、イギリスでも言われていましたよ。ライブハウスの照明さんで、ハットにジャケット姿で酔っ払いのザ・ブリティッシュなおっさんから。
Paul:ザ・リバティーンズのピート・ドハーティみたいな感じだったよね。
Skye:その人が「レスポール持って、ロックを頑張ってやろうとしている若い奴らのライブをずっと観てきて、俺はクスクス笑っていた。だから、おまえらのことも「どうせ、頑張ってロックやろうとしているガキどもなんだろ」と思っていたけど、おまえのギター弾く姿を見た瞬間「うわ。こいつ、本物だよ」と思ったよ」って。
Paul:俺、そのあとずっと絡まれてました(笑)。英語で何言ってるか分からないけど、ウィスキーとビールをずっと飲みながら話しかけてきて。だから、英語を勉強しなきゃいけないなと思いました。
Skye:ずっと「オー、イェイイェイ! アハハハ!」みたいな感じだったよな(笑)。
Paul:適当に返していたら、意外と話が広がっちゃったみたいで。
一同:(笑)。

▲WENDY(Paul)UKライブツアー写真(The Water Rats)
--ただ、Paulが本物という話はしてくれていたと。
Skye:それも俺が通訳したから分かった(笑)。
Sena:でも、Paulは良い意味で最初から今まで変わってないよね。パフォーマンスも成長はしているけど、基本的なノリとかはずっと変わっていないし、逆に最初から完成されていたのかもしれない。
--では、続いて、Senaはどんなメンバーになっていると思います?

▲WENDY(Sena)UKライブツアー写真(The Water Rats)
Skye:Senaは口下手なので、俺が通訳しなきゃいけないんですよ。
Paul:Senaが言うことに対して、Skyeが通訳するノリね(笑)。日本語で話しているのに、わざわざSkyeがまた日本語で通訳して。
Skye:地元の友達に「ありがとうって言ってるよ」みたいな(笑)。それはノリなんですけど、マジで何を言っているのか分からなくて「え、どういうこと?」ってみんながなっちゃうときも多くて。でも、俺は12歳から一緒だから何を言いたいか分かるんですよ。それで「こういうことだと思うよ」ってドンピシャで通訳すると、みんな「え、なんで分かったの?」ってなる。
一同:(笑)
Paul:そんな感じで、Senaはお茶目でイジられキャラみたいな一面もあるんですけど、今は昔に比べて強くなったなって思います。ドラマーとしてどういう風になりたいかもそうですし、ファッションとか見せ方に関しても変わってきているし、自分が何をしたいのか少しずつ理解して、ステージ上でのパフォーマンスも技術面は向上しているし、明らかに堂々としたものになっていっている。そういう意味では、本当に芯ができてきたなと思いますね。それこそさっきSenaも話していたようにベースが次々変わっていく中で、いちばんバンドを支えなきゃいけないドラマーとして成長していった。そこは本当に格好良いなと思うし、大きく変わっていったところだと思います。

▲WENDY(Sena)USライブツアー写真(Whisky a Go Go)
Skye:俺は子供の頃からの付き合いだから、Senaに厳しくすることが多いんですけど、それでも「これは良いところだな」と思うところはあって。Senaはこのバンドの中でいちばん音楽に詳しくないんですよ。もちろん音楽は好きなんですけど、わざわざ深いところまで探ろうと思わない。例えば、ドラマーの話になって、モトリー・クルーのトミー・リーとか、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのチャド・スミスについて俺らが語り合っていても、Senaはぽかーんとしているんです。でも、それが逆に良くて。Senaは「俺は単純に好きだから聴いているだけだし」みたいな感じで、そういう性格がドラムのプレイにも出ている。「俺はただ好きだから、叩いているんだよね」っていうところがパワフルな演奏にも繋がっていると思うんです。Senaの音楽に対する純粋さを俺は良いなと思っています。本当にピュアなんですよ。悪い言い方をすれば、何も考えていないだけなんですけど。
--おバカさんと何も考えないメンバーに囲まれていると?
一同:(笑)
Skye:ただ、俺もこのふたりに囲まれているから、まともに見えるだけでバカだと思うし(笑)。だからこそ「何があっても、世界的なロックバンドになりたい。グラミーを獲りたい」っていう端から見たらバカみたいな夢を純粋に追いかけることができると思うんです。
リリース情報
『Don't waste my YOUTH(Deluxe Edition)』
2025/11/26 DIGITAL RELEASE
https://wendy.lnk.to/dwmy_deluxe
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WENDYがビッグになったら伝説的なアルバムになる
--だから、もはや悪口ではないんですよね。ゆえに真剣に夢を掴もうと思えるわけで。
Skye:バンド自体も純粋に楽しめますし、なんでバンドをやっているのか聞かれたから「楽しいから」だし。バンドがビジネスになっていくと、そういうことを忘れちゃうときもあると思うんですけど、俺たちはそれを忘れることがないというか。
Paul:それこそアルバムタイトルの『Don't waste my YOUTH』にもある「青春を無駄にするな」みたいな。
Skye:何歳になっても青春。そういう気持ちは忘れたくないよね。
Sena:うん。
--続いて、Skyeはどんな存在になっているなと思いますか?

▲WENDY(Skye)UKライブツアー写真(The Water Rats)
Sena:元々頼れる人だったけど、今はもっと頼れる存在になった。メンバーもそうだし、WENDYに関わってくれる仲間たちひとりひとりの面倒をちゃんと見てくれるから、お父さんみたい。あと、ボーカリストとしては、明らかに歌唱力も表現力も増してきているなって感じます。
Paul:最近、改めてエンターテインメント性が凄いなって感じています。こういうインタビューもラジオも基本的にSkyeが表に立って語ることが多いし、映画の試写会に急に呼ばれて登壇することになっても、対応力が凄いんですよ。言い回しも上手いし。それはライブでのMCにも出ていると思うし、明らかにレベルアップしている。本人もずっと昔から「エンターテイナーになりたい」と言っていたんですけど、今は本当にそうなれていると思いますね。あと、兄貴っぽさもあるんですけど、根が本当に純粋で。遊ぶときはまるで10歳ぐらいの子供のように本気で遊ぶし、なんなら「俺よりバカになっているときあるんじゃね?」と思うぐらい(笑)。だからこそ、音楽も本気でつくれる。でも、そこでも遊び心は誰にも負けていない。なので、最近は一緒にいてめっちゃ面白い奴だなって思います。昔は繊細でマジメな兄貴の一面しか見れていなかったんですけど、バカなところは本当にバカだし、もちろんマジメなところはマジメだし、バカマジメという言葉はSkyeの為にあるんだろうなって。
--さっき、SkyeがPaulのことを「本物」と言っていましたけど、その言葉をそのまま返せるぐらい、PaulからしたらSkyeも「本物」ってことですよね。
Paul:本当にそうです!
Skye:あざす! モノホンのバカモノ(笑)。

▲WENDY USライブツアー写真(Freedom LA)
--そんな3人から成るWENDYがUKからデビューして、このタイミングで『Don't waste my YOUTH(Deluxe Edition)』をリリースすることになったわけですけど、新たに追加収録した楽曲たちも含めてどんな風に世に響いてほしいと思いますか?

▲アルバム『Don't waste my YOUTH(Deluxe Edition)』
Skye:このアルバムのジャケ写は、俺らがかつてよく溜まっていた地元のトンネルで撮影しているんですけど、その思い出も含めて初期の4人時代の作品ではあったから、これを“Deluxe Edition”にして改めてリリースすることに最初は違和感があったんです。今、俺たちは3人になって新しいサウンドを見つけてもう未来に進んでいるから、リリースするならそっちを出したい……と、最初は思っていたんですけど、実際に『Don't waste my YOUTH(Deluxe Edition)』を制作することでいろいろ再確認できてよかったなと今は思っていて。あと、2023年にリリースした『Don't waste my YOUTH』自体は別にバカ売れしたわけでもなかったし、もう1回スポットライトに当たる機会ができたことは、すごく純粋に嬉しいことだなと思ったんです。この時代のWENDYはWENDYで絶対になくならないWENDYであってほしいし、WENDYがビッグになったら伝説的なアルバムになると思うし、この時期に書いた曲たちは怒りや悲しみや喜びが全部詰まった……俺らの青春のサウンドトラックだから。
--その時代にしか生み出せなかった作品ですもんね。
Skye:それが次の世代の青春のサウンドトラックになってくれたら嬉しいし、俺らにとっても、何歳になっても子供みたいな遊び心を忘れない為の作品になっていくと思うし、WENDYがどこからスタートしたのか何度でも再確認できるアルバムになると思うので、こうしてまたスポットライトを当てられてよかったです。

▲WENDY UKライブツアー写真(The Water Rats)
--では、最後に、ここからWENDYはどんなバンドストーリーを歩んでいくことになりそうか聞かせてください。
Skye:すでに来年の準備はいろいろしているんですけど、新しいサウンドの楽曲も出来ているし、逆にルーツに戻った楽曲も生まれていて。そのどれもが10代でなくこの歳になったからこそつくれたものだと思うから、それらを携えてそろそろ分かりやすく売れたいと思います。まだ21歳、22歳のメンバーのバンドであるうちにバコーン!と行けるところまで行って、その限界以上のことも実現する為に来年から新しいWENDYとして突っ走っていきたいです。ここからが本当のスタートって……毎回言っている気がするんですけど(笑)。
Paul:でも、ちゃんと成長しているし、UKからデビューすることもできたし、いろんな意味でこれからって気がするよね。
Skye:なので、来年は、俺らが狙っているグラミーとか、いろんな夢に一歩でも二歩でも近づけるような年にしたいですね。

▲WENDY USライブツアー写真(OC JAPAN FAIR)
--Senaからも最後に読者の皆さんにメッセージをください。
Sena:え、何を言えば……?
Skye:頼むよ。
Sena:(咳き込む)だんだん喉が詰まってきた。
一同:(笑)
Sena:……いっぱい聴いてね。
Skye:ちょっとヤバいかもしれないです(笑)。ちゃんと通訳するから、ちょっと長めのメッセージを。
Sena:長めのメッセージ?
Skye:だから、Senaは……
--何も話してないのに、通訳始まった(笑)。
Skye:自分のように純粋にWENDYを楽しんで聴いてほしいし……ライブにもぜひ来てほしいよね?
Sena:うん!

▲WENDY USライブツアー写真(TRiP)
--では、そのライブへの意気込みをお願いします!
Sena:来年の4月25日に東京・Veats Shibuyaでワンマンライブをやります。3人になって初めてのワンマンライブなので……
Skye:初めてじゃないです!!!!
一同:(笑)
Paul:もう3回ぐらいやってる。
Sena:3人になって3,4回目ぐらいのワンマンライブなので、みんな楽しみにして来てほしい。
Skye:……そのワンマンライブの日がSenaの23歳の誕生日なんですよ。メンバーの誕生日にワンマンをやること自体初めてなので、そのお祝いも兼ねて来てほしいよね。
Sena:もう何でもしてきていいよね。
Paul:どういうこと(笑)?
Skye:俺らも気合い入れて取り掛かるライブになるので、絶対に来てほしいよね? だから「23歳になって一発目のSenaを観に来て」って……
Sena:って言えばいいの?
--インタビューは以上です! ありがとうございました!
一同:ありがとうございました(笑)!

Interviewer:平賀哲雄
Photo:Nocturna Photography(アーティスト写真、UKライブ写真)、Ren Imada(LAライブ写真)
リリース情報
『Don't waste my YOUTH(Deluxe Edition)』
2025/11/26 DIGITAL RELEASE
https://wendy.lnk.to/dwmy_deluxe
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