Special
<インタビュー>THE ALFEE「未だゴールは見えず」50周年を経て新規ファン爆増中の51年目──その劇的な現象や新作について語る

怒涛の50周年とその締め括りとなった『紅白歌合戦』41年ぶりの出演で注目を集め、51年目にして新規ファンが爆増している THE ALFEE。80年代のブレイク時を思い出したというその現象、危機的状況であったコロナ禍から今日に至るまでのストーリーにフォーカスしつつ、新作『HEART OF RAINBOW』の話を通して改めてこのバンドの唯一無二性も深掘り。そして、まもなく到達するライブ本数3000本という金字塔への想いも語ってもらった。
3人があまりにパワフルで面白い為、笑顔になってしまう話も多く、読んでいると元気をもらえるインタビュー記事になっているので、ぜひ最後までご覧いただきたい。
Interviewer:平賀哲雄
41年ぶりの紅白。そこで桜井がSNSでバズったという。「おまえが歌うんかい!」っていうね(笑)。
--絶え間なく全力で駆け抜けた50周年。振り返ってみるとどんな1年だったと思いますか?
高見沢俊彦:そうですね、お祭りムードの1年でしたね。それこそ『メリーアン音頭』のリリースもありましたし、秋田の竿燈まつりでは「THE ALFEEの竿燈」が上がったり、青森のねぶた祭では「THE ALFEEねぶた」も運行したり、そういうトピックも含め本当にお祭り騒ぎでした。それがいまだに続いている感じもしますね。今年は竿燈まつり、ねぶた祭に加えて、仙台の七夕まつりにも参加しますし、50周年の余韻がまだ続いている感覚です。
--THE ALFEEがいろんなところへ飛び火した1年でしたよね。
高見沢俊彦:そうですね。50周年の締めが41年ぶりの『紅白歌合戦』出演。そこで桜井がSNSでバズったという(笑)。
坂崎幸之助:「おまえが歌うんかい!」っていうね(笑)。
高見沢俊彦:バンドは大体真ん中の人が歌うからね。それなのに右端の桜井が歌い出したから「おまえが歌うんかい!」って、初めて僕らを観た世代が驚いて。「50年やっていても知らない人たちがいるんだ?」という新鮮味はありましたよね。それで「まだまだなんだな、俺たちは。これはもっと頑張らなきゃいけないな」と初心に立ち返れました(笑)。
--これまでTHE ALFEEの唯一無二性についていろいろ書かせてもらってきましたが、THE ALFEEを知っている身からすると当然のことすぎて、完全に盲点でした(笑)。でも、たしかに右端でベース弾いている人がメインボーカルを務めるバンドは稀有ですよね。
坂崎幸之助:他にあんまりいないんでしょうね。
高見沢俊彦:僕たちからしたらスタンダードなんですけどね。「え、そんなに珍しいんだ?」って思いましたね。でも、その紅白で初めて僕らを知ったという世代の人たちが今年の春ツアーに来てくれたんですよ。
--ということは、その人たちは春ツアーで「え、3人ともメインボーカル務めるんだ?」とまたさらに驚いたでしょうね。
高見沢俊彦:まさに「全員歌うんかい!」ってね(笑)。THE ALFEEはコーラスグループでもありますから、そこで驚かれた人たちもいると思いますね。
坂崎幸之助:音楽的にもそうだし、それ以外の活動も含めてTHE ALFEEは楽しみ方がいっぱいありますからね。最近よく「沼る(ぬまる)」って言葉が使われていますけど、初めて興味を持った人には、THE ALFEE沼の深さに気付いていただけているのではないかと思いますね。
--THE ALFEEはプログレッシヴな組曲もライブで披露するじゃないですか。それも「なんだ、この長い曲は!」「こんなの、ライブで体感したことない!」みたいな感じで驚いてくれていそうですよね。
坂崎幸之助:最初は理解できないかもしれないけど(笑)。
--でも、新しい音楽の扉を51年目のバンドに開いてもらっているというのは面白いし、有意義ですよね。
坂崎幸之助:全曲、新曲として聴けるわけですからね。

▲『HEART OF RAINBOW』初回限定盤A
--そんな現象を巻きこした昨年末の紅白出演。41年ぶりだったわけですけど、41年前はどんな心境や状況の中で出演したんですか?
高見沢俊彦:当時は大御所の皆さんもいらっしゃいましたし、全然雰囲気が違いましたよ。今のほうが良い意味でのラフさがあると思います。
坂崎幸之助:そうだね。カジュアルだよね。当時はもっと大仰な感じでしたよ。
高見沢俊彦:すごく大変な番組で「俺たち、出ていいのかな?」と思うぐらい、すごく敷居が高かったんですよね。ただね、関係者から聞いた話だと、当時、すでに大御所と言われていた三波春夫さんがまだ60歳で、村田英雄さんも50代だったらしくて、今の俺たちより全然年下だったそうなんです。そう考えると「俺たちって大御所感ないなぁ!」って感じましたね(笑)。
坂崎幸之助:当時の大御所の方たちの大御所感はすごかった。圧倒的なオーラがありましたね。で、今やレジェンドの沢田研二さんや千昌夫さんが地下の大部屋でしたからね。僕らと同じ楽屋だったんですよ。
--それから41年ぶりに紅白に出演してバズることになった桜井さんは、あの状況に対してどんな気持ちだったんですか?
桜井賢:そもそもSNSを良く知らないので、「バズる」という言葉も知らないし、トレンドって何?みたいな。オープニングでこっちのけんとさんの「ギリギリダンス」の振り付けも初めて見たので、必死に体を動かしていたら、歌う前からトレンド入りしていると聞いて「俺のダンスがギリギリだったのかな?」と思ったり(笑)。だからね、そういうことも含めて結果的には良かったけれど、41年ぶりに紅白に誘われること自体なかなかないでしょ?
高見沢俊彦:ないよね。
坂崎幸之助:最長ブランクだったみたいですよ。
高見沢俊彦:41年前に「メリーアン」で出演したんですけど、その時代に出たバンドが令和になってもまだ活動しているということで、驚いたという方々もいらっしゃったらしくて。「え、この人たち、昭和からやってるの?」みたいな。昭和、平成、令和と3つの時代を生き抜いてきたわけですけど、そういう僕らからしたらあたりまえのことがあたりまえじゃなく受け取られるのは、すごく不思議ですよね(笑)。それも長く活動してきた証だと思うから、喜ばしいことですし、本当にラッキーだなとも感じました。
桜井賢:そんな紅白で締め括った50周年でしたけど、本当に忙しい1年でしたし、とても有意義な1年でした。
--そんな怒涛の50周年を経て、51年目の今年はどんなモードで活動しているんでしょう?
高見沢俊彦:さっきも言いましたけど、THE ALFEEのライブを初めて観に来てくれた方たちがたくさんいらして。場所によっては、半分以上が新規のお客さんのところもあったんですよね。
- ヒット曲が出て全国的にチケットが取りづらくなった時期。その頃のムードを思い出させられました。
- Next >
リリース情報
『HEART OF RAINBOW』
2025/7/30 RELEASE
初回限定盤A 詳細・購入はこちらから>>
初回限定盤B 詳細・購入はこちらから>>
初回限定盤C 詳細・購入はこちらから>>
通常盤 詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
ヒット曲が出て全国的にチケットが取りづらくなった時期。その頃のムードを思い出させられました。
--そんなに効果があったんですね!
高見沢俊彦:そうなんですよ。ということは、今まで観れていた方たちが観れなくなっちゃったわけで、そういう痛し痒しの部分もありますけど、初めて僕らのライブを観に来た方が増えたということは、このバンドの未来にとって嬉しい事実でもありますから。改めて「新曲をちゃんとつくっていこう」という気持ちになりました。
坂崎幸之助:80年代のTHE ALFEEが盛り上がってきて「あとはヒット曲を出すだけだ」みたいな時期。或いは、ヒット曲が出て全国的にチケットが取りづらくなった時期。その頃のムードを思い出させられました。「あ、こんな感じだったな!」って。初めて観に来る人たちの反応もあの頃の感じだったんです。ビックリするところをちゃんとビックリしたりとか、そういうお客さんの反応が新鮮でしたね。

--きっと3人のコント仕立てのMCもビックリですよね。
高見沢俊彦:何がまたさきトリオだよね(笑)(※桜井賢の「ま」、高見沢俊彦の「た」、坂崎幸之助の「さき」を取った名称の、THE ALFEEの3人が扮するアイドルグループ)。
桜井賢:ワケが分かんなかったと思いますよ。「なんでこんなことやってんの?」って(笑)。
高見沢俊彦:春ツアーのファイナルを名古屋で2日間やったんですが、これまでは2daysやるとお客さんが被ることも多かったんですけど、今回はどちらも同じぐらい初めて観る方たちがいて。
坂崎幸之助:あの名古屋ですら3割ぐらい。明らかに初めての人たちがダァーっていたもんね。
--いやぁー、本当にスゴい現象が起きてますね。
坂崎幸之助:70歳過ぎてこういうことになるとは、さすがに想像だにしなかったですね。
--長いロックやポップス史の歴史から見ても前代未聞ですよね。50周年を超えたバンドがそこまで新規のファンを増やすって。
高見沢俊彦:聞いたことないですよね。それは僕らがずっと新曲をつくり続けてきたからということもあると思うんですよ。テレビでは「星空のディスタンス」を歌うことが多いのですが、それもひとつの効果があったと思いますし、やっぱり活動し続ける、INGでやってきたことが今に繋がっている自負はありますね。途中で辞めなかった、活動停止をしなかった。そして、コロナ禍もありましたけど、僕らのホームであるライブを大切にしてきた結果、こういう状況になっているのは本当に嬉しいです。それがライブ本数3000本にもうすぐ繋がっていくわけですから。
--コロナ禍はTHE ALFEEにとって最もしんどい時期だったじゃないですか。ツアーを組んでは中止になり、またツアーを組んでも中止になり、それでも諦めずにツアーを組み続けた。リアルな話をすると、その度に抑えた会場費などのマイナスもとんでもないことになっていたと思うんですけど、それでも諦めなかった先に今の状況が待っていたわけですから。本当にスゴいストーリーだと思います。
高見沢俊彦:コロナ禍のそういう状況でも「何かをやらなけらばいけない!」と思って、配信番組をスタートさせたのも大きかったですね。
桜井賢:あの時期はたくさんの方が配信をやっていましたが、今でも続けているのはTHE ALFEEぐらいだと思いますよ(笑)。
坂崎幸之助:しかもトーク番組だからね(笑)。
--皆さん、無観客ライブの配信はやっていましたけど、THE ALFEEはそれだけじゃなく、どちらかと言うとバラエティ番組の要素多めで配信していましたもんね(笑)。
坂崎幸之助:そういうTHE ALFEEの間口の広さが良い方向に僕らを導いてくれた。高見沢の玉ねぎ動画でファンになってくれた人もすごく多いんですよ。
高見沢俊彦:YouTubeであがってる『ALFEE KITCHEN』ね。
坂崎幸之助:(カツ丼を作るのに)玉ねぎを丸ごと入れちゃうっていう(笑)。コロナ禍であれを家で観て「なんだ、この人!」と面白がってくれた人がたくさんいたんです。
--玉ねぎ新規もたくさんいるんですね(笑)。
坂崎幸之助:そうなんですよ(笑)。3人でやっているNHK-FMのラジオ番組があるんですけど……
高見沢俊彦:「玉ねぎで知ってラジオも聴くようになりました」っていうリスナーがたくさんいるんです(笑)。あのポンコツ料理番組で僕らを知ってくれた人たちからしたら「え、歌も歌うんだ?」という驚きがあったでしょうからね。
--なるほど。その順番の人もいるんですね(笑)。
桜井賢:これが実はいっぱいいるんですよ(笑)。
高見沢俊彦:その人たちからしたら、料理番組やってる3人組が「あれ、バンドだったんだ?」「え、こんな長くやってるんだ?」「そんなに武道館でライブしてるの?」みたいな感じなんです。
--あと、単純に「あんなに料理できない人がこんなにギター弾けるんだ?」もありますよね?
一同:(爆笑)
桜井賢:それも驚きだよね(笑)。

▲『HEART OF RAINBOW』初回限定盤B
--先程、41年前の紅白に出演していた大御所ほどの大御所感がないと話していましたけど、気難しさを感じさせなかったというのも新規ファンが増えた要因になっているんでしょうね。
坂崎幸之助:それはあるでしょうね。50年もやっているバンドだと「いまさらファンになりづらいな」と普通は思うけど、僕らの場合は入り口が多いからそうはならなかったのかもしれない。どこからでも入れるから。
高見沢俊彦:マンガとかで例えると、今、シーズン51ですからね。でも、THE ALFEEはシーズン51からでも楽しく読める(笑)。
--THE ALFEEはいつどこから入っても面白いし、元気をもらえますからね。最近、渋谷陽一さんやオジー・オズボーンといったロックシーンの象徴的な人たちの訃報が多くて寂しさを感じていたんですけど、THE ALFEEの今日のお話もそうですし、今回の新作『HEART OF RAINBOW』もエネルギーが尋常じゃなくて、実際にめちゃくちゃパワーをもらっています。
高見沢俊彦:僕らは音楽の効果を信じているんですよ。今、ロックシーンの象徴的な人たちが亡くなって寂しかったけど、THE ALFEEを聴いたら元気になったと仰ってくれたように、歌や音楽にはそういう効果があると思うんですよね。だから、今回の『HEART OF RAINBOW』もそういうモードになってしまっている人にはぜひ聴いてもらって、少しでいいから元気になってもらいたい。何か前向きになる為のヒントになってくれたら、僕らもやっぱり歌に存在価値があるんだと改めて思えるし。ちなみに『HEART OF RAINBOW』は51周年記念シングルなんですけど、50周年を突破してからはずっと周年です。だから、来年は52周年(笑)!
リリース情報
『HEART OF RAINBOW』
2025/7/30 RELEASE
初回限定盤A 詳細・購入はこちらから>>
初回限定盤B 詳細・購入はこちらから>>
初回限定盤C 詳細・購入はこちらから>>
通常盤 詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
音楽の文化って継承ですからね。世の中のあらゆる音楽は誰かに必ず影響されているものだから
--毎年がアニバーサリー(笑)。ちなみに「HEART OF RAINBOW」の着想はどんなところにあったんでしょう?

▲『HEART OF RAINBOW』初回限定盤C
高見沢俊彦:紅白で桜井の声がバズったので、桜井の声を活かした51周年記念シングルをつくろうと(笑)。
桜井賢:「桜井、おまえが歌うんかい!って注目されたんだから、桜井、おまえが歌うんだよ」と言われて(笑)。でも、スーツで例えるとオーダースーツだから非常に着心地が良く、高見沢が思う「桜井の良いところはここだ」みたいな感じでメロディをつくってくれたので、無理なく歌うことができました。ただ「キラキラとした部分が声に出ていないとダメだ」と注文されて、最初に歌入れしたときはあんまりキラつかなかったからNGになって。俺も「これは違うかもしれないな」と思っていたんですけど、2回目に歌ったらキラッとしました(笑)。
--そのキラッとした要素を入れる為には、どういう技術や努力が必要なんですか?
桜井賢:何をどうこうするというよりも……なんだろうな?
高見沢俊彦:入れちゃうんじゃない? 体の中に。
桜井賢:そうだね。そういう感覚の話になってくる。
高見沢俊彦:桜井は入れるまでに時間がかかりますけど、入れちゃったら最強なんで。だから、最初より2回目のテイク。少し時間を空けたほうが良い場合もあるんですよね。自然と艶が出てくる。面白いですよね。なんて言ったらいいんだろう……なめし革みたいな(笑)。
坂崎幸之助:なめしてるんだ(笑)。
高見沢俊彦:あと「HEART OF RAINBOW」に関しては、よく「歌は世につれ」って言うじゃないですか。例えば、僕らが高校生だった70年代のフォークを聴くと「なんてことだ!」と思うぐらいのすごい歌詞がたくさんあるんですよね。当時の僕は洋楽しか聴かなかったので、後追いでそういうフォークを聴いていったんですけど、その中で自分と合致する歌詞があって、そういった歌の存在価値をTHE ALFEEの中にも活かしていきたくて。サウンドは僕ららしく大仰でステージ栄えする内容になっていて、「イントロは要らない」という世代に長いイントロを聴かせる形になっているんですけど(笑)。
--そこの反応も楽しみですよね(笑)。
高見沢俊彦:THE ALFEEからしたら短いほうなんですけどね。音はストリングスも重ねて荘厳で重厚感ある内容になっていて、そこに70年代フォークの要素を歌詞として入れているところも楽しんでもらいたいです。あの当時は70年安保闘争もあったから、時代がすごく動いていたんですよね。大学生の若者たちが「世の中を変えなければいけない」という気持ちに盛り上がっていた。ただ、僕らの時代には全くそれがなかった。三無主義と呼ばれる世代ですね。だから、あの時代に憧れがあったんです。それで「ROCKDOM -風に吹かれて-」という曲を80年代にリリースしているんですけど、あれは上の世代のことを歌っているんです。そのムードは「HEART OF RAINBOW」にもあると思いますね。
--その中で唯一無二の3声ハーモニーもドラマティックに響き渡っていて、これぞTHE ALFEEと思わせる音楽の真骨頂ですよね。
高見沢俊彦:3人リードボーカルを取れるバンドがコーラスをやるとこうなる。例えば、昔のスリー・ドッグ・ナイトとかね。ライブを観に行ったときのコーラスが衝撃的だったんですよ。
坂崎幸之助:イーグルスもね。
高見沢俊彦:イーグルスも上手かったなぁ。メンバー全員がリードボーカルを取れるからね。
坂崎幸之助:もちろんビートルズもそうだし。あの頃はみんな楽器を弾きながら歌うのがあたりまえだったからね。今はリードボーカルをひとり立てて、他は歌わないバンドが多いですけど。いわゆるローリング・ストーンズタイプ。でも、僕らが聴いていた音楽は、ドゥービー・ブラザーズもそうだし、みんな歌っていたんですよね。
高見沢俊彦:ビー・ジーズもそうだね。いちばんは、CSNY(クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング)か。全員リードボーカルで。
--CSNYは全員ソロでも活躍していましたもんね。
高見沢俊彦:個性のぶつかり合いで。
坂崎幸之助:そういう編成が僕らの中ではあたりまえなんだけど、やっぱり時代の流れ。今はそういうバンドが少ないし、特に日本にはほぼいないかな。
高見沢俊彦:僕らの学生時代は参考になる音楽が洋楽しかなかったんですよね。バンドでも、ギターでも。今は洋楽の影響を受けている若いバンドがあんまりいなくて、J-POP、日本のバンドの影響を受けている。それだけ日本の音楽が熟成している証拠でもありますけどね。それはそれで良いと思うんですけど、僕らはレッド・ツェッペリンとかピンク・フロイドとか、あの時代に聴いた海外の音楽の衝撃が今も残っているんですよ。今度、映画もやりますけど、ツェッペリンの「移民の歌(Immigrant Song)」や「天国への階段(Stairway to Heaven)」みたいな曲に音楽の、ライブの凄みを感じるんですよね。そういったもののパッションは継承していきたいなと思います。

▲『HEART OF RAINBOW』通常盤
--THE ALFEEを新しく知った若いファン層が、そういったTHE ALFEEのルーツミュージックにも興味を持ってくれたら有意義ですよね。
坂崎幸之助:そこで「THE ALFEEのこの曲は、このバンドから影響を受けているのか」って気付いてくれたりしたら嬉しいですね。
--そういう意味でも、今回の新作『HEART OF RAINBOW』は重要な役割を担っているなと思います。
坂崎幸之助:音楽の文化って継承ですからね。世の中のあらゆる音楽は誰かに必ず影響されているものだから。そこに注目するのも音楽の楽しみ方のひとつだと思います。
高見沢俊彦:そういう意味でも今回のシングルで「HEART OF RAINBOW」を聴いたら、カップリングの「丁寧言葉Death!」も聴いていただきたいです。さらに違う世界観ですから。デスメタルなので、デスボイスも入っているんですよ。大阪のデスメタルバンド・DEVILOOFの桂佑くんに担当してもらっているんですけど、リードボーカルは坂崎が務めていて。「HEART OF RAINBOW」の対極にある音楽なので、この2曲で今のTHE ALFEEを知ると面白いと思います。「何これ?」って感じかもしれないですけど(笑)。
--「丁寧言葉Death!」は実際に歌ってみていかがでした?
坂崎幸之助:これはライブで歌っている感覚でレコーディングしたんですけど、だから時間はそんなにかかりませんでした。このままライブに持っていける感じ。
高見沢俊彦:坂崎は速いんですよ。ただ、この曲のデスボイス部分は僕らには歌えないので、ライブでどうしようか考えたときに「ドラムの吉田太郎にやってもらおう」と思って。「太郎、できる?」って聞いたら「できるかもしれないですけど、あのドラムを叩きながらは無理です!」って断られました(笑)。それぐらいかなりハードな曲です。
--では、最後に、51周年とその先の未来への意気込みをお願いします。
高見沢俊彦:ライブ本数3000本までもうすぐなので、それに向けて51周年を走り抜けて、来年粛々と3000本に辿り着きたいなと思っています。
坂崎幸之助:2025年のライブを全部終えた時点で、3000本まで残り6本になるのかな?
高見沢俊彦:そうだね、6本だね。なので、3000本目がどこになるのかまだ分からないんですけど、そこがまた来年のひとつの目玉になりますよね。
--もはやアスリートですね。どんどん記録を更新していく。
高見沢俊彦:そんなつもりで活動してきたわけじゃないんだけどね(笑)。でも、これだけ続けていると、その時間というものも含めて財産なんです。もちろん幸運だったというところもあるんですけど、やっぱり必死に凌いできた時間もありますから。そういうところも含めて、3000本は楽しみですね。それを到達すると、次の3001本がまた特別になってくる。だから、もう終わりどころが分からない(笑)。「明日なき暴走の果てに」の歌詞にもありますけど、「未だゴールは見えず」です。
Interviewer:平賀哲雄
リリース情報
『HEART OF RAINBOW』
2025/7/30 RELEASE
初回限定盤A 詳細・購入はこちらから>>
初回限定盤B 詳細・購入はこちらから>>
初回限定盤C 詳細・購入はこちらから>>
通常盤 詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
関連商品






























