Billboard JAPAN


Special

<インタビュー>本田康祐(OWV)×工藤大輝(Da-iCE)が新曲「Frontier」でコラボレーション、慕いあう二人が求めるグループの形

インタビューバナー

Interview & Text:高橋梓
Photo:興梠真穂


 10月23日に10thシングル『Frontier』をリリースした4人組ボーイズグループ・OWV。その表題曲「Frontier」はDa-iCEの工藤大輝が作詞作曲・プロデュースを手掛けている。工藤の手腕によって見事なまでにOWVの姿が描かれた同曲は、10月30日公開のBillboard JAPAN 総合ソング・チャート“JAPAN Hot 100”で6位にランクインし、広がりを見せている。OWVはそんな同曲をどんな思いで受け取っているのだろうか。そして、工藤はその様子をどう見ていたのだろうか。OWV・本田康祐とDa-iCE・工藤大輝にじっくり対談してもらった。

二人の出会い

――写真撮影の様子を拝見して、お二人から微笑ましい先輩・後輩感を感じました。

工藤大輝:いやいや。僕はそんなつもりないんですけどね。本田がすごく気を遣ってくれるんですよ。

本田康祐:そんなことないですって。というか、一緒にお仕事することがあまりないから緊張しています。

工藤:たしかにあんまりないよね。僕のラジオとか、イベントでたまに一緒になるくらい。

本田:しかもラジオってちょっとオフ感あるじゃないですか。でも今日は、スーツをバシッと着て写真を撮っているから緊張するというか。

工藤:ガチな感じだもんね。ラジオはたしかに緩いし、本田的にはちょっと違うんじゃないですかね。

本田:僕、TBSのラジオが緩いとかひと言も言ってないですからね! 語弊が生まれそうで怖い!

工藤:(笑)。僕がふざけました。本田はいい奴です!


――(笑)。まずは、そんなお二人の出会いから教えてください。本田さんはDa-iCEファンだったとお聞きしています。

本田:僕が高校1年生か2年生くらいかな。AAAさんの横浜アリーナ公演に行ったんです。その時にグッズの列に並んでいたら大輝くんが僕に名刺を配ってくれたんですよ。

工藤:え、まじ!?

本田:そうです。わざわざ、“僕に”名刺を配ってくれました。一方的にですけど、僕はそれがファーストミートでした。Da-iCEさんが横浜アリーナでオープニングアクトをした時だから、何年前だ?

工藤:【777 〜TRIPLE SEVEN〜】の時でしょ。12年くらい前かな。俺らが結成して1年目くらいの頃だ。

本田:その時はDa-iCEさんがグッズでタオルを出していて。Da-iCEファンはそのタオルを持ってオープニングアクトの時に前に行くっていう。その時は「I'll be back」を歌っていました。

工藤:めちゃくちゃ知ってるね(笑)。まだメジャーデビューしていない時ですね。




――噂によると、本田さんはDa-iCEのイベントにも行ったことがあるとか。

本田:そうです。高校生の時に地元・福島から東京まで【SWISH】ツアーを見に行っていて。

工藤:まじ!?

本田:はい。それに僕、Da-iCEのメジャーデビュー曲の投票もしているんですよ。「TOKI」が好きだったから「TOKI」に投票しました。

工藤:残念!(デビュー曲は「SHOUT IT OUT」に決定)

本田:その頃はサブスクもなかったから、YouTubeに流れてくる音源を聴くしかなくて。僕と僕の双子と幼馴染の3人でよく聴いていました。それと、僕が上京したのってDa-iCEがちょうどデビューした年だったんですよ。なのでTSUTAYAのリリースイベントに行って、握手会にも参加しました。

工藤:やばすぎ(笑)!!

本田:(和田)颯くんが僕の1〜2歳上なんですけど、その話をしたのを覚えています。大輝くんとも話しました。

工藤:え、それって個握?

本田:話をした時は全員とハイタッチする感じで。でも、ラゾーナ川崎でやった個握にも行っています。SKY-HIさんがサプライズゲストで登場したミニライブも見ていますし、家に『BILLION DREAMS』のソロジャケットもありますよ。

工藤:やばいね(笑)。でもそれを聴くとめちゃくちゃ老いを感じますね。10年経ったんだな〜って。

本田:だから僕は一方的にデビュー前から応援させていただいていたんです。


――めちゃくちゃ古参ファンですね……! 工藤さん視点で言うと、本田さんとの出会いはいつだったのですか?

工藤:本田が『PRODUCE 101 JAPAN』に出た時、Da-iCEの曲を使ってくれているってファンの方から教えてもらった時ですね。「反逆のプリンス」が「FAKESHOW」使ってるよって。それで、メンバーが誰なのか気になるじゃないですか。そこで調べて知りました。




――なんだか縁深いですね。

本田:そうなんですよ。しかも、自分で「FAKESHOW」を選んだわけじゃないんです。

工藤:え、そうなの? 誰かがランダムで選んだんだ。

本田:プロデューサーの方がメンバーを選んで、課題曲を振り分けるんです。だからすごい奇跡でした。

工藤:そうだったんだ。元々の振りも入れてくれつつ、自分たちの振付をしていたのも見てましたね。

本田:サビは本家のままで、反逆のプリンスは4人だったから構成はそれ用に作りました。

工藤:で、オーディションが終わってOWVを組んだ後に『TALK ABOUT』に来てくれてって感じですね。

本田:その前に『BoyAge』もありましたよ。

工藤:あ、そうだ。2023年の年始くらいにイベントがあって、そこに出演するダンスボーカルグループの子たちと僕が対談するっていう機会があって。その時にたくさん話をしました。


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  1. 「Da-iCEと近いからこそ」
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「Da-iCEと近いからこそ」

――そうだったのですね。今回楽曲を提供したのはラジオがきっかけだったとか。

工藤:何回も来てくれていたので、ネタっぽく「俺はいつ曲作れんの?」ってふざけていたんです。それがエスカレートしていって、断言したという流れです。大人間のやり取りを待っているといつまでも作れなさそうだし、1回オンエアに乗せてしまえば後に引けないでしょと思って(笑)。

本田:そうしたらあっという間に決まっていて。でも、大輝くんは本当に作ってくれるだろうなって思っていましたけど、叶うとしてももっと後だろうな、と。まさか半年後に叶うとは思っていなかったです。


――口に出すことはやっぱり大切ですね。そして2グループの中でもお二人は特に交流があるそうですね。ファンの方から「アニキ」と呼ばれていた本田さんが、工藤さんを「アニキ」と思っている、と。

工藤:本田、アニキなの(笑)!?

本田:そうですね。一応、日プの時は「国民のアニキ」をやらせてもらっていました。大輝くんからしたら「お前がアニキなんかい!」って思うかもしれませんけど……。

工藤:いやいや! 本田はちゃんとしているからアニキ感あるよ。



――本当に。そして工藤さんは本田さんを「後輩のように思っている」、と。プライベートでも交流があるそうですが、お二人の距離が縮まったきっかけはなんだったのですか。

本田:ラジオですよね? 七夕企画で、僕が「ご飯に連れて行ってほしい」という願い事をしたら連絡先を交換してくれて、本当に連れて行ってくれました。

工藤:僕、全然ご飯に行くタイプなんですけど、後輩たちには行かなそうと思われているっぽくて。本田然り、ダンスボーカルグループ界隈の子たちから見ると、とっつきにくいらしいんです。でも、そんなことはまったくないし、連絡先を交換することもハードル低いし。で、本田は言ってくれたのでスッと連絡先を交換して。それでご飯を食べに行った感じです。


――グループ同士の交流もあるのでしょうか。

工藤:ないよね?

本田:ないですね。なんならOWVのメンバーをすっ飛ばして、INIの西洸人がここに入ってきました。

工藤:そうそう(笑)。西と本田と俺でご飯に行くっていう。本田と西は仲良いもんね。

本田:そうです。それで、西も大輝くんと番組で話したらしくて。

工藤:西も曲を作るし、作家の友だちともつながりがあったので、番組の裏でちょこちょこ話すんですけど、いつも時間が足りないんですよ。「ごめん、もう行かなきゃ」って。それで本田と仲が良いんだったら今度3人で行こうよって話をして行きました。

本田:「Frontier」を大輝くんが書いてくれましたって発表した時、一番最初にリアクションしてくれたのが西でした。いきなり3人のグループLINEが作られていて、「ずるすぎる!」ってメッセージが来ていて。

工藤:あはは(笑)! そう言えばグループできてたな。

本田:だから、僕はDa-iCEさんとはイベントでご一緒した時に挨拶させていただくくらいです。

工藤:うちのメンバーは、OWVのことはもちろん知ってはいますよ。イベントで一緒になった時、OWVのMCがめちゃくちゃおもしろくて。それを(大野)雄大が本気で悔しがっていました。「マジでいいな!」って(笑)。

本田:MCを頑張っているのでめちゃくちゃ嬉しい!

工藤:口パクでMCをするっていうネタだったんですよね。それを見てみんな大爆笑していました。「あんなに面白い奴らいるんだ」って。僕らはちょっとイレギュラーですけど、ダンスボーカルグループって真面目じゃないですか。MCにもテンプレがありますし。それをぶっ壊していて、僕らと匂いが近いなって。それも曲を提供しようと思った理由の一つです。オーディションで落ちた子たちが自分たちで集まって頑張っているところとか、たくさんダンスボーカルグループがいる中で自分たちの居場所を作ろうとしているところとか、僕たちに近いものを感じて、楽曲提供したいなって。


――そうして出来上がった「Frontier」ですが、本田さんからOWVについていろいろと聞いて制作していったそうですね。本田さんの話を聞いて、工藤さんはどういうイメージが浮かんで、どのように制作を進めたのでしょうか。

工藤:ご飯を食べに行った時にOWVの現状やどういうことを考えているのか、どこを目指しているのかなどを聞きました。真面目にっていうよりも、普通に楽しく聞いていて。

本田:(ボソッと)高級焼肉店で。

工藤:高級をつけなくていいんだよ(笑)。焼き肉食べに行って、でいいじゃん。

本田:帰りにサンドイッチをもらう高級焼き肉店でした。

工藤:言わなくていいから(笑)。後輩とご飯に行くときは見栄を張るタイプなんです(笑)。





「Frontier」ミュージック・ビデオ


――さすが(笑)!

本田:ごめんなさい、続けてください。

工藤:それで正式に作り始める時に、OWVチームから意見ももらって。それを踏まえて考えていきました。

本田:歌詞を見た時驚いたんですよ。「ここまで話したっけ?」というようなことも盛り込まれていたので。それがすごく嬉しかったです。

工藤:Da-iCEと近いからこそ、「こういうことで悩んでいそう」、「こういうストレスを感じていそう」ということが読み取れましたし、「どうやったら抜け出せるか」ということも考えやすかったですね。


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  1. 「『OWVのために書いてくれたんだ』ということがスッとわかって」
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「『OWVのために書いてくれたんだ』ということがスッとわかって」

――たしかに2グループが近いからこそ、数年前のDa-iCEも歌えそうと感じました。ただ、「Frontier」の中にはOWVでなくてはいけない部分も確実にあって。そのOWVらしさはどんな部分で表したのでしょうか。

工藤:いっぱいありますよ〜。

本田:2番のラップの<雛壇から虎視眈々狙う>とか、そうじゃないですか。あとは、やっぱり歌い出しの<あの日のラフスケッチ 未完成のまま>。僕らがオーディションで落ちて、その時描こうとしていたスケッチは描けないけど、新しく物語を書いていくっていう。そこは僕たちにしか歌えないのかなと思います。

工藤:そうだね。あとは<4 elements>とかもそうですね。喜怒哀楽の4つとかかっているのですが、メンバーの人数にもかけていて。Da-iCEだったら5にするので、ここはOWVならではかな。あとはサウンド感もそうですね。OWVの曲はもちろん全部聴いて、同じような曲を出す意味がないので違ったアプローチにしたり、ホールやアリーナのライブで歌っている時にどういう空間になるのかを想像したり。ライブ中盤や後半にファンと一体になるイメージで、J-POP感を出しました。



――本田さんは一番最初に聴いた時にどんなことを思われましたか?

本田:ファン目線なのですが、デモを全部大輝くんが歌っていたので「うわ、大輝くんが歌ってるんだ!」って思いました。「え、もしかして双子の兄の方が歌ってるのかな」とか考えたりもしましたね(笑)。

工藤:しょうもない感想だな(笑)!

本田:でも本当に爽やかで気持ちのいい曲になっていて、それを大輝くんが歌ってくれていたので興奮しましたね。お風呂で「どこを歌うことになるのかな〜」って考えながらたくさん聴いていました。それとやっぱり歌詞ですよね。「OWVのために書いてくれたんだ」ということがスッとわかって、嬉しさが一番強かったかもしれません。


――個人的に<まだ焦る時間じゃない>や<雛壇から虎視眈々狙う 唯一無二のトップランカー>、<ド正面じゃな<裏口から 天下取るやり方 文句あっか?>という、工藤さんからOWVへのエールのようなパートを本田さんが担当しているのが熱いなって。

工藤:そうですね。明確な歌割りの指示出しをしたわけではないのですが、本田から誰がラップで誰が歌で、どれくらいを担当するのかというのは聞いていて、ニュアンスを変えているんです。なので、作りながら、「ここでラップチームからボーカルチームにバトンタッチするな」など譜割りを想像しながら作っていました。

本田:言ってたな〜。「ラップどんくらい歌うの?」って。

工藤:言ってただろ? 高級焼肉店で(笑)。



――(笑)。ちなみに歌詞の解釈は工藤さんから伝えていたんですか?

工藤:歌詞しか渡してないですね。自分で説明すんのもな〜って思って。

本田:僕たちで咀嚼して、ラジオに行った時にお話しさせてもらいました。例えば、<When the sun goes down>もなぜ沈んでいくかって、<真っ赤に染まった夕日を背に 夜を超えてく強さを手にしたい>と言っているように、沈んでいく太陽を背にして次に上る太陽を追いかけていくということなのかなって。それはまだ見ぬ光に向かって走り出している僕たちのことであり、これから来る明るい未来に向かっていることなんだろうなと解釈しました。あとは<その日が訪れるまで黙って>から始めるDメロの部分ですよね。僕たち、体を張ってどんなこともやってきたので、ここに入っていることにグッときて。これをサラッと歌い上げるのがOWV流なのかなと思いました。

工藤:そうだよ。

本田:あとはやっぱり歌いだしの部分。今まで僕たち、「日プに落ちたメンバーです」って明言してこなかったんですよ。それを落ち着いて歌っていながらも「這い上がるぞ」という気持ちを込めて言い表されていて、内に秘めた闘志が垣間見えていて良いなと思いました。

工藤:ありがとう。パフォーマンス含めて出来上がりが素晴らしかったですね。振付もRyusei(harada)くんという若手で勢いのあるダンサーで。彼をチョイスしたのもOWVのみんなでしょ?

本田:はい。

工藤:そのセンスもすごくいいなと思いましたし、曲に合っていました。映像も本田と仲が良い同期の方が担当しているし、チームアップ感が素敵ですよね。自分たちのチームで作り上げていくクリエイトがこの曲に関しては意味があるというか、すごくハマっていると思います。

本田:大輝くんに曲を書いてもらったのを含め、自分たちが今まで関わってきた人たちに頼みましたね。


――よりOWV色が強まりそうですよね。反響も大きいのでは?

工藤:僕はありがたいことに、OWVのファンの方から「素敵な曲をありがとうございます」というメッセージをたくさんいただきました。

本田:僕もです。Da-iCEのファンの皆さん、いや、6面のみなさんがメッセージを送ってくれました。

工藤:言い直した(笑)。でもこの曲はちょっと寝かせたら、もっとエモくなると思う。OWVがもうちょっと上のレイヤーに行ってから歌ったら、ファンの方はめちゃくちゃ嬉しいと思いますね。



――まさかそこまで計算して制作を…?

工藤:して……ます。

本田:すげぇ!!!

工藤:僕の作り方の癖なんですよ。現状で聴いてもいいんですけど、ちょっと違うタイミングで聴いた時にエモくなる方が曲としては耐久力があるじゃないですか。メンバーはもちろんだけど、応援してくれる方が何をもってOWVを応援しているかが重要だと思うんですよね。「本田くん、オーディション落ちて残念だったな。でもグループを作ってくれたから、私はそれを応援しよう」というのが出発点だから、そこを言語化した方がファンとしてもしっくりくるじゃないですか。

本田:ファンにもリサーチを!?

工藤:ファンにもっていうか、むしろそこだよね。別に本田のことはぶっちゃけどうでもよくて(笑)。

本田:ちょっと、ちょっと!

工藤:それは冗談として(笑)。でもファンの方はオーディションに受かった子たちではなくて、OWVのメンバーが好きだからライブにきてくれているわけです。その子たちを大事にするのが最重要なんですよね。その子たちがエモくなる曲じゃないと意味がない。僕たちもそれを大切にしています。

本田:自分が表に立って、ファンを大切にしている大輝くんだからこそ作れる曲ですよね。


――ちなみに、このクオリティの曲をどれくらいの期間で作ったのですか?

工藤:デモは3日くらいかな。歌詞は3〜4時間で書きました。


――きっとDa-iCEのアルバム制作の時期とかぶっていましたよね?

工藤:はい(ニッコリ)。お題をいただいて、自分の中で書く内容は決まっていたので、あとはテンションで書いていきました。


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  1. 「グループをやりながら何かを成功させて証明したいって思っているタイプなんです」
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「グループをやりながら何かを成功させて証明したいって思っているタイプなんです」

――さすがでございます。ではお二人の今の関係についても聞かせてください。公私ともに交流がありますが、お互いどんな印象を持っているのでしょうか。

本田:僕は……えっと……。

工藤:何でも言っていいよ。

本田:いいですか? じゃあ。まじで店を決めるのが早い!

工藤:そこ(笑)!?

本田:本当に早いんですよ。しかも店を変えようってなったときも一瞬で決めるんです。

工藤:だってギリギリになったらいいお店が取れないし、自分の中でスケジュールをロックすることで「ここまでに仕事を終わらせよう」って動けるし。なんとなくでやって「予約してない!」ってなるのが嫌なだけ。でも、印象聞かれてそこが出てくるの(笑)!?

本田:いや、今のはあえてというか、ジャブというか(笑)。ずっと前から応援していた僕からすると、イメージが変わらないんですよ。ずっとこのまま。ステージもMCもこの感じですもんね。

工藤:そうね。我々って外に出ている時と、そうじゃない時の差がないと思います。


――特に工藤さんは「いつでもフラットでいる」とおっしゃっていましたもんね。

工藤:はい。バラエティ番組でテンションを上げてくださいって言われても、絶対に上げない(笑)。

本田:でも感性が素敵だから、二人で合っている時はいろいろ聞き出したくなっちゃいます。苦労されていることは知っているから、どうやってモチベーションを保つのかとか聞いていましたね。本当に人生の先輩みたいな感じで色々お話を聞いたり、アドバイスをもらったりしました。新宿でモヒートを飲みながら。

工藤:高架下でな!



――もらったアドバイスで印象深かったものはありますか?

本田:「OWVは47都道府県回ったほうがいいよ」って。大きくなってからじゃできないことは、今のうちからやっておいたほうがいいと言っていただけて、たしかにと思いました。なので、ライブで行くことはできなかったんですけど、今、47都道府県呼ばれたらどこにでも行きますというのをやっています(笑)。今週青森県に行くんですよ。何をするかはまだ聞かされてないんですけど、汚れてもいい服装で来てくださいって言われました。

工藤:なにするの!? なんか俺が想像していたのとは違う方向性なんだけど(笑)。

本田:吉本興業が咀嚼したらそうなっちゃうんですよ(笑)。

工藤:でも、それはそれで誰もやっていない方向性でいいのかもね。

本田:はい。いつの間にか違う方向になっていましたが、1回飲み込んでやってみようと思って。

工藤:そうね。やってみた方がいいよ。僕は「ズカズカ来る後輩の1人」かな(笑)。さっきもいいましたが、後輩とあまり連絡を取らないのですが、本田は急に「ご飯行きたいです」と言ってくれるタイプです。いい意味での突破力を持っているというか。でもそれが僕にとっては嬉しいですね。あと行動力がある。こういう業界で生きていくにはある程度の行動力って大事だと思うんです。それを本田は持っているので、すごくいいなと思っています。


――お二人はリーダーというポジションや、プロデューサー的側面があるという共通点もありますよね。

工藤・本田:たしかに。

本田:でも僕、リーダー論みたいなのないんですよ。挨拶する時に「皆さん、こんにちは」って言うくらいです。

工藤:俺も一緒。「どうも、Da-iCEです」の「どうも」を言うだけ。でもこういうタイプのグループは長続きすると思うよ。自由な中でギリギリ手綱を引いてバランスを取るグループは、余白があるから潰れにくいんですよ。

本田:メモしておこう! あと、聞いてみたいことがあるんですけどいいですか? 様々な活動をされてきた中で、グループ活動の大変さを感じた瞬間はありましたか?

工藤:ないね!

本田:ずっとやってやろうって?

工藤:うん。

本田:ありがとうございました。

工藤:(笑)。個人的な挫折みたいなことはあるけど、グループをやりながら何かを成功させて証明したいって思っているタイプなんです。グループを辞めて証明するのは自分の中で違うというか。Da-iCEを続けながら何かを成し遂げるって、俺らにしかできないっていう結論に行き着きましたね。例えば「CITRUS」はメンバーが作詞作曲していない楽曲なのに代表曲になっちゃったなと思っていた部分がどこかしらあったんです。でも絶対ひっくり返してやると思って「スターマイン」を作る、みたいな。全部そういうメンタルで来ているから、グループを辞めたいと思ったことはないですね。


――本田さんも工藤さんのこの考え方に近かったり?

本田:うーん。ここまでポジティブに考えるタイプではないかも。でも、ネガティブになってもこの仕事が好きだから「辞めたい」というネガティブには行かないですね。

工藤:そうね。でも、本田のこと根明でポジティブな人だとは1ミリも思ったことない。ナイーブで体裁を保つために明るく振る舞っているタイプでしょ。だから勇気を出して連絡してくれてんだなって思っていますよ。

本田:やばい! 僕、めっちゃかわいいやつになっちゃう!

工藤:自分にめちゃくちゃ自信があるタイプでもないじゃん? でも、その方が客観視できていいと思う。俺もそうだから、シンパシーを感じますね。


――似た者同士の部分がありそうですね。そんなお二人はプライベートではどんなお話をされるんですか?

本田:話というか行動なんですけど、大輝くんは焼き肉を焼いてくれます。僕、焼けなくて。

工藤:あはは(笑)! 無意識に焼いていました。気を遣われるのが苦手なので、つい。

本田:しかも取り分けもしてくれます。

工藤:僕が仕事の延長の話の方が面白いって思うタイプだから、仕事の話が多いですね。

本田:そうですね。西がいた時もそうでしたよね。あ! 僕、どうしても書いてほしい話があるんですけど、いいですか?


――お願いします!

本田:西と大輝くんと焼き肉に行った時、二人が音楽番組の裏側の話をしていたんですよ。練習がどうこうっていう。でも僕、その話がわからないので、その時だけ焼き肉を焼いていました(笑)!

工藤:あったな〜、そんなこと。

本田:だからこの記事を音楽番組の方に見てもらって、OWVも出演させてほしいです。話に混ざりたい! 本当は「Frontier」で一緒に出れたら良かったんですけどね。

工藤:じゃあそれは<雛壇から虎視眈々>と狙ってください!

本田:あー! それ、僕が言うべきでしたね。一人で焼き肉を焼き続けないで済むよう、虎視眈々と音楽番組出演を狙います!


OWV「Frontier」

Frontier

2024/10/23 RELEASE
UMCK-5763 ¥ 1,200(税込)

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  1. 01.Frontier
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