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<インタビュー>WILYWNKA、4thアルバム『90's Baby』のリリースに始まり、Zeppツアーの成功、自身初となるビルボードライブで激動の1年を締めくくる

インタビューバナー

Interview & Text:Koro Sato

 自身4作目となるアルバム『90's Baby』のリリースに始まり、全国5都市で開催されたZeppツアーの成功、思い出の土地「阪神甲子園球場」での始球式と続き、自身初となる東京/大阪でのビルボードライブでWILYWNKAが激動の1年を締めくくる。

「常に新しいことをやっていきたい」

――『90's Baby』発売から約半年が経過しましたが、改めてコンセプトを教えてください。

WILYWNKA:シンプルに1997年生まれで、中1でスケボーとヒップホップに出会ったクソガキがG・ユニットから聴き始め、高校でエイサップ・ロッキーやタイラー・ザ・クリエイター、ジョーイ・バッドアスとかをリアルタイムで追っかけてきた。良き縁もあって面白い先輩たちにさらにディープにヒップホップの深さを植え付けてもらい、DJプレミアやジ・アルケミストといった先人たちも後追いで学んで、聴いてもらえればわかる通り、僕の音楽性はそういった経験からできているんですよね。そんなすべてを含めて“90's ベイビー”だなと。ドリルやトラップといったメインストリームのヒップホップヘッズたちからしたら古くさく感じられるかもしれないけど、『どこかで聴いたことない? この曲、あれサンプリングしてるんじゃない?』みたいな聴き方もしてもらえたらうれしいですね。

――新作のZeppツアーも無事終了し、現在はクラブツアー真っ只中ですが、やはり感覚は似て非なるものですか?

WILYWNKA:まだ広島と京都しか行ってないんですけど、とにかくお客さんがあったかい。大きなツアーで良いパフォーマンスを見せるのも大事ですけど、やっぱりクラブツアーも大事。勢いづけて完走しようと思ってますけど、その先にはビルボードライブでの公演が控えているんで、Zeppやクラブツアーとは差別化を図れるというか、しっかりとコントラストはつけようと思ってます。


【LIVE】WILYWNKA - Gorgeous feat. ¥ellow Bucks & Nephew
(Live at Zepp DiverCity Tokyo 2024.8.23)



――ちなみにZeppツアーでの反省点はありましたか?

JQ:いっぱいありますよ。でも、そう思えている自分は良い自分である、と自己肯定してます。反省点がなくなってしまうほうが怖いですからね。常に新しいことをやっていきたいので、理想の自分に近づくための通過点であり、ツアーはいい収穫になりました。来てくれたお客さんはみんなあったかかったし、みんなで作れたショウ、って感じでしたね。『WILYWNKAはもっと行けんだろ!』——その気持ちをビルボードライブで出せればと思ってます。



「アットホームで素敵な時間を届けたい」

――ビルボードでのライブは初かと思いますが、どんなイメージを抱いていた空間ですか?

WILYWNKA:去年の9月だったかな、ビルボードライブ横浜でやったテラス・マーティンの来日公演に遊びに行ったんですよ。正直、ドキドキしましたよね(笑)。良い意味で構えちゃうというか服装とかも気にしちゃうし、でもそういう“考える”こと自体が素敵だなって感じたというか、普段のライブとは違う楽しみ方ができましたね。

――そういった感覚を12月7日のビルボードライブ大阪、14日のビルボードライブ東京に来場する方々にも体感してほしいですよね。

WILYWNKA:来てくれるお客さんも20代が多いんじゃないかなって思うんです。みんな普通に仕事をしてお金も全然あるだろうけど、『タカ(WILYWNKA)でビルボードライブ!?』ってなかなか巡ってこない機会だと思うんです。なので、いつもよりめかし込んで、いつもより高いビールも飲んじゃって、『良い1日だった』と感じてもらえるライブにしたい。今って誰でも簡単に音楽を聴ける時代じゃないですか。その恩恵にあやかるのも全然悪くないんですけど、ライブは“過程”を楽しむこともできると思うんです。リアルに『えっ……なんかいつもと違う!!』って感じてもらえるだろうし、僕自身『TPOを守りたい系ラッパー』代表として、ビルボードライブならではのショウを見せたいと思ってます。もちろん、自分もめちゃくちゃ楽しむ気で挑みたいと思っているので!

――しかも当日はバンドセットですしね。

WILYWNKA:今回バンドは4人編成を考えていて、イケてるドラマーの竹村仁くんとキーボードは中村エイジくん。2人とも僕と歳が近いんで、その若さに加えてギターには韻シストのTAKUさんともうひとりキーボードとしてNagipanさんというベテラン先輩方にも参加してもらいます。全員大阪なので、確実に良き時間を提供できると思います。

――総じてどのようなステージになりそうでしょうか?

WILYWNKA:『90's Baby』のリリースから始まって、Zeppツアー、甲子園球場での始球式、クラブツアー、そしてビルボードライブ。今年の総決算じゃないけど、今年は本当にいろんなことがあった1年だったんで、クリスマスシーズンの手前である人肌恋しい季節にあったかいアットホームで素敵な時間を届けられるようなスペシャルなライブにしたいですね。なんせやるのは僕なので、ビルボードライブという会場でもアットホームになっちゃいますよね。きっと会えます、新しいWILYWNKAに。

――最後に、阪神タイガースの始球式で登壇した際、めちゃくちゃ緊張していましたが、今年の総決算としてあの日の感想をこっそり教えてください。

WILYWNKA:……ホンマめっちゃ緊張したんですよ!小さい頃から足を運んでいる球場で、何度もそこで優勝してるところを体験してるし、思いの丈が強すぎて脳がショートしました。もっとグラウンドの匂いも嗅ぎたかったし、マウンドから見れる絶景をもっと味わいたかったし……ガチリスペクトが過ぎると何もできないことを経験しました(笑)。ウグイス嬢に『ウイリー、ウォンカさん!』っていつもとまったく違うテンションで呼ばれたこともめっちゃ緊張につながりましたもんね。始球式は……いつかリベンジします!



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