＜インタビュー＞FANTASTICSがミニアルバム『Temporal Transition』で新たなフェーズへ

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ＦＡＮＴＡＳＴＩＣＳ

インタビューバナー

Interview & Text：尹秀姫
Photo：石原麻里絵

　今年の２月からスタートし、７月15日に幕を閉じた初の単独アリーナツアー『INTERSTELLATIC FANTASTIC』を経てさらに大きく成長したFANTASTICSが、ミニアルバム『Temporal Transition』でさらなる飛躍に臨む。今回はアルバム収録曲の推しポイントやツアーの思い出、さらに活発化している個人活動について振り返ってもらった。

『Temporal Transition』の推し曲は？

――EPEXさんとの合同インタビューに続いておよそ３か月ぶりのご登場です。その間、どうお過ごしでしたか？　近況を教えてください。

中島颯太：僕は（佐藤）大樹くんと（瀬口）黎弥くんと一緒に映画『逃走中 THE MOVIE』の撮影をしておりました。

佐藤大樹：僕はふるさと納税にハマっていました（笑）。シャインマスカットにいくら、蒲焼きなどなど、けっこう色々な返礼品があるのでハマりました。最近、サウナが返礼品になっているのを発見して、いつかトライしようかなと思ってるんです。それ以外にもラジオの枠が買えたりするんですよ。。最近はふるさと納税に夢中ですね（笑)。

澤本夏輝：僕はラーメンが好きなんですけど、とあるラーメン屋さんのポイントカードを持っていて、そこは45ポイントで全部埋まるんですよ。

佐藤大樹：45ポイントって、独特だね。

澤本夏輝：そのポイントカードが1枚貯まって、もう1枚のほうも20ポイントぐらいまで貯まっているので、それぐらいは食べてますね。

八木勇征：僕はこの3か月で映画を2本撮っていました。『矢野くんの普通の日々』と、『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』です。

――７月17日にリリースされたミニアルバム『Temporal Transition』はどんな作品ですか？　タイトルに込めた想いやアルバムとしてどんな作品になったのか、教えてください。

中島颯太：これまで僕たちは『FAN FAN PROJECT』といって自転車から始まり、電車、飛行機など、いろんな乗り物に乗るというコンセプトのライブツアーをしてきました。【INTERSTELLATIC FANTASTIC】というアリーナツアーでも僕たちは宇宙への旅をしていて、その中でリリースする今回の『Temporal Transition』というアルバムは、時間と空間がどのように繋がるかを、FANTASTICSがいろんなものに変えて表現していくという意味がこのタイトルに込められています。アルバムにはいろんな曲調の楽曲が収録されているので、今後のライブでも表現できたらいいなと思っています。今後、僕たちが表現していくものとして、『Temporal Transition』をリリースさせていただきました。

――『Temporal Transition』には６曲が収録されていますが、メンバーそれぞれの推し曲を選んでいただきつつ、推し曲についての聴きどころや注目してほしいポイント、自身のパートで自信があるところなど教えてください。

瀬口黎弥：僕は「SUPER DUPER DISCO」が好きですね。明るい曲で、先日の【BEAT AX Vol.4】で初パフォーマンスさせていただいたんですけど、ファンのみなさんの反応もすごくよくて、僕らも踊っていてすごく楽しいですし、僕たちのユーモアを提示できる曲なのかなって思います。LDHらしい曲で、僕らもそういう部分では継承ができていると思いますし、表現できて楽しいですね。盛り上がる曲です。推しポイントは間奏の後半です！

木村慧人：僕は「FANTSTIC 9 (2024 ARENA TOUR ARRANGE)」です。「FANTSTIC 9」はFANTSTICSにとって大切な曲ですし、それが今回【INTERSTELLATIC FANTASTIC】のアリーナツアーバージョンになって、より壮大になりました。ライブで披露する時に映えているなって思うし、歌詞にもより気持ちが入り込みやすくなっています。お客さんに歌詞を覚えてきてもらって、会場で一緒に歌えたらいいなって思うので、僕はこの曲をおすすめしたいです。２サビのフォーメーション、振り付けにもぜひ注目してもらいたいです。

八木勇征：僕は「ブレイクライン」です。デモ曲を聴いた時から気に入りました。もともと僕はロックな曲が好きなので、FANTSTICSでこういう曲ができるんだということがシンプルに嬉しかったですね。レコーディングしてる時も楽しかったです。みんなで一緒になってヘッドバンギングするところがあるんですけど、ライブでは会場に来てくれたみなさんと一緒に頭を振って盛り上がれる曲です。今までは寄り添うような曲や、みんなで手を振って一体感を味わう曲が多かったんですけど、熱狂を感じられるので、個人的にすごく好きですね。特にサビの「駆けていけ」というパートは映画『逃走中 THE MOVIE』の劇中でもよく流れているんですけど、ただ普通に歌っているわけじゃなくて、疾走感を生むようなアクセントに気をつけてレコーディングしているんです。そういった工夫にも注目して聴いてほしいです。

世界：僕は３曲目の「SUPER DUPER DISCO」です。

中島颯太：振り付けも世界さんですよね。

世界：1回見たら誰でも踊れるような振り付けにしました！

木村慧人：そんなことないです（笑）。

世界：今回の振りは、単純に曲を聴いて、みんなで踊ったら楽しいかなっていう気持ちで作りましたね。けっこう前からデモはいただいていて、2人の声が入った時にパッと明るくなったんです。デモの時はもっとスタイリッシュというか、音もかっこいい系だったんですけど、 2人のメロディと、トラックを調整して華やかな感じになって、素の僕らに近くなった感じがしました。僕ら根はすごくふざけているんですよ。楽屋とかでもいつもわちゃわちゃしているので、そんな感じがパフォーマンスに活かせないかなと思って作りました。ファンのみなさんからも好評で嬉しかったです。『FUN！FUN！FANTASTICS SEASON4』の主題歌なので、毎回番組とともに楽しんでもらえる曲になりましたし、今後のライブでも育っていきそうです。

堀夏喜：僕は「SPLASH」です。踊っていて一番気持ちいいのはサビで、一瞬で5回パンチするような振り付けがあって、そこの音ハメも気持ちいいんです。

佐藤大樹：僕は「アプデライフ」ですね。どんなシチュエーションでも気軽に聴ける音楽なんですけど、本当に心地いいんですよ。イントロのノイズっぽい入りも好きです。推しポイントはライブで披露する時、2Aの「イラスト集」という歌詞の「しゅう」に合わせて勇征が「しゅう」ってかぶせてくるんですけど、そのライブアレンジが推しポイントです。LIVE盤に収録されているので、注目していただきたいです。

澤本夏輝：「Sugar Blood Kiss」です。NEW JACK（ニュージャック）テイストがありつつも、歌詞にはキスっていうちょっと甘い感じの単語が入っていて、いい感じにミックスされている曲です。バラードとは言い切れないところがまた僕は好きですね。アニメ『ヴァンパイア男子寮（ドミトリー）』のオープニングテーマ曲になっていて、アニメにも合った曲で、甘い感じが好きです。推しポイントは、イントロの振り付けです。ここはぜひ観てほしいですね。後ろを向いて、みんなで横顔を見せつつもメロディに合わせて横乗りするんですけど、それがかっこいいポイントです。

中島颯太：僕は「SPLASH」ですね。この曲はライブで派手に暴れることができるかっこいい曲が欲しいねということでできた曲なんですけど、メロディの裏に入ってるブラスのサウンドのインパクトがすごくて、そこが推しポイントです。いきなりそこから始まるので、今後この曲がめちゃくちゃ育ってみんなが好きになった時に、急にブラスから始まる演出なんかもめちゃくちゃ映えそうだし、ライブでどんどん進化させていきたい曲だなと思います。今までの楽曲でもライブで披露することで人気になっていって、今では常にセットリストに入っているという曲が多いので、「SPLASH」も今後育っていきそうな感じがします。

――LIVE盤にはFANTASTICS LIVE TOUR 2024【INTERSTELLATIC FANTASTIC】の有明アリーナ公演が収録されています。公演で印象に残っていることはありますか？

佐藤大樹：オープニング演出にかなりこだわっていて、公演ごとに毎回変えたんですよ。だからそう考えると、このツアーでまったく同じ公演をやったことはないかもしれないですね。

澤本夏輝：口頭だけで合わせて、あとはその日のリハーサルでやってみるっていう感じでした。

佐藤大樹：いずれドームツアーを目標に掲げているグループなんだから、こういうことも臨機応変に対応できないとまずいよね、という考えがあったので、自分たちの力が試されてたツアーだったかなって思いますね。

中島颯太：大樹くんが1番緊張していました（笑）。オープニングとか、ツアーで毎回変わるパートは毎回めちゃくちゃ緊張していましたね。しかも円盤に入っているのは新曲を披露した東京公演なんですよ。だからその緊張感もありました。今回のツアーではピアノを弾き語りする場面があり、そこもめちゃくちゃ緊張しましたね。

佐藤大樹：毎回パフォーマーだけのコーナーがあるんですけど、【INTERSTELLATIC FANTASTIC】では「7 Universe」というタイトルで、今回のツアーならではの演出が乗っかってめちゃくちゃかっこよくなりました。個人的に全員ルーティンのところも好きだし、衣装も好きです。今までのFANTASTICSの曲はどれも好きなんですけど、「7 Universe」はかなり好きなので、ぜひ見てほしいですね。ファンタの強みがすごく出ていると思います。

木村慧人：一番テンションが上がったのは、「サンタモニカ・ロリポップ」ですね。今回2番からリミックスになっていて、今までやったことがなかったのですごく楽しかったです。そこから衣装が水の惑星というテーマのものになっていて、一気に世界観が変わるんですよ。ぜひ注目してほしいです。

――MV盤には「ブレイクライン」のミュージックビデオとメイキング映像が収録されています。ミュージックビデオ撮影時にあったエピソードやハプニングはありますか？　またこだわったポイントや苦労したところ、楽しかったところについても教えてください。

中島颯太：ラストに走っていくシーンがあるんですけど、横に本当の炎があるので、端っこのメンバーは炎からも逃げながら走っていて、それが印象に残ってますね（笑）。

堀夏喜：でも撮影したのが夜中で、山奥での撮影だったので寒くて、逆にそれで暖を取ってました（笑）。撮影が止まっている時、ドラム缶の中でずっと火を焚いてくれていたので、みんなであったまったりする様子もメイキング映像には入ってると思います。

佐藤大樹：富士山が見えるところでの撮影だったので、景色も印象に残っています。

【Music Video】ブレイクライン / FANTASTICS from EXILE TRIBE

八木勇征：番号がキーワードになっていて、ミュージックビデオの至るところに番号が登場するんです。颯太と僕のシーンで言うと、置いてある車に番号が書かれていたり、イントロのシーンで番号がパッと出てきたりするんですけど、その番号にとあるメッセージが隠されていて、それを読み解くと、1つの文章になるので、それも楽しいかなって思います。解読しようとしてくださるファンの方もいて嬉しかったです。

中島颯太：すでにもう正解を導き出しているファンの方もいて、難しいはずなのにすごいですよね。

木村慧人：そうやって参加して盛り上がってくれるのは嬉しいです。

中島颯太：MVでは叫んでいる表情は見えるけど声は入ってなくて、メイキング映像には僕たちが出してる言葉とかも入ってるんじゃないかと思うんです。僕たちの叫んでいる声が聞こえるんじゃないかと思います。

瀬口黎弥：勇征と颯太が建物から建物に飛ぶシーンがあるんですけど、あれはガチで飛ぶ寸前までやっていたので、見ていてめっちゃ怖かったですね。本当にギリギリのところまで走っていくので、それを目の前で見ていて「うわ、こわっ」てなりました。安全第一で撮影はしたんですけど、緊張感はありましたね。

八木勇征：その表情とか、飛んでいる姿が不格好じゃないかとかいろいろ気になったんですけど、必死さというのは出ているかなと思います。

佐藤大樹：僕らはそれぞれのイメージシーンをどうやって撮っているのかわからなかったんですけど、メイキング映像を見て初めてこうやって撮ってたんだというのがわかったので、ファンの方も楽しめるポイントなんじゃないかなって思います。あと、僕は途中からカメラを渡されていて、僕にしか撮れない映像も収録されていると思うので、注目してください！　勇征くんの寝顔とか（笑）。

八木勇征：いつ撮ったのか全然わからない…。

佐藤大樹：でしょ!?　気づいてないと思う。あとは黎弥がTikTokを撮っているところとかもこっそり撮影しているので、ぜひチェックしていただきたいです。

リリース情報

FANTASTICS

EP「Temporal Transition」

2024/7/17 RELEASE

個人活動もグループ活動も、
止まらないFANTASTICSの躍進

――EPEXとのコラボレーションEP『Peppermint Yum』はBillboard JAPAN “Top Albums Sales”、 “Hot Albums”で2冠を獲得するなど、大活躍でした。今年の上半期を振り返ってみてどんな活動が印象に残りましたか？

佐藤大樹：僕たちの冠番組『FUN！FUN！FANTASTICS』は今年で４年目になるんですけど、その撮影が印象的でしたね。ゲストの方をお呼びして色々なことを学ぶトーク収録と、カバー曲収録をそれぞれ2日か3日で撮るのでまあまあ過酷なんですけど、今年は例年より大変だったなと思いました。以前はトークコーナーには80年代・90年代のレジェンドの方が来てくださっていたんですけど、今回は自分たちが見ていた世代の方も登場してくださって、いろんな方のお話を聞くことができて、すごく面白かったです。あとはとある回のみんなのモノマネにすごく笑わせてもらいました。今後もこの番組が続いていくなら、僕はいつかすしざんまいの社長の方にお会いしたいんです！

中島颯太：木村さん？

佐藤大樹：なんで名前知っているの!?

中島颯太：僕、一回木村さんに刺し身を「あーん」で食べさせてもらったことがあって（笑）。木村さんが捌いたまぐろを口に入れてもらいました。ほっぺもツンってされました（笑）。

佐藤大樹：あとは毎回言っているけど、田中マルクス闘莉王選手！

瀬口黎弥：それで言うなら森保監督にもお会いしたいですね。

中島颯太：僕はさんまさんに出演していただきたいです。

――映画『逃走中 THE MOVIE』には中島颯太さん、瀬口黎弥さん、佐藤大樹さんが出演されていますし、中島颯太さんはドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』にも出演されています。個々人での活動も多いですが、ソロ活動について印象に残っていることは？

木村慧人：僕も３月、４月で別のドラマの撮影をしていたので、すごく印象に残っていますね。とても楽しかったです。『好きなオトコと別れたい』は後輩役で、ヒロインに恋する役だったんですけど、叶わない恋というのが自分的にはよかったです。『さっちゃん、僕は。』は初単独主演ドラマだったので自分なりに想いが強かったですね。今回初めてインティマシー・シーンを演じていて、体当たりな演技が多かったです。プールで溺れているシーンがあるんですけど、それが恋愛に溺れていく様を表現しているんですよ。あとは単純に役として楽しんでもらいたいです。

佐藤大樹：映画『逃走中』の撮影は大変でした！　まず陸上練習から入ったんですけど、陸上の先生に教わって、バトンパスの練習もしました。2月から撮っていたんですけど、陸上部のシーンは特にみんなで支え合いながら撮影しました。クランクアップのシーンも見に行ったんですけど、黎弥が寒さを紛らわすために蝉の音を流してました（笑）。

瀬口黎弥：JO1の子たちが寒くて死にそうだったから、何とかできないかなと思って（笑）。

中島颯太：本当にちょっとだけ暖かくなりましたね（笑）。JO1の3人は、同世代で、ずっと話してました。３人ともめちゃくちゃふざけるタイプだったんですよ（笑）。ファンタもふざけてはいたんですけど、JO1の子たちが来ると、こっちが大人っぽく感じるくらいでした（笑）。すごく面白くて、そこに僕たちがツッコミを入れて、仲良くなりました。

瀬口黎弥：なんか似ているものを感じたから、JO1の木全くんと慧人でいつか対談してほしい（笑）。

中島颯太：（木全）翔也のボケに慧ちゃんがツッコめなくて変な感じになるのが面白そう（笑）。

木村慧人：その子はボケるタイプなんだ（笑）。いつか実現させたいですね。