Interview: 坂本ゆかり
Text: Mariko Ikitake
Photos: 筒浦奨太

　“男性版清純派7人組グループ” THE SUPER FRUITの新曲「どーぱみんみん　あどれなりんりん」が配信スタートした。音楽プロデューサー・作詞家・作曲家のヒャダインが楽曲提供した本曲のテーマはズバリ“自己肯定感爆上げ”。それぞれ違う7人の個性が魅力的なスパフルが歌うことで、様々な“自分らしさ”を持つどんな人にも響く一曲だ。

　スパフルは現在、自身やファンたちに対してサプライズを届けるスペシャルイヤーを走行中。【TikTok流行語大賞2022】を受賞したデビュー曲「チグハグ」以降、活動を通して成長してきた彼らに、その成長の先に見えるものや、今年起こったビックリ事件、ドーパミンが出る幸せな瞬間を聞いた。

左から：阿部隼大、堀内結流、星野晴海、小田惟真、田倉暉久、松本勇輝、鈴木志音

──THE SUPER FRUITは、今春からスタートした「春夏秋冬サプライズYear! 2024-2025」でサプライズが続いています。これまでのサプライズを振り返りつつ、新曲やこの先のお話を伺っていきましょう。春はまず、「チグハグ」と「サクラフレフレ」の韓国語ver.を配信リリースし、韓国・ソウルで初の海外路上ライブを行うというサプライズがありました。

鈴木志音：僕たちにとって、初の海外、初のストリートライブです。新村（シンチョン）と弘大（ホンデ）という、路上ライブのメッカでパフォーマンスしました。韓国の方たちは、曲が終わったときに拍手じゃなくて、歓声を上げてくれるんですよ。それが個人的に楽しかったし、やりやすかったです。

──韓国語の歌詞を覚えるのは、大変だったのでは？

星野晴海：難しかったですね。レコーディングのときは「耳で覚えるしかない」と思い、めちゃくちゃ聴きこみました。ハングルをカタカナで書いて覚えたのですが、「い」と「え」の中間のような日本語にはない発音があるから、細かいニュアンスの違いまで書き出して。自分なりの方法で覚えました。

▲星野晴海

──韓国で、美味しいものは食べられましたか？

松本勇輝：僕と小田、鈴木の3人は、ポッサム（茹で豚）を食べました。

小田惟真：美味しかったね！　豚肉を白菜に包んで食べるのですが、めっちゃヘルシーで、めっちゃ美味しかったです。

阿部隼大：僕と田倉と堀内は、コンビニグルメも体験しました。

田倉暉久：そうそう。「せっかく韓国に来たから、辛い“ブルダック炒め麺”を食べよう！」と、コンビニに行ったんです。見た目が一番優しそうなピンク色（カルボナーラ味・辛さレベル低め）のカップ麺を買ってホテルの部屋で食べたんですけど、辛すぎて、完食までに1時間くらいかかりました。

▲田倉暉久

──海外といえば、6月には【Japan Tours Festival 2024】に参加。フランスでライブを行うというサプライズもありました。

堀内結流：フランス、すごかったです！　ハンパない声量で盛り上がってくれて、 めっちゃジャンプしてくれて。来てくれた人の楽しそうな笑顔が見られて幸せでしたし、やっている僕らも楽しくなっちゃいました。

──ハプニングはありましたか？

一同：ありました！　ドライヤー！

堀内：俺だ（笑）。海外は電圧が違うじゃないですか。韓国でまず電圧の関係で壊してしまったので、フランスに行くときは、「今度こそ絶対に壊さないぞ」と意気込んで新しいドライヤーを持参したんです。現地のホテルの部屋にはドライヤーがなくて、田倉に「電圧に気を付けろ」と言って貸したら、ドライヤーがリレーのように各部屋を周り、最後うちのチーフマネージャーさんが使っていたんです。朝起きてLINEを見たら、「ごめん、ドライヤー爆発した。でも俺は大丈夫」ってメッセージが来てて（笑）。新しい物をまた買いました。費用もチーフマネージャーさんが出してくれました（笑）。

▲堀内結流

──8月7日配信の新曲「どーぱみんみん　あどれなりんりん」は、楽曲提供者が伏せられた状態で制作が進められ、ミュージック・ビデオ撮影を終えたタイミングで、インスタライブにて「作者がヒャダインさん」だと生サプライズ発表が行われました。

松本：あまりにびっくりして、腰を抜かしました（笑）。

星野：でも作者を聞いて、「ヒャダインさんだから、こんなに特徴的で耳に残る曲なんだ」と納得する部分もありましたね。うん、腑に落ちたというか。

──ヒャダインさんの曲だと知らずに聴いていたときの印象は？　すごくインパクトのある曲ですよね。

阿部：イントロから飛ばしてる（笑）。ラストまでテンションが落ちないし、曲の中でいろいろな展開があって、何回でも聴ける曲だと思いました。

堀内：うん、音の展開がすごく面白いね。MV撮影のときも、何回踊っても飽きなくて楽しめました。

▲阿部隼大

──パフォーマンスは、どんな感じなんですか。

星野：目まぐるしく動いていて、フォーメーションチェンジもすごい。

阿部：瞬き禁止って感じ（笑）。

小田：「チグハグ」、「馬鹿ばっか」、「サマー☆★げっちゅー」と同じ振付師の方なので中毒性がすごいし、パフォーマンスしていても楽しいです。

──歌詞もぶっ飛んでいますよね（笑）。

田倉：そうなんですよ！　一番衝撃だったのは、出だしが「赤ちゃん」ってこと（笑）。

松本：いえる！　でも、メンバー一人ひとりに当てはまる歌詞が散りばめられているのは感動的でした！

──「自己肯定感上げていこう」という内容ですが、皆さんの中で自己肯定感が一番高いのは誰でしょう。

田倉：これは2択だね。（せーので指さし、鈴木に5人！）

星野：いつも場を明るくしてくれるんですよ。「ネガティブになることあるのかな？」と思えるくらい、マイナスの部分が見えなくて。

堀内：「何があっても俺なら行ける！」という思考だからね。海外に行ったときも、現地の人にめっちゃ話しかけてた（笑）。失敗を恐れない。

鈴木：それって周りの環境のせいじゃないかな？　ネガティブにならないように、意識的にやっているところはありますけれど。

▲鈴木志音

──もうひとりは？（せーので指さし）小田さんです（笑）。

小田：僕!?　でも確かに鏡見てセットするのに時間かかるから。

堀内：自分を研究し尽しているのが、惟真です。

小田：昔から勉強もスポーツも友達に負けたことがあまりなかったから、自分が一番だと思って生きてきた幼少期だったんです。でもTHE SUPER FRUITに入って、この活動をするようになってから徐々に負けることが増えてきて、自分を見直しはじめている気がします。自信を取り戻すために頑張ったりしちゃいますね。あと、根本が負けず嫌いだからちょっと盛っちゃうところもあるんですけど（笑）。

▲小田惟真

──タイトルにもなっているドーパミンは「幸せホルモン」とも言われています。ドーパミンが出るのは、どんなときですか？

星野：僕は歯列矯正を始めたばかりで、食事のとき以外はマウスピースを外せないんです。間食ができないから、お菓子が食べたくてたまらない！　さっきごはんを食べるときに「チャンス！」と思ってお菓子を食べたら、幸せすぎてドーパミンがめっちゃ出ました。

松本：僕はドライブしながら音楽を聴いたり歌ったりしているときかな。洋楽のザ・ウィークエンドやK-POPを聴きながらアガってます。免許を持っていないので、ママの助手席なんですけど（笑）。ママが好きなユーミンさんを一緒に歌うこともありますよ！

▲松本勇輝

小田：僕は褒められているときです。大好きなダンスを褒められたり、SNSのダンス動画に「いいね」が増えたりコメントしてもらえたら嬉しいです（笑）。

堀内：僕は大音量で音楽を聴いてるときですね。映画『ラ・ラ・ランド』を映画館に見に行ったとき、オープニングの「アナザー・デイ・オブ・サン」が始まって徐々に高まっていくあの感覚……最高でした！

阿部：僕は2つあります。1つはお風呂で音楽を爆音でかけて一緒に歌うとき。もう1つは、メンバーに小ボケがウケたとき。この快感から抜け出せないんですよ～。

星野：小ボケって絶対言うと思った（笑）。つまらないときは、みんなスルーします。

田倉：俺らが笑うまでやめないのは、隼大の悪いところだよ（笑）。僕は今朝ありました！　夕べ、アラームをかけ忘れたのですが、起きるべき時間に目が覚めて、テンション上がりました。この半年で一番と言っていいくらい、ドーパミンが出た。でも電車で寝過ごして、ちょっと遅刻しちゃいました。

鈴木：僕は「はじめまして」の人に会う瞬間。その人のことが気になるし、友だちになりたくてガンガン話しかけちゃう。

堀内：それ、やめてほしいんだよ～。日本でも海外でも、すぐに「What's up?」って知らない人に話しかけるから、驚きます（笑）。

──8月で「チグハグ」での衝撃のデビューから2年が経ちますが、どんな成長を感じていますか。

星野：チーム力が出てきた……かな。僕たちはこのグループになって、初めてステージに立つということを経験したので、最初はみんな、自分のことで精一杯だったんです。でも最近は、フォーメーションの位置取りなど、周りを見ながら個人のタスクをちょっとずつこなせるようになってきたので、それはすごく大きな成長だと思います。

──そういうときに、率先して仕切るのは誰なんですか？

星野：THE SUPER FRUITにはグループリーダーがいなくて、それぞれの部門でリーダーを決めているんです。リハはダンスリハリーダーの隼大くんが率先してやってくれます。

──ほかにはどんな部門があるのですか？

星野：勇輝くんが楽屋のお掃除リーダー。

松本：取締まりまーす（笑）！

星野：志音くんがTikTokと移動のときに「5分前だよー」と知らせてくれて、暉くんがファンクラブの更新を確認してくれます。

小田：僕はリハの副リーダーとTikTokの副リーダーの2個兼任です。

星野：そして僕が議事録担当。みんなのミーティングの内容をさっとまとめてLINEに投げます。

──いいチームワークですね。他に変化はありましたか。

田倉：個人的には、メンバーと過ごす時間がすごく増えたことかな。僕は人と仲良くなるのに、すごく時間がかかるタイプで……。

星野：レアキャラだったもんね。「みんなで焼肉行こう！」となっても、しれっと帰ってたし。全員が揃わなさすぎて、隼大くんが「7人揃ったら俺が焼肉を奢る！」と宣言したのが、去年の年末だよね？

阿部：そうだね。年末最後のお仕事が終わった日。そう言ったら、来てくれました（笑）。

田倉：結構ギリギリまで悩みました（笑）。隼大が喜んでくれたし、それ以来、メンバーといる時間が増えた自覚があります。

鈴木：あとみんな、ビジュアルが良くなったのも変化だね！　2年前と全然違う！

小田：僕は、美顔バリブラシ（低周波美容機）をポチったよ（笑）。

──美容のプロ星野さんは、みんなの相談にのったりするのですか？

星野：はい。みんなに「このマッサージいいよ」とLINEしたり、メイクをしてあげたりすることもあります。僕は美容専門学校でコスメの成分の勉強をしているので、日焼けで肌が真っ赤になったメンバーに、薬用ジェルを作ってあげたこともあります。

──サプライズイヤーの後半となる11月3日には、THE SUPER FRUIT史上最大規模となるワンマンライブ【THE SUPER FRUIT WORLD 2024 in TOKYO DOME CITY HALL】が開催されることも発表されました。

阿部：今年のこれからの活動は、このライブへの道のりです。TDCを満員にするために、それぞれが自分発案のプロモーションをやるということもあって、気合が入ってます！

──11月20日にはミニアルバムがリリースされることも、7月7日のFCイベントでサプライズ発表されましたが、このライブで新曲も見られそうですね。

星野：今年の集大成ですからね。

堀内：まだアルバムは完成していないのですが、すでにどの曲もハズレなし！　どれもテンションが上がるし、テイストも全部違うので、楽しめるアルバムになると思います！

──後半戦も楽しみですね。でもまだ発表されていないサプライズもあるそうなので、この先も気が抜けないですね。

松本：そうなんですよ。ライブやファンの方がいるイベントの最後は、毎回ドキドキです。

堀内：後ろに液晶モニターがあるとヤバイ（笑）。

阿部：打ち合わせが多かったり。

小田：偉い人がいるときも勘ぐっちゃう（笑）。

田倉：まだあるのか……。

鈴木：次はもう、宇宙に行くとかじゃない？

一同：アハハ（爆笑）。