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<CASIO×Billboard Live>BREATHE 宮田悟志が語る、音楽活動を通じて再び味わえた刺激

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 「すべての人に音楽を奏でる喜びを」という想いから、新しい生活スタイルに寄り添う電子楽器を展開するCASIOがBillboard Liveとコラボレーション。Billboard Liveの出演者にリレー形式で「音楽の楽しみ方」を語ってもらう。

 抜群のハーモニーで魅了するヴォーカル・デュオ、BREATHEが3年連続でビルボードライブ横浜のステージに登場する。2010年に開催された『EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 2~夢を持った若者たちへ~』のファイナリストである宮田悟志と多田和也により結成され、松尾潔のサウンドプロデュースでヴォーカル・デュオとしてデビュー。その後は個々に活躍の場を広げていた2人だが、2021年3月に再始動。今年6月にリリースした2ndアルバム『Lovers’ Voices Ⅱ』を携えてのビルボードライブ。メンバーの一人である宮田悟志にその意気込みや、再始動したBREATHEへの思いを語ってもらった。 (Interview: 黒田隆憲)

野球少年時代には好きな音楽を聴いてパワーをもらっていた

――宮田さんが「歌」を始めたのは20代になってからだそうですね?

宮田悟志:はい。大学卒業後、サラリーマン生活を送っていた時に広瀬香美さんが学長を務める音楽学校へ、「歌でも習ってみよう」と本当に趣味程度の感覚で行ってみたんです。香美さんのレッスンが受けられる講座はオーディションがあって、それに運よく受かってレッスンしていただいたんですけど、そこで香美さんがオリジナル曲を弾き語りで歌ってくださったんですね。それに僕は衝撃を受けたというか……パチッ! とスイッチが入った感覚がありました。僕も香美さんみたいに歌えるようになりたい、本気でプロを目指して頑張ってみたいとご本人に話したところ、「応援する」とおっしゃっていただき、そこからプロ目指すようになりましたね。


――子供の頃は、野球少年だったんですよね?

宮田:そうなんです。小3で野球を始め、中学時代は横浜市・青葉緑東シニアに所属していました。その頃から移動中のバスの中や、試合に臨む前に必ず好きな音楽を聴いてパワーをもらっていましたね。学生時代も文化祭で合唱部入ったりとか、文化祭やカラオケ大会でステージ立ってみたりとか、そういう機会も結構ありました。高校では部活の監督も、音楽活動と試合が重なってる時は「ステージで一回歌ってから試合に出ろ」みたいな感じで理解があったんですよ(笑)。


――当時はプロ野球選手を目指していたんですよね?

宮田:ところが途中で怪我をしてしまって……。大学卒業してからしばらくは続けていたのですが、そのうち体が全然動かなくなってしまったので断念しました。

 その後、社会人として毎日同じ日々を繰り返していくなか、やはりプロ野球選手を目指していた時の「刺激」みたいなものが、自分の中で名残として存在することに気づいたんですよね。音楽活動を通じてまたそういう刺激を味わうことができたら、という思いが今に繋がっている。なので、広瀬香美さんに出会えたことは、自分の人生にとってものすごく大きなターニングポイントでした。本当に感謝していますね。


――2011年12月21日、前年の『VOCAL BATTLE AUDITION 2』で同じくファイナリストとなった多田和也さんとともに、ヴォーカル・デュオBREATHEを結成されました。サウンドプロデュースを務めた松尾潔さんとの出会いは、宮田さんにどんな影響を与えましたか?

宮田:それこそ自分が高校時代、野球にのめり込んでいた頃に、CHEMISTRYさんやEXILEさんがデビューを果たし大活躍をされていて。日本のR&Bシーンがめちゃくちゃ盛り上がったまさにその頃、私も青春時代を謳歌していた感じでした。なので、その時意識はしてなくても松尾さんが関わってらっしゃる楽曲を、自然と聴き込んでいたわけですよね。その後、オーディションで松尾さんに出会うことに関しては、強いご縁を感じています。

 ちなみに『VOCAL BATTLE AUDITION 2』の最終審査で僕が歌ったのは、松尾さんがプロデュースしたCHEMISTRYの「Point of No Return」でした。それで松尾さんにお声掛けいただいたので、自分の中で松尾さんの存在は本当に大きいと思います。


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BREATHEとしての新しい表現を楽しんでもらえたら

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――2016年4月29日、BREATHEは一旦活動を終了。宮田さんはソロで歌手活動を開始し、2021年にBREATHEが再始動を果たしました。その経緯について、あらためて聞かせてください。

宮田:再始動する前、ソロのライブツアーがコロナ前にあって。そのゲストに多田和也を呼んだんです。彼とは活動終了になってからほとんど連絡を取ってなかったのですが、福岡のクリスマスイベントに出演する情報を、彼のInstagramで知って。「それなら一度、BREATHEのファンの前でちゃんと挨拶しよう」と共通の知人を介してコンタクトを取ったのがきっかけでした。

 と言うのも僕らが解散した時は、たとえば「解散ライブ」とかそういうのをやっていなかったんですよね。解散声明みたいなものも出していなかったし、やはりケジメとして「あの時はこうだった」みたいなことを、ちゃんと話す必要があるなと。BREATHEのファンの方たちがちゃんと前を向けるように、そういう場を設けようと。


――なるほど。

宮田:それで、僕のソロツアーのファイナルに和也をゲストで呼んだんです。僕のソロライブとはいえ、もちろんそこにはBREATHE時代のファンの方もたくさんいらっしゃるし、その方たちの前で和也が自分の言葉をもって伝えることができたのは、再始動に向けてのいいきっかけになったと思っていますね。実際、ステージに立って報告したときに、それを迎えてくださる温かい空気をすごく感じたんです。「BREATHEってこんなに愛してもらっていたのだな」ということを心から実感したので、「もう一度やってみない?」と和也に持ちかけた。その2年後に、念願叶って再始動することができました。

 ちょうど僕らが再始動した時は、まだコロナ禍だったんですけど、活動開始するのに配信よりは、たとえ入場制限するにしても生で聴いてもらいたくて。それでツアーを強行突破したという経緯もありましたね。お客さんが熱量高く見守ってくれているこの機を逃すわけにはいかないなと。ちょうど活動10周年というタイミングでしたしね。


――今回、2ndアルバム『Lovers’ Voices Ⅱ』を携えてのビルボードライブが開催されます。3年連続でビルボードライブ横浜のステージに立つことになるわけですが、今公演の見どころをお聞かせください。

宮田:『Lovers’ Voices Ⅱ』を引っさげてのビルボードライブ公演を、ツアーの最中にさせてもらえるわけですから、とにかく新曲を盛りだくさんにしたいです。活動終了する前に歌ってきた曲を中心に収録したのが前作だったのに対し、今回はほぼ書き下ろしなので、ファンの方もきっと新鮮に受け止めてもらえるはずだし、BREATHEとしての新しい表現を楽しんでもらえたら嬉しいです。


――新作は、R&Bをベースにしつつソウルやファンク、さらにはラテンなど自分たちの好きなエッセンスをふんだんに盛り込んだ楽しいアルバムに仕上がっています。

宮田:ソロ活動中にいろんな出会いがあり、エリアス・チアゴくんという、Tani Yuukiくんのサポートもしているブラジル人のギタリストと、2人で全国を回ったりしたこともあったんです。そういうご縁もあって、「ちょっとラテンの曲やってみない?」「リリースも夏が近いし」みたいに話が進んでいき、チアゴがいつも一緒に演奏しているラテンチームに参加してもらった曲もあります。曲中のトランペットやパーカッションは、現地でレコーディングしたものを送っていただいて。本場のブラジルエッセンスがたっぷり入ったんじゃないかな。


――『Lovers’ Voices Ⅱ』収録曲をライブで再現するのは楽しみですね。

宮田:本当にそうなんですよ!(笑) 今回はバンド編成で再現するので、音源とはまた違った楽しみ方をしてもらえると思っています。

 ビルボードライブ横浜といえば、赤いカーペットにシャンデリアが映える、とてもゴージャスな雰囲気ですよね。僕自身ビルボードライブはどこも大好きで、会員登録してお客さんとして行きまくっています(笑)。お客さんと一体になれる距離感も個人的にすごく好きでなんですよ。そこに3年連続で出られるのは本当に感慨深いものがあります。

 ちなみに学生の頃は横浜方面でバイトしていたので、のちにビルボードライブ横浜が入る建物は、よく車で前を通っていたから思い出もたくさんあるんです。歌を目指していたあの頃の無名の自分に、「いつかはビルボードのステージに立てるようになれるよ」って教えてあげたいですね!


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