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<インタビュー>ラッパー・CHICO CARLITO×柊人 2人の始まりと『THE FIRST TAKE』で加速するこれから
人気上昇中のラッパー・CHICO CARLITOと柊人。MCバトルで数々の優勝経験を持つCHICO CARLITOが柊人を招いて『THE FIRST TAKE』で披露した「Let Go feat. 柊人」が、爆発的に広がりを見せたのが今年1月のこと。そんな話題の2人によるツーマンビルボード公演が決定! ライブの開催が迫る中、緊急対談が実現した。2人の出会いから『THE FIRST TAKE』収録の舞台裏、そしてビルボード公演への想いについても語ってもらった。(Interview & Text 桃井麻依子)
沖縄に縁のある 2人が出会ったのは、渋谷・ハチ公前
――まずはお2人が知り合ったきっかけから聞かせて下さい。
CHICO CARLITO:俺たちには沖縄にルーツを持っているということと、同い年という共通点があるんです。でも沖縄では出会うことがないままで、お互い上京した後に渋谷のハチ公前で初めて出会いました。
柊人:出会うまではお互い音楽をやっているらしいということと、フライヤーで見かけていたのでなんとなく顔が分かるぐらいでしたね。
――存在は知っていた、と。
CHICO CARLITO:そうそう。ライヴやバトルに出ていると、柊人の話もよく聞いてはいたんです。そしたらたまたまハチ公前で見かけて、“柊人でしょ? 知ってるよ”って俺から声をかけました。
柊人:そこからライヴで一緒になったり、CHICOがライヴを見に来てくれたりするようになりました。俺が沖縄に帰ることになった時には、引っ越しを手伝ってもらったのもいい思い出です。
CHICO CARLITO:仲良くなってからは会えばライヴを見に付き合ってもらったり、バトルに行ったりして。一緒にいる時間は、いつも音楽の話をしていますね。
柊人:2人で話していると、CHICOはいつも前を走ってくれているなと思えるんです。何をやるにしても常に一歩先を見ている姿勢を勉強させてもらっているというか。だからこそ俺の『好きなこと』というEPを制作した時には、ほぼ全曲これどうかな? とCHICOに相談しながら進めていきました。リリースまでのガイド役になってくれたんです。
CHICO CARLITO:柊人は人に恵まれていて、周りの人間が彼のために動く感じがします。それに加えて、俺のふとしたアドバイスが柊人自身と相性がいいなと感じることも。例えば柊人が持ってきたフレーズがあるとして、それに対してこういう言い方もあるよと提案したりブレスのアドバイスをしたりすると、不思議とバチっとハマることがあるんです。ちなみに柊人のレコーディング時は俺がRECボタンを押したこともありますよ。
――CHICOさんは柊人さんのプロデューサーのような存在なんですね。
CHICO CARLITO:あはは! そうかもしれないですね。自分的には彼が持っているものを少しだけブーストするぐらいの感覚なんです。とにかくお互いのレコーディングはかなり見ていると思います。
柊人:そうだね、俺がRECボタンを押したCHICOの曲も最高だった!
CHICO CARLITO:俺がアップしている音源は、かなり柊人がレコーディングをしてくれていますね。実は2人でいる時に思いついて録った曲で、世に出せていないものが何曲あるの? というくらい存在しているんです。
――出せていないというのは?
CHICO CARLITO:一緒にスタジオにいる時に遊びの延長でできる曲が多すぎて、なかなか出すところまで到達していないというか最後までフィックスさせるような作り方をしていないというか…。ちょっとこういう感じよくない? ってできていくものが多すぎるんですよ。
――2人でいるだけで、いろいろなアイデアが湧いてくるんですね。
CHICO CARLITO:うん、それはすごくあると思います。
柊人:どうしたって一緒にいると音楽の話になっちゃうんですよね(笑)。
CHICO CARLITO:基本はスタジオにいて、合間で誰かのライヴを見に行ったり東京で会っても一緒にリハスタに入ったり、本当に音楽漬けですね(笑)。今は柊人が沖縄で、俺は拠点が東京なのでペースはゆるやかですけど。
――なるほど。お2人のルーツは沖縄にあるわけですが、沖縄という場所の存在は大きいものですか?
CHICO CARLITO:仕事やライヴのやりやすさを考えて東京で活動をしていますけど、感覚的にソウルはどっちにもあるなと思っていますね。自分のやりたいことのクオリティーとやりたいこととの距離が一番近いので今は東京にいますが、永住するという想像はつかないんです。だからこそ今は、東京でどこまで行けるかチャレンジ中です。
柊人:俺、生まれは高知なんですけど中学校3年生から沖縄で暮らし始めて、めちゃくちゃ沖縄の人に救われてきたと思っているんです。だからこそ沖縄に戻って活動する中で、音楽で沖縄に恩返しをしていきたいなと思っています。
難しさと楽しさを知った、『THE FIRST TAKE』でのバンドとの初共演
――そんなお2人が話題になったことといえば、『THE FIRST TAKE』への出演です。バンドとのパフォーマンスで披露された「Let Go feat. 柊人」、本当に素晴らしかったです。
CHICO CARLITO:ありがとうございます。歌う側の2人だけではなく、バンドも含めたチーム全体でいい曲にしたいという気持ちを込めてひとつひとつ準備を重ねていきました。
柊人:普段の自分の曲作りと同じでこういう感じかな? とCHICOにたくさん相談したし、インカメラで回した映像を見せながら練習にも付き合ってもらいました。
CHICO CARLITO:ぜひ注目して見てもらいたいのが、柊人のアウト口です。本当に心を込めて歌ってくれているということがめちゃくちゃ伝わってきて、収録の最中も震えました。本番のアウトロが特に素晴らしかったんですよ。
柊人:『THE FIRST TAKE』はライヴとはまた違った雰囲気で…イメージ通りできるかなとか不安も大きかったけど、CHICOが話した通りチーム全体でいい曲にしたいという思いが強くありました。本番が始まった途端にCHICOのバースが大好きだという思いが湧き上がってきて、絶対気持ちを入れるぞという気合いで挑んだから歌いながらずっと泣きそうで。
CHICO CARLITO:うん、その時の柊人の表情はすぐに思い出せますね。
――歌い終えた後、2人ともに涙が光っていたのは印象的でした。
CHICO CARLITO:いや、泣いてないんで分かんないな(笑)。
柊人:(笑)! 俺は...シンプルなリリッ クを生バンドに乗せてラップしているCHICOを見て、こんな場所に誘ってもらえたうれしさやこれまでのことを考えて、とにかくずっと泣きそうなのをこらえていました。
――CHICOさんは映像の最後に「泣いてねーよ」と言いつつ、ウルウルされていました。
CHICO CARLITO:たった1曲にここまでの準備時間を費やして挑んだことも初めてだったし、収録までの間にもいろんなことがあって気持ちを切らさずに当日を迎えたこともすごく大きかったと思います。やっぱり自分にとっても大事な曲だから、今まで支えてくれた人、沖縄の友達、会わなくなった人のことも思い浮かべながら歌ったので、いつも以上に気持ちが乗りましたね。ただ、あの収録でバンドとやることの難しさや楽しさも感じることができたんです。あれから生バンドでフルライヴをやりたいと考えるようになっていたので、今回ビルボードライブで実現できることをうれしく思います。
――お2人によるツーマライブが6/16(日)にビルボードライブ横浜、そして6/28(金)はビルボードライブ大阪公演がアナウンスされていますね。 どんな内容になるでしょうか。
CHICO CARLITO:今のところ、俺と柊人が同じバンドをバックに曲を披露していく予定です。ツーマンという形ではあるけれど、バックバンドが変わらない分シームレスなステージになると思います。やっぱりバンドとやるというのは大きくて、やりながらグルーヴも変化していくのは楽しみですよね。いつも俺らのステージを見てくれている人たちには、普段とは違うライヴを見てもらえるんじゃないかなと思います。
柊人:バンドと一緒にやると、人と人同士でひとつの空間を作りあげていく感覚になれるんです。そういうライヴをいつかやりたいと思うようになっていたので、今回CHICOと一緒にやれることがうれしいです!
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