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<インタビュー>三代目 J SOUL BROTHERS 過去いちばん“MATE”と向き合った1年を刻むアルバム『Land of Promise』、そして今の“三代目”を7人で語る
Interview & Text:高橋梓
Photo:Yuma Totsuka
ソロ活動中心だった2022年を経て、グループとして再始動した三代目J SOUL BROTHERS。2023年にはアリーナツアー【三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2023 "STARS" ~Land of Promise~】、ドーム公演【三代目 J SOUL BROTHERS PRESENTS "JSB LAND"】に加え、【三代目 J SOUL BROTHERS “STARS” MEET&GREET TOUR】もおこない、徹底的にMATE(三代目J SOUL BROTHERSのファンネーム)と向き合ってきた。そして、その集大成として2024年3月27日にニューアルバム『Land of Promise』をリリース。同作にはツアーで披露した楽曲に加え、ドーム公演のライブ映像も収録し、怒涛の一年を振り返るのにふさわしい内容となっている。そんなメモリアルなアルバムのリリースを控え、今、7人はどんな心境なのだろうか。アルバムについてはもちろん、昨年1年間についてもじっくり語ってもらった。
ファンの方と会う機会が、結成からの14年でいちばん多い年でした
――昨年2023年は三代目J SOUL BROTHERSの歴史に刻まれるであろう年でしたが、ひと言で言い表すとすると、どんな言葉になりそうでしょうか。
NAOTO:やっぱり「ライブ」じゃないですかね。過去いちばんライブをやった一年で、2本ツアーをやることも今までありませんでしたしね。
今市隆二:ファンの方と会う機会が、結成からの14年でいちばん多い年でした。
山下健二郎:毎年のようにライブはしてきたんですけどね。でも去年は、週末はほぼライブで地方にいたという状況でした。メンバーと一緒にいる日も多かったよね。
ELLY:そうね。デビュー当時に戻ったみたいな感じ。
――そんな1年間を経て、3月27日にニューアルバム『Land of Promise』をリリースされました。今作はどんな位置付けの作品になるのでしょうか。
ØMI:去年のライブに紐づいているアルバムで、ツアーで披露した曲が詰まっています。僕らの新しい一面を表現しているアルバムというよりも、昨年のライブの集大成というイメージで、僕としてはひとつ区切りをつけるための作品だと感じていて。もちろん楽曲を聴いていただきたいというのはあるのですが、ライブDVDも収録されていることがいちばんの目玉なんですよね。僕らの強みを表現できたライブだったので、ぜひ見ていただきたいです。
NAOTO:去年は「Land of Promise」というコンセプトを持って活動してきた一年だったので、まさしく集大成のアルバムという。
ØMI:2023年は楽曲を作ってツアーをして、【JSB LAND】というドーム公演をやって……と、大枠を最初に決めていたんですよね。その流れに対して「Land of Promise」というワードを聖書から引っ張ってきて、歌詞やツアータイトルにも取り入れて活動してきました。そんな一年を総括する作品が出るとなった時に、やっぱりコンセプトであった「Land of Promise」をタイトルにするのがしっくりくるな、と。
――収録曲でとりわけ印象深い楽曲はあるのでしょうか?
岩田剛典:やっぱり「Awakening Light」じゃない?
山下:まあね。ドームライブのオープニング曲でもあったからね。
岩田:ドーム公演でお披露目した曲でもありますし、【JSB LAND】を象徴する楽曲なんじゃないかな、と。アップテンポだし、僕ららしい勢いを感じていただける楽曲だと思います。
――ØMIさんがおっしゃった通り、今作にはライブDVDも収録されています。ライブづくしだった昨年を経て、新たな気づきもありそうです。
今市:このライブ本数をこなせるんだとは思いました。
山下:そうね。自信には繋がりました。43本もできちゃうんだって。
今市:それこそアリーナツアーは9年ぶりでしたが、9年前はまだメンバーみんな20代で。14年目を迎える節目でそれだけやらせてもらえるのは、ありがたいことですね。まずは完走を目標にしていたところがありました。
山下:青森とか、ライブで行けていなかった土地にも行けたしね。ファンの皆さんの中には、「三代目のことは好きだけど、ライブだけは行けてなかった」という方もいたと思うんです。でも今回、全国を回って、そういった方ともお会いできたのは僕らにとっても財産になりました。
――9年前と比べると、ライブ前のルーティーンが進化していたりも?
NAOTO:変わんないですね。
山下:そもそも、ライブ前に身体を動かすのはNAOTOさんくらいなんです。
NAOTO:そうだよね(笑)。それもずっと変わっていない。
ELLY:昔から何もしてないなぁ。
NAOTO:でもさ、去年のライブで1回だけELLYが「今日はアキレス腱でも伸ばすか」ってやってたことあったよね!? ELLYって、ライオンが走る前に準備運動しないのと一緒のタイプなのに、初めてアキレス腱を伸ばしていました(笑)。
ELLY:やっぱり成長したんじゃないですか(笑)。でもそれ以外は本当にみんな何も変わっていないと思う。みんな歳を重ねているけど、意外と若いまま来れているんじゃないかなって。
――変わらないことも、皆さんがスターでいられる要因のひとつなのかもしれないですね。
岩田:(食い気味で)そうです。
一同:食いつくな(笑)!
ØMI:こういうところが変わりましたって言えたらいいんですけど、よく思い返しても何も変わってない。
傍からメンバーを見ていると「三代目ってドームが似合うな」と思って
――作品にはドキュメンタリームービーも収録されています。その中でELLYさんが、「アリーナが0だったら、ドームで10の三代目が帰ってきた感じがする」とおっしゃっていて。
岩田:100じゃないんだ(笑)。
ELLY:10段階で考えてた(笑)。
――アリーナとドームだと、会場の規模もパフォーマンス内容も違うと思いますが、それぞれどのような違いを感じているのでしょうか。
ELLY:テレビで『全日本仮装大賞』ってあるじゃないですか。去年1年をトータルで見ると、『仮装大賞』なんです。「タッタタッタタタタタタ! ジャッジャジャーン♪」ってずっと上がり調子だったっていう。そういう感じです。
一同:どういう感じだよ(笑)!
ELLY:あとはØMIが言ってくれます。
ØMI:俺!?(笑) アリーナは、物理的な距離の近さがあって。僕たちは今までドームツアーをやり続けてきたので、再集結して何をやるか話した時に「僕たちがファンに会いに行きます」というコンセプトのもと、アリーナツアーをやろうという話が出ました。なので、構成もMCが多めのアットホームなものにしていて。逆に、ドーム公演は「THE・三代目 J SOUL BROTHERS」というパフォーマンスを提示して、いい意味でファンとの距離を引き離したというか。完全にぶっ放す系のライブですね。セットリストも明確に違いがあったので、そういう意味では、ドーム公演で皆さんに「これぞ三代目が帰ってきた」と感じてもらえていたのかなと思います。
――ミーグリとドームの合間がアリーナ、みたいなイメージですか?
ØMI:距離感やコンセプト的にはそうかもしれないですね。ミーグリはその名の通り、ゼロ距離でファンの方に会えるので。相当久しぶりでした。
山下:10年ぶりくらいじゃない?
ØMI:そうかも。ただ、僕たちとしては【JSB LAND】というものを構えていて、そこから逆算してミーグリもアリーナツアーもやってきたという形です。
――演者としては、どう違いを出そうと考えていらっしゃるのでしょうか。
山下:パフォーマンス自体は一緒ですが、お客さんからすると感じ方が違うかもしれないですね。アリーナの方が近く見て見やすいという人もいれば、ドームの方が好きという人もいると思います。
ELLY:もちろんアリーナも楽しかったのですが、ドームはやっぱり気持ちが上がるなと思いました。ドームに立って、傍からメンバーを見ていると「三代目ってドームが似合うな」と思って。
今市:たしかに。アリーナもいいんだけどね。でも、今回2年ぶりのドーム公演だったので、熱気と規模の大きさはやっぱりすごいと思いました。初日の歓声は今でも覚えていますし、初日が終わった後のメンバーの上がり具合がすごかった。それこそELLYが言ってくれたように、ドームが似合ってると感じました。
岩田:登場する時なんか、全員雄叫びしながらジャンプしてましたからね。やっぱり高揚していたんでしょうね。
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7人集まって、「何がやりたい?」という話になった時も
みんな「MATEに向けて何かしたい」という意見でした
――MATEで埋め尽くされた会場を見て、改めてファンの方に対する思いもあったのでは?
小林直己:受け止めてくださる皆さんがいるから活動ができたり、楽曲をリリースしたり、ライブができたりしているんだなと再認識しました。これまで毎年ツアーがあるという環境でやらせていただいてきましたが、それが一旦なくなって。またできるとなった時に、「待ってくれている人たちに喜んでもらえることをしよう」という話がまず出たんですよね。それを軸に、アリーナツアーもミーグリもドームも、今回リリースするアルバムも決めていきました。MATEというファンネームがついて、ファンクラブも新しく生まれて、ツアーの最終日にファンクラブイベントができて……ということからも、受け止めてくださる方の思いを大切にする活動が一貫してできたと思っています。
――実は、不思議に思っていたところもあるんです。皆さんくらいのトップアーティストになると、ファンとの距離が開きがちになることは珍しくないですよね。でも再集結した後、皆さんはファンの方との距離の近さをいちばんに考えた活動をされてきました。たとえば、たくさん楽曲をリリースしたり、メディアに出演したりするなど、三代目 J SOUL BROTHERSというグループの存在をとにかく示すという活動方法もあったと思うのですが、ここでファンの方に向き合ったのはなぜだったのでしょうか。
小林:やっぱり、これまでの活動の軸にもライブがあったからなのかなぁ。その場でファンの方の反応が返ってきて、一緒にライブを作って、そこから次の曲を決めていく、という流れで活動してきていたんですね。なので、再び7人集まったからこそ、そこに立ち戻るというか。それに、「何がやりたい?」という話になった時も、みんな「MATEに向けて何かしたい」という意見でした。
NAOTO:コロナ禍や、ソロ活動中心の2022年があったので、ファンの方も自分たちも「同じ空間で一緒のエンターテインメントを共有する」ということを欲していたんだと思います。LDHのアーティストって、ライブに重きを置いているんですよ。もちろん僕たちもそう。だから自ずと「活動再開=ライブ」という考えがあって。もしかするとこの先には楽曲をたくさんリリースする年もあるかもしれないですが、去年のタイミングでは、ライブをしてMATEの皆さんと向き合うことがいちばんやりたいことでした。
ソロ活動を経て変わったこととは?
――なるほど。そんな思いから去年はライブをされていましたが、ソロ活動期間を経て変わったと思うメンバーはいますか?
NAOTO:デビュー当時から比べるとみんなめちゃめちゃ変わっているけど、ここ2、3年では変わらないよな。
ELLY:変わらないからいいんだよ。
NAOTO:でも、全員ちょっとだけ明るくなった気がする。ドラクエで言ったら「あかるさが 5 あがった! ▼」みたいな(笑)。
小林:たしかに変わったわ(笑)。
ELLY:健二郎さんだけは変わらないよね。ずっといちばん明るい。
山下:そう。俺はもともと明るいから。
ØMI:根明だもんね。
山下:俺の根明にみんなが追いついてきた。
NAOTO:ここから僕たち、まだまだ明るくなりますよ!
ELLY:「変わったことはありますか?」って質問で、「ちょっと明るくなった」って答え、やばいね(笑)。
NAOTO:たしかに(笑)。真面目に言うと、コロナ禍もあって、みんな心が疲れていたんですよ。その頃と比べると、やっとライブができて、声も出せて。会場からエネルギーを受けたら明るくなれたんだと思います。
――間違いないです。ライブ全体に関してはどうですか。ドキュメンタリームービーの中でØMIさんが「明確なコンセプトがあったから実行までスムーズにできた」というお話をされていて、今後のライブにも変化がありそうだな、と。
今市:あると思いますよ。
ØMI:うん。今年も新しく準備しているものがあって、皆さんの前で披露する時には新しいものを作りたいと思っています。実は【JSB LAND】って、あえて“ツアー”と言っていないんです。言葉で表現しづらいのですが、僕たちとしては“ショー”に近くて。この【JSB LAND】をひとつ軸として持っておいて、違った展開をするのもいいかもしれません。常に新しいものを追求するスタイルではいたいですね。
小林:グループとして、新しいものを提示し続けていきたいよね。
ØMI:新しいことをやって、ファンの方がついてきてくださることがいちばんですから。僕らは「日本のトップに行きたい」と駆け上がっていく姿をファンの方に見てもらうスタイルでしたが、新しい挑戦をするときには、ファンの方の存在が絶対必要だと思っています。
――新しい挑戦というと、今後リリースする楽曲に変化があったりも?
ØMI:今まさに次に向けて打ち合わせをしているところで、固定観念を取っ払ってもいいかなと感じています。【JSB LAND】では2ボーカル、5パフォーマーという形も崩していたので、ランダムに色々できそうですよね。ずっと同じことばかりだと、僕らも飽きちゃいますから。
岩田:振り返ってみると、三代目はライブやパフォーマンスの向き合い方においてもずっと挑戦しているなって思います。
今市:音楽ジャンルに関しても、いろんなジャンルができることが僕たちの強み。
ØMI:もしかしたら7人で歌うことがあるかもしれないね。
ELLY:クリスマス(※2023年12月26日開催の【三代目 J SOUL BROTHERS PRESENTS "JSB LAND" ~AFTER PARTY~】で、ボーカル/パフォーマーをパートチェンジして「STARS」を披露)を見る限り、絶対無理!
岩田:間違いない(笑)!
7人にとって「三代目J SOUL BROTHERS」とは
――ありがとうございます。では最後に、皆さんにとって「三代目J SOUL BROTHERS」とは改めてどんな存在なのかを教えてください。
一同:岩ちゃん、いこう。大喜利だ!
岩田:これ、ひとりずつ言っていくんじゃないの!?
NAOTO:多分全員一緒だから、代表して言って!
岩田:じゃあ……。「運命共同体」。
一同:おぉ~! からの~?
岩田:「with MATE」!
ELLY:完璧じゃん!
山下:素晴らしい!
一同:(拍手しながら)綺麗にまとまった! お後がよろしいようで!
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