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<インタビュー>BBHFが語るビルボードライブ公演の構想、“宇宙”をテーマにした儚くも力強い新曲「エデンの花」

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Interview:Takuto Ueda

 Galileo Galileiの尾崎雄貴と尾崎和樹、そして同バンドのサポートメンバーでもあるDAIKIによる3人組バンド、BBHFのビルボードライブ公演が12月11日に横浜、そして来年1月9日に大阪にて開催される。

 2017年に“Bird Bear Hare and Fish”名義で活動開始。小説をイメージして制作した2ndフルアルバム『BBHF1 -南下する青年-』は国内外から注目を集め、2021年の全国ツアー【SUPER MOON TOUR】は全公演ソールドアウト。Galileo Galileiの再始動後も精力的な活動を続けており、2023年には4曲入りEP『4PIES』を発表したほか、恵比寿LIQUIDROOMでBBHFが定義する「愛」をコンセプトとした一夜限りのワンマンライブを新編成で行い、大盛況に終わった。形に捉われない彼らの最新公演は、また新たな編成でのスペシャル・ライブで、サポートにNewspeakのYoheyとGalileo Galileiの岡崎真輝を迎え、5人編成でのライブとなる。

 先日、Galileo Galileiの最新ツアー【"WINTER HARVEST" -冬の収穫祭-】を完遂し、ファイナルの東京公演ではGalileo Galilei ×BBHFのスプリット・ツアーを発表。12月6日には新曲「エデンの花」のリリースも決まっているBBHFの3人にメール・インタビューを提案。来るビルボードライブに向けた構想、新曲の制作秘話などを教えてもらった。

“BBHFとしての音”を“BBHFとしての演奏”で

――Galileo Galileiとして開催したツアー【WINTER HARVEST-冬の収穫祭-】の感想や思い出を聞かせてください。

雄貴:アルバムリリースツアーではなく、あらためてファンに会って共に何かを収穫しようというライブだったので、その場の雰囲気をお互い目いっぱい楽しめたと思います。BBHFからDAIKIくんもサポートギターで久しぶりに参加してくれていたので、心強かったですね。

――少し遡りますが、7年ぶりのツアー【Bee and The Whales Tour 2023】では、どんな手応えがありましたか? また、それは今回のツアーにどんなかたちで反映されましたか?

雄貴:GGを再び動かすことを発表した際に、再始動を待ち望まれていたという言葉もありますが、おそらくそれはあまりなくて、まさか再始動するとは思わなかったという驚きの声が多い印象でした。そしてファンはみんな、GGがいない7年のあいだずっと、楽曲たちを心の大事なところにしまっていてくれたんだなと感じました。たぶん待っていたというよりは、ただ心に留めていてくれたのだと思います。【Bee and The Whales Tour】はそんなお互いが、再会して"やぁ"と手を振り合っているようなツアーで、【冬の収穫祭】はその後交わした"あえたね"という言葉だったと思います。

――定番曲から久しぶりの曲、前回のツアーで披露されなかったアルバム収録曲など、見応えに尽きないライブでした。皆さんが思う“ハイライト”を挙げるとしたら?

雄貴:「あそぼ」を歌っているときに、照明がかなり明るくなるのでお客さんがよく見えるのですが、そのときのたくさんの人たちの嬉しそうな笑顔と、大勢で飛び跳ねているような感覚が僕のハイライトです。サビの<あそぼ〜>というところで僕は手をあげるのですが、気持ちとしては"遊びたい人この指とまれ"的な感じで、お客さんもみんな一斉に手をあげている様子が最高でした。

――ブリーチャーズ「モダン・ガール」の日本語訳カバーも素晴らしかったです。MCではジャック・アントノフへの憧れを語っていましたが、雄貴さんから見て、彼はどんなプロデューサーですか? また、彼のプロデュースワークで特に好きな作品を挙げるとすれば?

雄貴:もともと僕はずっとブリーチャーズのファンだったのですが、彼がプロデュース業をしていることは2年前くらいに知りました。彼がプロデュースしたロードとステージで一緒に、僕が大好きな名曲のポール・サイモンの「Me and Julio Down By the Schoolyard」を歌っている映像で、プロデュース業をしていることを知りました。彼と仕事をしたシンガーたちがアップしている制作中の映像を見る限り、彼はミュージシャンにとって、心をときほぐして肩の力を抜いてくれる良き友人になれるプロデューサーなのだと思いました。たぶん"ちょっと僕のスタジオでお茶でもしながら話そうか"的な感じでアルバムが出来上がっていっちゃうんだと思います(笑)。クレイロのアルバム『Sling』でのプロデュースは最高だと思いました。二人でインタビューを受けている映像もよく見直しています。ブルース・スプリングスティーンとのコラボレーションも完璧でした。もうツインアニキです。




Bleachers - Modern Girl (Official Video)



Bleachers - Chinatown (BLEACHERS ON THE ROOF live at electric lady) ft. Bruce Springsteen


――【WINTER HARVEST-冬の収穫祭-】ファイナルで発表された【Tsunagari Daisuki Club】ゲストにBBHFを選んだ理由は?

雄貴:対バン相手に一番呼びやすいからです!(笑)

――Galileo Galileiの再始動を経て、BBHFとの向き合い方にも変化はありましたか? 逆にBBHFやwarbearとしての活動は、再始動後のGalileo Galileiにどんなフィードバックをもたらしましたか?

雄貴:BBHFの活動で人間関係での痛い目を何度か経験していて、それが僕を強くしてくれたなと思いますし、だからこそBBHFでは"愛"について探究していきました。Warbearはあらためて自分が独りではなく、誰かと音楽をやりたいんだなということを思い出させてくれました。

――2018年にBird Bear Hare and Fishとして始動してから5年、現在のBBHFはどんなバンドになったと思いますか?

雄貴:今の3人になったことで、ぐっとバンドらしくなりました。少なくともマッチョ感はでました。ちょっと集まってやってみようよ、という無邪気なムードもあって、なのに掲げるテーマはGGよりヒリヒリしていたり。すごく面白いバンドになったと思います。

DAIKI:いろいろな期間や物事を経験し、結成した当初よりも格段と自分たちが作り出す物たちへの自信や、パワーがついたと思います。

和樹:様々な変化、多様な制作形態、紆余曲折を経て、いまのBBHFは完全に“BBHFとしての音”を“BBHFとしての演奏”で鳴らせるバンドになったと思います。




BBHF『愛を感じればいい』Music Video


――『4PIES』から8か月ぶりの新曲「エデンの花」の仕上がりについて聞かせてください。また、制作時にイメージしていたコンセプトやテーマ、リファレンスにした作品などがあれば教えてください。

雄貴:「エデンの花」は、ミッションを失敗して無人の惑星に墜落した宇宙パイロットの歌です。自分は生き残り、諦め、一緒に搭乗していた相棒の亡骸に話しかけています。僕たちはよくネット上で拾った映像(風景や映画の名シーン集など)を見ながらアイデアを書くのですが、今回のインスピレーションはColdplayの「Talk」のミュージック・ビデオから受けました。BBHFらしい、空間が広めのロックサウンドになったと思います。

DAIKI:前作『4PIES』では身近なものがテーマになっていたのですが、今回はスケール感を出そうといろいろ試行錯誤しました。リファレンスもいわゆるスケール感の大きいバンドのサウンドを参考にしたりしました。

和樹:1stアルバムの『Moon Boots』からそうですが、BBHFは宇宙や大地から着想を得ることが多々ありました。今作の「エデンの花」においても、アイデア作りの段階で“宇宙をテーマにした楽曲”というコンセプトがあったので、まずはSFチックな音を作るところから始めたり、迷うことなく制作を進めることができました。

――作詞面ではどんなところからインスピレーションを得ましたか?

雄貴:言い回しや言葉選び、世界観の下地などは今まで読んできた小説からインスピレーションを受けることが多く、最近はライトに読めるスティーヴン・キング作品を楽しんでいます。特に短編集が好きで、最近は『夕暮れをすぎて』を読みました。それから中学生の頃からずっとthe pillowsの山中さわおさんの歌詞の大ファンなのですが、彼から教わったテーマの描き方もBBHFでは反映されていると思います。

――アレンジやレコーディングで特にこだわったポイントは?

雄貴:宇宙での通信のような、いつ途切れてもおかしくない雰囲気ともがく心の力強さを同時に持たせたかったので、そのあたりは難しい挑戦でした。もともとはシンセベースの曲だったのですが、レコーディングでコシのあるエレキベースが入ったところで儚さと力強さが同時に生まれました。

DAIKI:ギターに関して言うと、なるべく少ない本数で存在感や、曲に寄り添うメロディになるよう心がけました。

和樹:ひとりぼっちの宇宙飛行士が、見知らぬ星の大地を踏みしめて歩くような、軽やかでもあり、力強くもある、そんな空気感を出すために全ての音を細かく調整しています。

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