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<インタビュー>石田組から鈴木愛理への挑戦状 スペシャルコンサートへの意気込みを語る 



インタビューバナー

 その独特な衣装とコワモテな外見からは、想像もつかないほど美しく繊細な音色を奏でる異色のバイオリニスト・石田泰尚率いる一流弦楽器集団「石田組」が、 抜群の歌唱力を持つ鈴木愛理を特別ゲストに迎えて贈る、スペシャルなコラボレーションコンサート【billboard classics 石田組×鈴木愛理】が 2024年2月29日、紀尾井ホールにて開催される(昼夜二公演を予定)。

 クラシック音楽のみならず、映画音楽やUKロックまで多岐にわたるレパートリーを持つ石田組だが、歌手との共演は今回が初。 クラシックの殿堂「紀尾井ホール」で、彼らはどのようなパフォーマンスが繰り広げるのだろうか。

 この日、セットリストの打ち合わせのため集まった石田泰尚と鈴木愛理に、当日の意気込みなどたっぷりと語ってもらった。(Interview & Text:黒田隆憲 ❘ Photo:石阪大輔)

石田組×鈴木愛理のきっかけ

── まずは今回、お二人が共演することになった心境からお聞かせください。

鈴木 私は今、NHKの音楽番組『クラシックTV』で清塚信也さんと司会をやらせていただいているのですが、 そこに石田さんがゲストで2回お越しになったんです。  それ以来、ずっとご本人のいないところで「石田さんが奏でるバイオリンの音色が大好き!」と熱弁していて(笑)。 ですから、このお話をいただいた時はもう声にならないくらい興奮しました。

 私自身これまでの音楽活動で生のオーケストラと共演させていただく機会がなかったんですよ。 オーケストラの演奏に合わせて朗読をしたことはあったのですが、歌を歌わせてもらったことがなかったので、それもすごく楽しみにしていますね。 いろんな感情が渦巻いています。

── 石田組のどんなところに魅力を感じますか?

鈴木 私はオーケストラやバイオリンについて詳しいわけでもないし、偉そうなことを言える立場ではないのですが、 やっぱり楽器もボーカルと一緒というか、演奏される方によって音色が違うと思うんです。清塚さんのピアノもそうですが、演奏される方の心の中が、時おり垣間見えるような感じがあって。 「石田さんは、こんなに繊細かつ語りかけるような音色を奏でる方なのだな」とその見た目とのギャップに感銘を受けているうちに、いつの間にか沼にどっぶりと浸かっていました(笑)。

石田 (照れながら)いや、光栄です……(笑)。

鈴木 こうやってお話ししていても、たまにしか目が合わないんですけど(笑)、 合った時に感じるお人柄は、音色にも表れているように思います。


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── 番組の司会を務めるようになって、クラシックへの意識は変わりました?

鈴木 めちゃめちゃ変わりましたね!実はそれまでクラシックにほとんど馴染みのない生活を送っていたんです。 音楽史に残る偉大な楽曲と、それを作り上げた音楽家たちの経歴を知れば知るほどハードルを感じていたんです。でも、そこをあえて一歩踏み込んでみると、音楽家も一人の人間だったんだなと思うし、 楽曲に対しても身近に感じられるようになりました。そうすると、クラシックを聴く楽しみがより深くなっていくんですよね。間違いなく『クラシックTV』のおかげだなと思います。

── 例えば℃-ute時代の楽曲「夢幻クライマックス」は、ショパンの「革命のエチュード」やベートーヴェンの「ピアノソナタ第14番《月光》」などクラシックの名曲が散りばめられています。 打ち合わせでは、それを石田組が得意とするクラシック曲に置き換えて演奏するというユニークな提案もありましたね。

鈴木 そうなんです。これから正式にセットリストを決めて、アレンジも考えていただくことになるのでワクワクでいっぱいです。 いろんな化学反応が、想像もつかない方向に伸びていくといいなって思っていますね。


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── 打ち合わせの際、鈴木さんのこれまでの楽曲を聴いてどんな印象を持ちました?

石田 いや、とにかく歌がお上手ですよね。アップテンポな楽曲も、すごく繊細で丁寧に歌っていらっしゃる印象がありました。

──「演奏しやすい曲や逆に難易度の高そうな曲はありますか?」という質問に対し、 「いや、どの曲をやることになっても大丈夫です」と即答されていたのが印象に残りました。

石田 はい、大丈夫です。なんとなくですが、「こんな感じになりそうだな」というイメージも聴きながら湧いてきましたし。

鈴木 とっても頼もしいです。あと、私はミュージカルが好きなので、石田組さんも演奏されていた『美女と野獣』から1曲やってみたいんですよ。


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── クラシックだけでなく、ミュージカルもお好きなんですね。

鈴木 最初の入り口は、小さい頃に見た『アニー』でした。 この世界に入る前に、母とよくミュージカルを観に行っていましたね。 小学校4年生の時に、『34丁目の奇跡』というミュージカルに出させてもらったことがあって。その時のリハーサルからめちゃくちゃ楽しくて。 あの世界観が好きというのが入り口で、そこから一人で観に行ったり、サウンドとラックを聴いたりするようになりました。

 最近は後輩が『ムーラン・ルージュ』に出ていたので観に行きましたし。 もちろん、自分が歌うとなると話は違うと思いますが、現実だけど非現実的な壮大さとか、 「どうして音楽でこんなに感情が持っていかれるんだろう?」と思わせるような構成も大好きです。

── 石田さんは、ミュージカルに関してはどうですか?

石田 うーん……嫌いじゃないですけど、そこまで熱心には観ないです。

鈴木 お笑いしか見ないって言ってましたよね?(笑)

石田 そうです。


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──(笑)。今回、お二人でのデュエットも楽しみですね。

鈴木 もう、夢のような話です。私がすごく好きな石田さんの音色に、自分の声を重ねていいものなのか?と(笑)。 恐れ多い気持ちもありますが、ありがたい機会なので全力で本番に挑みたいと思います。

石田 たぶん、僕らの音と愛理さんの声って合うと思うんですよ。

鈴木 え、やだどうしよう(笑)。本当に私で大丈夫ですか?

石田 大丈夫です(きっぱり)。今回、愛理さんのファンの方たちが石田組の演奏を聴いて、「あ、これ面白い!」と感じてくださり、 普段クラシックは聴かなくても「石田組なら今度行ってみてもいいかな」と思ってくださったら最高です。 もちろん、僕らのお客さんには愛理さんの歌を気に入ってほしい。

鈴木 嬉しいです!

石田 絶対にうまくいくと思うので、これで終わらず機会があればまたご一緒できたらいいですね……って、まだ本番やってないですけど。

鈴木 あははは(笑)。



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