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<CASIO×Billboard Live>福原みほが語る、日常の中で気付かされた音楽の役割

インタビューバナー

 「すべての人に音楽を奏でる喜びを」という想いから、新しい生活スタイルに寄り添う電子楽器を展開するCASIOがBillboard Liveとコラボレーション。Billboard Liveの出演者にリレー形式で「音楽の楽しみ方」を語ってもらう。

 今年デビュー15周年を迎えた福原みほが、ビルボードライブ東京でアニバーサリー・ライブを開催する。2008年に日本人として初めて米国ロサンゼルスの黒人教会で披露したパフォーマンスにより、「奇跡の子」と称された彼女。それをきっかけにシングル「CHANGE」でメジャーデビューを果たし、そのソウルフルかつ繊細な表現力で以降もJ-Popシーンの第一線を走り続けてきた。これまでにAIや三浦大知、和田アキ子、CHARAといった国内アーティストのほか、イギリスのシンガーであるレオナ・ルイスとも共演を果たし、最近ではブロードウェイ・ミュージカル『ドリームガールズ』にも初出演するなど、活躍の場を拡張し続けている彼女の「今」を堪能する絶好の機会となるだろう。今回ビルボードでは、そんな彼女に楽器との関わりやライブに向けての意気込みなどを語ってもらった。(Interview: 黒田隆憲)

音楽には心を癒すパワーがある

――福原さんが楽器を始めたのはどんなきっかけだったのですか?

福原みほ:6歳上の姉が、CASIOの電子ピアノを持っていたんです。それを彼女が留守中にこっそり演奏したのが最初のきっかけだったと思いますね(笑)。小学生になってからは、吹奏楽部でトロンボーンを始めました。『ジュラシックパーク』のテーマから、宇多田ヒカルさんの「First Love」まで色々な曲を演奏して楽しかったですね。でも、トロンボーンってロングトーンばっかり吹かされるんですよ。中音域を支える楽器なので、バンドでいうところのピアノコードの役割というか……ずっと白玉ばかりで気を失いそうになった記憶があります(笑)。そこでかなり肺活量が鍛えられたと思うし、それが歌にも何かしら影響を与えている気はしますね。


――ライブではピアノの弾き語りを披露することもあるそうですね。

福原:物心ついた頃から歌が大好きで、ずっと「シンガー」に憧れて育ってきたのですが、思春期になった頃から「やっぱり曲も作れる本物の音楽家になりたい」と思うようになったんです。アレサ・フランクリンもキャロル・キングのような、自分で演奏しながら歌うシンガーにものすごく憧れていた時期があって、キャロルの『つづれおり』が私の弾き語りの教科書になりました。最初は譜面も読めないし、歌いながら同時にピアノを弾くなんて全く無理で「うわー!」ってフラストレーションを募らせる一方だったんですけど、何度も何度も繰り返し練習しているうちに、ある日弾けるようになる。そうすると、「音楽家」の気持ちがわかるというか。ミュージシャンがどうやってグルーヴを作っているのか、メロディに対してどんなコードをつけているのか、自分でも少しは理解できるようになったんですよね。そういう意味では、すごくいい勉強になりました。

 それと、弾き語りは自分のペースで演奏したり歌ったりできるところに楽しさがあると思います。バンドだとあらかじめ決まったテンポがあって、そこに歌を乗せていくからある意味ではエクササイズ的なところがあるんですけど、ピアノ弾き語りなら自分の呼吸、自分の「間」で歌えるので、きっと伝わり方も違ってくるのかなと思います。


――コロナ禍の影響により家で過ごす時間が増えたことを受け、少しでも有意義な時間を過ごせるよう家の中の環境を整えたり、意識的に家族とのコミュニケーションをはかったりする人が増えました。そうした状況についてどう思いますか?

福原:素晴らしいと思います。そういえば、近所に住んでいる女性がコロナ禍でピアノを始めたんですよ。ステイホーム中に「ラフマニノフを弾けるようにしたい」とおっしゃっていましたね。そうやって日常のルーティンの中に「ピアノを弾く」という項目が入ってくるのって素敵だなと思いました。それに、音楽には心を癒すパワーがあるということを、その女性を見ていて再認識しましたね。「今日はここまで弾けるようになった」と、会うたびとても楽しそうに話してくれるので。私自身もコロナ禍で、通常の音楽活動がストップしてしまったからこそ「自分はシンガーだったんだ」と思い直したところはあります。なので、ステイホーム期間中はいつもにも増して日々練習に励んでいました。音楽はメンタルケアのサポートをしてくれるツールだと改めて思います。


――家族で音楽を楽しむこともありますか?

福原:7歳の娘とは日々音楽でコミュニケーションを図っています。私がちょっとピアノを弾けば、その上に適当にメロディを乗せてくるので、「今の良かったね。ちょっと録ってみよう」とすぐにGarageBandを立ち上げ、簡易的にレコーディングするなど遊びの延長で曲作りもしていますね。

――とても素敵です。

福原:娘と一緒に踊ったりすることもありますよ。「大人には酒があるけど、子供にとってのアルコホールはダンスだ」と彼女が言っていて(笑)。「いいじゃんそのフレーズ!」と思いましたね。確かにダンスとか音楽って「酔える」というか、心のフィルターを外すためのツールでもあるのかなと気付かされました。


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デビュー15周年を記念したアニバーサリーライブに向けて

――さて、今年デビュー15周年を記念してのアニバーサリーライブ【福原みほ 15th Anniversary LIVE EXTRA】がビルボードライブ東京で開催されます。

福原:ここ数年はコンセプトを持ったライブが多かったのですが、今回はファンの方たちが聴きたいという曲も募集しつつオリジナル曲から厳選してセットリストを組みました。リクエストのリストを拝見すると、「あ、やっぱりこの曲なんだ」「へえ、この曲が入ってくるんだ」と感慨深いものがありますね。


――バンドメンバーもそうそうたる顔ぶれです。

福原:そうなんです。ただ、森俊之(key)さんも沼澤尚(ds)さんも、このメンツの中では大御所感を漂わせていますが、以前と比べたらすっかり丸くなっちゃって……。エビス様みたいな顔で「なんでもOKです」みたいに受け止めてくださるから、「もうちょっと尖っていてくださってもいいですよ」と思いますね(笑)。もちろん、いざ演奏が始まればお二人ともさすがです。森さんのグッとくるほど切ないピアノや沼澤さんのパワフルかつ繊細なドラミングなど、間近で学ばせてもらえる喜びをひしひしと感じていますね。

――ビルボードライブの印象は?

福原:美味しい料理やお酒を楽しみながら、一流の演奏が聴ける「ラグジュアリー感」。しかも、音が「見えやすい」のもビルボードライブの特徴です。ちゃんと視覚的に音楽を楽しめるからこそ、音楽を心から好きな方たちにも定評があるのでしょうね。

私が初めて出演した時(2011年)はまだ海外アーティストの出演が多かったんですけど、クリスマススペシャルライブなど他のライブハウスではできないような、特別な演出ができるのも魅力だと思います。そういう意味ではライブハウスやホールでライブをやるときとはちょっと違う世界の人が見にくるのも面白くて。そう、客席が近いからみなさんの表情もよく見えるんですよ。楽しんでくださっているのか退屈されているのかもはっきり分かりますので、当日は気合を入れて臨みたいです(笑)。


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