Billboard JAPAN


Special

<インタビュー>「PEANUTS」の世界に没入できるコンサートに メインパフォーマーと演出をつとめる城田優のビジョン



インタビューバナー

billboard classics×SNOOPY『Magical Christmas Night』と題したスヌーピーのオーケストラコンサートが、 兵庫(12/3)と東京(12/24)で開催される。スヌーピーのオーケストラコンサートは、 チャールズ・M・シュルツが生み出したコミック「PEANUTS」の生誕70周年を祝し、2020年にスタート。 スヌーピーにまつわる名曲や古今東西のクリスマスソングをフルオーケストラとジャズピアノトリオ、少年少女合唱団で披露してきた。 そして、4年目を向かえる今年は、ゲストボーカルとして3年連続で出演してきた城田優さんが、出演に加えて演出も手がけることに。 『ファントム』をはじめとするミュージカル作品の演出でも好評を得ている城田さんは、これまでになかった新たなアイデアで、 クリスマスにふさわしいコンサートを作り上げようとしているようだ。その思いを聞いた。 (Interview & Text:大内弓子 ❘ Photo:石阪大輔)


責任感はあるけどプレッシャーはない

城田優


——これまで出演されてきたこのコンサートの印象から聞かせてください。

城田 とても楽しかったです。 ミュージカルでもオーケストラの演奏で歌っていますけど、役を背負わず城田優としてフルオーケストラをバックに歌わせていただくのはとても貴重な経験ですし。何より、音楽監修をされているジャズピアニストの宮本貴奈さん、指揮の栗田博文さん、東京フィルハーモニー交響楽団の皆さんなど、一流の方々が気持ちのいい音楽を奏でられていて。 子どもたちの合唱も含め、クリスマスにふさわしい、非常になごやかで温かいコンサートでした。

——今年は演出も手がけられます。どんな思いで引き受けられたのでしょう。

城田 今お話したように、一流の方々が揃っている素敵なコンサートだからこそ、 参加するたびに「もう少しここをこうしたらもっと良くなるんじゃないかな」と思うところも出てきてはいたんです。 せっかくスヌーピーとクリスマスといういい材料が揃っているんだから、うまく料理しないともったいないなと。もちろんそれは、エンターテインメントが好きで観てきた者として、そして演者としてエンターテインメントを作ってきた者として、ただただ心で思っていただけだったんですけど。 でも今回、演出の声をかけていただいたとき思っていたことをお話したら、面白いと感じてくださったので。 遠慮なく自分の思う方向でやらせていただきますと、進めていくことになりました。

——世界的なキャラクターのコンサートだからこそ、プレッシャーもあるのでは?

城田 演じる、歌う、舞台に立つという演者としての僕はいつもめちゃくちゃ緊張しているんですけど、裏方的なお仕事をするときは、実はプレッシャーは一切感じたことがないんです。 というのも、エンターテインメントというのは、極論すると、万人に受け入れられることは絶対にないと思っていますから。どれだけ自分がいいと思うものを作ったとしても、それぞれ好みが違うので、これは好きじゃないと思う人の心を動かすことはできない。 その前提で作っているので、責任感はありますけど、プレッシャーはありません。

コンセプトは、“「PEANUTS」の世界にある森の中で開かれているクリスマスコンサート”

城田優

――具体的にどんな演出を考えておられるのか、教えてください。

城田 僕が演出するときのテーマにしているのは、 ミュージカルでもそうですけど、“没入感”なんです。 劇場に来た人たちにその世界に没入してもらって、日常に引き戻さないようにする。 だから今回も、「PEANUTS」の世界を作るということから考え始めました。 コンセプトは、“スヌーピーが住む世界にある森の中で開かれているクリスマスコンサート”です。 舞台美術は松井るみさんにお願いしたんですけど、るみさんは、ブロードウェイ・ミュージカル『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』(21年)の美術も手がけておられて、 「PEANUTS」の世界は何なら僕よりご存知なので、僕が目指したい方向をお話して、大きなクリスマスツリーの下でやっている音楽会というようなイメージを考えてもらっています。 曲に合わせて照明も変えていくつもりですし、何しろ、『Magical Christmas Night』ですからマジカルに(笑)、ショーアップしたものにできればと思っています。

――オーケストラの皆さんにも演出をつけられるのでしょうか。

城田 「PEANUTS」の音楽会に出演している人たちという設定なので、衣裳や譜面台なども色や雰囲気を全部統一してできたらなとは思っています。 『ファントム』でもオーケストラの皆さんに、「ここはこういうシーンなのでこういう気持ちでやっていただければ」ということはお伝えしていて、演奏に支障がない程度にやっていただいていたんですよ。 楽器によってできることできないことがありますけど。今回も、オーケストラの方も含めて「みんなでやっていきましょう!」ということで、その世界観を作っていけたらと思います。


ライブ写真

【billboard classics SNOOPY Premium Symphonic Concert 2021】より



NEXT PAGE
  1. 普段のクリスマスコンサートにはない楽曲も
  2. Next >


普段のクリスマスコンサートにはない楽曲も

城田優

――どんな楽曲が登場する予定ですか。

城田 僕が歌わせていただくナンバーとしては、スヌーピーにまつわる名曲「クリスマス・タイム・イズ・ヒア」と「ジャスト・ライク・ミー」。 それから、僕のオリジナル曲「LOVE&PEACE」も前回に引き続き歌う予定です。今回は、J-POPのヒットソングを多数ピックアップしてお届けしたいと思っているんですが、その中の目玉になるかなと思っているのが、 サザンオールスターズの「真夏の果実」です。南半球のクリスマスも想像してもらえるように真夏の曲をクリスマス風にアレンジしたり、普段のクリスマスコンサートにはないアイデアを盛り込むつもりです。 また、宮本貴奈さんとの共作でコンサートのテーマ曲をこれから作るのでこれも楽しみにしていただきたいですし。 アメリカで今でも人気のあるアニメにも大きな影響を与えたPEANUTSのJAZZナンバーも大編成でお聴かせします。






――ゲストボーカルには、Crystal Kayさん(兵庫公演)と清水美依紗さん(東京公演)を迎えられますね。

城田 2人にはそれぞれオリジナル曲である「恋におちたら」、「Home」をオーケストラバージョンで披露してもらいます。 2人とも、パフォーマンス能力の高さは言うまでもなく、人柄がとてもすばらしいので、クリスマスという聖なる夜にふさわしいハートと歌声で、客席を魅了してくれるはずです。 さらには、アメリカの古き良き時代のスタンダードナンバーを僕とのデュエットでお楽しみいただけたらと思っています。





――これまでのコンサートに来られた方も、新たな体験ができそうですね。

城田 それは間違いないと思います。「PEANUTS」ファンの方であればなおさら、劇場がその世界になっているんですからこれまで以上に楽しんでいただけますし。 初めての方には、「PEANUTS」の世界はワクワクする要素や遊び心が詰まっているので、オーケストラコンサートってこんなに楽しいんだと思ってもらえるでしょうし。 いろんな方に何回も観たいと思ってもらえるものになればと思っています。

城田優


関連商品

Mariage
城田優「Mariage」

2020/12/02

[CD]

¥3,168(税込)

Mariage
城田優「Mariage」

2020/12/02

[CD]

¥4,620(税込)

a singer
城田優「a singer」

2018/10/24

[CD]

¥3,056(税込)

UNO
城田優「UNO」

2012/03/07

[CD]

¥3,300(税込)

UNO
城田優「UNO」

2012/03/07

[CD]

¥4,730(税込)

UNO
城田優「UNO」

2012/03/07

[CD]

¥4,730(税込)

Mariage
城田優「Mariage」

2020/12/02

[CD]

¥3,168(税込)

Mariage
城田優「Mariage」

2020/12/02

[CD]

¥4,620(税込)

a singer
城田優「a singer」

2018/10/24

[CD]

¥3,056(税込)

UNO
城田優「UNO」

2012/03/07

[CD]

¥3,300(税込)

UNO
城田優「UNO」

2012/03/07

[CD]

¥4,730(税込)

UNO
城田優「UNO」

2012/03/07

[CD]

¥4,730(税込)

U「U」

2011/05/04

[CD]

¥1,980(税込)

U「U」

2011/05/04

[CD]

¥1,980(税込)

On My Way
氷帝学園 柳浩太郎 城田優 相葉弘樹 足立理 加藤和樹 斎藤工 向日岳人「On My Way」

2006/03/22

[CD]

¥1,047(税込)

On My Way
氷帝学園 柳浩太郎 城田優 相葉弘樹 足立理 加藤和樹 斎藤工 向日岳人「On My Way」

2006/03/22

[CD]

¥1,047(税込)

城田優 as 手塚国光
城田優「城田優 as 手塚国光」

2005/12/19

[CD]

¥2,409(税込)

ACCESS RANKING

アクセスランキング

  1. 1

    <インタビュー>YUTA(NCT) ミニアルバム『Depth』に込めたソロアーティストとしての挑戦――「たくさんの経験があったから今がある」

  2. 2

    和楽器バンド、活休前最後のツアーが開幕 10年分の感謝をこめた渾身のステージ

  3. 3

    <インタビュー>米津玄師 新曲「Azalea」で向き合った、恋愛における“距離”――「愛情」の源にある“剥き身の生”とは

  4. 4

    ロゼ&ブルーノ・マーズ、11/22大阪開催【MAMA】で「APT.」世界初披露へ

  5. 5

    <ライブレポート>ano「次に会う時まで必ず生きて」――ツアー追加公演完走、音楽でたどり着いた“絶対聖域”

HOT IMAGES

注目の画像