Special
<CASIO×Billboard Live>May J.が語る、人々と愛を分かち合うために必要なこと
「すべての人に音楽を奏でる喜びを」という想いから、新しい生活スタイルに寄り添う電子楽器を展開するCASIOがBillboard Liveとコラボレーション。Billboard Liveの出演者にリレー形式で「音楽の楽しみ方」を語ってもらう。
May J.が新曲「Spread Love」をデジタルシングルとしてリリースする。プロデューサーは、数々のヒット曲をプロデュースしてきた今井了介。ジャズやディズニー音楽など、これまで様々なジャンルを歌いこなしてきたMay J.のルーツである2000年代R&Bをベースとつつも、現代にアップデートした聴くものをエンパワメントする力強い楽曲に仕上がった。コロナ禍でピアノと向き合い、自宅にてほぼ1人で作り上げたアルバム『Silver Lining』を経て今作へ行き着いたと語ってくれたMay J.。その製作過程についてはもちろん、現在開催中のBillboardライブについて聞いた。(Interview: 黒田隆憲)
どん底から光へと向かっていく流れを
一つのアルバムで見せることができた
――まずは新曲「Spread Love」が、どのようにできたのかを教えてください。
May J.:前作『Silver Lining』はコロナ禍で制作したアルバムだったのですが、そこでは私自身のダークな部分を結構赤裸々に表現しました。例えばピアノで作曲した「Unwanted」という曲は、タイトル通り〈誰にも必要とされていない自分〉について歌った、究極に悲しく暗い歌詞なんです。
――そこまで赤裸々になったのは、コロナ禍も影響していますか?
May J.:間違いなく影響しています。ライブができない日が続いたコロナ禍で、歌っていないとエネルギーを発散できなくて。代わりに自分の部屋でピアノと向き合い、Logic ProというDTMソフトを使いながら作曲をしていました。この「Unwanted」という曲がきっかけでアルバム作りが始まり、曲を作っていくうちに段々光が見えてくるようになっていって。どん底から光へと向かっていく、そういう流れを一つのアルバムで見せることができました。
自分の中に溜まっていたものを、そうやって全て吐き出したところで、「これからは光の中にいたい」と思うようになりました。そのタイミングでコロナ禍も少し落ち着き、ようやくライブでも声出しが出来るようになったのもあり、「音楽でポジティブなメッセージを届けて、もう一度みんなで一つになれたらいいな」と。そういう気持ちで作ったのが、この「Spread Love」という曲なんです。
――どん底を経験したからこそ、見える景色もきっとあったのでしょうね。
May J.:おっしゃるように、経験していなかったら、ここまで振り切った明るくてエネルギッシュな曲は出来なかったと思います。
――『Silver Lining』のようなアルバムの作り方は、これまでやったことがなかった?
May J.:なかったですね。コロナ禍になって、ステイホーム期間中は人にも会えない状況で。「これはもう、今しかチャンスはないぞ」と思ってオーディオインターフェースなど機材を揃えるところから始めました。自分でやり方も覚えたりするのは大変ではあったけど、ものすごく成長できた期間だったと思います。
――全て自分でやることで、何か気づいたことってありますか?
May J.:誰かと一緒に作る楽しさはもちろん何物にも代えがたいのですが、自分1人じゃないとできないこともあると思いました。自分らしいメロディや自分らしい歌詞が、自分の中から出てきた時にそれを強く感じましたね。これまでもアルバム1枚全て作詞をしたり、何曲かメロディ作りに挑戦してみたりしたことはあったのですが、まったくのゼロから「今日の気分」で曲を作るのは初めての経験だったんです。
例えば今、ものすごく悲しくて、「この気持ちをどうしよう」と思ったらそれをそのままピアノにぶつける。そうやって出てきたメロディが、どれもすごくナチュラルでした。きっと自宅というリラックスした空間にいるからなのかなって。レコーディングスタジオでは生まれなかった曲たちだと思っていますね。
――いつも以上に音楽が身近にあり、日常の中から楽曲が紡ぎ出されるような、そんなクリエイティブな時間を過ごしたのですね。
May J.:そう思います。サウンド面に関しては、今年は「Y2K」がトレンドじゃないですか。私にとって「Y2K」といえば、ビヨンセやアリシア・キーズなど2000年代のR&Bなんです。デビュー当時はR&Bシンガーとして活動していたわけですし、あの頃好きだったR&Bをもう一度やりたいと思ってプロデューサーの今井了介さんとタッグを組みました。
この「Spread Love」だけではなく、アルバムを見据えて楽曲をたくさん作っていくプロジェクトをスタートしたので、今後もいろんな形のR&B、2000年代の香りを残しつつ、現代にアップデートされたR&Bをお届けしたいと思っています。楽しみにしていてほしいです。
公演情報
May J. Billboard Live Tour 2023
<ビルボードライブ大阪>
2023年8月8日(火) ※公演終了
<ビルボードライブ東京>
2023年8月10日(木) ※公演終了
<ビルボードライブ横浜>
2023年8月27日(日)
1st Stage Open 15:00 Start 16:00 / 2nd Stage Open 18:00 Start 19:00
公演詳細
リリース情報
関連リンク
まずは自分自身を愛することが大切
――歌詞については、May J.さんから何かリクエストをしたのですか?
May J.:曲を作る前に、今井さんと2人でいろんな話をしました。やりたい音楽はもちろん、今の自分の心境や過去のこと……彼自身も私のことをデビュー時から知っていてくれたので、いろんな話をした中で今井さんが感じ取ってくれたことを、今回制作の人たちに落とし込んでくださいました。なので、本当にドンピシャの歌詞が上がってきましたね。
――他人の目を気にし過ぎてしまい、誰かが作り上げた理想に囚われ辛い思いをしている人へのメッセージソングでもありますね。
May J.:自分が目にしたものに、知らないうちに影響されてしまうことってあると思うし、情報が溢れすぎて自分は何を求めているのか、本当の自分とは何か、わからなくなっている人って多い気がして。SNSがないところで、自分の心のままに生きていけたらいいんですけど、今の時代そういうわけにもいかないし(笑)。そんな葛藤は私もあるし、きっと皆さんもあるんじゃないかなと思いました。
――〈With pride in your difference, let it be known So Let's reset the world〉というフレーズがあるように、違いを認め合うことの大切さについても歌っています。
May J.:意見を持つことは大事ですが、それを人に押し付けるときに衝突が起きるんじゃないかと思っていて。それぞれの意見は尊重すべきだと思うし、それがその人のアイデンティティかもしれないし、それを当たり前のように理解し合える世の中になったら、もっと楽なんじゃないかなと思いますね。
――そのために必要なのが「愛」であると。タイトルにあるように、〈spread love〉するために必要なのはどんなことだと思いますか?
May J.:まずは自分自身を愛することだと思います。自分を愛せなかったら、周りの人にもその愛を分かち合えない。自分を大切にすることって忘れがちだけど、大切なことなんですよね。そのためには、例えばお気に入りのものを身につけたり、好きなパン屋さんでパンを買ったり(笑)。ちょっとした楽しみが日常に散りばめられていると、それだけで心が満たされると思います。
――きっと思いのままにピアノを弾くことも、自分と向き合うためのいいきっかけになりそうですよね。
May J.:本当にそう思います。おっしゃるように、鍵盤と向き合って自分の思いがメロディとなって出てきたときに、自分自身が解放されるような、幸せな瞬間が訪れますね。
――好評だった8月8日のBillboard Live OSAKA、8月10日のBillboard Live TOKYOに続き、27日にはBillboard Live YOKOHAMAでライブが開催されます。
May J.:これまでBillboard Liveでは、ジャズを中心としたセットリストを組んでいましたが、今回は「Spread Love」というR&Bの楽曲をリリースするのもあって、もう一度R&Bにテーマにセットリストを組みました。バンドもずっと一緒にやっている、R&Bが得意なミュージシャンを招いています。これまで以上にアーバンなステージになると思いますし、今回は声出しもできるので、みんなで一緒に盛り上がれたら嬉しいです。
公演情報
May J. Billboard Live Tour 2023
<ビルボードライブ大阪>
2023年8月8日(火) ※公演終了
<ビルボードライブ東京>
2023年8月10日(木) ※公演終了
<ビルボードライブ横浜>
2023年8月27日(日)
1st Stage Open 15:00 Start 16:00 / 2nd Stage Open 18:00 Start 19:00
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