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<インタビュー>IDOLS(山口綺羅(Girls²)&運上弘菜(HKT48)&中村舞(STU48))新たな挑戦「一人二役。80年代のアイドルを演じつつ、2020年代のアイドルも」
普段は別々のグループで活動しているメンバーが、実名で架空のアイドルを演じる新しい形のプロジェクト・IDOLS。これまで前代未聞のドラマを映像作品で届けてきたが、その第3弾【IDOLS~夢のシークエンス~】はなんと舞台でお届け(80年代のアイドルシーンもストーリーに盛り込み、音楽はNight Tempoが担当)。
今回のインタビューでは、主要キャストであるIDOLS第3章メンバーの中から山口綺羅(Girls²)&運上弘菜(HKT48)&中村舞(STU48)をお迎えし、IDOLSの魅力や【IDOLS~夢のシークエンス~】への意気込みはもちろんのこと、三者三様の生き様やキャラクターについても掘り下げさせてもらった。読んだら推したくなること間違いなしのテキスト、ぜひご覧下さい。
Interviewer:平賀哲雄
実名で架空のアイドル「どこまで素を出して、演じればいいのか」
--綺羅さんと弘菜さんは第1弾から参加されているわけですが、このプロジェクトへの挑戦が決まったときはどんな気持ちになりました?
運上弘菜(HKT48):私はそれまで演技の経験があまりなかったんですけど、自分自身を演じるということだったので、それだったら自然体のまま、難しくないのかなと思ったんです。でも、いざやってみたら、どこまで素を出して、どこまで演じればいいのか。声のトーンとかも「本当の自分だったらこう喋るけど、これだと演技にならないし」みたいな感じで、その境目が難しくて。なので、最初は悩みながら探り探りでやっていました。 山口綺羅(Girls²):私は久しぶりの演技のお仕事だったので、嬉しさも不安もあったんですけど、なっぴさん(運上弘菜)も言っていた通り、自分を演じるということで。最初は「このままのテンション感でいいんだ」ぐらいの感覚で捉えていたんですけど、深堀りしていくうちに「そもそも自分ってどんな人なんだろう?」と。それを探りながら演技するのってすごく難しいことだなと気付いたんですよね。--そこから第2弾、第3弾と馴染んでいっている感覚はあるんですか?
運上弘菜:毎回同じ設定だったら馴染んでいくかもしれないんですけど、このプロジェクトは毎回テーマが変わっていくんですよね。第1弾は恋愛をテーマにしたストーリー、第2弾はセンター争奪戦と、物語ががらっと変わっていく。なので、毎回イチから探り探り進めていく感覚なんです。 山口綺羅:自分を演じるんだけど、自分がいっぱいいる感じで。「どんな自分を出せばいいんだろう」と毎回悩みながら挑戦していますね。でも、それが楽しかったりもするんです。--そこに第3弾では、STU48から中村舞さんと石田千穂さんが新たに加わるわけですが、参加が決まったときはいかがでした?
中村舞(STU48):「自分で自分を演じるって不思議な感覚だな」と思っていて、今もまだ未知の世界なんですけど。第1弾、第2弾の作品を観させてもらったら、セリフの量も多かったり、すごくバチバチな感じもあったりして、かなり本格的な演技を求められるんだなと思って、私は演技の経験があんまりないほうなので「大丈夫かな?」って。--でも、今日は別のお仕事でいらっしゃいませんが、同じSTU48のメンバーがもうひとり居てくれるのは心強いんじゃないですか?
中村舞:そうですね。千穂ちゃんはこれまでも何本か舞台に出演していて、第3弾は舞台での演技になるので、心強いなと感じています。--そんな千穂さん含め4人全員が初めて揃ったのは、6月22日の『IDOLSのオールナイトニッポンX(クロス)』だったみたいですね。
中村舞:私は人見知りなので、結構身構えていたんですけど、すごくあったかくて! 話しかけてもらえて嬉しかったし、これからが楽しみになりました。 運上弘菜:4人で初めて表に出たのは『IDOLSのオールナイトニッポンX(クロス)』だったんですけど、実はその前にIDOLS第3弾のビジュアル撮影で会っているんです。で、千穂ちゃんとはMVとかで何度かご一緒しているんですけど、舞ちゃんとお話しするのは完全に初めてだったので、私も結構人見知りだから「お話してくれるかな?」と思っていて。--お互いに人見知りを発揮していたんですね(笑)。
運上弘菜:初対面なのに「ほっぺをくっつけて下さい」とカメラマンさんから言われて、そのときは何もお話できなくて、お互い無言でほっぺをくっつけていたんですけど(笑)。でも、朝から夜まで丸一日いっしょにいたから徐々に慣れていって、後半はみんなでお話しながら撮影できて。そのあと『IDOLSのオールナイトニッポンX(クロス)』でもっと打ち解けることができました。 山口綺羅:4人で和気藹々とお話することができたので、最初にしては良いスタートなんじゃないかなって思いました! 運上弘菜:ただ、舞ちゃんはしばらく会わないと関係性がゼロに戻っちゃうらしいんですよ。 中村舞:そうなんですよ(笑)。 運上弘菜:だから、次回また会ったら改めて距離を詰めていきたいと思っています(笑)。--ちなみに、皆さんそれぞれ普段は別のグループに所属しているわけじゃないですか。そんなメンバーたちがひとつのプロジェクトで一緒に活動するのってどんな気分なんでしょう?
運上弘菜:まさかLDHの方とお仕事をする日が来るとは思っていなかったですし、それぞれのグループの雰囲気も含めて何もかも違うので、それこそ最初は「話、合うのかな?」みたいな。綺羅ちゃんはすごく年下なので、そういう意味でも「どんな話をしたらいいかな?」と考えていたんですけど、いざ会ってみると、クールな印象と相反して元気いっぱいな明るい女の子で。しかもすごくしっかり者なんですよ。なので、年が離れている感じもあんまりせず、むしろ人見知りの私に綺羅ちゃんからいっぱい話しかけてくれたから、本当に助けられました。 山口綺羅:私もまさか48グループの皆さんとお仕事する日が来るとは思っていなかったですし、そもそもアイドルの方と関わることがあまりなかったので、それこそ「どう接すればいいんだろう?」と実際に会うまではめちゃくちゃ緊張していて。でも会ってみると、おっとりしていて可愛らしい感じなんですけど、意外とさっぱりしているところもあるんですよ。それが良い意味でアイドルらしくなくて話しやすいですし、今まで出逢ったことがない感じの雰囲気を持っている方だったので、ご一緒できることがすごく嬉しかったし、今も楽しいですね。 中村舞:HKT48さんは48グループの大きいコンサートとかでご一緒させて頂いているんですけど、私はなっぴさんとお話しさせて頂いたことがなくって。でも、ファンの人たちからなっぴさんも人見知りと聞いていたから「私といっしょだ!」と思って。実際に話してみたら、私のほうが人見知りだったみたいなんですけど(笑)。あと、綺羅さんは完全に初対面だったので、事前にいろいろ調べてみたら19歳だったから、本当にビックリしました! 大人っぽく見えていたので。でも、実際に会ってみても、リードしてくれるおねえさんだなって……私のほうが年上なんですけど(笑)。たくさん話しかけてくれるからホッとしました。- Girls²/HKT48/STU48での自分×IDOLSでの自分
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Girls²/HKT48/STU48での自分×IDOLSでの自分
--皆さんそれぞれ普段所属しているグループでは、自分はどんなキャラクターやポジションのメンバーだと思いますか?
運上弘菜:4期生なので、先輩もいますし、後輩もいて。ちょうど中間のメンバーなんですけど、先輩っぽくするのは苦手で、後輩を引っ張っていく感じでもなく……なんなんだろう、私(笑)。自分の好きなように活動させてもらっているメンバーかもしれないです。グループで活動していると、そのグループのカラーに染まっていくものだと思うんですけど、私の場合はマネージャーさんからも「自分の思ったことを突き通していくタイプ」と言われています。--それだけ自分を持っていると。
運上弘菜:みんなと活動するのは大好きだし、HKT48はすごく仲が良いんですけど、とは言え、HKT48らしく若々しく元気にはしゃぐタイプではないのかなって。HKT48に加入してしばらくは「フレッシュに元気いっぱいな感じで!」と思っていたんですけど、私は同期の中で最年長だったので、そのテンションは自分に合わないかもなって。それで、素直に自分を出してみたら、ファンの皆さんが「新しいタイプのアイドル」と肯定してくれたので、そこからはずっと自分らしく活動させてもらっているんです。--IDOLSの活動の中でもそれは変わらず?
運上弘菜:基本は変わらないと思うんですけど、HKT48にいるときとはまた違う感覚もあって。HKT48では、同期でキャプテンやっているメンバーとか先輩に頼っちゃって、みんなと話し合いするときも自分から意見はひとつも発さないタイプで。どちらかと言うと、みんなに引っ張ってもらっている立場なんですけど、こうやってグループから飛び出すと「ちゃんとしなきゃな」って。HKT48の運上弘菜として見られると思うと、取材でもいつも以上にきちんと話さなきゃなって思いますし。--HKT48を代表して参加しているわけですもんね。
運上弘菜:そこの意識が自然と高くなりますね。--綺羅さんは、Girls²の中でどんなメンバーだと思いますか?
山口綺羅:一応キャッチコピーみたいなものがあって、Girls²のムードメーカー&ダンスリーダーと呼ばれているんですけど、「メンバーとメンバーの輪を繋いでいる」とよく言われたりしますね。中間のポジションというか。私、ごはんにメンバーを誘って行くことが好きで、その場でメンバーがいろいろ相談してくれたりもするんですけど、ひとりのメンバーを誘って、他のメンバーも「行きたい」となったら「じゃあ、一緒にいこう」みたいなシチュエーションが多いんです。それで気付いたら、メンバー同士を繋ぐポジションみたいになっていて。 運上弘菜:IDOLSの中でもそうですよ。みんなを繋いでくれている。--天性のキャラクターなのかもしれませんね。自分的には「こういうメンバーになりたい」みたいな理想像はあるんですか?
山口綺羅:Girls²の中ではちょっと無理なんですけど、でも「しっかりしてるよね」という風に見られたい。いつまでもキャピキャピはしていられない気持ちがあるので、できれば「明るいけど、ちゃんとしてるよね」と言われるようなメンバーになりたいですね。--Girls²の中ではなんで無理なんですか?
山口綺羅:私と同じ歳のメンバーが3人いるんですけど、2人がしっかりしているタイプなので、自分はそこに甘えちゃっているんですよね。なので、Girls²の中でそのポジションはもう難しいんですけど、こうして外に出たときぐらいは大人の私を見せたいなって(笑)。--舞さんは、STU48の中でどんなメンバーだと思いますか? 人見知りであることはよく分かったんですけど(笑)。
中村舞:うーん……自分の欲とかを口にするのはすごく難しいタイプなんですけど、胸に秘めている想いはしっかりあって。メンバーのみんなと仲良くなりたいんですけど、なかなか打ち解けていけないような人(笑)。--めちゃくちゃじれったいですね(笑)。
中村舞:後輩もいっぱい増えてきているから、悩みとかを聞いてあげたいし、自分がグループを引っ張っていけるようになりたい想いもあるんですけど……(てんてんてんと実際に発する)みたいな。--それを何とかしたいと思ってはいるんですか?
中村舞:いますよぉー、もろろん。最近、ようやくちょっとずつ……頑張って出そうとしています。出そうとしているということは、まだ出せていないんですけど(笑)。なんでそういう風に思うようになったかと言うと、グループでもっと上を目指したい気持ちが日々強くなっているからなんですよ。だからこそ、みんなでライブとかする度に反省することがいっぱいあったり、みんなに伝えたいこともどんどん増えていって。それを上手く伝えられない自分がいるんですけど、であれば「行動で示そう」と思って自分から動こうとしてみたり。なので、このIDOLSでの活動でも新しい私の一面を見せて、それがSTUの為にもなったらいいなと思っていますし、今は自分なりに変わろうとしているところなんです。--演技で新たな魅力を見せられれば、それがSTUの人気上昇にも繋がるかもしれないし、メンバーも「すごいね」って喜んでくれるかもしれないですよね。弘菜さんもIDOLSで演技するようになって、HKTの皆さんに驚かれたりしたと思いますし。
運上弘菜:いや、何も言われてないです(笑)。基本的にはみんな何も言わず見守ってくれている感じですね。--あれだけ存在感ある演技を見たら、何か感想を言いたくなりそうなもんですけどね。
運上弘菜:普段からああいう感じだからかな?一同:(笑)
--そっか。HKTのみんなからしたらあれが自然なのか(笑)。
運上弘菜:コンサートの寸劇コーナーとかでも舌打ちしたり「クソが」とか言っているので(笑)。関連リンク
挑戦だらけの第3章~80's×一人二役×初舞台×初楽曲&ライブ
--Girls²の皆さんは、IDOLSの作品にどんな感想を?
山口綺羅:観てくれているメンバーは「ストーリー性がめっちゃ面白い」と言ってくれたり、=LOVEが好きなメンバーからは「めっちゃ良いなぁ」って(笑)。--IDOLSの第2弾で=LOVEの佐々木舞香さんと共演されていましたもんね。それにしても、本当に面白いドラマを創られていますよね。出演者が自分を演じる座組もそうですし、少人数のキャストとひとつの部屋だけでストーリーが進行しているのに目が離せなくなる構成も凄いですし。
--チャレンジ要素が一気に増えましたよね。
山口綺羅:まず舞台でやることが驚きでしたし、ライブパフォーマンスまで組み込むことも驚きでしたし、それも今まで歌ったり踊ったりしたことのない80年代の音楽。だから今回は事前に勉強するべきことがたくさんあるんですよね。一人二役なので、どう違いを見せるのかも考えなきゃいけないですし。観ている人が「同じじゃん」と感じちゃったらダメだと思うので、演技力も磨いていかなきゃなって。 中村舞:すごいタイミングで入ってきてしまった(笑)。私は初めての舞台でのお芝居ですし、何もかも未知すぎて。でも、4人でひとつの作品を創り上げていけるというのは、すごくワクワクするんですよ。今回の舞台は80年代に謎のアイドル失踪事件があって、4人で謎解きみたいなことをしていくストーリーなんですけど、アイドルの表と裏が描かれる作品なので、観劇後にアイドルの価値観や捉え方が変わったりすると思うんですよね。なので、観に来てくれる皆さんにも、この4人で創り上げていく空間を楽しんでもらいたいなって思います。--ちなみに、以前から「IDOLSの楽曲がほしい」と希望していたと思うんですけど、この舞台の為に今をときめくNight Tempoがオリジナル曲を手掛けてくれたんですよね。
山口綺羅:すごく嬉しいです。IDOLSの楽曲が出来たことによって、これからもっと多角的に進んでいけるかもしれないし、実際にこの4人でパフォーマンスすることも決まっているので、大きな一歩だなと感じています。 中村舞:別々の3グループから集まって、それぞれ普段は違うカラーで活動しているわけじゃないですか。そんなメンバーたちが楽曲やパフォーマンスを通してどんな混ざり合いを見せるのかも楽しみですし、今からワクワクしています。 山口綺羅:楽曲はもちろん、衣装も普段の活動では着ないタイプになっているので、すごく新鮮な気持ちでパフォーマンスできそう。 運上弘菜:3グループとも音楽性からして全く違うグループですし、そんな異なるグループのメンバーが集まってオリジナルの曲を歌える機会なんて滅多にないと思うので、どんな楽曲になるのか。どんなダンスになるのか。楽しみがたくさんあるんですよね。ただ、ダンスは綺羅ちゃんがいるので、ちょっと自信がないです……(笑)。 山口綺羅:そんなこと言わないで下さいよ(笑)。 運上弘菜:なので、綺羅ちゃんに基礎からダンスを習いたい(笑)。でも、逆に綺羅ちゃんが普段踊らない、めちゃくちゃ可愛らしいアイドルの振り付けで踊る可能性もあると思うので、そういうところも含めて本当に楽しみですね。--ちなみに、80年代のアイドルにどんな印象を持たれています?
運上弘菜:私、HKT48のオーディションでは、松本伊代さんの「センチメンタルジャーニー」を歌ったんですよ。それぐらい80年代のアイドルが好きで。そのきっかけは松田聖子さんなんですけど、ネットで80年代当時の映像を初めて観たときに「こんなにかわいい人がいるんだ! 聖子さん、すごい!」って驚いて。それからお父さんが聖子さんのファンだったことを知って、車の中でずっと流してもらったりしていました。 中村舞:親の影響なんですけど、私も松田聖子さんとかWinkさんとか聴いてます。あの時代の曲ってメロディーとか歌い方とか口ずさみたくなるというか、クセになるんですよね。 山口綺羅:私は逆に80年代の音楽とまったく触れてきていないので、これを機に勉強したいなって。なっぴさんにもいろいろ教えてもらいたいと思います!--そんな80年代の世界観も体感できる舞台【IDOLS~夢のシークエンス~】が8月25日と26日(各2公演/計4公演)品川インターシティホールにて開催されます。最後にこちらへの意気込みをお願いいたします。
山口綺羅:発表するなりチケットを買って下さっているファンの方がいっぱいいて、それだけ楽しみにしてくれている人がいるんですよね。Girls²からストーリーテーラー&物語のキーとなる役でふたり(小田柚葉&菱田未渚美)も出演しますし、来て下さった方たちに絶対に楽しんでもらえるよう、全力で初の舞台に挑みたいと思っています! 運上弘菜:今までIDOLSは映像作品としてのドラマを発表してきていたんですけど、今回は舞台に変わって、さらに初の楽曲パフォーマンスもあるので、さらに気合いを入れて挑まなきゃなと思っています。異なるグループからメンバーが集まって、しかも80年代の音楽を披露する機会は後にも先にもないんじゃないかな。なので、たくさんの人に観に来て頂きたいですし、IDOLSはもちろん、私たちの所属する全グループを好きになってもらえるぐらい、良いものを届けられたらなと思います。 中村舞:すごく楽しみです! 会場もすごく広くて、すごくたくさんの人が集まる公演になると思うんですよね。そこで「観に来てよかった」と喜んでもらえるものをお届けできるよう、いつもとは違う自分が見せられるよう……今からめちゃくちゃ成長します。そして、STU48の中村舞も、IDOLSの中村舞も好きになって頂けたら嬉しいです!Interviewer:平賀哲雄
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