Special
<CASIO×Billboard Live>矢井田 瞳が語る、改めて意識した音楽を届ける自分と観客の「関係性」
「すべての人に音楽を奏でる喜びを」という想いから、新しい生活スタイルに寄り添う電子楽器を展開するCASIOがBillboard Liveとコラボレーション。Billboard Liveの出演者にリレー形式で「音楽の楽しみ方」を語ってもらう。
昨年9月に通算12枚目のアルバム『オールライト』をリリースした矢井田 瞳が、4月2日に東京、4日に大阪のBillboard Liveで公演を行う。「さらりさら」や「花のような君に」などCMでもお馴染みのナンバーや、情報ワイド番組のエンディングテーマにも起用された「駒沢公園」など、コロナ禍での喜怒哀楽を歌詞に込めつつ疾走感あふれるロックチューンからフォーキーなナンバーまで並んだバラエティ豊かなアルバム収録曲を、今回どのようなアレンジで聞かせてくれるのか期待が高まる。今回は、そんなBillboard Liveへの意気込みはもちろん、矢井田が楽器を始めたきっかけやコロナ禍で考えていたことなど改めてじっくりと語ってもらった。(Interview: 黒田隆憲)
ビビビッて体の中に電流が走って「これは私、一生できる!」と思った
――矢井田さんが楽器を始めたきっかけを教えてもらえますか?
矢井田 瞳:最初はピアノでした。近所にピアノ教室を開いている人がいて、小学校3年生くらいまで習っていたんです。「昔ながら」と言いますか、結構厳しい先生で。指遣いとか少しでも間違えると、その指を掴んで「な、か、ゆ、び!」と叱られるという(笑)。それがちょっとトラウマになってしまい、あまり上手になる前に辞めてしまったんですよね。
ただ、自宅にアップライトピアノがあったり、音楽好きの父がレコードをよく聴いていたり、音楽は常にそばにありました。家具と一体型のレコードプレーヤーがリビングにあって、父親がビートルズをはじめとする定番の洋楽、演歌、ザ・フォーク・クルセダーズや井上陽水さん、さだまさしさん、南こうせつさんなどのアルバムをかけると、否応なしに家族全員が聴くことになるっていう(笑)。要するに父の聴いている音楽で育ったようなものなんです。
――自発的に「音楽をやろう」と思ったのはいつ頃だったのですか?
矢井田:それは大学生になってからですね。アコースティックギターに恋をしたんです。コードはCだったかGだったか忘れてしまったんですけど、初めてそれを鳴らした時の感覚も覚えています。ビビビッて体の中に電流が走って「これは私、一生できる!」と思ったんですよ。それまでは聴いたり歌ったりするための「音楽」が、弾いたり作ったりするための「音楽」とつながった気がしたというか。
――鍵盤を弾いたときとは違う感動があったのですね。
矢井田:鍵盤を弾いていたのは小学生の頃だったのもあって、コピーしてみたい曲を家のアップライトピアノで演奏するのも楽しかったんです。でも、ピアノをやめてしばらく楽器に触っていなかったので、大学生になってギターを触った時の「ビビビ」は忘れがたいものがありましたね。
――音楽をやる前は、スポーツにも打ち込んでいたそうですね。
矢井田:幼い頃の思い出が、ほとんど水の中というくらいプールに入っていました。「体は動かしていた方がいい」というのが我が家の教育方針だったので、とにかく絶対に休ませてくれなかったんです。嬉しい時も悲しい時も辛い時も、プールの中でそれを感じていたというか。クロールしながら泣くと、冷たい水の中に温かい涙を感じるんですけど、その「ぬくもり」は今でもはっきり覚えていますね。もう行きたくなくて、玄関で泣き散らかしたこともあったし(笑)、最終的には引きずられるように連れて行かれるんですけど。今思えば、やっておいて良かったなと思います。
――その時の経験は、音楽にも生かされていると思いますか?
矢井田:持久力というか、「この曲を完成させるまでゴールは結構長そうだな……」と思っても、途中で諦めず「いつかは必ず完成するから」と頑張れるのは水泳をやっていたおかげかもしれません。長距離を泳ぎながら「いつかは終わる」ということを、身をもって知れたのは大きいと思います。もちろん、シンプルに肺活量も上がりましたしね。
公演情報
矢井田 瞳「オールライト〜ピアノとハーモニカと〜」
<ビルボードライブ東京>
2023年4月2日(日)
1st Stage Open 14:00 Start 15:00 / 2nd Stage Open 17:00 Start 18:00
公演詳細
<ビルボードライブ大阪>
2023年4月4日(火)
1st Stage Open 17:00 Start 18:00 / 2nd Stage Open 20:00 Start 21:00
公演詳細
<Kiss FM KOBE主催アコースティックフェスティバル>
2023年4月15日(土)
公演詳細
<GO OUT JAMBOREE 2023>
2023年4月23日(日)
公演詳細
<多摩ファミリーフェスタ Produced by ROCKS FORCHILE>
2023年4月29日(土)
公演詳細
プロフィール
矢井田 瞳
2000年メジャーデビュー、「My Sweet Darlin’」が大ヒット。2022年4月からは5年ぶりとなる全国弾き語りツアー『Guitar to Uta』を開催。2021年に引き続き井村屋の『あずきバー』CMソング「さらりさら」を7月1日に、8月15日には「駒沢公園」、8月24日には創建「ルナシティ青葉はつが野」TVCMソング「花のような君に」、9月7日には12thアルバム『オールライト』を立て続けにリリース。精力的にアーティスト活動を行う。
関連リンク
・矢井田 瞳 公式サイト
・日本コロムビアサイト
・矢井田 瞳 公式YouTube
・矢井田 瞳 公式Instagram
・矢井田 瞳 公式Twitter
・矢井田 瞳 公式Facebook
・矢井田 瞳 公式LINE
・矢井田 瞳 公式TikTok
やっぱりBillboard Liveはスペシャルな場所
――デビューのきっかけは?
矢井田:ギターを始めて作曲もするようになったのですが、恥ずかしくてそれを誰にも言えずにいたんです。でも曲が溜まってきて「これ、プロが聴いたらなんていうだろう?」と思って勇気を出してオーディションに出したのがきっかけでした。今から思えばものすごく大胆な行動だなと思うんですよね。まだコードを3、4個しか覚えていない状態で曲を作り始めて、そのレベルでオーディションに送っていたわけですから(笑)。
――初めてギターを購入してからわずか2年後にはプロデビューを果たしたそうですね。
矢井田:デビューして最初のうちは、求められることが理解できてもそれが出来ない自分がいるからすごく悔しかったですね。目の前の課題を常に追いかけているみたいな感じ。何か理論本などで勉強しようと思っても、3ページも読んだら心が折れてしまうので(笑)、楽しく勉強する方法を常に探していました。自分で歌いたいと思える楽曲を探してきてそこで使っているコードを調べて、知らなかったコードをちょっとずつ増やしていくとか。
練習は楽しかったし、人一倍うまくなりたいと思って結構頑張りましたけど、まだ実力的には出来上がっていないままデビューが決まってしまったので、身近にいる音楽関係の人たち全員が「音楽の先生」という感じでしたね。特にミュージシャンの方たちからいただくアドバイスがどれもありがたかったです。
――コロナ禍はどんなふうに過ごしていましたか?
矢井田:きっと多くの方がそうだったと思うのですが、私自身もすごく落ち込みました。終わりが見えない暗闇にいるような気分で、メロディが思い浮かんでもそこにどんな言葉を乗せたらいいんだろう? と思ってしまい、うまく歌詞が書けなくなっている自分がいて。そのときはかなり苦労しましたね。
ライブをやっても、お客さんは声が出せなかったり、マスクで顔を半分覆わなければならなかったり、そういう状況に慣れるまでは勝手に傷ついたり、不安に思ったりしていました。「みんな、ノッていないんじゃないのかな……?」って(笑)。もちろん、そんな状況でわざわざ観に来てくださっているわけだから、そんなはずがないんですけどね。実際、お客さんが手拍子や目力、身振り手振りで「喜び」を伝えてくださるので、自分自身ももっと頑張らなきゃなと思えるようになっていきました。
――昨年は5年ぶりの弾き語りツアーを行ったそうですが、その手応えはいかがだったのでしょうか。
矢井田:めちゃめちゃ手応えを感じました。コロナ禍でツアーも全然やっていなかったので、とにかく全国を回ること自体が新鮮で。ギター1本だけ担いでいろんな街へ出かけていき、歌を歌って帰ってくるという一連の行動そのものがとても幸せだったんですよね。音楽を届ける私と、それを受け取ってくれるお客さんという「関係性」を、改めて意識することもできましたし。
どの会場もお客さんとの距離が近かったので、どんな人が、どの曲を、どんな表情で聞いてくれるのか、配信とは違って全てこの目で見ることができたのは本当にありがたかったです。「今、自分は音楽を奏でているんだ!」と強く実感することのできた、実り多い日々でしたね。
――4月2日には東京、4日には大阪のBillboard Liveで矢井田さんの公演が開催されます。Billboard Liveには2021年以来2年ぶりの登場となり、今回はピアノとハーモニカをサポートに迎えたスペシャルな編成でのステージなんですよね?
矢井田:そうなんですよ。初めての編成なのでとても楽しみです。
――昨年リリースされた最新アルバム『オールライト』の楽曲たちが、どんなふうにアレンジされるのかも気になります。
矢井田:昨年末から今年初めにかけて、『オールライト』のリリースライブを東京と大阪にてバンドスタイルでやらせてもらったんですけど、やっぱり2本で終わってしまうのは寂しいしもったいない! という思いがあって。アルバムの世界観を、もう少し違う角度からアプローチすることができたらいいなと思っています。
――ちなみに『オールライト』の楽曲は、コロナ禍で矢井田さんが感じたことを歌詞にしているわけですよね?
矢井田:コロナ禍で感じた喜怒哀楽いろんな感情が入っています。「オールライト!」とか「大丈夫!」という言葉の意味やニュアンスは、そのときの状況や受け取る人の状態によって変わってくるなと思っていて。「オールライト」と自分に言い聞かせることもあれば、誰かに投げかけることもあるし、全然大丈夫じゃないときにあえて「大丈夫!」と言うときもありますよね。このアルバム自体も、ファンの方の感想を聞いていると、それぞれが自分自身に置き換えながら自由に受け取ってくださっているようで。それはとても嬉しいことだなと思っています。
――では最後に、Billboard Liveへの意気込みをお聞かせください。
矢井田:Billboard Liveでの公演が決まると、「Billboard Live」という場所から浮かんでくるアイデアが多いなと思うんです。例えば今回の楽器編成もそうですし、「Billboard Liveだからこの衣装を着てみたい」「Billboard Liveだからこのセットリストでやってみたい」みたいに思うこともある。それってやっぱり、Billboard Liveがスペシャルな場所だからじゃないかなと。今回も、スペシャルな夜にしたいと思っていますので、みなさん是非遊びに来てください。
公演情報
矢井田 瞳「オールライト〜ピアノとハーモニカと〜」
<ビルボードライブ東京>
2023年4月2日(日)
1st Stage Open 14:00 Start 15:00 / 2nd Stage Open 17:00 Start 18:00
公演詳細
<ビルボードライブ大阪>
2023年4月4日(火)
1st Stage Open 17:00 Start 18:00 / 2nd Stage Open 20:00 Start 21:00
公演詳細
<Kiss FM KOBE主催アコースティックフェスティバル>
2023年4月15日(土)
公演詳細
<GO OUT JAMBOREE 2023>
2023年4月23日(日)
公演詳細
<多摩ファミリーフェスタ Produced by ROCKS FORCHILE>
2023年4月29日(土)
公演詳細
プロフィール
矢井田 瞳
2000年メジャーデビュー、「My Sweet Darlin’」が大ヒット。2022年4月からは5年ぶりとなる全国弾き語りツアー『Guitar to Uta』を開催。2021年に引き続き井村屋の『あずきバー』CMソング「さらりさら」を7月1日に、8月15日には「駒沢公園」、8月24日には創建「ルナシティ青葉はつが野」TVCMソング「花のような君に」、9月7日には12thアルバム『オールライト』を立て続けにリリース。精力的にアーティスト活動を行う。
関連リンク
・矢井田 瞳 公式サイト
・日本コロムビアサイト
・矢井田 瞳 公式YouTube
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