Special
<CASIO×Billboard Live>奇妙礼太郎が語る、音楽がどうしようもなく愛しい瞬間
「すべての人に音楽を奏でる喜びを」という想いから、新しい生活スタイルに寄り添う電子楽器を展開するCASIOがBillboard Liveとコラボレーション。Billboard Liveの出演者にリレー形式で「音楽の楽しみ方」を語ってもらう。
昨年4月に通算3枚目のアルバム『たまらない予感』をリリースしたミュージシャンの奇妙礼太郎が、ホーン奏者を含む7人編成でのライブパフォーマンスを2月17日に大阪・Billboard Live OSAKA、22日に東京・Billboard Live TOKYOにて開催する。この編成は、昨年開催された『FUJI ROCK FESTIVAL '22』でも披露され好評を博していたもの。Billboard Liveという、フェスとは異なる特別な空間で、彼がどのようなパフォーマンスを繰り広げるのか期待が高まる。今回は、そんなライブに向けての意気込みはもちろん、奇妙が楽器を始めたきっかけや上達するために工夫していたことなど「演奏」にまつわる話をじっくりと聞いた。(Interview: 黒田隆憲)
自分をちょっとずつ修正していくことが楽しかった
――奇妙さんは、どんなきっかけでギターを始めたのですか?
奇妙礼太郎:もともとギターは誰かに習ったわけでもなくて、何か特別上手に弾けるとかもないんですけど、ギターが身近にあった世代というか……普通に家にあったし、いつの間にか手に取っていた感じなんです。他にやることもなかったですしね。高校生くらいになると学校でもバンドとか結成する人がちらほら出てきたり。
――大学で軽音楽部に入って、そこから本格的にバンド活動を始めたそうですね。
奇妙:本格的だったかどうかは分からないですが、大学に入るとサークルがあって同じことをしている人たちが集まるじゃないですか。たまたま僕にとってそれは音楽で、サークルでは仲良くしてくれる人もいて。ただ、軽音楽部にいた人たちも子供の頃から音楽をやっていたような人とか、音楽の教育を受けていた人とかは全然いなくて。プロフェッショナルなムードもなければ、音楽を生業にしていこうというより、サークル活動の一環としてみんなで楽しく音楽をしてました。
――割とフラットな距離感で音楽と向き合いつつ、それがずっと継続していたのですね。
奇妙:そうなんです。10年くらい前に上京したのですが、それまでは大阪で活動をしていて、周りにいるミュージシャンもみんな自分と同じような感じだったので、東京で暮らすようになって、一緒に仕事をする人たちが音楽的な教育を受けている人が多くてびっくりしました。今思えば「それはそうやな」と思うんですけどね。「知らない」ってこういうことなんだとそのときにすごく感じました。
――そのことに負い目を感じたり、コンプレックスに感じたりしたこともありましたか?
奇妙:上京してきたばかりの頃は、「自分も同じ能力必要なのかな」と思いました。でも力がある人になるのは大変だけど、その人の力をかりる事はできるから、それでいいと思うようになって。自分で全てをやるというより、自分がパズルのピースというか、ハマる場所はどこかにあるので。コンプレックスみたいなものは一旦脇に置いておけばいいと思うし。
――ちなみに、楽器のテクニックを上達させるためにどんなことをしていましたか?
奇妙:こういう仕事をするずっと前、それこそ実家で暮らしていた10代の頃は、カセットデッキに向かって歌を歌って、それをテープに録音して何度も聞いて自分で添削していました。「ここは気に入らない」とか「思ったように歌えていない」みたいに、そうやって自分をちょっとずつ修正していくことが楽しかったし。
――自己添削ですか。それって自分の下手くそな演奏と否が応でも向き合わなければならないから、なかなかしんどい作業のような気がします。
奇妙:いや、そもそも演奏が下手であることが「辛いこと」では全然ないんですよね。自分の下手さ加減に笑ってしまうというか(笑)。下手で当然やなと思うし。
――なるほど。自分が下手だと認められなかったり、理想と現実のギャップに苦しんだりするから練習が楽しくなくなってしまうのかもしれないですね。今の自分の実力を認めた上で、楽しみながら練習する方が長続きも上達もしそうな気がします。
奇妙:そうなんですよ。歌に関しては、そういう練習をコツコツやっていた時期はありました。ただ、ギターや鍵盤に関しては特にこれといった練習もしていなくて。自分の曲を、自分のライブで何度も演奏しているうちに、少しは上手くなっていったのかもしれないですね。
公演情報
【奇妙礼太郎band Special set One Man
at Billboard Live】※公演終了
at Billboard Live】
<ビルボードライブ大阪>
2023年2月17日(金)
1stステージ 開場 17:00 / 開演 18:00 2ndステージ 開場 20:00 / 開演 21:00
公演詳細
<ビルボードライブ東京>
2023年2月22日(水)
1stステージ 開場 17:00 / 開演 18:00 2ndステージ 開場 20:00 / 開演 21:00
公演詳細
【RUNG HYANG × 奇妙礼太郎 Billboard Live 2023】※新規出演公演
<ビルボードライブ横浜>
2023年5月2日(火)
1stステージ 開場 17:00 / 開演 18:00 2ndステージ 開場 20:00 / 開演 21:00
公演詳細
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Billboard Liveでしか出来ないような演奏が生まれる瞬間
――活動のターニングポイントはありましたか?
奇妙:とにかく「認めてもらいたい」という気持ちで人前に出ていたこともあったのですが、そのうちに自分でも「一体何をやっているんやろ」と思うようになって……。例えば自分が何かエンタテイメントを観に行って、「俺を認めてくれ!」みたいな人が袖から出てきてもしんどいじゃないですか。
――確かにそうですね(笑)。
奇妙:ただまあ、それが当たり前だと思っていた時期も自分の中にはあって。もちろん、そんな自分を面白がってくれたり、好きになってくれたりした人がいたからこそ今があるわけなんですけど。とにかく続けていたら、そしていろんな人たちにたくさん会っていれば、誰か好きになってくれる人が現れたり、自分の「居場所」を見つけられたり。
――2月17日に大阪・Billboard Live OSAKA、22日に東京・Billboard Live TOKYOで開催されるライブは、『FUJI ROCK FESTIVAL '22』と同様トランペットとトロンボーンのホーン隊が参加する7名の特別編成になるそうですね。意気込みをお聞かせください。
奇妙:近年のライブは潮田雄一(G)、村田シゲ(B)、松浦大樹(Dr)そして中込陽大(Key)という5人でやっていたんですけど、昨年リリースしたニューアルバム『たまらない予感』のタイトル曲でホーンセクションを導入したので、ライブでも欲しいなとずっと思っていたんです。それでフジロックの際は、この曲のミュージックビデオで出演してくれたトランペット奏者の宇野嘉紘さん、トロンボーン奏者のnappiさんを迎えて演奏しました。それがすごく良かったというか、何よりホーン隊2人のキャラクターが最高に楽しくて、気づけば彼らと一緒にいる時間が楽しみになっていました。
――Billboard Liveというライブ会場の魅力というと?
奇妙:Billboard Liveは東京と大阪ともに、ほぼ毎年やらせていただいているのですが、めっちゃ楽しいんですよ、いつも。1日に2回公演があるのも嬉しいですし、あの場所でしか出来ないような演奏が生まれる瞬間があって。演奏が終わった瞬間、良すぎてみんなで顔を合わせてしまうんです。「今、すごくなかった?」みたいな。そういう「言葉にならない瞬間」が、音楽がどうしようもなく愛しいというか、他のどんなものにもない素晴らしさがあります。
――奇妙さんにとって「音楽」とはなんでしょう。
奇妙:音楽ってただ空気が振動するだけですから、どんなに凄い瞬間が訪れたとしても、誰かが怪我をしたりすることってないわけじゃないですか。何も危険なことがないし、年とってもやれるしめちゃくちゃ「いい遊び」やなと思います。そういえば昨年『Coda コーダ あいのうた』という映画を観てめちゃくちゃ泣いたんです。最後のオーディションのシーン、最高じゃないですか。自分が音楽をやっているのは、ああいう瞬間が訪れるのを待っているからなのかもしれないですね。
公演情報
【奇妙礼太郎band Special set One Man
at Billboard Live】※公演終了
at Billboard Live】
<ビルボードライブ大阪>
2023年2月17日(金)
1stステージ 開場 17:00 / 開演 18:00 2ndステージ 開場 20:00 / 開演 21:00
公演詳細
<ビルボードライブ東京>
2023年2月22日(水)
1stステージ 開場 17:00 / 開演 18:00 2ndステージ 開場 20:00 / 開演 21:00
公演詳細
【RUNG HYANG × 奇妙礼太郎 Billboard Live 2023】※新規出演公演
<ビルボードライブ横浜>
2023年5月2日(火)
1stステージ 開場 17:00 / 開演 18:00 2ndステージ 開場 20:00 / 開演 21:00
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