ケイコ・リー X ラウル・ミドンスペシャル対談

Special

ケイコ・リー

ケイコ・リーラウル・ミドン対談

　異例のヒットを記録した『ケイコ・リー・シングス・スーパー・スタンダーズ』の続編となる、最新カヴァー・アルバム『ケイコ・リー・シングス・スーパー・スタンダーズ２』を11月７日にリリースするケイコ・リーと、同作でケイコ・リーと共演しているギタリスト／シンガー・ソングライター、ラウル・ミドン。ロバータ・フラックの「Feel Like Makin' Love」（邦題は「愛のためいき」）を、オーガニックかつソウルあふれる名演で魅せてくれるふたりの対談が、ラウルのビルボードライブでの来日公演を機に実現した。そして対談後に行われた東京公演初日には、２ndステージでケイコ・リーがサプライズ出演し、「Feel Like Makin' Love」を生披露。会場を大いに沸かせたのだった。

すぐにフィーリングが合ったよ

－－「Feel Like Makin' Love」は、ニューヨークでレコーディングされたそうですね。

ケイコ：そうです。ラウルと直接会うのは、その時が初めてでした。

ラウル：でもケイコは、単なるシンガーじゃなくてピアノも弾くから、ミュージシャンとしてのハーモニー感というか、アレンジ・センスみたいなものがヴォーカルにもあるんだ。それがいい意味での驚きだったし、すぐにフィーリングが合ったよ。

ケイコ：彼のそういう気持ちが伝染したというか、なんか初めて会った気がしなかったんですよね。緊張したり人見知りしちゃうことが、私はたまにあるんだけど、解きほぐされていく感じで。そういう優しさとあったかさがある人なんです。それから、子供のようにかわいらしいところもあるんですよ（笑）。

ラウル：ハハハ、それはいいね（笑）。

－－曲はケイコさんが選んだのですか？

ケイコ：そうです。最初はバラードも考えていたんですけど、やっぱり彼のギターの素晴らしさを出すには、ちょっとリズミックな曲のほうがいいかなと。それにせっかくデュエットできるんだから、ラヴ・ソングがいいと思ったんですよね。それでイメージがすごく湧いたのが、「Feel Like Makin' Love」だったんですよ。

ラウル：自分でも、すごくうまくいったと思っているんだ。ジャズ的なハーモニーの要素もあるし、ケイコの声にとても合っている曲だよね。彼女の声って、すごく官能的だから。

ケイコ：ハハハハハ。自覚はないですけど（笑）。

ラウル：実際、多くの人が知っている曲だし、リスナーは誰かのマネを聴きたいわけじゃないと思うんだ。そこで大事なのは個性で、ケイコの声にはそれがある。