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<インタビュー>超特急が10年分の「ありがとう」と、これからの「ありがとう」を約束する新曲「クレッシェンド」を語る
現在3年ぶりの全国ツアー【Progress】を敢行中の超特急。本ツアー初日には“新メンバー募集オーディション”という重大発表をしたことが記憶に新しい。そんな5人がCDデビュー10周年の節目にデジタルシングル「クレッシェンド」をリリースした。10年分の「ありがとう」の気持ちを込めメンバーそれぞれが楽曲制作に携わり、これまでの超特急の集大成とも言える1曲となった。
カイ、リョウガ、タクヤ、ユーキ、タカシの5人としては最後となる可能性もある楽曲のリリースに伴い、今回もBillboard JAPANではインタビューを実施。メンバーそれぞれが何を考えてここまで来たのか、そしてこれからも進化していく超特急についてメンバーがどんな未来を見据えているのか、話を訊いた。
――新メンバー募集オーディションという大きな発表がありましたが、いつからこういったお話が進んでいたんですか?
タクヤ:話が出始めたのは2019年くらいです。色々と話し合ったりしている中でコロナ禍になってしまい、今に至る感じです。
カイ:正式に決まったのは2021年ですね。
――なぜこのタイミングで発表することに?
タクヤ:僕たちの言葉で直接8号車に伝えたかったので、ライブで発表することを決めました。【Progress】ツアーの初日にいきなり発表があったので、正直その日のライブを忘れてしまうくらいの衝撃だったと思いますが、直接みんなに伝えることができたのは良かったと思っています。
――直接8号車さんから反応を受けていかがでしたか?
タクヤ:みんなとにかくびっくりしている感じでしたね。個人のファンクラブ「+KIRARI」でも、みんながグループLINEのような感覚でメッセージを送ってくれるので、コメントはチェックしました。
カイ:僕も「+KIRARI」で少し8号車と話しました。「みんなが決めたことならついて行きます!」というような声も多かったですが、純粋に戸惑っている声もありました。僕たちも2019年から時間をかけて話合ってきたことなので、そりゃ1日、2日で「受け入れてください」というのは難しいよなって。これから僕たちが動いていく姿を見て、何か感じ取ってもらえたらいいなと思っています。
――新メンバーが入ることについてみなさんは実際どう思っていましたか?
タクヤ:それぞれいろんな意見がありました。賛成もいれば反対も。「なんのこと?」って人もいたし。
カイ:いやいや「なんのこと?」は頭悪すぎでしょ(笑)。そんな人はいませんでしたよ!
タクヤ:ぶっちゃけ僕は当初、新メンバーは要らないと思っていたんです。でも、新メンバー募集オーディションのきっかけを作ってくれたのはユーキで、そこから話し合いを重ねていくうちに「そういう景色も面白そうだな」と思うようになりました。
ユーキ:ボーカルがタカシ1人になった時に、ライブで元々フルで歌っていた部分も、ボーカルの音源を抜き差ししなくてはいけなくなったのが嫌だったんです。タカシにとっては“生で歌う”というポリシーがあったはずで、それを体制上諦めなくてはいけないというのが僕としても納得できなくて。そんな中で、また1人メンバーが辞めていき、タカシはその分ダンスも踊るようになって。でもそれがどんどん上手になって歌もみるみる成長して、三浦大知さんのようになって(笑)。でも、そこまでタカシに任せるのもおかしいなって思うようになったんです。その時、僕の中では解決策として「みんな歌う」か「また1から作り直す」の2択だったんです。
――「みんな歌う」という選択肢もあったんですね?
ユーキ:しかないかな、と。でも、史上初のメインダンサーとバックボーカルとしてこれまでやってきて、それを根本的に壊してしまうのもおかしいし、それなら「元々7人だった時からあったコンセプトをもう1度再編成しよう」という話になったんです。
――なるほど。
ユーキ:僕らは超特急の道を選んでいる。僕らが今やっていることは僕らにしかできないこと。もちろん過去は大事にしていて、大事にしているからこそ前を向いていきたいんですが、僕らが「前を向いている」ということを8号車にも伝えたくて。だから今回の新メンバー募集オーディションは“変化”ではなく“進化”なんです。結果はまだわからないですけど、運命的な出会いが起きるかもしれない可能性の為に、そして前へ進む為にまずはチャレンジしようって決めたんです。
――今の5人に新たなエッセンスが加わるという意味ではまさしく“進化”ですよね。
ユーキ:最初は違和感があると思いますが、絶対にいつか馴染むので! 生半可な気持ちで応募してくる方もいないと思いますし、このメンバーが満場一致で感じた才能や光るものがあれば、それはいつか輝いてくるはずだと思っています。とは言いつつ、蓋を開けたらどうなるかわかりませんけどね。もしかしたら誰も加入しないかもしれないし!
カイ:15歳しか応募来なかったらどうする?
ユーキ:そしたら…15歳いっぱい入れちゃう? 俺たちの平均年齢めっちゃ若返る。
タカシ:ちなみに僕は最年少の座を奪われても、永遠に“末っ子担当”なので! そこは8号車のみんなも色々思うことがあるかもしれないですけど、事実なので安心してくださいね。
――ユーキさんの熱い思いを受けて、実際にオーディション「超特急募」がスタートしたわけですが、確かにユーキさんの言う通り、タカシさんはこれまで色々と苦労があったと思います。
タカシ:そうですね…。今の編成に慣れている自分もいたので。ある日突然「明日から1人でやれ」となった時は本当にびっくりしましたよ?(笑)でも、それがあったからこそ今の自分がいると思えているし、この何年かは自分にとって大きな利になる期間でした。でも「超特急募」は今後超特急をもっと長く続けていく為にも必要だと思っています。例えばボーカルが2人になることになった場合は、それだけでもだいぶ変わるので、色んな聴かせ方や色んな角度からの歌の表現ができるようになるし、それはありやなと思っています。始めてみないとわからないこともありますしね。
――確かにそうですね。
タカシ:本当に今まで振付師の方や演出の方、もちろんメンバーも、僕のことをとてもサポートしてくれて、それがあったから僕も延命しています。本当に!
ユーキ:ボーカルの気持ちってわからないから、急にどこか壊れて「もう辞める…」ってなってしまうのが1番怖くて(笑)。最後の砦みたいになってしまっているのも、タカシにとってプレッシャーですし、あまり良くないですよね。
タクヤ:ただ、このオーディションを開催する理由がタカシではないということは明確なので、そこだけは全然違いますからね。
――このメンバー5人での期間というのは意外と短いですが、思い出はありますか?
カイ:正式に5人になったのはちょうど2年前くらいですね。でも【EUPHORIA】ツアーから実際ステージに立っていたのは殆どこのメンバーでした。
リョウガ:僕はあんまりその頃のことは覚えてないです。(笑)
カイ:ええ?(笑) でも、どこかで同じ思いをしてきた5人だと思うので、そういう意味では絆というか、繋がってる部分はあると思います。
タカシ:【EUPHORIA】ツアーは長期間のツアーだったし色々とありましたが、千秋楽の沖縄公演の翌日には石垣島で過ごせてすごく楽しかった思い出があります。
ユーキ:楽しかったね!
リョウガ:沖縄もう1回行きたいよね。少し不完全燃焼な部分もあったので。
タカシ:台風の影響で機材が届かなかったりしたもんなぁ。
カイ:あれはあれで良いライブだったね。奇跡みたいなライブだった。
タクヤ:普段はあんまりないのに、その日はホワイトボードにスタッフさんが寄せ書きしてくれていたのがグッと来ました。タイミングもずるくて…。
カイ:嬉しかったね。
リョウガ:日常的に感じることですが、それぞれのキャラが濃いけどそれでいてバラバラで、役割も被っていないこの5人で、既に完成している関係性がかなり固く構築されているので、良くも悪くも5人の固い関係性を1回ほどかないと、新メンバーが入る余地があるのかなぁと思います。男子校みたいな仲の良さがあるので、それは新メンバーを入れたとしてもこの先続いていけたらな、と思います。
――そんな5人のメンバーで最後になるかもしれない配信シングル「クレッシェンド」ですが、レコーディングはいかがでしたか?
タカシ:超特急の曲ってファルセットを使う曲が多いんですけど、アップテンポでファルセットを使う曲って今までなかったなと、新鮮でしたね。歌っていても「気持ち良いな~」なんて思いながらレコーディングしました。
――あんなに高低差のある楽曲を「気持ち良い」と思いながら歌えるのすごいですね…!
タカシ:こういう風に歌おうかなとか考えてレコーディングにはいくんですが、一度形にしたものがガチっと固まったらあとはもう悩むことなくスルッといけちゃいました。
――今回は皆さんが楽曲の制作に関わったりなどは?
カイ:みんなで歌詞のアイディア出しの部分と、振り付けはユーキが。
ユーキ:はい、振り付けはユーキが動きます。アドバイザーとしてコレオグラファーのU★Gさんに入っていただきます。
カイ:(笑)。歌詞に関しては、たたきの歌詞があって、僕たちがそれを見て「もっとこういう方向性が良い」とか「こういうメッセージを伝えたい」というのをそれぞれ言っていきました。タカシはフレーズを提案してくれていたよね。
タカシ:はい。みんなが言ってくれていたこととか、自分の気持ちとか、僕たち5人体制で最後の曲になるかもしれないから、超特急らしさも入れていきたくて、そういったフレーズを書き起こしました。音楽プロデューサーさんや9号車(スタッフ)も素晴らしい方々に囲まれているので、ありがたいことにとても助けられています。
――なるほど。ほかの皆さんはどんなイメージを提案されたのですか?
カイ:歌いだしが元々「涙」とか少し悲しい言葉だったので、「せっかくの“ありがとうソング”だし、歌いだしは明るいフレーズがいいな」とか、ドラマタイアップでもありながら、超特急を知ってくれている人には「ここ超特急のことを言ってるな」と気がついてもらえるような部分があるといいな、というお話はしました。
――歌詞にもタカシさんを中心にメンバーのみなさんらしさが盛り込まれていますし、また良い意味での超特急らしい楽曲が増えましたね。最初に完成版を聴いたときはどうでした?
タクヤ:(低い声で)すごく素敵な曲だと思いました。
リョウガ:めっちゃクール!
カイ:某音楽番組初登場のバンドみたい。
タクヤ:(低い声で)それでは聴いてください「クレッシェンド」。
――(笑)
タクヤ:タカシってソロ名義で作詞・作曲をやってますけど、いずれ超特急でも全部やってほしいです。
タカシ:やりたい!
タクヤ:「もっとやればいいのに」といつも思っていて、もっと作ってほしいという気持ちを込めて、今回のリリックはタカシに任せました。
――たしかに、超特急の楽曲でタカシさんが作詞・作曲されたことってないですよね?
タカシ:みんなで書いたりすることはありましたけど、個人ではないですね。でもめちゃくちゃやりたいとは思っているので、いつかどこかのタイミングで実現したらいいな。頑張ります!
――楽しみです! それでは最後に「クレッシェンド」リリースに向けて、リーダーからひと言お願いできますでしょうか?
リョウガ:この曲自体がCDデビュー10周年を迎えることができることに対して、8号車へ超特急から“ありがとう”という気持ちの楽曲です。オーディションがあるというのもそうですが、これからの10年もとても大事になってくるわけで。「今までありがとう」よりも「これからもありがとうを言える関係性でありたい」と思うので、その“約束”になるような曲にしていけたらいいなと思います。
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