Billboard JAPAN


Special

<CASIO×Billboard Live>竹渕慶 コロナ禍で再確認した、観客と触れ合える「場」の大切さ



インタビュー

 「すべての人に音楽を奏でる喜びを」という想いから、新しい生活スタイルに寄り添う電子楽器を展開するCASIOがBillboard Liveとコラボレーション。Billboard Liveの出演者にリレー形式で「音楽の楽しみ方」を語ってもらう。

 音楽ユニット「Goose house」の元メインボーカルで、現在はソロのシンガーソングライターとして活躍中の竹渕慶が3月27日、Billboard Live TOKYOにて【KEI TAKEBUCHI Billboard Live 2022 -1,000 TAKES-】を開催する。昨年、ソロ名義でのファーストアルバム『OVERTONES』をリリースし、世界中のOvertones(ファンの総称)を歓喜させた彼女の初のBillboard Live。クリエイティブパートナーのYAMOと共に、日々音楽・動画コンテンツを制作・配信し続けている竹渕のライブパフォーマンスは一体どのようなものになるか、今から期待が高まる。今回は、竹渕とYAMOに音楽を始めたきっかけやコロナ禍でも制作活動、そしてBillboard Liveに向けての意気込みをざっくばらんに語ってもらった。

――お二人が音楽や楽器に目覚めたのは、どんなきっかけだったのですか?

竹渕:父親が音楽好きで、アコギやキーボードを弾いている姿を小さい頃から見ていた記憶があって。私も一緒に触らせてもらうなどしていました。小学生の時に、エレクトーンを習わせてもらったこともありましたね。飽き性なので、半年くらいで辞めてしまったのですが(笑)。

YAMO:僕は幼少期をアメリカで過ごしたんですけど、家になぜかグランドピアノを置いてあって。物心ついた頃からそれをおもちゃ代わりに引いて遊んでいたという、非常に贅沢な環境にいました。中学生になり、日本に帰国してからはピアノ中心の生活になって、リビングに置かれた電子ピアノを机がわりにして勉強もしていました(笑)。

――いわゆるピアノ教室みたいなところに通ったことはなかったのですか?

YAMO:あったけど、僕もすぐ辞めてしまいました(笑)。楽譜を読んでその通りに弾くよりは、「この曲、弾いてみたい!」と思ったものを聴いて覚えていく方が楽しかったんですよ。ビートルズやTMレボリューション、槇原敬之……国内外問わず、ポップな曲を片っ端から覚えていきました。そういうことを教えてくれる先生はなかなかいないので、ほとんど独学でした。

竹渕:私も小学生の頃に一時期アメリカで暮らしていたんですよ。その時はバイオリンを習っていたのですが、「きらきら星」くらいしか弾けるようにならなかった(笑)。でも、そのバイオリンの先生のうちにアップライトピアノが置いてあって、バイオリンのレッスンが終わった後に先生と連弾をするなど、遊びの延長でピアノに触る時間があったのは、今考えるとすごくよかったなと思っています。

 しかも、その先生がすごく変わった方だったんですよ。趣味で宅録とかもやっていたみたいで、私が当時ちょっとした短い曲を書いた時に、「それ、ちゃんと録音しよう」と言ってくれて。コンデンサーマイクを立て、ヘッドホンして歌を歌うという経験をさせてもらったんです。

YAMO:へえ、すごいね!

竹渕:今こうやって話してみても、貴重な体験をさせてくれていたのだなと思います。帰国してからは習い事とか一切やめてしまったのですが、その代わり椎名林檎さんと東京事変にドハマリするんです。「丸の内サディスティック」を完コピして。和音を1音1音全部聴き取って弾けるまでになったんですよね(笑)。

YAMO:それ、ミュージシャンは誰しも1度はやるよね。好きな曲を完コピするってすごく大事な経験だと思う。

――アレンジを考えたり、ハーモニーを考えたりする上でも少なからず役に立っているでしょうね。

竹渕:確かに。しかも、「この曲を弾いてみたい!」と思った時に、すぐに向き合える鍵盤楽器が自宅にあったのはすごくありがたいことだったなと思います。

――ちなみにコロナ禍はどんな日々を過ごしていましたか?

竹渕:私はYouTubeを拠点に活動をしているので、外に出ずに部屋の中から発信しようと気持ちを切り替えました。YAMOさんと一緒に24時間生配信をするなど、「部屋の中でもクリエイティブなことはできるし、楽しめるよね?」ということが伝えられたらいいなという思いでいましたね。

YAMO:日常生活で人とのつながりが希薄になってしまった時期だからこそ、音楽とネットの力を利用して繋がれる方法を必死に模索するようになって。それを慶ちゃんと協力し合えたのはとても光栄でした。

竹渕:とはいえ、気持ちが落ち込んだことももちろんありました。自分は結構楽天的で、そんなに細かいことなど気にしないし、嫌なことがあってもすぐ忘れるタイプなので、自分がコロナ禍で落ち込むとは全然思っていなかったんですよね。新曲をリリースするなど順調にクリエイティブ出来ていましたし、配信ライブなどでファンのみんなともちゃんと繋がれていたので。

 それでも2020年の年末とか、ものすごく落ち込んでしまって。「私、音楽をやっている意味があるのかな」とまで考えてしまいました。もし仮に、今自分が辞めてもきっと誰も困らないんじゃないか?とか思ったし、ちょうど30歳になるタイミングだったので、「このまま続けていてもいいのだろうか」って。

――そうだったんですね。

竹渕:でも、年が明けて2021年になってからは、チームのみんなのおかげでライブができるようになったんです。ライブ開催が決定した瞬間、今までの不安は吹っ飛んですごく元気になりました(笑)。単純だなと思いますが、実際にお客さんと触れ合える「場」が、自分にとってそこまで大きな存在なのだと改めて再確認できたのは、私がコロナ禍で最も学んだことです。

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――さて今回、お二人にとって初のBillboard Live公演が開催されます。Billboard Liveにはどんな思い入れがありますか?

竹渕:私、アーティストになってから色々な夢があるんですけど、Billboardさんのステージに立っている自分の姿はもう、夢にも思ったことがなくて(笑)。憧れているアーティストさんを見に行く場所だとずっと思っていたので、そこで歌わせてもらえることは本当に嬉しく光栄なことだと思っています。夢にも思っていなかったんですけど、お話をいただいてから自分がステージに立っている姿を想像しようと思ったら、ものすごく鮮明に浮かんできました(笑)。

 私、お酒を飲んでいい感じにほろ酔いになって聴く音楽が大好きなんですよ(笑)。できることなら自分のステージを客席から見てみたい。お客さんが羨ましいですね(笑)。

YAMO:以前ロバート・グラスパーさんのライブを観にきたことがあって、その時に飲んだビールが人生で一番美味かったなと思って。そんな体験をみなさんにも味わってもらえたらいいなと思うので、頑張っていいステージにしたいですね。

竹渕:ステージの後ろは夜景ですよね。後ろのカーテンを開けるタイミングって自由に決められるみたいなので、「いつ開けようかな?」「何回開けようかな?」ってずっと考えています(笑)。今はもう、楽しくてワクワクした気持ちしかないし、ファンの皆さんには、今までとは全く違う体験をしていただけるんじゃないかなと。結構、長く音楽活動をさせてもらっているんですけど、コロナ禍で初の挑戦と体験を、私もできるし皆さんもできる機会になるのは、すごくありがたいことだと思っていますね。

――公演サブタイトルにも含まれる「1,000 TAKES」は新曲なんですよね。

竹渕:はい。例えば今は『THE FIRST TAKE』のような、限られたテイク数で素晴らしいパフォーマンスを披露する企画が流行っていますし、それはそれで私も素晴らしいことだと思っているんですけど、逆に何テイクも繰り返し重ねて凝りに凝った作品にも素晴らしさってあると思うんですよね。新曲のタイトルはそんな思いを込めてつけたものです。Billboard Liveにて初披露を予定しているので、どんな内容になるかは、是非ライブを楽しみにしていてください。

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