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<インタビュー>Tani Yuuki これまでの人生を詰め込んだアルバム『Memories』



Tani Yuukiインタビュー

 昨年5月にリリースしたデビュー曲「Myra」がストリーミング再生累計1億回を突破したシンガーソングライターのTani Yuuki。リリースされたばかりの待望の1stアルバム『Memories』をひっさげ、2021年12月26日にSpotify O-EASTにてワンマンライブを開催する。彼が音楽を追い求めて来た道のりを、エレクトロ・ポップ、J-POPにブラック・ミュージックと幅広く響かせる全14曲にギュッと詰め込んだ。そんなひとつの節目となるタイミングに今の想いを語ってもらった。

――昨年5月に「Myra」を投稿されてからストリーミングで大ヒットとなったわけですが。アルバムのリリースを待ちわびていた方も多いかと思います。1stアルバム『Memories』は、Taniさんご自身、どんな想いで制作されましたか?

Tani Yuuki:今まで何度かワンマンライブやツアーをやってきたんですけど。お客さんがライブでやる曲を全て、事前に聴くことができない状況だったんです。なので、今回のワンマンライブの前にストリーミングで全曲聴けるようにしたいという想いがひとつありました。それと、今まで配信シングルとして出してきた曲も、年末ですし、1回全部区切りよく整理したいなという気持ちもありました。

――今まではライブでしか聴けない曲もあったんですね。

Tani Yuuki:はい。なので、今回のアルバムを聴いてライブに来ていただけたら、帰ってからもライブの余韻のまま僕の曲を聴いてもらうことができます。

――アルバム『Memories』の1曲目は「決別の唄」です。Taniさんご自身の夢や環境が大きく変化していく中で、出会いも別れもあったと思いますが、どんな想いでこの曲を書きましたか?

Tani Yuuki:この曲、実は専門学校に通っていた時、2年ほどバンド活動をしていた時に書いた曲なんです。卒業後に自然消滅しちゃったんですけど……。男ばかりのスリーピースバンドでクリームパフっていうバンドをやっていました。

――かわいい名前ですね(笑)。

Tani Yuuki:ロゴもシュークリームのような可愛いデザインで活動していたんですけど、他のメンバーが作ってくれる曲と僕の曲の方向性が違いすぎて、「これはちょっと無理だな」と思うようになりました。自分の活動もしたいけどバンドもないがしろにしたくない、みたいな葛藤を抱いていた時に一人で作ったのが「決別の唄」です。僕のこれまでの音楽人生をギュッとまとめた今回のアルバム『Memories』に絶対入れたいと思いました。曲の出だしも<もう疲れたんだ>なんて歌詞ですが、いらないものは捨ててここから旅立って、僕はソロの活動に専念しようという想いを込めた曲です。最近になって「この曲は完成させないといけない」と思い、今回のアルバムに入れました。

――<狭い闇の中/僕はここから始まった>というフレーズもシリアスですね。

Tani Yuuki:そうですよね。だいぶシリアスかもしれない(笑)。バンド時代だけじゃなく、そもそも僕が音楽を始めたのが中学時代に挫折感を抱いていた時期だったので、そういう気持ちも入っています。そこから音楽を始めて、その後の<光>に向かうコントラストとしてそういう描写をしています。


――中学時代に怪我や病気で入院したりといった、そうした経験は、後にご自身の人生観などに影響がありましたか?

Tani Yuuki:影響はかなりありました。病気で学校に行けてなかったので成績もつかなくて。オール1だから行ける高校もなく、通信制の高校に通うことになったんですけど、そこから大学進学なんて考えられなくて、「じゃあ、自分には何が残ってる?」と考えたら、音楽しかなかったんです。「もうこれはやるしかないでしょ!」ってなったのが始まりです。そういうことがなかったら音楽の道にも進んでなかったんじゃないかな。もちろん「なんで自分はこうなってしまったんだろう?」みたいな腐った感情を抱いていた時期もありましたし、中学3年生から1年ぐらいは引きこもっていたというか、外の世界に対する抵抗みたいなものもあったので、その渦中にいる時は親にもたくさん迷惑をかけましたけど、自分の中でエンジンがかかる時って、ネガティブな感情が燃料になるので、そうした経験も良いバネになったと思います。そういった思いもあって、この「決別の唄」をアルバムの1曲目に入れました。

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今のTani Yuukiの集大成と言っても過言ではない

――今回はそうした力強いメッセージ・ソングも収録されつつ、「Myra」をはじめ「W/X/Y」や「愛言葉」など、ラブソングとTaniさんの柔らかな歌声の相性も抜群です。やはり恋愛というのは歌にしやすいモチーフですか?

Tani Yuuki:そうですね。やっぱり刺激が強いじゃないですか、その時々に抱く感情も、別れも。僕にとって周りが見えなくなっちゃうくらい強い感情だと思うので歌詞にしやすいですね。逆に自分自身に向き合って書く歌詞のほうがしんどいし、疲れちゃいます。

――そうなんですね。今回のアルバムは全14曲というボリューム感ですが、専門学校時代に書いた「決別の唄」に始まり、他にも何年も前に書いた楽曲が入っているんですか?

Tani Yuuki:「愛言葉」「記憶」「非lie心」「おかえり」「決別の唄」は専門学校時代や高校時代に作った曲で、今回のアルバム制作において新たに書いた曲が「油性マジック」と「曖昧ミーマイン」「We are free」の3曲です。「油性マジック」は「Myra」のアフターストーリーのように書いていった曲です。


――なるほど。「油性マジック」は、思い出というか未練を感じさせる曲ですね。

Tani Yuuki:はい。当時太陽だったMyraという存在が今は掠れて時々思い出せない、これで終わりだなっていう曲です。「曖昧ミーマイン」では専門学校時代に輝いていた存在に対する嫉妬心を書いていて、やっぱり自分はネガティブなことが原動力なんだなと思いました(笑)。

――いつも歌詞の韻の踏み方など、語彙力やアイデアが素晴らしいなと思うんですけど。今作では特に「非lie心」なんかもそうで。これはどういうきっかけで作り始めた曲ですか?

Tani Yuuki:これも失恋ソングなんですけど。別れにもいろんな理由があると思うんですけど、自分が弄ばれたと感じるような、腑に落ちない話だったので、こういう刺々しい、アレンジもだんだん荒々しくなっていくような曲になっています。衝撃の事実を知ってしまった時って、雷に打たれたような感覚になるじゃないですか。本来は避雷針なんですけど、嘘じゃない心、という意味で「非lie心」というタイトルにしました。その衝撃をこの1曲に全部集めて、もう終わりにしようという曲です。


――あと、このアルバムを通して聴いているとTaniさんは恋愛というか恋人に求める気持ちが大きいのかなとも思いました。

Tani Yuuki:そんなことないと自分では思ってるんですけど(笑)。まぁ、でも、確かに気持ちを分散させることが苦手かもしれないですね。100%その人に向き合っちゃうから、そのぶん何かあった時の衝撃が大きくて。恋愛中は友達との関係もおろそかになっちゃうこともありますね。恋愛に重きを置きすぎると全部が崩れちゃうってこともあるんだって気づきました(笑)。昔はバイトが手につかない、みたいなこともありましたから、若気の至りだなって思います。今はもう大丈夫です!。

――そんな若気の至りを含め(笑)、Taniさんのいろんな時期の曲がこのアルバムには詰まってるということですね。

Tani Yuuki:そうですね。本当にこれまでの人生がギュッと詰まったようなアルバムになりました。

――このアルバムをひっさげて12月26日にはライブが開催されます。どんな内容になりそうですか?

Tani Yuuki:今回の会場のSpotify O-EASTには、ステージの後ろに大型ビジョンが新たに導入されたそうで、曲や演奏に合わせてその映像が動くような試みもあります。アルバム同様、今のTani Yuukiの集大成と言っても過言ではない、ここでしか感じられないステージになると思いますのでぜひ遊びに来てください。僕自身、アルバムのリリース後のライブはみんなとどんな風に盛り上がれるかな?って楽しみにしています!

YouTube新プロジェクト『Re:tter』スタート!

 Tani Yuukiが憧れのアーティストと一緒に思い入れのある曲を一緒に歌うシリーズ『Re:tter』がスタート。記念すべき第1回には、Tani Yuukiたっての希望で出演が決まった絢香が登場。彼の音楽形成に強い希望を与えたという絢香の「手をつなごう」(2008)は必見だ。


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