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<インタビュー>羊文学、メジャーデビュー後の軌跡と初のビルボードライブへの想いを語る



インタビュー

 羊文学が12月に横浜と大阪のBillboard Liveでライブイベント【まほうがつかえる 2021】を開催する。羊文学が有観客でBillboard Liveのステージに立つのは今回が初めて。12月4日に神奈川・Billboard Live YOKOHAMA、11日に大阪・Billboard Live OSAKAで、昼夜2部制でのパフォーマンスが披露されることとなっている。9月にメジャーデビュー後初のツアー【Tour 2021“Hidden Place”】を開催したあとも、精力的にライブ活動を続けている3人に、Billboard Liveに向けての意気込みを聞いた。

メジャーデビュー後のライブ活動を振り返り、今3人が思うこと

――9月に東名阪で行われたツアー【Tour 2021“Hidden Place”】を振り返っていただけますか?


塩塚:お客さんと一緒にライブを作るということがわかったツアーでした。ツアーの前に「フジロック」があって、そのときは声は出せなくてもお客さんの盛り上がりがちゃんとわかるステージだったんです。でもツアー初日の大阪が椅子席で、ステージに出ていっても最初みんな着席してたから、一瞬「どうしよう?」ってなったんですよね。でも、そこでお客さんに声をかけてみたら、お客さんも自由に動いてくれるようになって、「こういうことか」みたいな。今まで私たちは私たち3人で演奏して、お客さんに対しては、「まあ、好きにして」みたいな感じだったから、本当は動きたいのに動けない人もいたかもしれないけど、大阪の感じのままその後の名古屋と東京もできて、すごく楽しかったし、「お客さんと一緒に場所を作る」っていうのはこういうことなんだなって思いました。


――【フジロック】のステージでつかんだものもありましたか?


塩塚:【フジロック】のお客さんは一斉に手を上げるとかでもなく、みんなすごく自由に楽しんでて、私たちの曲でも動けるんだなって(笑)。あとは【フジロック】だけじゃなく、ステージが大きくなっていってるなかで、これまでは「間違えないようにしなきゃ」とか、そういうことにフォーカスし過ぎてたなっていう反省もあったので、ツアーではもしかしたら必要以上にオープンになった部分もあったかもしれないけど、でもそのステージがすごく楽しかったんですよね。


――いい気づきですね。ゆりかさんはいかがですか?


河西:お客さんが自由に動いてくれて、お客さんの一挙一動で私たちの演奏も変わるんだなっていうのは思いました。あとは、これまで東京のライブを手伝ってくれていた照明さんとかヘアメイクさん、PAさんとかみんなで大阪と名古屋にも行って、東京以外でも自分たちのライブを、音だけじゃない部分も含めて初めて見せることができたなって。

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――フクダくんはどうでしょう?


フクダ:東京の会場は新木場スタジオコーストで、羊文学のワンマン史上最も大きい会場だったので、音作りを結構変えて。大きい会場でもちゃんと一番後ろまで届くように、抜けの良さを意識して、今まではダークトーンなスネアが多かったんですけど、ミュートを結構外して、タムもミュートは抑えめにしたりして。CANOPUSさんと契約させてもらって、ドラムセット自体新しかったし、これまでのインディロックとかオルタナな感じも残しつつ、もっといろんな人に聴いてもらえるような音作りを意識したツアーでしたね。


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――もともとは2月に予定されていたのが、延期になって9月に開催されたわけで、やっと一区切りついたような感じもありますか?


塩塚:でも、ツアーが終わってから毎週地方に行ってるんですよね(笑)。


――たしかに、10月はいろんなフェスやイベントに出ていましたね。その中で印象的なライブはありましたか?


塩塚:茨城の【結いのおと】はめっちゃ楽しかったです。町もすごくきれいだったし、ステージはお客さんとの距離が近くて、小っちゃい子もいっぱいいて。最近小っちゃい子が前の方にいると、その子たちが楽しんでないと「ヤバい!」みたいな気持ちになっちゃうんですよ(笑)。でも子供たちが楽しんでるとこっちも楽しくなって、オープンなライブができるんですよね。


――「結いのおと」のときはどうだったんですか?


塩塚:最初はつまんなそうにしてたんですけど(笑)、でも「手叩いていいよ」って言ったら、めちゃめちゃノリノリで叩いてくれました。


――ゆりかさんは10月で印象に残ったライブありましたか?


河西:私は熊本の【阿蘇ロック】かな。ステージが広場にあって……子供たちが遊んでて。


塩塚:みんなキッズに注目しちゃう(笑)。


河西:ああやって遊びながら音楽聴けるのいいなって思いながら演奏してましたね。


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――フクダくんはどうですか?


フクダ:岡山の【hoshioto】ではサニーデイ・サービスの曽我部さんとお話できて、【阿蘇ロック】ではくるりの岸田さんにお会いできて、どちらのバンドも大好きなので、光栄でしたし、ライブもすごく楽しかったです。




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初のビルボードライブへ、公演名は「まほうがつかえる2021」

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――フェスやイベントが続くと交流も広がりますよね。今週末の【ボロフェスタ】(取材は11月2日)もいい面子だし。


塩塚:【ボロフェスタ】にはBiSHさんも出るんですけど、私A_oの「BLUE SOULS」をdodoさんと歌わせてもらってて、アイナさんが「声がすごく好き」って言ってくださったので、お会いするのが楽しみです。あとPEDROのアユニ・Dさんとは昨日ラジオで一緒になって、「いつも聴いてます」って言ってくれて。



▲A_o - BLUE SOULS [Music Video]

――いいですね。どんどん交流が広がってる。


塩塚:同い年の友達がもうちょっと欲しいんですけど(笑)。


――「募集中」と書いておきますね(笑)。さて、12月には横浜と大阪のBillboard Liveで【まほうがつかえる 2021】の開催が決定しています。


塩塚:6月にTikTokさんの配信イベントで横浜に出たことはあるんですけど、そのときは6曲だけだったし、お客さんもいなかったので、今回はまた違うと思うんですよね。ステージが横長で、お客さんとの距離が近くて、みんなソファーみたいな席に座ってるじゃないですか? なので、セットリストもフェスとかでやる感じとは変わってくると思うし、私たちもゆったりとライブができるかなと思うので、楽しみです。


フクダ:この前みんなでセットリストどうしようかっていう話を少ししたときに、アコースティックバージョンをやるとか……。


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塩塚:そういうことを言うとやんなきゃいけなくなるから今のはナシで!(笑)


――あはは。タイトルは【まほうがつかえる 2021】となっていますね。


塩塚:2018年にクリスマスのイベントをやって、そのときはサミエルさんっていう割り箸でピアノを作って演奏する人に出てもらったんですけど、そのときのタイトルも「まほうがつかえる」だったんです。なので、今回もクリスマスっぽい感じにはなるかなって。そういうイメージは何となくあるんですけど……セットリストはこれから詰めます(笑)。


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――アコースティックセットも見てみたいですけどね。


塩塚:一回インストアでやったことがあるんですけど、結局私が一人で弾き語るみたいな感じだったんですよ。音がデカいのが全てのバンドだから、前は「アコースティックはやらない」って言ってたんですけど、でもできた方がいろんなところでライブできますよね……ただ、フクダがカホン叩いてる姿は違くないですか?


――カホンは違うかも(笑)。それこそ、コーストでオオバコ仕様のチューニングをしたみたいに、アコースティック寄りのチューニングを試してみるのも面白いかもしれない。


塩塚:横浜は横が長いから、端っこにチューニングが違うミニドラムを置いておくとかいいかも。


――いいですね。ちなみに、「まほうがつかえる」というタイトルには何か意味があるんですか?


塩塚:2018年は「1999」のカセットテープのリリースパーティーでもあったんですけど、あの曲はすごいリヴァーブが効いてて……魔法っぽくないですか?



▲羊文学 "1999" (Official Music Video)

――まあ、たしかに。


塩塚:それくらいの感じで、特に深い意味はなくて。昔から魔法とかが好きなんですよ。「ハリー・ポッター」もめっちゃ好きだし、「魔女の12ヵ月」を読んで勉強したり。魔女になるのが夢なんです。


――じゃあ、ビルボードではモエカさんが魔女に……クリスマスじゃなくてハロウィンっぽいな(笑)。


塩塚:たしかに(笑)。


――格好はステージ衣装でいいので、お客さんに魔法をかけるくらい魅力的なステージを期待しています。


塩塚:はい、頑張ります。



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