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【特集】SHINee 待望の日本ミニアルバム『SUPERSTAR』発売、ファンを魅了し続ける人気の秘密に迫る



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 SHINeeが日本のファンに贈るミニアルバム『SUPERSTAR』は、これまでのブランクを完全に埋めてくれる作品だ。6月28日にCDリリースに先がけてデジタル配信がスタートした本作は、初週2,530DLを記録してBillboard JAPANダウンロード・アルバム・チャートで1位に輝き、総合アルバム・チャート“HOT Albums”では初登場7位に登場。iTunesでは日本を含む世界19か国で1位獲得と、世界各国のシャヲル(SHINee WORLD、ファンの愛称)がそのリリースを待ち望んでいたことを証明した。日本オリジナル作品としては実に3年ぶりとなるこのアルバムのリリースを記念して、SHINeeの人気の秘密に迫る。

 ミニアルバム『SUPERSTAR』に収録されているのは、今回のカムバックのために制作された新曲「Closer」と「SEASONS」、タイトル曲の「SUPERSTAR」、そして韓国のカムバック曲として話題を呼んだ「Don’t Call Me」の日本語バージョンと「Atlantis」の全5曲だ。リスナーの心に寄り添ったSHINeeらしいナンバーから、新しいサウンドに挑戦した、これまたSHINeeらしいとも呼べるドラマチックな楽曲まで、バラエティに富んだ楽曲が揃っている。

 韓国ではもちろん、日本そして各国でなぜSHINeeのカムバックがここまで注目を集めているのか。それはメンバーのオンユ、キー、ミンホが兵役活動を終え、全員揃った状態で作品をリリースするのが3年ぶりだからだ。韓国では今年2月に約2年6か月ぶりに7thフル・アルバム『Don't Call Me』をリリース。カムバック曲「Don’t Call Me」は、「執拗に追いかけてくる君にはウンザリ。もう電話してくるな!」という強気な歌詞と、重低音ベースのサウンド、そしてクールで成熟味を増したメンバーの姿が“SHINeeを型にハマった目線で定義するな”というコンセプトを文字通り表現し、ファンを驚かせた。世界中のシャヲルが彼らのカムバックを首を長くして待っていた状況を逆手に、ファン心を揺さぶりながらも、アップグレードして帰ってきたSHINeeに多くのリスナーが心を掴まれた。カムバックに備えてどれだけ準備してきたか、そしてアドリブやボーカリストとしてのポテンシャルの高さが、当時のレコーディング映像で確かめることができる。


▲「Don't Call Me」

 10年以上のキャリアを誇るSHINeeのヒット曲の多さに驚きを隠せないが、中毒性の高いメロディーとトレンドを取り入れた彼らの音楽スタイルから考えれば、当然の結果だ。クリス・ブラウンの「Yo (Excuse Me Miss)」やニーヨ「Sexy Love」、オマリオンの「O」といった2000代中期~後期の全米大ヒットR&Bナンバーを思わせるメロウなデビュー曲「Replay」(日本では2011年に「Replay -君は僕のeverything-」でデビュー)は、年上の女性との切ない恋の終わりを歌い、女性のハートを掴んで大ヒットを記録。その後も、アフリカン・ビートを多用し、一度聞いたら頭から離れなくなるため受験生には危険な“修学能力試験禁止曲”として有名な「Ring Ding Dong」(2009)、ブラック・アイド・ピーズを筆頭にエレクトロ・ミュージックが世界的に目立ち始めた2010年に発表された「Lucifer」、軽やかなハウス・ポップの「View」(2015)、そして『24K Magic』でブルーノ・マーズがもたらしたニュージャックスウィングのリバイバルをタイムリーに取り入れた「1 of 1」(2016)など、R&Bをベースにしながら、いわゆる欧米の音楽ブームのサウンドをきちんと反映させているところが、韓国のみならず世界各国の音楽リスナーから評価されているポイントだろう。しかも、ただ取り入れるのではなく、メンバーそれぞれが持つボーカルの特色を活かした形でリリースしているため、長く応援し続けてきたファンはもちろん、作品ごとに新たなファンベースを築いているように思える。


▲「Replay -君は僕のeverything-」


▲「Ring Ding Dong」


▲「1 of 1」

 もうひとつ、SHINeeの特徴と言えば、ダンスだ。「Sherlock」ではイントロでテンポよくターンするラインパートと<I’m so curious>に合わせて大きく足を前に持ってくるステップが他にはない独創性を持ち、【2012 Mnet Asian Music Awards】で<ベストダンスパフォーマンス男性グループ賞>を受賞。そのほか「Ring Ding Dong」や「Everybody」などで魅せるアイコニックな振り付けがSHINee=パフォーマーという印象も与えている。


▲「Sherlock (Clue + Note)」


▲「Everybody」

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<主役は君以外にいない>
必聴のエンパワメント・ソング

 海外メディアで“The Princes of K-POP(K-POP界の王子様)”と呼ばれているように、これまでのSHINeeにはポップで柔らかくて元気なイメージがあったが、今回はダークでクールな少し尖った大人のグループとして戻ってきたようだ。アーティストにとって、カムバックごとに作品の色を変えたり、音楽スタイルを開拓・追及したり、年齢にふさわしいイメージに変えていったりするのは当然のことであり、むしろ真価を発揮するタイミングであるため、そこにリスナーもアーティストもおもしろさを感じていることだろう。今回、いい意味で我々の予想を裏切ってくれたSHINeeだが、決してこれまでのグループ像を消してしまったわけでもなく、お茶目な姿やメンバーの仲睦まじさは健在。なかでも、“エンディング妖精”(歌番組でパフォーマンスが終わった直後にメンバーがドアップに映るシーン)のブームが記憶に新しい。エンディング妖精に選ばれたキーの“わざと過ぎる”荒い息遣いが話題を呼び、それを求めるお茶の間のリクエストに応えるように、回を重ねるごとに、全員のエンディング妖精もレベルアップ。今では他のアーティストも凝ったエンディング妖精に挑戦するという、一種の歌番組のお決まりコーナーを作ったのだ。


▲ファン作成のエンディング妖精まとめ映像

 数年のブランクがあったとは言え、それを感じさせない(むしろパワーアップした)歌声とダンスで、新しいファンも取り込んでいったSHINeeは、今年で日本デビュー10周年を迎え、それを記念したオンラインファンミーティング【SHINee WORLD J Presents ~Bistro de SHINee~】を5月に開催した。



 そこで初披露した「SUPERSTAR」と「SEASONS」は今回リリースされたミニアルバム『SUPERSTAR』にも収録されており、早くもファンの間で「神曲!」と話題に。軽快なリズムに乗せて、「誰かと比べるのではなく、自分らしさを尊重することの大切さに気づいてほしい」という彼らからの温かいメッセージが込められた「SUPERSTAR」は、老若男女問わず誰もが一度は聞いてほしいエンパワメント・ソングだ。そして簡単に会えない今だからこそ伝えたい、SHINeeがシャヲルへ捧げる「Closer」と「SEASONS」からは、離れていても変わらない愛が伝わってくる。


▲「SUPERSTAR」

 また前述した「Don’t Call Me」のJapanese Ver.は、ドラマチックな歌詞をそのまま日本語に変換。噛み合わない男女間の心情の苦しみを題材にした激情的な歌詞と、これまで以上に前面に出したダンス(テミン曰く「過去最高レベルの大変なダンス」)と挑発的なサウンドが印象的な本曲は、内容は異なるが事務所の先輩・東方神起の「Why? (Keep Your Head Down)」に通じるものを感じる。そして7thアルバム『Don’t Call Me』のリパッケージ盤のタイトル曲「Atlantis」は、愛する人を通して初めて向き合う感情を未知の世界である“アトランティス”に例えたラブソング。ミュージックビデオでジェンダーレスな衣装を身にまとったSHINeeは新鮮ながらも、同時に過去にファッション・ブームも作り出してきた彼ららしさも出ている。撮り下ろしフォトブックやビジュアル写真の撮影現場を追ったDVDなど、ここでしか見られない貴重な特典コンテンツもあり、ぜひ手に取って楽しみたい。


▲「Atlantis」

 年上メンバーの兵役活動によりグループ活動を休止していた間、テミンはソロとしてボーカルとダンスに磨きをかけ、妖艶な魅力で独自の路線を築いてきた。韓国・日本でオリジナル作品のリリースとそれに伴うツアー、“K-POP界のアベンジャーズ”ことSuperMでは中心メンバーとなってグローバル活動を率先し、デビュー作品で、米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”初登場1位を獲得するなど、この数年で格段に実力と名声をあげていった。彼の高いパフォーマンス・スキルに追いつくために、兵役活動から戻ったばかりのオンユ、キー、ミンホはかなり努力をしたことだろう。SHINeeの名を守り続けてきたテミンは、ここ最近では、世界14組のアーティストが集結した「チーム コカ・コーラ」の公式ソング「Colorful」にも参加している。5月末からテミンは兵役活動に励んでいるため、また全員揃った姿が見られる日は少し先になりそうだが、今度はオンユ、キー、ミンホがどのような活動で私たちを楽しませてくれるのか、今後の活動に期待が膨らむ。

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