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<インタビュー>今井美樹35周年コンサート、再演に向けて「1つの曲には、リスナーの心の数だけの物語が存在する」
2020年11月に好評を博した今井美樹のデビュー35周年アニバーサリー・コンサートのアンコール公演【billboard classics MIKI IMAI 35th Anniversary premium ensemble concert Encore】が、7月24日・大阪(フェスティバルホール)、30日・東京(LINE CUBE SHIBUYA)にて開催される。
自分なりのスタイル、「プレミアム・アンサンブル編成」という試み
今井とbillboard classicsの初のコラボレーションが実現した前回の公演では、音楽監督を務める山下康介の指揮のもと、16名の管弦にピアノ、ドラム、ベース、パーカッションを合わせた総勢20名で編成されたアンサンブルによって「瞳がほほえむから」、「PIECE OF MY WISH」、「PRIDE」といった代表曲を含む珠玉のナンバーが披露された。
多くの好評を受け、今回、山下はもちろん、演奏陣もほぼ同じメンバーが集い、アンコール公演が決定した。再演に向けての思いを今井に聞いた。
「今回もbillboard classicsさんがくださった機会に感謝しています。素晴らしい作家の皆さんのお陰で、私の35年分のレパートリーにはいま新たに描き届けたいと思える曲が幾つもあります。それらを単にオーケストラという枠組みに嵌め込むのではなく、自分なりのスタイルで届けようと試みました。好評を頂けて、本当にうれしいです」
▲2020年11月27日オーチャードホール公演
アンサンブルは2020年11月にリリースされたアルバム『Classic Ivory 35th Anniversary ORCHESTRAL BEST』のクラシック編成によるアプローチをベースにしつつ、そこにピアノの河野圭、ドラムの鶴谷智生という、近年の今井のライブにおける2人の常連プレイヤーによるバンドサウンドの要素が融合することで、荘厳にしてポップな、彼女独自のクラシック感が展開されていた。
「その時のメンバーだからこそ、その時だけの音が生まれる。そこがライブの良いところ。一期一会の魅力にいつも心を踊らせながらステージに立っています。特にこのコンサートでは、ある意味、オーケストラとしてはやや中途半端とも言える20人というサイズ感の制約が功を奏しました。あれこれと詰め込むことの出来ないアンサンブルだからこそ、“ザ・クラシック”な印象ではなく、独立した一作のアルバムのような新鮮味が生まれました」
最新にして最良のバージョンとなるよう、「夏の花を咲かせるように歌えたら」
クリエイティブチーム“NAKED”によるイメージ映像が要所で演出を盛り立てる。後半のアップテンポなナンバーを繋いだメドレーでは、今井の軽快な歌声に、歓声を上げることが叶わない観客が手拍子で応えた。
「ステージから見た観客席には見たことのない光景が広がっていました。声援を頂くことが叶わなくても、お顔がマスクで隠れていても、たくさんの拍手と手拍子から、お一人お一人のお気持ちが確かに感じられて皆様の温かくも力強いそのお姿は、風に揺れる野花のようで、心強く支えられました」
無論、前回同様、今回の公演でも新型コロナウイルスの感染対策は細心の注意が払われる。
「正直、会場が決まってもなお「出来るかな。もしかしたら出来ないかもしれない」と、心のなかでは一進一退の葛藤を日々繰り返していました。でも前回は全てのスタッフと音楽家の皆さん、そして何よりお客様のご協力のお陰で、無事成功を収めることが出来ました。今回も皆さんが万全の体制でいてくださる。皆さんに与えていただけた機会に、全力で恩返しをするつもりで歌いたい」
未だ続くコロナ禍。今井は“アンコール”と言う言葉に捉われることなく、前回から経たおよそ半年という時間で感じた様々な思いを反映させることで、よりメッセージ性とクオリティをアップデートさせたパフォーマンスを目指したいと語る。
「セットリストは大きく変えませんが、新たなステージのつもりで臨みます。1つの曲には、リスナーの心の数だけ物語が存在する。私はいつもそう思っています。私自身が一音楽ファンとして同じ思いだからです。今回の演奏が、皆様にとって最新にして最良のバージョンとなるよう、精一杯お届けしたいと思います。前回は冬でしたが、今年は猛暑に向かって、初夏の花を咲かせるような歌を歌えたら。足を運んでいたけたらうれしいです」
今井美樹のキャリアに於ける新たなライブフォーマットと言える【billboard classics MIKI IMAI 35th Anniversary premium ensemble concert Encore】。彼女と観客、それぞれの物語がきっと力強く花咲くはずのPremiumな2日間にぜひ注目してほしい。
公演情報
【billboard classics MIKI IMAI 35th Anniversary premium ensemble concert -Encore-】2021年7月24日(土)大阪・フェスティバルホール
OPEN 17:30 / START 18:30
2021年7月30日(金)東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
OPEN 17:30 / START 18:30
出演:今井美樹
音楽監督・編曲監修:山下康介
演奏者:河野圭(ピアノ)、鶴谷智生(ドラムス)、鳥越啓介(ベース)、真部裕(ストリングス・トップ)、ビルボードクラシックスストリングス(管弦楽アンサンブル)、ほか
映像演出:NAKED, INC.
チケット:12,000円(tax in.)
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