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大塚 愛『プラネタリウム』 インタビュー
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--今年の『a-nation'05』は東京公演二日とも観させてもらったんですけど、『さくらんぼ』とかが野外で盛り上がるのはイメージできたんですけど、『ネコに風船』もかなり野外にハマってましたよね。
大塚愛(以下O):そうですね~。今回は『ネコに風船』をどうしても一番最後に持って行きたくって。いつも盛り上がって終わる感じで、それはそれでお祭りなんでアリなんですけど、私としてはあの曲の良さというか、感動できる部分を最後に持って行きたかったっていうのがあったんで。で、実際に盛り上がる曲で終わるよりも、『ネコに風船』で終わる感じの方が「あぁ~よかった!」っていう感じで帰れたりはしましたね。--そんな『a-nation'05』、大塚さんは風邪をひかれてしまいましたよね?始まる前から前兆はあったんですか?
大塚愛:本当はもう大分公演の日に熱は出てて、『a-nation'05』のツアーの始まりと共に風邪をひいてしまい・・・一番最後に行った神戸公演の二日目にやっとちゃんと歌えるぐらいまでになって。なので本当に“a-nationの風邪”みたいな(笑)。咳が出だした頃から声も変わっちゃって、「これはヤバイな」と思って。咳が止まらないのは本当に辛かったし、声もオカマバーのママの朝みたいで(笑)、途中しゃべれなくて筆談とかしてたんですよ。熱の方もずっと微熱が続いてたんで、もうしんどいし、薬飲むと眠いし、結構タチの悪い風邪につかまってしまいました。
--そんな状況下でも何とか『a-nation'05』全公演に出演して、各公演を盛り上げてきたわけですけど、個人的にはどの会場が特に盛り上がった印象だったりしますか?
大塚愛:盛り上がったのは、う~ん、「どこも盛り上がってたな~」っていうのもあるんですけど、強いて言うなら名古屋が思い出深いですかね。本当に風邪で辛くて、ゴホゴホしてて、ステージに立つまで間に合うのか、間に合わないのか、みたいな状況で、変なプレッシャーと戦いながらも、薬を飲んで。で、結局は風邪を治らないままステージに立ってお客さんに「すみませんでした」って謝ったんですけど、すごく名古屋の人がみんな温かくって、客席の最前列から最後列までウェーブが出来てるのが見えて、それはすごく印象的でしたね。
--ちなみに東京公演では爆発パーマ頭で登場してましたが、あれは地毛だったんですか?
大塚愛:地毛です!
--すぐに直してましたね?
大塚愛:直した(笑)?
--あ、すみません、元に戻されたんですか(笑)?
大塚愛:はい、もう暑くて。あの頭だと余計暑くなって「あーうっとうしい!」みたいな(笑)。ただあの髪型にしたのは、なんとなく・・・行ききりたかったんです。ステージの上でとにかく存在感を出したかったというか、ステージ映えする方がいいなと思ってやったんですけど、マネージャーに「うん、もう今後なしね」って言われて(笑)。
--(笑)。でも一回はその姿で出るのは許してくれたんですね?
大塚愛:いや、もう反対されるのは分かってたんで、内緒でやったんですよ(笑)!で、調子に乗って次の神戸公演でまたやったら止められました(笑)。
--あと、札幌公演ではTRFの『survival dAnce』をみんなで急遽歌うことになって、その中に大塚さんもいたと聞いたんですが、どうでした?『survival dAnce』。
大塚愛:ある意味サバイバルでしたね(笑)。あの雰囲気は。私が学生の頃は、テレビつければ流れているような曲でしたからね。もうそんなビッグな人たちの中に入るってだけで緊張しました。「これ、どうやってのれば良いんだろう?」みたいな戸惑いもありながら(笑)。
--そんな色んなことが巻き起こった『a-nation'05』でしたが、今年は『a-nation'05』以外の野外フェスにも出演したんですよね?『音楽と髭達フェスティバル』。
大塚愛:ものすごく楽しかったです!本当に理屈抜きで音楽の好きな人たちが集まっていたフェスというか、そういう雰囲気がすごく良かったですね。他のアーティストのステージも観たりして、一日中騒いでました(笑)。しかも山でやったんで、ちょっとしたキャンプ気分でしたし、共演者もみんな人当たりの良い方ばっかりだったんで、すごくなじみましたね。特に「大変!」ていうこともなく。
Interviewer:平賀哲雄
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--そんな感じで今年の夏は“夏フェス”づくしだったわけですけど、花火大会行ったり、海行ったり、かき氷食ったり、そういう普通の夏の日常は味わえたりしたんですか?
大塚愛:花火大会には行けなかったんですけど、一応海には行けたので、沖縄の方に。仕事半分でしたけど(笑)。
--そんな夏の終わりの匂いを感じさせる―――ちょっと強引かもしれないですけど―――10thシングル『プラネタリウム』が今月リリースされたわけですが、これはいつの間にレコーディングしてたんですか?
大塚愛:原作は4枚目の『Happy Days』と同じ時期、短大時代に作ったものなんですけど、そこからプリプロとかアレンジとかに入ったのが、ちょうどデビューする2、3ヶ月前で。で、アレンジももう仕上がっていたんですけど、そのまま放ったらかしにしていて、最近になって細かくレコーディングし直した感じですね。
--どんな想いを込めている曲だったりするんですか?
大塚愛:今まで出してきたバラードのようにラブラブソングではないのは確かで、すごくサラリとした、『金魚花火』に近いと言えば近い、ちょっと中性的なナンバーですね。あんまり「女の子!」といった感じではない。あと歌詞に関しては、いつもサマーソングっていうと、元気にはしゃいでいる感じが全面に出がちなんですけど、そっちよりも夏の終わりを感じさせる、涼しい風が吹いて「あぁもう秋だな」みたいな、そういった感じが好きなんですよね。まさに今時期の曲というか。
--ちなみに『プラネタリウム』というタイトルにしようと思ったのは?
大塚愛:昔からプラネタリウムが好きで、とにかくプラネタリウムをよく観に行ってたんですよね。で、それを観るまでは、地球って空があって地面があって、なんか平面的な見方だったんですけど、プラネタリウムに行ってから、「やっぱり地球って球体なんだな~」って改めて思って。「そりゃくるくる回るわな」って。プラネタリウムって早送りで回るじゃないですか!あれが結構印象的で。そんなプラネタリウムのイメージと曲の感じがリンクしたんで、今回のタイトルにしてみました。
--今回この曲を聴いてすぐに「ぜひプラネタリウムコンサートを実施してほしい!」って思ったんですけど。
大塚愛:あぁ~良いですね~。素敵ですね。
--ぜひ実現してほしいですね!あと、今作を実際に歌入れしてみてどうでした?難易度の高い曲だったんじゃないですか?
大塚愛:そうですね。結構簡単そうに感じられるかもしれないんですけど細かいところが複雑で。柔らかく歌いすぎても物足りない感じがして、強く歌うのもちょっと違って、しっとりと歌いたいっていうのがあったんですけど、それがなかなか難しかったですね。
--そんな『プラネタリウム』のイメージとはうってかわって、軽快でポップな一曲『drop.』。すでにLION『植物物語ハーブブレンド』のCMソングとしてもおなじみですが、この曲はどんなイメージを膨らませて作った曲だったりするんですか?
大塚愛:ある意味、ラブソファーってあるじゃないですか?あれのイメージですね。あったかくって、座り心地がよくって、二人用で、みたいな。刺激的でバタバタした恋についても今まで多く歌ってきたんですけど、特に上がり下がりがそこまでない、でも普段の生活がとても「幸せだなぁ~」って、そう感じられる恋の歌というか。物足りないとか、毎日おんなじだとかじゃなくて、「あぁこういうのって幸せだな~」って思えるあったかい曲を今回は歌ってますね。
--『drop.』が使われているCMには大塚さんが出演されてますけど、どうですか?
大塚愛:やっぱりテレビ見てて流れてくると恥ずかしいですね!ハーブブレンド♪とか聞こえてくると、「あぁ危ない!」ってその場から逃げたくなるような恥ずかしさがありますね(笑)。
--(笑)。では、最後に読者の皆さんへメッセージをお願いします。
大塚愛:今回のシングルは二曲とも秋らしいナンバーなんですけど、涼しいのが『プラネタリウム』で、あったかいのが『drop.』だなって気がしてて、それでいて待望の秋のバラードでもあるし、すごく濃い一枚になっていますので、ぜひ手に入れてください!
--今日はありがとうございました!
大塚愛:ありがとうございました!・・・おぉー!「ありがとうございました」って頭下げたらストローが耳元に刺さってイヤリングに(笑)!
--ミラクル(笑)。
Interviewer:平賀哲雄
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