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大塚 愛【LOVE PiECE Tour 2008 ~メガネかけなきゃユメがネェ!~】
2008.05.01(木)at パシフィコ横浜|セットリスト
会場に入った瞬間から“It's a LOVE PiECE world”!福引きが当たって喜んでる女の子やスクラッチカードを必死に擦ってるどこかの外人さん。ライブを観に来たことを一瞬忘れるほどのお祭り騒ぎがロビーで巻き起こっていた。相も変わらずである。
アテンションプリーズ×2。どこかの外人さんがスクリーン越しにライブを観る上での諸注意を説明。その吹き替えが大音量で流れるという、グッズのうちわの使い方まで丁寧に教えるという、親切なんだか迷惑なんだかよく分からない(笑)そんな前説を経て、3Dメガネを掛けた僕らの目に映り込むのは、宇宙の神秘。いくつものの惑星が僕らの目の前を流れ、やがてその星は彼女の瞳となり、爆音バンドサウンドと共に今宵の宴の首謀者・その瞳の主である大塚 愛がやたらド派手で可愛らしい衣装を身にまとって登場。テンポ感の心地良い『未来タクシー』をオープニングナンバーに、その両の腕をみんなとノリノリで左右に振りながら、ド頭より幸福感いっぱいの疾走感を生み出していく。
その後、横浜の海にピッタリなナンバー2楽曲を爽快に響かせ、会場が良い感じにあったまったところで今夜最初のMC。「こんにちは、大塚 愛で~す!みなさん【LOVE PiECE Tour 2008 ~メガネかけなきゃユメがネェ!~】へようこそぉ!」と元気よく挨拶した後、今日はカメラがたくさん入ってるのでパッケージにする可能性があると言い、いつも以上にみんなで良いライブにしていきたいと伝え、そんなみんなの気持ちをひとつにするにはピッタリの『ユメクイ』をこのタイミングで解き放っていく。そうして自身の心もみんなの心も開いてきたところで、無理のない、その分リアルな温度が伝わってくる歌声で『HEART』『星のタンゴ』を披露。2楽曲続けて何度も何度も歌われる「あいたい」という言葉に早くも気を抜くと涙が零れそうな空気が会場を埋め尽くしていく。
幻想的な3Dメガネタイムを経て、ライブは彼女の心の深~いところへと突入。“君のこと思い出せば涙が溢れてくる”というフレーズを何度もバイオリンとピアノの音色と共に歌う『tears』を織り交ぜた『桃ノ花ビラ』は、彼女のライブ史上に残る熱演、涙をいくらでも誘うテイクに。どんなに大事な人ともいつかは別れてしまう、けれどもその人との思い出は消えることはない。もう二度と会えなくなってしまってもその思い出は永遠に残り続ける。そう真剣に語り、みんなの心の中にあるこの楽曲の想い出と共に聴いてほしいと、彼女が無数の星に包まれて歌い始めた『プラネタリウム』では、その星の数だけの感動の面持ちを。そして彼女は管弦楽団に囲まれた形で『クムリウタ』を披露。まずそのビジュアルとサウンドの壮観さにも驚いたのだが、何より凄いのは、その中で歌う大塚 愛の声である。そこにある音すべてを飲み込んで、今そこにある想いすべてを爆発させるように歌う彼女の声は“神々しい”という言葉を出さざる得ないほど、表現者として、伝道者として、激しくスパークしていた。そのままライブはシリアスで想いを溢れさせたまま『キミにカエル。』へ。いくつにも重なったストリングスの音色と彼女の歌声がこの会場と僕らの心に季節はずれの雪を降らす。そして楽曲は、あの感情を思い出させるピアノの音色と共に、あの情景を思い出させるストリングの音色と共に『恋愛写真 -春-』。ここまでバラードばかりを立て続けに披露したら普通は飽きられるのだが、『恋愛写真』の貴重な“春”バージョン披露というサプライズと、彼女の溢れてしまって仕方のない想いと、そしてストリングスとバンドと歌声が一丸になって織り成す世界観が、飽きどころか、この瞬間を永遠にしたいと思わせる音楽空間を創造。ラスト「ただ、それだけでよかったのに」と歌い終える瞬間に起きた光と音の大爆発は、大切な人の涙と笑顔をフラッシュバックさせ、その見事すぎる表現方法を目の前に、気付けば僕らの涙も笑顔もボロボロ零れていた。
なんてマジメに誉めてると、やっぱり流れてくる悪ふざけのかほり。聞こえてきたのは『BABASHIのテーマ』。そして金髪にシルバーのワンピース姿の大塚さんの登場!オーディエンスも全員ハンドクラッパーとして参加した形での『PEACH』が景気よくぶっ放されていく。で、楽曲は続いて『フレンジャー』!今まで盛り上がらなかった歴史を持たないアッパチューンでみんな“ウ~~~~~~ファイッ”!更には、大塚さんが巨大なハリセンを持って『蚊取線香』をとりあえず勢いだけで熱唱(笑)。で、みんなもとりあえず勢いだけで「蚊!蚊!蚊!蚊!蚊!」と連呼(笑)。で、まさかとは思ったが、この楽曲との連続技で彼女が使用したのは『ポンポン』!どっちか1楽曲だけで十分にぶっ壊れられるのにもうこんなことされたら正直みんな歌うポイントも跳ぶタイミングも無茶苦茶だったよ(笑)。でも滅茶苦茶に気持ち良い!何一つ為になることないのに、何の意味もないのに、とにかく最高!!!!!そしてステージにチューリッパーズの皆さんが現れると、ファンのみんながすっかり憶えた『CHU-LIP』のダンスに新しい振りを追加すべく、まずはレクチャータイム。「子作り、子作り、挑発、挑発、神頼み」をキーワードにやたら激しいダンスを強いられるパシフィコ横浜の皆さん(笑)。そしてステージ向かって左をパパチーム、右をママチームとして、その新ダンスをどちらがより激しく華麗に踊れるかバトルさせ、えらい熱気を会場に生み出していく(ちなみに勝者は僕がいたママチーム)。そしてライブはようやく肝心な楽曲の披露!『CHU-LIP』へ。もう彼女のファンでなくともテッパンで盛り上がるこのナンバーを今宵は、新しい振り付けを加えた形でより高みへ!より踊れる未来へと!!完璧だと思われたそれはまだまだ∞の可能性を秘めていたという大きな感動を残し、大塚 愛はステージを後にするのであった。
すかさず巻き起こる「もう1回!」コール。で、そもそもこの「もう1回!」って何から生まれたんだっけということを考えてみると「あの楽曲やってねーじゃん」と気が付くわけで。するとバンド陣が「もう1回!」とシャウトしながらステージに再登場し、そこに「愛し合う~!」と満面の笑みで大塚さんも再登場!もう今更書くまでもないかもしれないけど、もちろん『さくらんぼ』は全員揃っての大熱唱&大暴れ!パシフィコ横浜の天井をぶち抜きそうな勢いで皆さん歌っておりました。しかもオリジナルの何倍もテンポ上げて、もう『さくらんぼ』なんだか『ポンポン』なんだか分からない状態に!舌噛みそうになりながら大塚さんも必死に熱唱(笑)。そして「確かに私は今ここで生きてるぞぉ!!!!!」と叫びながら新楽曲『ロケットスニーカー』を初披露。“好きな歌をうたって 好きな人とキスをする”そんな小さくとも切なる想いを胸に生きていく僕らは“地球っこ”なんだと、彼女なりの生きている意味を決してシリアスでも重くもなく軽快に歌い放っていく。
「愛ちゃ~ん!」と数え切れないほどのファンに叫ばれ、「はぁ~い~~~!!」と満面の笑みで答えた彼女は、「ほんまにみんなと会えて良かった」「すごく私は嬉しくて幸せで、本当に心から感謝したい」「また待ってます」と感無量の表情で口にした。そして再びストリングス奏者たちもステージに登場し、“このさよならは寂しいさよならじゃない、素敵なさよなら”そんな想いを込めて『チケット』を爽快かつ感動的にお届け。そして「幸せをありがとう」「みんなのすぐ近く、心の大事なところに私の歌がこれからも届きますように」といった想いに溢れた言葉の後、今夜最後の楽曲として彼女は『ポケット』を歌い始めた。彼女の世界で一番大切な人を想った、世界で一番大切な楽曲は、彼女自身のまっすぐな想いと歌声をもって、ここにいる多くの人々の、大切な人を想った、大切な楽曲へとなったことだろう。最後の最後、彼女がマイクを使わず、素っ晴らしい笑顔で叫んだ言葉は「LOVE&PEACE」。大好きなあなたと愛と笑顔に溢れた未来を願う言葉であった。
セットリスト
【LOVE PiECE Tour 2008 ~メガネかけなきゃユメがネェ!~】
2008.05.01(木)at パシフィコ横浜
- 01.未来タクシー
- 02.ハニカミジェーン
- 03.Mackerel's canned food
- 04.ユメクイ
- 05.HEART
- 06.星のタンゴ
- 07.桃ノ花ビラ-tears
- 08.プラネタリウム
- 09.クムリウタ
- 10.キミにカエル。
- 11.恋愛写真 -春-
- 12.PEACH
- 13.フレンジャー
- 14.蚊取線香
- 15.ポンポン
- 16.CHU-LIP
- En1.さくらんぼ
- En2.ロケットスニーカー
- En3.LIFE -LOVE CiRCLE
- En4.チケット
- En5.ポケット
Writer:平賀哲雄
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