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大塚 愛【「愛 am BEST Tour 2007」~ベストなコメントにめっちゃ愛を込めんと!!!~】
2007.06.28(木) at 東京国際フォーラム ホールA|セットリスト
僕は今夢旅の中~♪暗闇の中から聞こえてくるアカペラ。沸き上がる歓声。次の瞬間、眩しすぎるほどの光が照らされたステージの中央に笑顔での登場は、もちろんこの人!大塚 愛。『ユメクイ』で心地良い浪漫の風に吹かれた後は、彼女の記念すべきデビュー曲『桃ノ花ビラ』。ステージ後方に舞い散るは、もちろん艶やかな桃ノ花ビラ。みんなのハンドクラップと大塚 愛の馴染み良い歌声がひとつになって、やわらかな空気を生み出していく。その後も『そのまま甘い気持ちまるかじり』『ハニカミジェーン』など、ポップでラブリーでやわらかい音楽が緩やかに続く。そんな流れの中で聞こえてきた、ちょっとムーディーな、ウッドベースなんてフィーチャーしちゃったりしてる『ビー玉』がアダルティな夜を演出。そのままのジャズモードで『黒毛和牛上塩タン焼680円』、こちらはただでさえお色気ムンムンナンバーだっただけにこのアレンジとの相性は抜群で、大塚さん、めっちゃ大人の女に。
「本当に何気ないとある一日の曲ですが」と彼女が言って歌い出したのは『ネコに風船』。これはアコギとスライドギターのハーモニーに挟まれての、カントリーチックなスタイルで披露。しずかにじんわり染み渡る歌。続いて、ステージを幻想的に包み込む空の映像。それと共に彼女は『羽ありたまご』を歌い出す。こんな感じで、今日の大塚 愛はあくまでアーティスティックな音楽表現に拘った。アレンジもほとんどの楽曲がオリジナルとは大きく異なるモノで、それは彼女の際限ない表現者としての追求に他ならない。特にこの『羽ありたまご』から始まった『Cherish』『恋愛写真』『金魚花火』『大好きだよ。』『プラネタリウム』という珠玉の、そして彼女の真剣な想いが真っ直ぐに綴られたバラードの畳み掛けは、本人も「心乱れることなく、一曲一曲を大切に歌ってきました」とそれの最後に語っていたが、そのすべての楽曲、声、フレーズが痛いぐらいに僕らの心を突き刺し、涙を誘い続けたのはもちろん、ここにいるすべての人の心を掌握していた。余白なし。歌い手も聴き手もその一曲一曲の世界だけに存在し、静かに揺れる。前々から感じてはいたが、真剣に愛を鳴らす楽曲における彼女の表現力は、もはや比較できるモノがないぐらいの領域に入っているのではないだろうか。
なんてことをこっちが真剣に思っていると、お調子乗りの彼女は、平気な顔して極端な方向へとすぐにぶっ飛んでいく(笑)。なんなんですか?この怪しいタキシードを着た集団は。大塚さん。あ~あ~、ババッシババシババッシババシババッシババシババッシババシ『BABACHIのテーマ』聞こえてきちゃったよ。しかもちょっとユーロビート調で。そんでもっておバカなダンスをみんなで踊るこの光景、さっきまでの感動とストイックぶりはなんだったんだ!?これで完全に自ら創り上げた世界をぶち壊した彼女は(笑)、続く『片想いダイヤル』で自らもゴキゲンにダンスしながらこの会場に涙ではなく、笑顔と天井知らずの明るさを生み出していく。で、ノンストップで楽曲は『フレンジャー』!ジッとしていても勝手に体が動いてしまうほど会場が大きく揺れまくる。ウ~~~~~~~~ファイッ!はもちろんみんなで!ヤバイ、ヤバイぞ、この盛り上がりようは!で、とうとう来ちゃいました、由緒も歴史もある東京国際フォーラムで『ポンポン』の嵐!正しく狂喜乱舞。ここまでの壊れっぷりは『ポンポン』史上最大かもしれない。みんな暴れすぎ(笑)。更にノンストップで『Happy Days』!楽しくなりすぎて、キーボードプレイヤーのはずのアキノリは、ステージ中央でガッツポーズ。大塚は拡張機からもう100%ハッピーな要素しかない声を軽快にぶっ放す。東京国際フォーラム、今年度最大の揺れっぷり!そして彼女、ギターの藤井の肩を抱いて何を歌い出すかと思えば、大塚 愛、最強のキラーチューン『さくらんぼ』!とんでもなくでっかい大合唱。ワールドカップか、これ?全員熱唱してます(笑)。
「おおきに」と、大塚がステージから去ると、もちろんオーディエンスは全力で「もう一回!」コール。すると大塚は再び「おおきに」と、ステージに登場。「熱いよな?なんか会場白いもん!サウナになって2Kgは痩せてんで!」なんて言いながら、この夏のような炎天下で新曲『PEACH』を堪能!本能丸出しのサマーチューンに心を躍らせる僕ら。そしてダンサーもホーンセクションもなんか変な人たちも(笑)ステージに大集合したところで、「まだまだいけるやろ!!」と大塚さん、みんなに『CHU-LIP』の振り付けをレクチャー。そして短い時間であの2007年最も衝撃的なそれをみんながマスターしたところで「踊れる未来へ!」と、avexのキャッチコピーを大塚が叫んで、会場に集まった全員で『CHU-LIP』を熱唱!熱演!ステージ上空のミラーボールはくす玉のように割れ、中からは「ありがとう」と大きく書かれた垂れ幕。『CHU-LIP』のようなおバカソングをみんなと楽しみながら、予想外の形で感謝の想いを告げる。なんとも大塚 愛らしい。「みんな上手すぎて面白かった」と、大塚。そして「またいつか絶対どっかで会おうな!」「最後の曲ですが、みんな一緒に歌ってください」と、『LOVE MUSiC』を歌い出す。すごく素直な声と表情。先日のインタビューでは『LOVE MUSiC』のような楽曲を真剣に歌うのは少し恥ずかしいと語っていた大塚 愛、だが彼女もまた人との繋がりによって音楽を生み出し、奏で、届ける表現者であり、そんな彼女の歌はこんなにも誰かと繋がれることの喜びを教えてくれる。
そんな有意義なラストナンバーを歌い終えライブは幕を閉じるはずだったのだが、まだみんなステージにいるのに巻き起こった巨大な「もう一回!」コール(笑)。で、まさまさかの今夜二度目の『CHU-LIP』披露!もうみんな振り付けも完全マスターしてる上に、最後の最後だからって歌い叫ぶわ、跳びはねるわで、未だかつて観たことにない不思議な(笑)、でもめちゃくちゃ心を明るく楽しくしてくれる光景がそこには広がっていた。「また会おうね~!!」とマイクレスで叫ぶ彼女。大塚 愛らしく、やっぱり最後はめちゃくちゃ陽気でフレンドリー。これが一度彼女を好きになったファンが離れない秘訣かもしれない。あ~楽しかった!
セットリスト
【「愛 am BEST Tour 2007」~ベストなコメントにめっちゃ愛を込めんと!!!~】
2007.06.28(木) at 東京国際フォーラム ホールA
- 01.ユメクイ
- 02.桃ノ花ビラ
- 03.甘い気持ちまるかじり
- 04.ハニカミジェーン
- 05.ビー玉~黒毛和牛上塩タン焼680円
- 06.ネコに風船
- 07.羽ありたまご
- 08.Cherish
- 09.恋愛写真
- 10.金魚花火
- 11.大好きだよ。
- 12.プラネタリウム
- 13.片想いダイヤル
- 14.フレンジャー
- 15.ポンポン
- 16.Happy Days
- 17.さくらんぼ
- En1.PEACH
- En2.SMILY
- En3.CHU-LIP
- En4.LOVE MUSiC
- En5.CHU-LIP
Writer:平賀哲雄
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