Special
大塚 愛 【「JAM PUNCH Tour 2005」 ~コンドルのパンツがくいコンドル~ Supported by オロナミンC】
2005.5.13(金)at 渋谷公会堂(曜日) at 会場名|ライブ写真&セットリスト
これから感動的な大スペクタル映画でも始まりそうなド派手なサウンドと映像で会場中のテンションを上げておきながら、聴こえてきたこのナンバーは『妄想チョップ』。二階建てセットの2Fに白い仮面をかぶった3人の女性の姿。歌が始まってもその3人のうちの誰が歌っているかは全く分からない。しかし心地良くバンドサウンドは会場中に響き渡り、オーディエンスは大いに興奮!そして『妄想チョップ』が“バレバレよ♪”というフレーズに差し掛かったところで、そのタイミングにステージ中央に立っていた白い仮面の女性が、眩い光の中、姿をあらわに。それはもちろん、今夜の主役・大塚愛!グレーの可愛らしいドレスに身をまとい、いつも以上にオシャレに気合いを入れた姿で階段を下り、僕らの近くに駆け寄ると、立て続けに曲は『Strawberry Jam』へ。老若男女、どんな性格をしている人でも、小さな体を気持ち良く動かしながら、可愛らしく、でも懸命に歌う彼女の前では表情が緩んでしまう。それは仕方がない、だってめちゃくちゃキュートなんだもの(笑)。
続いて、ステージ上に“LOVE(大塚愛作)”ちゃんが電話の前に立っている映像が。そして電話の着信音が聞こえてくる・・・この音が聞こえてきたらもうこの曲しかないでしょう!『片想いダイヤル』!!バンドメンバーもオーディエンスもみんな笑顔で“ピ・ポ・パ・ポ・ピ・ポ・パ・ポ♪”、これはテンション上がる!俺も一緒に“ピ・ポ・パ・ポ・ピ・ポ・パ・ポ♪”すみません(笑)。いやぁ~でも、大塚愛さん、あんた天才!
すさまじい“愛ちゃん”コールに応えるように「こんにちは!大塚愛でーす!!」と、元気よく最初の挨拶をかます彼女。で、今日までのツアーのおさらいターイム♪まず“ひつまぶし”やら“お好み焼き”やら“水炊き”やら各地の名物を食い散らかして東京に戻ってきた話をハイテンションで報告。そして明後日、東京に出てきて丸々2年が経つことも報告して、デビュー当時の事も思い出したら、やっぱりこの曲、彼女の運命のデビューシングルとなった『桃ノ花ビラ』を披露!しっとりと聴かせてもらおうと思っていたんだけど、もうみんな楽しくて仕方ないんだろうね、オーディエンス一同、全力で手拍子。でも彼女の歌声とハートはしっかりと僕らの心へとお届けされる。とりあえず、みんな胸キュンです、はい。そんな胸キュンナンバーのあとは、話題沸騰!大塚愛主演のドラマDVD『東京フレンズ』の主題歌にもなっている『フレンズ~サバカンver.~』を、かなり感情の入った演奏をバックに、もう大円団かと思わせるぐらいのドラマティックな熱唱ぶりで、早くも今夜のライヴに大きな感動を巻き起こす彼女。
大塚愛のライヴはメンバー紹介も遊び心満載!ステージ中央のスクリーンにおもしろ映像が映し出され、“白馬に乗ったドラム王子”やら“三つ星チョッパー”やら“4番ギタリスト”やら“妄想ロッカー”やら“ピン芸人”やら(笑)、もうみんな紹介のされ方がめちゃくちゃ!(ちなみに大塚愛は“忘れんぼ将軍”(笑))!ここにも大塚愛の“楽しまなきゃソンソン”魂が反映されていた。そんなメンバー紹介のあと、気付いたら彼女は大人っぽい白いドレスに着替えていて、スクリーンの映像が消えると同時に“だーいすきよぉ~♪”・・・はい、男性陣はみんなこの瞬間にノックアウト!男のツボを知りすぎた女(笑)、大塚愛による『黒毛和牛上塩タン焼680円』。このナンバーをセクシーな動き付きでみんなメロメロにしてしまったそこのあなた!やっぱ、あんたはすごい。なんて思ってたら、この曲のラスト、人差し指を口にあて“シーッ”・・・みんなが静かになったところで、“お味はいかが~♪、もうドヒャー!である、ドヒャー(笑)!
そんな幸せでおなかいっぱい状態になった僕らを一度クールダウンさせるべく(?)、小さい頃から好きなときも嫌いな時も音をしっかり出し続けてくれた、今や彼女の掛け替えのない相棒となったピアノと自分だけで『向日葵』を彼女は聴かせてくれた。家族や恋人にももしかしたら見せたことのない自分の表情、想いを見て感じ続けてきたかもしれないピアノだけを頼りに歌う彼女は、照明効果とか演出効果とか、そういうものではなくて、純粋に綺麗であった。最後の“ずっとそばにいるよ”というフレーズ、それは紛れもなくこれまでの彼女の人生を見守り続けてきたピアノに向けてのものだったと思う。そのまま彼女が大好きなピアノの弾き語りで歌い始めた曲は、『甘えんぼ』。何かとエンターテイナーとしての気質が彼女を笑える方面へ向かわせる事が多いけれども、今、目の前で想いたっぷりに歌い上げる彼女は、おそらく真っ裸の心をさらしていて、だからこそ僕らの心はこんなにも震えて、涙腺は緩み、どうしようもなくその歌とピアノの音色に惹かれるんだと思う。そんな僕らの心を更に高揚させる、シリアスなムードを生み出す彼女の真剣なピアノソロ(これは本当にすごかった!)、その先に聴こえてきた次の一曲は、『金魚花火』。この彼女のピアノソロから始まるアレンジだけでも涙モノなのに、目の前で“金魚花火”をイメージしたと思われる赤い光にその身を漂わせながら歌う彼女は、それこそおとぎ話の世界に出てくる天女のような眩さ、儚さ、美しさを魅せてくれた。凄まじい拍手が大塚愛に送られる。
そして、続いてもこれまたビックリ。というか、これが一番ビックリ!あの『LOVE for NANA ~Only 1Tribute ~』に提供した、“TRAPNEST”のレイラをイメージしたナンバー、『Cherish』を、なんと生で、この場で披露!彼女の頭上に舞い振る粉雪とすべての寂しさを溶かすぐらいの、サビでの爆発的に大塚愛(レイラ)の感情が動く瞬間、もう本当に「ヤバイ」としか言いようのない状態に僕らは陥る。ギターソロもめちゃくちゃドラマティックだし、彼女も今までに見せたことがないぐらいの神々しいオーラ炸裂だし・・・それは、マンガの中でしか存在し得ないはずの“TRAPNEST”、そしてレイラの姿そのものだった。
「私は今22才なんですが、今年23才になるんですね。(でも)もしかしたら生まれもっての(私の)寿命は22才かもしないし、23才かもしれない・・・(中略)。(それでも)私が長い眠りにつくその時は、生涯一番愛した人に看取られて長い眠りにつけたら、幸せなのかなと思います」。なぜ彼女がそんな話をしたかと言うと、彼女のおばあちゃんが亡くなったとき、お母さんがおばあちゃんの手を握り、「お疲れ様でした」と言った瞬間を思い出したからであった。そして彼女は、もし自分が大好きだと想う誰かがそんなことになってしまうことがあったら、“その人にとって一番の言葉を告げたい”という想いを語り、この曲を優しく、かつ感情を露わにして歌い始めた。『大好きだよ。』。今日、今こうして目の前でこの曲を本人に歌ってもらうまで、どこかもっとこの曲をライトに僕は捉えていた気がする。でも、ありったけの想いを込めて“大好きだよ”と熱唱する彼女の姿が、目に耳に心に焼き付いてしまった今は、“大好きだよ”と心の底から言いたい、言ってあげたいと想える相手がいることの尊さを強く知る事が出来た。
そんな有意義な時間を経て、今や一人歩きし始めた感もある(笑)、大塚愛が生んだうさぎ的キャラクター、もといマスコット“LOVE”のPVがCG映像で上映される。しかも大塚愛の書き下ろし曲付き!いや~、とことん遊ぶときは遊びきるその精神、改めて恐れ入りました(笑)。
そして、「スタンドアップ!渋公!!」という愛ちんの叫び声と共にライヴはスーパーハイテンションな後半戦に突入!気持ち良い青空の映像をバックに、二人の熱いギタリストに囲まれた形でまずは『スーパーマン』を披露!そして出ました!今夜最初の“イェイ!”&ピースマーク!昨年、見事僕の中でベストライヴパフォーマンス賞を獲得した(笑)、彼女のフルパワー全開モードを目の前にして「じっとしてろ」というのがムリな話で、“アイアイ!イェーイ!アイアイ!イェーイ!”のコール&レスポンスでもって、もう妙な羞恥心は会場中から消し飛ぶ。でもって、続く『GIRLY』を満喫しながら、みんな互いに“愛らしい自分をプレゼント(笑)”、もちろん“スキップ気分で”。そんでもって、愛ちんの合図でみんなハイジャンプ!さぁさぁ、盛り上がってまいりました!そしてとうとう来ちゃいました、この曲をライヴで聴く時が!果たして息切れせずに彼女は歌いきることができるんでしょうか(笑)?そんなこちら側の心配をよそに、彼女は全力疾走しながら『ポンポン』を完全おバカモードで熱唱!オーディエンスももちろん大熱唱で、会場中におバカな“ポンポン”が飛び交いまくります。こんなに腹の底から笑えるライヴテイク、久々、いや初めて(笑)。最後は“ポンッ!!”という破裂音と共に煙がステージ上に上がって終了。・・・終了?いやいや、このテンションを更に上げる曲がノンストップで続いちゃいます、『Happy Days』!いや~どこまでも壊れられるナンバーを着実に増やしてきた彼女の目的はこれだったのか。おそらくはスカパラかハイロウズあたりのライヴでしか見れないはずのライヴの盛り上がりよう、ありえないハイテンションぶりが目の前に広がっています(笑)。キーボードのチャーリーもなぜか大太鼓を叩き倒す壊れっぷり!愛ちんもこの上なくテンショ上がって、この上なく楽しそうである。
そんな彼女が「みんな一緒に歌ってやー!!」と叫ぶと、銀テープが破裂音と共に空から舞い落ち、曲は『さくらんぼ』へ!!みんなでどこまでも上がれるように本人直筆の歌詞&さくらんぼの絵がスクリーンに映し出される。会場中に咲き誇る笑顔と、炸裂するここにいる全ての人々、あなたとあたしのさくらんぼスピリット(なんだそりゃ(笑)!?)!とにかくスーパーハイテンションで大合唱&大熱唱するこの光景、前から天井知らずの明るさを僕らに提供してくれた彼女だけど、ここまでの上がりようは僕が知る限り初めて。いや~あちぃあちぃ。その熱さを誰もが消すことなく、本編終了と共にみんなで「もう一回!」コールが巻き起こる。いつもはここ、我に返っておちつく時間だったりするんだけど、なんか自分も「もう一回!もう一回!」(笑)。
そして、大塚愛、満面の笑み&駆け足でバンドメンバーと共にステージに再登場!「2F元気かぁ!?」「1F元気かぁ!?」「全員元気かぁ!?」、彼女からのすべてのコールに全開元気モードでレスポンスする僕ら。続いてみんなで「『JAM PUNCH Tour 2005』 ~コンドルのパンツがくいコンドル~ Supported by オロナミンC」と、ツアータイトルを叫ぶと、彼女の口から、ライヴ終了後に“オロナミンC”がみんなにプレゼントされることをかなりハイテンション気味で発表される(笑)。「元気ハツラツぅ!?」という、お約束のキーワードも会場中に飛び交い、そのまま話は大塚愛のニューシングル『SMILY / ビー玉』がオリコンチャートで1位を獲得した話になり、嬉しくなったみんなは「買って、履いて、くい込んで」(コンドルパンツの宣伝をかねて)という、わけのわからないテンションでコール&レスポンス(笑)。そして、みんなでその手を楽しくクラップさせながら曲は、新曲『SMILY』へ!やっぱりイントロの“La~La~La~La~♪”は大合唱!早い人はもうこの曲の振り付けもマスターしていて、彼女と一緒に腰に手をあてたり。正拳突きをしてみたり、タイトル通り、みんなの顔も心も気持ち良くスマイリー。曲はそのまま同じく豪華両A面シングルより、新曲『ビー玉』へ。心の底から優しい気持ちが湧きあがってきて、『SMILY』のときとは違う、まるーいまるーい優しい笑顔が会場中に。もちろん愛ちんの表情もまるーい笑顔。
「おおきに!」と、彼女。こんな素敵な「おおきに!」聞いたことない(笑)。もはや僕の頭の中も意味不明な感じになってきましたが、なぜかキーボードのチャーリーがビキニを履いているということで(ちなみに赤)ビキニコール(あまり上がらなかったけど(笑))。そんな変な盛り上がりようによって、なんと、おそらくはスタッフも予定外だったと思われる『さくらんぼ』をもう一回(サビだけバージョン)!どこまでサービス精神旺盛なんでしょう?この人は。もはや景気付けのテキーラ一気以上の効果があります、この曲(笑)。そして、更に!内輪だけで盛り上がっていた悪ノリナンバー、『Happy Days』の暗くて辛いバージョン、『アンハッピーデイズ』を特別披露(若干サビはデス声で(笑))。「ちょっと調子に乗りすぎましたー!!あははは!いつものことやけど」と、元気よく遊んだあと、今日までのツアーの中で体調を崩したり、辛い事があってもここまでやってこれた理由となったバンドメンバーとファンに向けて、「人生に一度しかない天職を見つけました!こうやって私、音楽やってて良かったと思います。みんなのおかげや!ありがとう!」「明日からもまた頑張ろうな!いつか幸せもんや、ワッハッハッハッと笑えるような人生をみんな送ってな!」。
そんな彼女の心からの、そしてとことん前向きなメッセージを受けて、オーラスはこの曲をみんなでその手を右へ左へ揺らしながら一緒に歌う、『Always Together』。スクリーンにも映し出された会場中のみんなの表情は今夜最高の笑顔、晴れ晴れとした表情を見せていて、そんなみんなからの視線を一点に集める大塚の表情もまた至福の表情を覗かせる。そして、彼女はありったけの声と想いを、誰一人欠けることなくその心へと届ける。あ~もう言っちゃおう!みんななかなか言わないから俺が言っちゃうぞ!大塚愛さん、あなたは日本一の“LOVE”アーティストです!!!!!!!!
「明日も頑張れよ~」と、マイクを通さずに叫ぶ大塚愛。実に彼女らしい一言で、今夜の夢のようなライヴの時間は幕を閉じた。
セットリスト
【「JAM PUNCH Tour 2005」 ~コンドルのパンツがくいコンドル~ Supported by オロナミンC】
2005.5.13(金)at 渋谷公会堂
- 01.妄想チョップ
- 02.Strawberry Jam
- 03.片想いダイヤル
- 04.桃ノ花ビラ
- 05.フレンズ~サバカンver.~
- 06.黒毛和牛上塩タン焼680円
- 07.向日葵
- 08.甘えんぼ
- 09.金魚花火
- 10.Cherish
- 11.大好きだよ。
- 12.スーパーマン
- 13.GIRLY
- 14.ポンポン
- 15.Happy Days
- 16.さくらんぼ
- En1.SMILY
- En2.ビー玉
- En3.Always Together
Writer:平賀哲雄
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