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大塚 愛 【学園祭ツアー2004】
2004.10.30(土)at 日本大学文理学部|ライブ写真&セットリスト
待望であった大塚愛の初の全国ツアーは、彼女の凄まじく明るいイメージにピッタリの学園祭ツアーとなった。全国の大学で早くも“学園祭クイーン”の称号を欲しいままにしているとウワサに聞いた。彼女のライヴパフォーマンスの能力と性格を持ってすれば、当然のことかもしれない。今日、僕が足を運んだ日本大学文理学部にも大塚愛のライヴ目当てで、大勢の大学生だけに留まらない彼女のファンが詰め掛けている。もうこのムードだけで、本日のライヴもかなりパワフルでハイテンションな内容になることは想像がつく。
灯りが少しずつ消えるにつれ、大はしゃぎするオーディエンス。そこに何故かゴダイゴの『モンキーマジック』のイントロが聴こえ始め(笑)、その曲に合わせてリズムを刻みながらバンドメンバーの面々が続々とステージに登場。そして、ドラマーの梶原徹也が高速ドラミングを始めた直後、本日の主役・大塚愛が『pretty voice』を満面の笑みで歌いながらダッシュで登場!さんざん開演前に「前に押しかけるな」と注意されていたオーディエンスも、もっと近くで彼女の歌う姿、動く姿を見たくて、結局みんな前へ前へと詰め掛けてしまう始末(笑)。大塚が元気良くオーディエンスに向かって手を振れば、その何倍もの元気さを持って手を振り返していた。
「こんばんわ、大塚愛でーす。いやいや大丈夫?誰や雨男は?」と彼女が言うと、何故か男性ファン全員が「ハーイ!!!」と答える(笑)。そんなとにかくハイになってる大塚とオーディエンスのコール&レスポンスも含んだMCを終えると、ライヴがやれて嬉しくて仕方ない!といった面持ちで隠れた名曲『ココ夏バケーション』(シングル『金魚花火』のカップリング)を爽やかに歌い始める大塚。すると、何の前打ち合わせもなしに、ピースフルにその手を右へ左へとゆっくり振り始めるオーディエンス。カップリング曲であるにも関わらず、しっかりこの曲を覚えてきている人は多く、彼女がマイクをこちらに向ければ、“そっとバケーション♪”と笑顔で歌い返していた。最後はみんなで“ラ~ララララ~♪”と大合唱!はい、よく出来ました(笑)。そのまま曲はまったりとしたイントロから始まる、彼女のデビュー曲『桃ノ花ビラ』へ。思わず胸がギュッと締め付けられる、切ない想い、願いが、大塚の歌声となって会場に響き渡ると、僕らはその想いや願いに共感して、彼女と気持ちをひとつにして心を揺らす。続いて曲は、おそらく彼女の曲の中でもっとも可愛らしい女の子の健気な想い、気持ちが歌われているナンバー『ふたつ星記念日』。彼女が実に可愛らしく歌い上げている効果でもあるのだろう、今恋人とラブラブな人も、そうでない人も、この瞬間は不思議と大好きな誰かと、とても柔らかな時間を過ごしているような気分に。
今日この会場に車で来たら、女の子の実行委員に疑われてなかなか大学に入れてもらえなかったという、切ない話を披露(笑)。その後、みんなと一緒にここでライヴをやれているのが楽しくて仕方ない!ことを伝え、なんと!ピアノの弾き語りであの名バラード曲『甘えんぼ』を披露。この歌の世界に気持ちを重ねて、外に冷たい雨が降り続けていることを忘れさせるくらいの“ぬくもり”をピアノと歌声だけで、会場に集まった全ての人々に与えていく彼女。大きな拍手が『甘えんぼ』を歌い終えた彼女を包む。そして、曲はそのままピアノの弾き語りで『しゃぼん玉』へ。切なさに満ちた想いが僕らの胸を締め付ける。ラストのサビにかけて、大塚の歌声とピアノにバンドサウンドがドラマティックに重なると、誰もが一度は味わっているはずの失恋の味がリアルによみがえり、更に立て続けに披露されたバラード『金魚花火』では、さすがに涙腺が緩む。とにかく元気いっぱいのキャラクターイメージが強い大塚愛ではあるが、この切ないスローナンバーの畳み掛けでは、失恋の痛みや辛さ、人を好きになることの切なさなどを存分に味あわせてくれた。『金魚花火』の“一瞬映るあなたの優顔”というフレーズに思わず涙した女性もいたことだろう。その涙は僕の知る限り、リアルな感情がそこにないと生み出せない。やはり彼女にとって音楽、歌とは、“気持ち”を表現するためのもの。
その自身の“気持ち”を一人にでも多くの人に伝えようと、彼女が大きな声で歌い上げたナンバーは、ニューアルバム『LOVE JAM』のラストを飾る感動的なナンバー『フレンズ』。十二分に感情の伝わるバンドの演奏に包まれて、気持ちを高揚させていく彼女の姿に釘付けになる僕ら。このままエンディングを迎えてもおかしくない感動的なナンバーを大塚が歌い終えると、優しさのこもった大きな拍手が巻き起こった。
そんな嬉しいみんなの想いに応えるべく、「こっからは祭りやで~!!隣の人も私も仲間!盛り上がっていくぞ~!よいしょ~!!」と叫んで、ニューアルバム『LOVE JAM』のオープニングに収録されているナンバー『スーパーマン』から、宣言どおり会場をお祭り状態へと突入させる大塚。リリース前でまだ知らない曲ではあっても、この曲と大塚が持つパワーでもって、大はしゃぎモードになるオーディエンス。ハードコアでもパンクでもないけどモッシュが起こったり、とにかく熱いライヴ感を誰もが満喫。曲はノンストップモードでこれまたテンションの上がる『GIRLY』へ!この曲のサビのフレーズにも出てくる“スキップ”気分で・・・いやいやもう完全にスキップじゃなくジャンプしながら、今この瞬間を彼女と全力で楽しむ僕ら。更に飛び跳ねるように彼女がオーディエンスを煽ると、日大キャンパスが気持ち良く揺れる!続く『片想いダイヤル』でも、「まだまだもっといけるっちゅーの!!」と叫ぶ大塚の更なる煽りに負けずに大はしゃぎで応えるオーディエンス。“ピ×ポ×パ×ポ♪ピ×ポ×パ×ポ♪”というフレーズが会場中の男連中の声で響き渡る場面には思わず大ウケ(笑)。会場にいる全ての人々が一丸となって、いつまでも忘れられないくらいの楽しい時間を作り上げているこの感覚、実に気持ちが良い!
「もう最高やねん!」という彼女の言葉の後、バンドのメンバー紹介を経て、やっぱり最後はこの曲『さくらんぼ』!まずは“愛し合う~♪”というあまりにも有名なフレーズを何度も何度もオーディンスとコール&レスポンス!それを十数回続けた後、会場に集まった全ての人々が声を揃えて“愛し合う 2人 いつの時も・・・♪”と、大合唱&大熱唱!予想以上の大きな盛り上がりをこの曲で見せる会場。男の子も女の子も大塚と一緒になってとことん大はしゃぎ!2004年もあとわずかで終わりを迎えるが、今年この曲以上にライヴで盛り上がれるナンバーは誰にも作れまい。最後はこれでもか!というくらいの満面の笑顔で、全員が“あたし さくらんぼ~!!”と熱唱!いやぁ~本当にすごい力を持った一曲である。
これで今日のライヴは終わりを迎えると思いきや、凄まじい“アンコール!”ではなく、“もう一回!”コールが大学のキャンパス中に響き渡り、再び大塚がステージに登場。「ありがとう。もう言葉はいらないような気がする」と言って、この場に今立っていられる喜びを噛み締める彼女。その後、実はデビュー前、最後の最後までエイベックスにデモテープを送らなかった話や、結局最後にエイベックスにデモテープを送ったらデビューが決まったという、短大卒業間際のデビュー秘話を披露(自分が見たライヴの中では今年一番長いMC(笑))。そして、デビューから一年間、彼女のことを支えてくれた全ての人々へ向けて『大好きだよ。』を歌い始める大塚。先の長いMCでも語り尽くせなかった、多くの人々への想いがいっぱいこもった『大好きだよ。』に彼女の際限のない優しさを感じずにはいられなかった。
「幸せになりたいよぉ~!私も幸せになりたいっちゅーねん!一緒に頑張ろう!!」と言う大塚の叫びと共に、本日のオールラストソング『Happy Days』の演奏がスタート!本編ラストに披露された『さくらんぼ』に負けないくらいのどデカい盛り上がるを見せる会場。みんながみんなで全力疾走で幸せな気分をその手に掴む、この超ハイテンションナンバーを大はしゃぎモードで歌う大塚を見て、やっぱり彼女は天井知らずの明るさを持ち合わせたアーティストだと再確認。全ての曲を歌い終えると大塚は、一緒にこの時間を腹の底から楽しんだみんなに礼!そんな素敵なラストシーンのバックでは、なぜかゴダイゴの『銀河鉄道999』が流れていた(笑)。
セットリスト
【学園祭ツアー2004】
2004.10.30(土)at 日本大学文理学部
- 01.pretty voice
- 02.ココ夏バケーション
- 03.桃ノ花ビラ
- 04.ふたつ星記念日
- 05.甘えんぼ
- 06.しゃぼん玉
- 07.金魚花火
- 08.フレンズ
- 09.スーパーマン
- 10.GIRLY
- 11.片想いダイヤル
- 12.さくらんぼ
- En1.大好きだよ。
- En2.Happy Days
Writer:平賀哲雄
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