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大塚 愛 【PIA SUPER LIVE GROOVE vol.11】
2004.3.25(木)at 六本木velfarre|ライブ写真&セットリスト
まだ春を迎えたばかりだというのに、早くも2004年、年末の賞レースで新人賞を総ナメしそうな予感さえさせる女性アーティストがいる。それは人なつっこい曲と歌声とキャラクターイメージで幅広い音楽ファン層にウケまくっている大塚愛のことである。1stアルバム「LOVE PUNCH」のリリースに合わせて業界関係もビックリな人気急上昇ぶりをみせている。“ブレイク”という難関をクリアしたばかりの彼女が一体“生”ではどれだけの魅力を感じさせてくれるのか、実に楽しみである。
SweetSと嘉陽愛子の完全なアイドルノリで異様なテンションに包み込まれたヴェルファーレ、彼女はそんな今までのムードを全く気にしていないかのようにトコトコとマイペースに歩きながらステージへ登場。まずはキーボードの前に用意されていたイスに腰掛け、デビュー曲「桃ノ花ビラ」を弾き語りで披露!オーディエンス一同、黙って彼女の弾き語りに聴き入っている。それもそのはず、彼女の歌にはしっかりと“気持ち”がある。しみじみと聴かせた1曲目を歌い終えると、笑顔をのぞかせる彼女。そのまま立ち上がり、ステージの中央に立つと、5人のバンドメンバーのポップで軽快な演奏に合わせて「向日葵」を柔らかく歌い始める。そんな彼女の歌う姿を目にして、オーディエンスも小春日和のお散歩気分で気持ちよさそうにリズムを刻んでいる。
「どーも大塚愛でーす!ウチの家、雨漏りしてんねん!」と、突然生活の中での事件について語る大塚愛(笑)。リリースの告知などしながらMCでもどんどんオーディエンスの気持ちを盛り上げていく。そして、ドラムと共に一気にオーディエンスを煽り、他の出演アーティストのライヴとは比較にならないほどのハイテンションな空気を漂わせ、今までになかった心地良い“一体感”が今夜のヴェルファーレにも生まれていく。短い時間内でライヴを成功させるコツを早くも彼女が掴んでいるのか、3曲目「pretty voice」で早くもオーディエンスは凄まじい熱気を巻き起こす。大塚愛も底なしの元気っぷりを負けずと魅せていく。そのまま元ブルーハーツのドラム・梶原徹也を中心としたバンドメンバーの紹介を音を止めずに気合いを入れて行い(このバンドも大塚愛に負けずめっちゃハイテンション!!)、ちゃんとオーディエンスの皆にもマイクを向けて一緒にライヴを作っていることを体感させ、ライヴ開始から20分も満たない段階で「さくらんぼ」の披露と共に会場のテンションはリミッターを振り切り、おそらくこの『PIA SUPER LIVE GROOVE vol.11』の歴史の中でもNo.1を競えるベストライヴを作り上げてみせた。爽やかな元気っぷりとその楽曲&歌声の力が生み出す彼女の吸引力の力である。
「これからも良い歌をいっぱい作って、こうやって盛り上がってみたり、ジーンとしてみたりしたいです」と、今夜のライヴが楽しくて仕方ないこと、これからもこんな思い出をたくさん作っていきたいという想いのこもった言葉を皆に伝えると、彼女のブレイクポイントとなった記念すべき大塚愛にしか歌えないバラードナンバー「甘えんぼ」を歌い始める彼女。ドラマティックなバンドの演奏と共に、胸に募る想いの全てを込めて歌い上げる大塚愛の姿に皆感動。
今夜初のアンコールが巻き上がる会場。今夜彼女のライヴを体感して、まだまだ自分が彼女のことを過小評価していたことを実感させられた。もう日本中の音楽メディアが言ってることかもしれないが、ライヴを見終えた今、あえて言いたい。この娘、伸びる(笑)!!
セットリスト
【PIA SUPER LIVE GROOVE vol.11】
2004.3.25(木)at 六本木velfarre
- 01.桃ノ花ビラ
- 02.向日葵
- 03.pretty voice
- 04.さくらんぼ
- 05.甘えんぼ
Writer:平賀哲雄
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