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chayが語る、“春”を詰め込んだ最新シングル『大切な色彩』を通して伝えたいメッセージ
chayのニュー・シングル『大切な色彩』のテーマはズバリ“春”。軽快なアップ・ビート、カラフルなメロディとともに“青春の煌めき”を描き出した表題曲「大切な色彩」(富士フイルム #教室アルバム キャンペーン タイアップソング)、ノスタルジックな旋律と“私はここにいる忘れないで”というラインがひとつになったミディアム・チューン「With」、そして、松任谷由実の「最後の春休み」のカバーを収めた本作が2019年の春を鮮やかに彩る。
一瞬一瞬、すべてが愛おしい
――2019年最初の作品『大切な色彩』は、春らしさがたっぷり込められたシングルで、タイトル曲「大切な色彩」は、“青春の煌めき”が蘇ってくるようなポップ・チューンですね。
chay:最初にデモを聴いた時から「いいメロディだな」と思って、耳から離れなくなったんですよ。「ぜひこの曲を歌いたいです」とお伝えして、歌詞を詰めていって。タイアップ(富士フイルム #教室アルバム キャンペーン タイアップソング)のテーマが“青春”だったので、それを念頭に置いて、共作者のみなさんと「あーでもない、こーでもない」と話し合いながら作っていきました。いま28歳なので、(青春時代は)だいぶ前なんですけど、いろんなことを思い出して…。その頃を振り返ると、とにかくキラキラした日々が浮かんでくるんですよね。10代の時って、大したことじゃなくても楽しくて、お腹がよじれるくらい笑ったりしてたじゃないですか(笑)。がむしゃらに夢を追いかけていたし、すごくキラキラしていて、眩しい時期だったなって。でも、その当時は「いまはかけがえのない時期なんだ」なんて思わないで、ただただ一生懸命に生きていて。「大切な色彩」を通して、「青春は一瞬の儚い時間で、だからこそ大切なんだよ」ということを伝えられたらいいなって思います。
――確かに10代の頃は「これが青春なんだな」とは思わないですよね。何年か経って、大人になってから「あの頃は青春だったな」と分かるというか。
chay:そうなんですよね。私もこの曲の制作を通して、10代の頃のことをかなり思い出したし、「一瞬一瞬、すべてが愛おしいな」と感じて。ああいう素敵な時間って、大人になるとなかなか持てないので…。偶然なんですけど、シングルの制作のちょっと前に、帰り道の女子高生とすれ違ったんですよ。楽器を背負ってたから、たぶんバンドの練習の帰りだと思うんだけど、すごく楽しそうに笑い合いながら歩いてて。シンプルに「いいな。素敵だな」と思ったし、私もバンドをやっていたから、当時のことを少し思い出したりして。その後“青春”をテーマにした曲を作ることになって、「いいタイミングだな」と思いましたね。だから歌詞にも“帰り道”というワードが入ってるんです。
――なるほど。ちなみにchayさんが学生の頃にやってたバンドは、どんな曲を演奏してたんですか?
chay:洋楽も邦楽もやってましたけど、学園祭のためのバンドだったから、「1/3の純情な感情」で盛り上がったりしてましたね(笑)。あとは東京事変さんの曲とか。楽しかったですね、本当に。
――当時から「音楽の道に進みたい」と思っていたんですよね?
chay:はい。幼稚園のときから歌手になるのが夢だったので。高校の頃も「音楽をやりたい」と思っていたし。本格的に音楽を始めたのは19才の時だったから、わりと遅めのスタートだったんですけどね。
――では「大切な色彩」の話に戻って。この曲、かなりテンポが速いですよね。
chay:そうですね。たぶん、いままでにないくらい速いと思います。こういうシャッフルのリズムも意外とやってなかったから新鮮だったし、また視野が広がりました。サビのキーも高いし、テンポも速いし、歌うのはかなり難しいんですよ。エネルギッシュな曲なので、レコーディングでもあえて何度も歌わず、最初のほうのテイクを使ってます。フレッシュに歌ったほうがいいと思ったし、あまりテクニカルなことを考えすぎず、素直に歌うことを意識していたので。
▲chay「大切な色彩」 MUSIC VIDEO
――プロデューサーの武部聡志さんも、ボーカルをきれいに整えすぎず、瑞々しさを重視する方ですよね。
chay:確かにそうかもしれないですね。私は心配性なので、(レコーディングで)何度も歌いたくなっちゃうんです。ちょっとでも気になる部分があったら、「もう1回いいですか?」と時間が許す限りトライして。「大切な色彩」の場合はそうじゃなくて、その瞬間に生まれたものを大事にしているんです。武部さんも「少しピッチが外れていたり、タイミングがズレていたとしても、リスナーはそういうところにグッと来るんだよ」と話してくれて。武部さんとはよく音楽の話をさせてもらっているし、プロデューサーとしても全幅の信頼をしているので、すごく説得力があるんですよね。今回参加してくれたミュージシャンは若い方が多いんですけど、それも武部さんが集めてくださったんです。「すごくフレッシュなメンバーですね」と言ったら、「こういう曲はそうじゃないと」って仰ってました。
――武部さんのプロデュース・ワークもいい効果を生み出しているんですね。
chay:それはすごくあります。私と武部さんの出会いも面白いんですよ。19才の時に音楽活動を始めて、どうしてもデビューしたくて、いきなりお会いしたことのない武部さんのところに行って、「私の歌を聴いてください!」ってギターで弾き語りしたんです。
――すごいガッツ!
chay:デビューしたい気持ちが強すぎたんですよね。歌もギターも下手だったんですけど、武部さんも「あれはやってよかったよ」と言ってくれます(笑)。
リリース情報
chay 12thシングル『大切な色彩』
- 2019/4/24 RELEASE
- WPCL-13040 / 1,500円円(tax out)
- <収録曲>
- 01. 大切な色彩
- 02. With
- 03. 最後の春休み
公演情報
【chay’s room vol. 12 ~One Mic, One guitar~】
- 2019/5/15(水)福岡 Gate's7
- 2019/5/16(木)大阪・心斎橋 Music Club JANUS
- 2019/5/24(金)東京・渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
プロフィール
<chay>
1990年10月23日生まれ。2012年『はじめての気持ち』でデビュー。2014年5月より『CanCam』専属モデルとしても活動する。2015年2月にリリースされた「あなたに恋をしてみました」が、50万ダウンロードを突破し大ヒット! 昨年12月に発売されたCrystal Kayとのコラボ・シングル『あなたの知らない私たち』も大きな話題を呼んだ。
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どんどん新しいことにチャレンジしたい
――2曲目の「With」は、“一緒にいたい”という切ない恋心を描いたミディアム・チューンです。作詞作曲はCrystal Kayさんの「恋におちたら」も手掛けた坂詰美紗子さんですね。
chay:去年、Crystal Kayさんとコラボレーションさせていただいて(「あなたの知らない私たち」/chay feat.Crystal Kay)、改めてCyrstal Kayさんの楽曲を聴き直したんですけど、坂詰さんの曲はやっぱり素敵だなと思って。「恋におちたら」はJ-POP史上に残る名曲だし、私もぜひ坂詰さんの曲を歌いたいと思ってお願いさせていただきました。“春”というテーマがありつつ、私のイメージで書いていただいたんですけど、曲を聴いた瞬間に「お願いして良かった」と思いました。かなり起伏があるメロディ・ラインで、いままで歌ったことがない感じだったんですけど、私の声にすごく合っていて。すごく刺激を受けました。
――そして3曲目には松任谷由実さんの「最後の春休み」のカバーが収録されています。アルバム『OLIVE』(1979年)に収録された楽曲ですね。
chay:“春を詰め込んだシングル”というテーマだったので、春らしい曲をカバーしたくて。「最後の春休み」を勧めてくださったのは武部さんなんです。以前、ユーミンさんの「12月の雨」をカバーさせてもらったこともあるし、私としてもぜひ歌ってみたくて。両親もユーミンさんの大ファンなので、すごく喜んでくれました。初めて見たライブも、両親に連れていってもらったユーミンさんのライブなんですよ。
――物心つく前から親しんでいたんですね! アコギとピアノだけのシンプルなアレンジもいいですね。
chay:私と武部さんの2人だけで「せーの」で録音しました。この時も最初の1~2回のテイクでOKが出たんじゃないかな。楽器のレコーディングはすぐに終わったんですけど、歌録りにはかなり時間がかかりましたね。武部さんに「あまり歌に感情を入れ過ぎないほうがいい」とアドバイスしていただいて。物語のようになっている歌詞なので、その情景を想像しながら歌うと、どうしても感情移入してしまって。でも、「自分の世界で歌うのではなくて、曲を聴いている人がストーリーに入り込めるような歌にしてほしい」と。私はいままで感情をしっかり込めて歌うことが多かったから、「こういう表現もあるんだな」と新しい発見でしたね。武部さんはユーミンさんのライブのバンマスでもあるので、並々ならぬ思い入れがあって。すごくいいレコーディングだったと思います。
――ユーミンさんは45周年の全国ツアーの真っ最中ですね。
chay:私もぜひ見に行きたいと思ってます。デビューしてからはときどきお仕事でご一緒することがあるんですけど、いつもパワフルだし、本当にすごい方だなって。
――そうですよね。ちょっと話が逸れますが、去年のライブでユーミンさんが、「みなさんが私の曲を歌ってくれているのを見て、“みんな、知ってくれてるんだな”と初めて実感できた」と話していたのも印象的でした。国民的なアーティストなのに、そんなふうに感じるんだなと。
chay:ホントですね。雲泥の差ですけど、「あなたに恋をしてみました」をライブで歌うと、同じようなことを感じます。50万DLしていただいたんですけど、最初はなかなか実感が湧かなかったんです。でも、どのイベントで演奏してもお客さんが一緒に歌ってくれるし、「こんなに知ってくれてるんだな」って。元気で明るい曲なんですけど、みなさんが歌ってくれてる姿を見ると、感極まってグッときちゃうんですよ。
――楽曲を知ってもらえていることを実感できるのは、やはりライブなんですね。
chay:そうですね。去年の12月に初めて台湾でライブをやらせてもらったんですけど、やっぱり「あなたに恋をしてみました」を一緒に歌ってくれて。海外の方が大合唱してくれるのが信じられなかったし、すごく感激しましたね。
――最後に今後のビジョンについて。今回のシングル「大切な色彩」はchayさんにとっても多くの発見や刺激に溢れた作品だと思いますが、この後の制作やライブにも良い影響があるのでは?
chay:そうですね。前回のシングルもそうですけど、最近、新しい曲を作るたびに「今までにない曲ですね」と言ってて(笑)。自分で作るのも楽しいし、必要なことだと思いますけど、どうしても好きなコード進行や曲の展開にいきがちなんですよ。新しく出会ったクリエイターの方と一緒に作業すると、自分からは出てこないコード進行やメロディに触れることができるし、そのたびに刺激を受けます。そういう曲はライブでも映えるし、ファンのみなさんにもバラエティ豊かなステージを楽しんでもらえると思うんです。これからもどんどん新しいことにチャレンジしたいし、新しいchayを感じてもらいたいですね。
――期待してます! ちなみにchayさんにとって、春を感じることって?
chay:お花見かな。桜もきれいだし、外でビールを飲むのが好きなので(笑)。
Interview by 森朋之
Photo by Yuma Totsuka
リリース情報
chay 12thシングル『大切な色彩』
- 2019/4/24 RELEASE
- WPCL-13040 / 1,500円円(tax out)
- <収録曲>
- 01. 大切な色彩
- 02. With
- 03. 最後の春休み
公演情報
【chay’s room vol. 12 ~One Mic, One guitar~】
- 2019/5/15(水)福岡 Gate's7
- 2019/5/16(木)大阪・心斎橋 Music Club JANUS
- 2019/5/24(金)東京・渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
プロフィール
<chay>
1990年10月23日生まれ。2012年『はじめての気持ち』でデビュー。2014年5月より『CanCam』専属モデルとしても活動する。2015年2月にリリースされた「あなたに恋をしてみました」が、50万ダウンロードを突破し大ヒット! 昨年12月に発売されたCrystal Kayとのコラボ・シングル『あなたの知らない私たち』も大きな話題を呼んだ。
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