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妄想キャリブレーション『妄想道中膝栗氣 ~moso traveling~』インタビュー
日本中~世界中をひたすら駆け巡るアイドル旅団・妄想キャリブレーションと各メンバーの生き様にフォーカスしつつ、その道程が歌になり音楽となった1stメジャーアルバム『妄想道中膝栗氣 ~moso traveling~』についても語ってもらいました。ファンはもちろん、妄キャリとまだ出逢っていない人たちにもぜひご覧頂きたいです。
参加メンバー:
胡桃沢まひる
桜野羽咲
星野にぁ
雨宮伊織
水城夢子
キッチンで働きたいのになんでステージで歌わなきゃいけないんだろう
--今回は妄想キャリブレーション(以下、妄キャリ)とまだ出逢っていない、これからファンになってくれるかもしれない皆さんに向けたインタビューが出来たらと思っているんですが、2013年結成当初からの唯一のメンバーである胡桃沢まひるさんは元々どんな想いがあってこの世界へ飛び込んだのでしょうか?
妄想キャリブレーション 「妄想道中膝栗氣~moso traveling~」OFFICIAL TRAILER
--ディアステージ(以下、デイアステ)の?
胡桃沢まひる:はい。ディアステで働くのも歌うのも楽しくかったんですけど、当初はバイトの一環としか思っていなくて、4年で絶対辞めようと思っていたんです。何故ならアイドルのこともよく知らないから。ただ、アニメオタクだったので、それでディアステを知って入ったんですけど、そこに居たでんぱ組.incさんも本当に結成されたばかりの頃だったんで、お客さんもほぼ居なくて、チラシ配りに行っても誰も受け取ってくれない。でもそんな状況からでんぱ組.incさんがどんどんどんどん登り詰めていって、恵比寿リキッドルームとかで「武道館目指す」と宣言した通り有言実行していったんですよね。その姿を見て、アイドルの頑張っている輝きに魅せられて「人として心を動かすことが出来る職業がこんな身近にあったんだ!」と気付かされたんです。--それがひとつの目覚めだったんですね。
胡桃沢まひる:やっぱり誰しも幼い頃は「有名になりたい」って煌びやかな世界に憧れると思うんですけど、でんぱ組.incさんの頑張っている姿を裏側から見た上で、その眠らせていたキラキラした芸能活動やアイドルに対する想いが蘇ってきて「私も真剣に取り組みたいな」とオーディションを受けたのがはじまりです。--そして妄キャリのオリジナルメンバーとして活動し続けていくことになる訳ですね。そもそも妄キャリはどういった経緯で結成されたグループなんでしょう?
胡桃沢まひる:ディアステ内でのオーディションがあって、そのオーディションでアイドルユニットを作りたいともふく社長(もふくちゃん/福嶋麻衣子)が思っていて、同じくアイドルユニットを組みたい3人の女の子によって結成されたんです。--そこへ星野にぁさんと桜野羽咲さんが3ヶ月遅れで加入。星野さんはどういった経緯でアイドルになろうと思ったんでしょう?
妄想キャリブレーション「旅は君連れ世は情け」 星野にぁver.
--桜野さんは?
桜野羽咲:私はソロのシンガーになるのが夢で、今も夢なんですけど、歌をうたうところとしてディアステに入ったら、なんかよく分からないまま謎のオーディションを受けさせられまして。断ったんですけど、当時社長のもふくさんに「ステージに立って名前言うだけでいいから」と言われまして、それで名前を言って、歌もうたったんですけど、そこで「ダンス踊れる?」「いや、踊れないです」「アイドルやりたい?」「いや、ソロシンガーになるのが夢なんで、アイドルとか全然やる気ないです」「1週間で3曲覚えられる?」「いや、覚えられないですから! ダンスやったことないんで無理です!」みたいな噛み合わないやり取りがあって(笑)、それでオーディションは終わったんですけど、その夜に「今日、もふくさんから連絡行くから」って言われて、私は散々嫌がったからディアステをクビになるんだと思ったんです。そしたら「妄想キャリブレーションというグループに入らない? アイドルグループなんだけど」と言われて。--凄いですね。散々「アイドルはやらない」と言ってるのに(笑)。
妄想キャリブレーション「旅は君連れ世は情け」 桜野羽咲ver.
--そして、その翌年10月に雨宮伊織さんと水城夢子さんが加入。
雨宮伊織:私はちょうど就職先を探している時期で、インターンとしていろんなところで働いてみたいと思っていて、その中のひとつがディアステで。で、私、最初、キッチン志望だったんですけど…… 星野にぁ:そうなんだ(笑)? 雨宮伊織:面接に行ったら何故か女の子が15人ぐらいいて、面接というよりはオーディションの雰囲気だったんですよね。ひとりずつ自己アピールとかしていて「私、キッチンで働きたいだけなのに何してんだろうな?」「なんでステージで歌わなきゃいけないんだろう? どんなキッチンだよ!」と思って(笑)。で、その日に「妄想キャリブレーションに入らない?」と言われて、私はそのとき就職する気満々だったんですけど、「あ、私はあの中から選ばれたんだな」という優越感もあって……断るのももったいないなって!--気持ち良かったんですね(笑)。
雨宮伊織:それで入ることにしました。- アイドルはきっと人に愛されることが仕事なんだなって
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:Jumpei Yamada
アイドルはきっと人に愛されることが仕事なんだなって
--続いて、水城さん。
妄想キャリブレーション「旅は君連れ世は情け」 水城夢子ver.
--「有名になれば好きなことが出来るだろう」と仰いましたけど、どんなことを有名になったらやってみたいと思っていたんですか?
水城夢子:テレビに出たい。とにかくそれです。テレビ大好きだし、面白いし、「観ててこんなに面白いんだったら、テレビの中にいる人たちはもっと面白いんだろうな」と思っていて、それを仕事に出来るなんて良いなって。逆に「なんでみんなそう思わないの?」ぐらいに思っていましたね。「テレビ、好きでしょ?」みたいな。--そんな水城さんと雨宮さんもアイドル歴4年目になる訳ですが、これだけの期間続けてきて「アイドルってどんな仕事だな」と感じていますか?
胡桃沢まひる:光と影。一同:(笑)
星野にぁ:闇が深い! 聞いてるだけで闇が深い(笑)。--どんなところに光と影を感じるのか、具体的に教えてもらってもいいですか?
妄想キャリブレーション「旅は君連れ世は情け」 胡桃沢まひるver.
--1+1=2とは限らない仕事ですよね。
胡桃沢まひる:それが訳分からなくて! ずっと勉強しかしてこなかった自分にとって、それが正解じゃないということが訳分からな過ぎて、だから「本当の自分とは?」みたいなことで考え出しちゃうし、悩むこともすごく多くて。それが実際にアイドルになったことで分かった苦しさというか、影の部分。でもその分、普通じゃ出来ないこともあって、こんなに可愛く居られるのはアイドルをやっているからだし、たくさんの人から褒められたりとか、努力したことがCDという形に残ったりとか、アニソンが歌えたりだとか、自分が好きなモノの中に入れたりとか、自分がやりたいことをやれるというのは、本当に光の部分だなと思います。--元々キッチンで働こうと思っていた雨宮さんは、これだけ長くアイドルを続けてきてどんなことを感じていますか?
妄想キャリブレーション「旅は君連れ世は情け」 雨宮伊織ver.
--元々アイドルに憧れていた星野さんは、実際にアイドルになってみていかがですか?
星野にぁ:アイドルは元気とか夢を与える仕事だと思っていたんですけど、4,5年やってきて思ったのは、アイドルはきっと人に愛されることが仕事なんだなって。曲が良い、ダンスが格好良い、歌が上手い、そういうことももちろん大切だと思うんですけど、その子のことが好きだったらきっとライブに行きたいと思うだろうし、どんな場所にでも行くし、その子のことを考えて「こういう風に言葉をかけたら喜んでくれるだろうな」と思ったりするだろうし、そうやって人に愛されることが大切なお仕事。それはファンだけじゃなくて、一緒にお仕事しているスタッフさんも。愛されて撮影してもらったり、曲を作ってもらったほうがきっと良いモノって出来ると思うので、他の仕事といちばん違うところはそこなんじゃないかなと思います。やっぱりアイドルは自分自身が商品なので、自分自身が愛されないといけない。--水城さんはどうでしょう?
水城夢子:皆さんに共感ですね~。一同:(笑)
水城夢子:私はバイトとかしたこともないし、大学も行ってないし、この仕事しか経験がないんですけど、周りの21歳と比べてみても、こんなにいろんなところに行けている人は少ないし、こんなにいろんな経験を積ませて頂いているし……でも私は他の仕事をやることになったら生きていけるんだろうかと思うんですよね。だからアイドルは私の人生です。ライフです。アイドル・イズ・マイ・ライフ。--元々アイドルになるつもりのなかった桜野さんはどうですか?
桜野羽咲:歌で何かを表現したいと元々思っていたんですけど、アイドルはライブ以外にも特典会とかいろんな活動をするじゃないですか。そういういろんなことで自分を表現できるんだなと知って、すごく魅力的な仕事だなと思います。元々は歌をうたいたい気持ちしかなかったから、ダンスもめちゃめちゃ嫌いだったし、妄キャリはフットサルもやっているんですけど、それもめちゃめちゃやりたくなくて。そもそも歩くのも嫌いだし、だから走りたい訳がないし、本当に歌以外何にも出来なくて。でも人って歌で元気もらったりしますけど、そのアーティストやアイドルが頑張っている姿を見て「私も頑張ろう」と思ったりもするじゃないですか。だから自分も誰かの支えになりたいし、自分に恥じないお仕事への向き合い方をしたいなと思って、それからはダンスでもフットサルでも何でも頑張って、いろんなことで自分を表現していきたいと思うようになりました。リリース情報
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:Jumpei Yamada
世界一移動時間の長いアイドル「たしかにバンドマンっぽい!」
--そんな5人から成る妄キャリ、今現在アイドルシーンの中でどんなグループになれていると思いますか?
雨宮伊織:なんかアイドルって比べるの難しいですよね。集客、メジャーデビューしてるしてない、売り上げ、いろんな比較要素はあるけど…… 胡桃沢まひる:でも今いちばん「駆け巡るアイドル」と言ったらウチらなんじゃないかなと思います(笑)。 雨宮伊織:そうだね、たしかに。 胡桃沢まひる:そこは譲れないというか、どこを探してもウチらしか居ないだろうなと思います。「私たち、ライブが熱いんです」とか「私たち、個性的なんです」とか言う人はすっごいたくさんいるし、でもそれって測れるモノじゃないと思うんですけど、妄キャリの移動距離は測れるし(笑)、絶対にどこにも負けないなと思います! 水城夢子:移動時間と移動方法のハードさでいったらどこにも負けない。 桜野羽咲:どこを探してもいない。 胡桃沢まひる:世界一移動時間の長いアイドル。 星野にぁ:それから得たモノも大きいしね。--ギネス申請したほうがいいんじゃないですか。
胡桃沢まひる:ちゃんと測っておけばよかった(笑)! でも本当に他にいないと思いますね。こんなに車の中で長いこと一緒に過ごし続けているグループなんて絶対いない。 星野にぁ:1日、車の中で過ごすこともあるしね。 胡桃沢まひる:だから密接な関係になれたところもあって。家族みたい。 雨宮伊織:変に馴れ合わなくてもお互いのことが分かってる。--実際に今現在も47都道府県ツアーの真っ最中ですからね。
雨宮伊織:バンドみたい。--なんとなくライブバンドにインタビューしているみたいな気分です。
胡桃沢まひる:アハハハ! 水城夢子:たしかにバンドマンっぽい!--今回のアルバム『妄想道中膝栗氣 ~moso traveling~』のコンセプトも旅ですし、姿勢が一貫されてますよね。
胡桃沢まひる:このアルバムは妄キャリの未来と過去と今を表していて、これを聴けば私たちのことを網羅できる作品になってると思います。振り幅が凄くて、世界を旅してる妄キャリのシーンを切り取っていたり、日本を旅しているシーンを切り取った「旅は君連れ世は情け」みたいな曲も入っていますし、そして昔から携わって下さっている利根川貴之さんの楽曲もあれば、これから世界にもっと羽ばたきたい私たちの想いを表しているゴリゴリのEDMナンバーも入っていたりとか、このアルバムを聴いたら妄キャリのすべてが分かると思います。--アイドルって音楽において何をやってもOKという強みがあるじゃないですか。それをここまで見事に体現しているアルバムもそうそうないですよね。本当に全部やってる。星野さんはどんなアルバムだと思いますか?
星野にぁ:半分ぐらいは作詞に関わらせて頂いていて、私たちだけで丸々1曲作詞しているモノもあったり、伊織が作曲してくれたモノも入っていて、かなりリアルな私たち自身を感じられる曲が集まっているので、私たちと同年代の女の子にも刺さると思うんですよね。最近の女の子って強い女の子が多いと思うんですよ。私たちのライブに来て下さる女の子たちも男性の方に負けないぐらい強く愛してくれていたりするので、そういう部分で共感してもらえるアルバムでもあるのかなって。あまりアイドルの作品と思って聴かず、そこを取っ払って、20代の女の子たちが作ったアルバムとして聴いてほしいですね。自信作です。--元々ソロシンガー志望の桜野さんからすると、これだけあらゆるジャンルの楽曲を歌えるのはどんな気分なんですか?
桜野羽咲:もうしあわせです!一同:(笑)
桜野羽咲:このアルバムを制作するにあたって、事前の打ち合わせから私たちの意見を取り入れて……いや、取り入れるどころか一緒になって考えてくれるんですよ! おんなじ熱量で、スタッフさんたちが。それがすごく嬉しくって。インディーズのときはもらった曲を表現するという力をつけさせてもらったんですけど、ソニーさんと一緒にやらせて頂けるようになってからは自分で考える力がついて。自分たちに何が表現できるか、自分たちに何が届けられるのか考えて考えて、それで海外とか47都道府県ツアーとかまわって出てきたモノが今回のアルバム『妄想道中膝栗氣 ~moso traveling~』なんですよね。で、このアルバムがまた私たちをいろんなところへ、それは場所もそうだしパフォーマンス面もそうだし、連れて行ってくれるんじゃないかなと期待できる1枚になりました。--そんな今作より「旅は君連れ世は情け」のMVを制作されたそうですが、こちらは「旅≒人生」がコンセプトになっていて、メンバー5人それぞれの映像をひとつにすると横型のMVが完成する仕組みになってるんですよね?
妄想キャリブレーション「旅は君連れ世は情け」 Short ver.
--そのMVもそうですし、今回のアルバムやツアーもそうですけど、もはや妄キャリのコンセプト自体が旅なんじゃないですか?
胡桃沢まひる:おぉー!! そうなったらいいなって思います。ずっと旅していたい。それで大きく海外にも羽ばたいて、飛行機もいっぱい乗って、車もいっぱい乗って……もいいんですけど! 星野にぁ:新幹線も乗りたいね(笑)! 胡桃沢まひる:次のツアーでは新幹線に乗れるように頑張ります!--でも車のほうが似合うんじゃないですかね?
胡桃沢まひる:まぁバンドみたいなもんですからね(笑)。 雨宮伊織:夜行バスがいい。眠れるやつ。 胡桃沢まひる:じゃあ、夜行バス買おう!一同:(笑)
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:Jumpei Yamada
妄想道中膝栗氣 -moso traveling-
2018/03/14 RELEASE
SRCL-9682/3 ¥ 3,972(税込)
Disc01
- 01.旅は君連れ世は情け
- 02.Hey Yo!
- 03.ちちんぷいぷい♪
- 04.Bang Bang No.1
- 05.熱情 ’18
- 06.アンバランスアンブレラ
- 07.桜色ダイアリー
- 08.青春プロローグ
- 09.まじでもういや
- 10.only my railgun
- 11.妄愛花吹雪
- 12.激ヤバ∞ボッカーン!!
- 13.back stage
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