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BiS『WHOLE LOTTA LOVE / DiPROMiSE』プー・ルイ卒業&新体制初インタビュー
2011年のBiSデビューよりリーダー兼ヨゴレ担当として数多の伝説を残してきたプー・ルイが、3月4日の両国国技館ワンマンライブにて卒業。そして、BiSは完全なる新体制(キカ・フロント・フロンタール、ペリ・ウブ、アヤ・エイトプリンス、ゴ・ジーラ、パン・ルナリーフィ、ももらんど)での活動をスタートする。この歴史的瞬間にビルボードジャパンでは、プー・ルイ卒業インタビューと新体制初インタビューを敢行した。
BiS『WHOLE LOTTA LOVE / DiPROMiSE』
プー・ルイ卒業インタビュー
変わっていた世界「……私の知ってるBiSはもう無くなった」
--プー・ルイさんに初めて単独インタビューしたのは、2011年の『primal.』リリースタイミング(http://bit.ly/1tLvnfG)でした。「8割は使えないと思いますよ(笑)。」と言っていたのに120%掲載されるという……
--旧BiSのインタビューはどれも今読むと「よくこのまま載ったな」と僕も思いますし、今回もそのノリで行ければと思うんですけど、そもそもなんで卒業しようと思ったんですか?
プー・ルイ:そもそも?「なんで」って言うのがもう分かんなくて……でもいろいろ考えたんですよ、哲学的に。--プー・ルイが哲学?
プー・ルイ:いや、哲学じゃないかもしれない(笑)。プー・ルイなりの観察? 理由はないんです。「これだ!」っていう理由はたぶんない。なんか「これだ!」って言ったら嘘になるとどれも思うんですよ。自分でも「なんで辞めるんだろう?」って思うし……自分で決めたんですけどね! いや、理由はいっぱいあるんですよ。それを総じたもの。言うならば「時が経った」っていう感じですね。--哲学的というか、抽象的過ぎる。
プー・ルイ:ハハハハ! すべてのことには矛盾があるじゃないですか。本音と建前ってあるじゃないですか。でもどっちも本音じゃないですか。汚いほうと綺麗なほう、みたいなものがいつもある訳で。人間は。それのどっちを出すか、みたいなところがあるじゃないですか。でも出したほうが本音になるんですよ。だから私は綺麗なほうを出して辞めていきます。今回ばかりは! ということを決めました。--なんで「綺麗なほう」にしようと思ったんですか?
プー・ルイ:自分を良く見せるため。--(笑)。でもプー・ルイさんは卒業発表の際「後輩たちがなかなか越えられないようなBiSを作るっていう壮大な嫌がらせを最後にして、私は居なくなりたいと思います」と仰っていましたよね?
プー・ルイ:はい! それはします! やっぱりそれはしないとダメだと思うから。「プー・ルイがいないBiSはBiSじゃない」と言われないといけないと思うんですよ。いっぱい叩かれるべきだと思うから。これは嫌がらせというか、それを乗り越えてきたのがBiSなので。「ユケがいないBiSはBiSじゃない」「ユフちゃんがいないBiSはBiSじゃない」って私だって言われてきたじゃないですか。「こんな丸く収まってるのはBiSじゃない」とか。そういうのと戦ってきたのがBiSだと思うから、それは言われるべきだなと思う。あと、最終的に忘れるって私は分かってるんで。今言ってるだけなんで、オタクは(笑)。--「プー・ルイがいないBiSはBiSじゃない」という感覚も忘れていくと。
プー・ルイ:今は悲しいと思いますよ、本当に。まさか私が辞めるとは思っていなかったと思うし。だからそれは本音だと思うけど、どうせ変わっていくものだから、そこに対してのネガティブな感覚はない。ちゃんと活動していれば「今のBiSも良いよね」ってどうせ言われていくので……。そうじゃないですか?--「○○じゃなきゃBiSじゃない」と言われてきても結局BiSは続いてきた。それはそうなんですけど、でもプー・ルイはそのストーリーの真ん中を歩いてきた人じゃないですか。何があっても真ん中に居続けた。だから一概に「そうですね」とは言えないなって。
プー・ルイ:「BiSをもう一度始める」と言って始まったBiSHも、最初は「こんなの、BiSじゃない」って言われてきたと思うんですよ。常にそうやって何かと戦っているものなんで、アイドル自体が。だから「戦えるかどうか」ですよね。別にそこに対して心配はしてないし、戦地にいきなり放り込まれたら誰だって戦うじゃないですか。戦わないと死んじゃうから。--これからのBiSを背負っていく後輩たちは、その戦地でどう戦っていくんでしょうね。どんな風に立ち回れそう?
プー・ルイ:ちょっと予想はまだ出来ないですけど、今はBiSHもいてGANG PARADEもいて、そういった他のグループと戦わされることは経験しているし、そういう場面になったら頑張れたり……そもそも合宿もそうだし、そこで勝てた子が新メンバーとして入ってきているので。あと、今のBiSはBiSって名前だけど、違うBiSになっていくと思っているから。私が作ってきた、いつも戦ってるBiSは……本当に無駄に戦ってる部分があったんで(笑)。それは別にしなくてもいいのかなと思うところもあって。WACKが大きくなっていっていて、ちゃんとしたところでちゃんと戦えばいい状況になってると思うから。ちゃんと練習をして、ちゃんとしたものをライブでやって、今ってそれで良いじゃないですか。そういう流れもあるから……私の知ってるBiSはもう無くなった。--そうですね。
プー・ルイ:BiSを復活することになったけど、そのBiSはもうあのBiSじゃなかったんですよね。それは全然悪いことじゃなくて。--プー・ルイの根底には「あの頃のBiS」が当然ながらありますもんね。でも新しいBiSが始まるまでにBiSHのブレイクがあって、ギャンパレのBiSとは違うスタイルもあって、当時とはやり方も在り方も変わっていて。「あの世界に戻ろう」と思って戻ってきたんだけど、その世界はもう「あの世界」ではなかった。
プー・ルイ:そうですね。すごく大きくて、それが。サキちゃんはその変わっていく様を見ていたじゃないですか。POPとかギャンパレとかWACKの中にはいて、BiSHがどんどん大きくなっていって、今までといろいろ変わっていくところを感じていたと思うし、自分も変わらなきゃなと思ってやってきただろうし、変化していく過程を体感していたんですよ。でも私はバンドでデビューして、渡辺さん(※WACK社長/BiSプロデューサー)と松隈さん(※SCRAMBLES社長/BiSサウンドプロデューサー)とは不本意で離れた部分もあったので、あんまりWACKのことを見ないようにしていたんですよね。だから「もう1回やろう」と言われたときに始まると思っていたモノとはちょっと違うと感じてしまった。最初の合宿オーディションは旧BiSに寄ってましたけどね(笑)。--渡辺さんもそこにしっかり居て、嫌な役もちゃんとやって、それにプー・ルイがギャーギャー言って、他のメンバーが泣くみたいな感じは、以前のBiSっぽかったですよね。
プー・ルイ:だからそのときは「始まったな!」って感じだったんですけど、オーディションが終わっていざ動き出したら「あれ?」みたいなところは正直ありましたね。でも1年半やってて「なんか違うな」とは思っていながらも分からなかったんですよ。100キロマラソンやってても「なんか違う。なんでみんなあんなに速く走る? クソ速ぇ!」みたいな(笑)。車中泊ツアーやっても「なんか違う。もっとヤバい空気が流れて、メンバー全員狂って、スタッフさんたちも全員狂う企画だったのになぁ。狂ったの、私だけ!」みたいな。あの辺までは渡辺さんも旧BiSのノリでやってくれていたと思うんですけどね、それらの企画が終わったあとに「違ったね」ってメールが来て。「新しいBiSを作らなきゃね」みたいな……。--でもプー・ルイだけがダイエット企画も含め「あの頃のBiS」をひとりでやり続けている印象はありました。
プー・ルイ:独りで戦っている感は半端なかったですね(笑)。--あの頃のBiSは殺伐としていましたし、メンバー間の仲が悪い時期もあったんで、それこそ全員が独りで戦っている感覚だったと思うんですけど、でもみんなその孤独を共有していたじゃないですか。嫌い合っていても、同じように孤独な戦いをしていたから、いざ誰かが辞めることになったら何とも言えない気持ちになって……
プー・ルイ:最後は肩を抱き合って「辞めないで!」みたいな。それは最初にりなはむが辞めていく時点であったじゃないですか(笑)。あの感じとはやっぱり違いますね。--それは、BiSやWACKが変わったところもあると思うんですけど、その前に時代が変わったんでしょうね。
プー・ルイ:アイドルシーンが変わってて、BiSが復活してからアイドルイベントに出たら知らない子ばっかりで。そもそも昔から対バン相手のアイドルに興味はないんですけど、なんか肌感で「あ、みんな居なくなってるな」というのは分かって。あと、BiSは新生アイドル研究会じゃないですか。で、これは研究した結果なんですけど、BiSが解散する2014年まではハチャメチャなのが良かったし、ダンスの振りが揃ってなくても頑張ってアイドルやってる姿に惹かれていたりとか、BiS以外にも王道じゃないアイドルが流行ってた。でも2016年に戻ってきてみたらその反動で正反対になっていたんですよ。モーニング娘。がもう1回流行ったりとか、AKB48ではなくて坂道(乃木坂46/欅坂46)が前に出てきていたりとか、ちゃんと綺麗な正統派が評価されていたりとか……だからビックリしました。「やべぇ! 私たち、綺麗じゃねぇな」って(笑)。--当時はそういった王道に対するカウンターが面白がられて、BiSはその代表格でしたからね。でも今はそのカウンターが成立しづらくなってきた。
プー・ルイ:でもきっとそうなるべきだったし、BiSが2014年に解散せずに続いていたんだったらそこに行くべきだったと思うし、ウチらは当時から「ロックだ、パンクだ」って言われていたじゃないですか。あれは全裸で走ったからそう言われていた訳ではなくて、曲だったりライブだったり……--その在り方ですよね。
プー・ルイ:うん。そこから上手く推移していれば、たぶんついていけたんですけど。--とも捉えられるし、その文脈で言うと、あのBiSはやっぱり2014年7月8日で……
プー・ルイ:終わった!- あの頃のプー・ルイ「……格好良い。あんなにひとつのことを楽しいと思って」
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リリース情報
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:内山直也
あの頃のプー・ルイ「……格好良い。あんなにひとつのことを楽しいと思って」
--ちゃんと終わってたんだよね。横浜アリーナ(http://bit.ly/1qqUMcn)でしっかり終わってた。だから今のBiSはちゃんと新しいグループなんですよね。
プー・ルイ:それに気付けなかったんですよね。だから独りで抗ってました(笑)。でも「ちゃんとライブやらなきゃいけない」とかは、それってあたりまえのことだから、そこを頑張りたくないとかは別になくて。そこは昔のBiSもわざと変にしていた訳じゃないから! 頑張っても出来なかった(笑)。いかんせん、自分も歌は大好きだから頑張っていたけど、ダンスは好きじゃなかったし。--ちなみに、いつ頃「もうBiSは変わったんだ」と確信したんでしょうか?
プー・ルイ:ペリが腸炎で入院したときに、次の日にみんな呼ばれて「BiSHとギャンパレに代替公演をやらせようと思うんだけど、どう?」って渡辺さんに言われたんです。そのときに「俺はBiSはずっと続いていかせようと思っているから、10年20年続くグループにしたい。それはBiSHにもギャンパレにも出来ないし、BiSにしか出来ないと思う」と言ったんですよね。憶えてるか分かんないですけど(笑)。そのときに「え、そういうグループにしたいんだ?」って思って。--「あ、モーニング娘。にしたいんだ?」と。
プー・ルイ:そうそう! それに対して否定的に何か思ったりはしなかったんですけど、そこで「自分がいないBiSもあるんだな」って。よく「子供を抱えながら「nerve」踊る」とかふざけて言ってたけど、アイドルという体(てい)を成すんだったら無理じゃないですか。それこそ「BiSママ部」みたいな別モノにしないと無理だってことは、さすがにそこまでバカじゃないんで分かるから。で、そのあと決定的に思ったのは、私がダイエット企画に失敗して活動休止になって「なんで頑張れなかったんだろう?」と。時間があるとそういうことを考え始めるじゃないですか。そのときに「自分が好きだったBiSではなくなっていたんだな」っていうところに着地したんですよね。で、渡辺さんとも話した結果、BiSがそういうものじゃなくなっている部分もあるし、っていうことは「BiSが私を必要としなくなった」ということにもなるなと思ったし。お互いにやりたいことがマッチしなくなっていた。--面白いなと思うのは、プー・ルイは元々「モーニング娘。みたいなアイドルグループを組みたい」と思ってBiSを立ち上げて、その未来に渡辺さんが「10年20年続くグループにしたい」とモーニング娘。的な構想を持つようになって、でもそうなるとプー・ルイにとってBiSは必要なモノじゃなくなるという……
プー・ルイ:ハハハハ!--モーニング娘。を目指していたけれども、BiSの人になっていたということですよね。
プー・ルイ:そうですね。だって、どう考えてもモーニング娘。にはなれないですからね! 高橋愛みたいに可愛い人が今までBiSに居ました?--プー・ルイぐらいしか居ないんじゃないですか?
プー・ルイ:そうなんですよ。私だけなんで(笑)。--まぁでもここまでの話を聞いていると、「戦争はまだ続いている」と思っていたら終わっていた人の話ですね、これ(笑)。
プー・ルイ:だから(新作のアートワークで)ゾンビになってるじゃないですか(笑)。で、新体制のBiSは可愛いアー写じゃないですか。ただ、この話を聞いて誤解しないでほしいのは、BiSは別に終わってない。--メンバーが変わっても、ムードが変わっても、長く続いているグループがみんなそうであるように、形は変わっても続いていく。その為にプー・ルイの卒業も必要だった。
プー・ルイ:そうですね。合わなくなっている以上やっててもね、お互いにツラいだけなんで。「なんでやれないの?」というのと「なんでこうじゃないの?」っていう、そこは平行線じゃないですか(笑)。--ま、要するに「プー・ルイは変われなかった」ということですよね。
プー・ルイ:そうですね。--今のBiSに迎合できなかった。それを「ダサい」という人もいるでしょうし。達成していない目標もありますしね。でも今の話を聞いていて納得したというか、やっぱり象徴的な人だったんですよね。
プー・ルイ:だから変われなかったんですよ。それゆえに頑張れなくなってて、それだったら辞めてしまおうという。--そこに悔しさはあるの?
プー・ルイ:もうないんですよ。--清々しさ?
プー・ルイ:清々しさ。「こんなBiSならもう要らない」っていう(笑)……載せられるか分かんないですけど! ヒール役を買って言うと!「前のプー・ルイだったらこうやって言うだろうな」っていうところで言うと、たぶんそういうこと。奴ならきっとそう言う。--その「奴」と表現した前のプー・ルイは、どんな奴だったなと思いますか?
プー・ルイ:えー……ツンケンしてた。(涙ぐみながら)……格好良い。あんなにひとつのことを楽しいと思って…………そこが今は出来ないから。私がこれからもBiSとしてやっていくと、ああはならないんですよ。悪にはならないと思うし。この先も言うことを聞いてやっていけば売れるかもしれないし、WACKは今勢いに乗っているから、BiSHの流れに乗ってBiSも引っ張られて売れるとは思うんですよ。でもそれはイヤなんですよね! それをイヤだと思っちゃったから……私が引っ張っていけないとイヤだから。--それは新しくBiSが始まった頃から言ってましたよね。
プー・ルイ:ちょっとタイミングが遅かったですね。--かもね。でもこればっかりはね。
プー・ルイ:そう。だからもう辞めます。みんなはそれで良いと思うし、売れるってそういうことだと思うけど、BiSのプー・ルイとしてその売れ方は許せなかった。「じゃあ、その位置を逆転してやればいいじゃん」という話だとも思うんですけど、そう簡単にいく話でもないので。……まぁでももっと渡辺さんと話せばよかったのかもしれない。生きるモチベーションが渡辺淳之介だったんですよ。キモっ(笑)!--でも結果的にそうなっていましたよね。
プー・ルイ:だから嫌がられてももっと話をして「それでもいいじゃん! いつかひっくり返せばいいじゃん!」という話を定期的に出来ていたら……「そうかも!」って思っていたかもしれない。分かんないですけど。私、意固地なところもあるから。--なんかこのインタビュー、どこまでもプー・ルイですね(笑)。
プー・ルイ:この涙も嘘ですからね(笑)。ただ、このインタビューを読んで「あぁ、そっか……」ってファンの人は引っ張られる必要はなくて、新しいBiSが楽しいと思っているんだったら誇りを持ってこれからも通えばいい。私はただ変われなかっただけなんで、そこだけは本当に間違わないでほしい。続けていくほうが正義だから。--それはプー・ルイが言い続けてきたことですもんね。
プー・ルイ:そこは自分が辞めることになってもいっしょ。それが私の綺麗な本音です。--では、最後に、プー・ルイ卒業となる3/4両国国技館ワンマンに来てくれるであろう研究員(※BiSファンの呼称)にメッセージをお願いします。
プー・ルイ:最大のトラウマを残して辞めるので……ま、私は嘘つきなんで辞めるかも分かんないですけどね(笑)、楽しみに最後までついてきてくださいよ。バカバカしいのが研究員じゃないですか。で、卒業後はYouTuberプー・ルイを応援よろしくお願いします。あ、ついでにBiSもね!リリース情報
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:内山直也
BiS『WHOLE LOTTA LOVE / DiPROMiSE』
新体制初インタビュー
キカ・フロント・フロンタール
ペリ・ウブ
アヤ・エイトプリンス
ゴ・ジーラ
パン・ルナリーフィ
ももらんど
新世代の想い「国技館でプーちゃんを超えたい」「世界に出て行きたい」
--せっかくの新体制初インタビューなので、まだBiSをよく知らない人にも発信していきたいなと思っているんですけど、どんなグループなのか教えてもらえますか?
WHOLE LOTTA LOVE / BiS 新生アイドル研究会[OFFiCiAL ViDEO]
--結局、好き勝手やるんですね(笑)。白塗りでおなじみのキカさんはビジュアルイメージが少し変わりましたね?
キカ・フロント・フロンタール:新体制になってからは日の丸をどこかに掲げつつ……--その赤い丸は日の丸なんですね。
キカ・フロント・フロンタール:3つ掲げてます。日本背負ってるんで。--東京五輪に向けて?
キカ・フロント・フロンタール:そうですね(笑)! 日本を盛り上げていかないと!--ももとパンは新体制のBiSはどうなっていくと思いますか?
ももらんど:BiSを元々作ってきたふたり(プー・ルイとカミヤサキ)が居なくなっちゃうから、自分たちでこれから新しいBiSを作っていかなきゃいけないから、楽しみだし、たぶん変わると思います。 パン・ルナリーフィ:最初にBiSを作ったリーダーのプーちゃんが居なくなって、それまではプーちゃんと渡辺さん(※WACK社長/BiSプロデューサー)で作っていくイメージだったと思うんですけど、今はメンバー全員でBiSを作っていきたい意識が強くなってきている。リーダーを新たに決めたりもしていないですし、ファンのみんなも含めてひとりひとりが主役のグループにしていきたいです。--すでに全員がエース候補という印象は受けます。
パン・ルナリーフィ:「個々に自分の長所をめっちゃ伸ばしたい」とはみんなでも話しています。あと、パフォーマンス面も、これまでBiSを引っ張っていたプーちゃんとサキちゃんが居なくなってからどうしていくか考えているんですけど、全員が歌えて踊れるグループにしていきたいなって思います。--ちなみに、パン・ルナリーフィの長所はどんなところにあると思いますか?
パン・ルナリーフィ:私はそれがずっと見つけられていないんですね。普通で、つまらな過ぎるんで。よく居るじゃないですか、私って。どこにでも居そうじゃないですか。それで「普通だから普通のままでいこう」というのはただの甘えだと思うんです。私以外のメンバーはみんな個性が強いので、その中で自分の長所というものを探していきたいと思っています。--前回のインタビュー(http://bit.ly/2hJLxev)で「私はプー・ルイを超えなきゃいけない」と仰っていたと思うんですけど、そこの意識は今も変わらずあるんですか?
パン・ルナリーフィ:BiSのライブ制作の方と話したんですけど、そのときに「国技館(※3/4両国国技館ワンマン)でプー・ルイを超えなきゃ、もう一生超えられないよ」って言われて……それはそうじゃないですか。物理的に考えてもプーちゃんはそこで卒業するから、居なくなっちゃったら「超えた」という基準が分からなくなってしまう。だから国技館でプーちゃんを超えたいです。じゃないと「口だけじゃねぇかよ」ってなるから。--そんなパンと最近ふたりで活動することも多い……
ペリ・ウブ:私かなぁ!!--ふたりは“だっちゅうのどうめい”なるユニットを非公式に組んでいますが、このコンビで最近はガンガン前に出て行ってますよね。
ペリ・ウブ:ねえ! ありがたいことに! BiSの公式アカウントが「#だっちゅうのどうめい」ってつぶやいてるの、マジやばいですよね!「ウケる!」と思って! パン・ルナリーフィ:会話の特訓も今してもらっていて。あまりにもこのふたりの語彙力がないものだから(笑)。 ペリ・ウブ:言葉知らず過ぎて! あと、文法とかもちょっと良くわかんないから講義をしてもらっています。--そんな“だっちゅうのどうめい”としても活躍中のペリとしては、今後どんなメンバーになっていきたいと思っていたりしますか?
ペリ・ウブ:私個人としては「ライブが凄い人になりたい」といちばんに思ってて、私のことが推しじゃなくても「今日、ペリのことばっかり見てたな」とか「ペリのパフォーマンスがいちばん良かった」とか感じてもらえるようになりたくて。あと、私は結構“なりたい自分”がコロコロ変わる人で。これまでの7人のBiSでの自分の見せ方はある程度定まっていたんですけど、アヤもギャンパレから戻ってきて(※アヤは約10ヶ月ほどBiSからGANG PARADEへレンタルトレードされていた)新しい6人のグループになるともう違うモノだと思っているので、そこで自分をどう出していったらいちばん格好良く目立てるのかなと、最近は常に考えているところです。とにかく目立ちたい!--以前「私は神様になりたい」と仰っていましたが、そこはどうなんでしょう?
ペリ・ウブ:神様には確実に近づいている? 考えることがさらに増えたんですよ。考えると自分の中で答えって出るじゃないですか。それで知恵が増えてんで! キカ・フロント・フロンタール:増えてんで(笑)。 ペリ・ウブ:最近はオカルトみたいなことを知りたいなと思って。宇宙人とか宇宙とかそういうところ。マネージャーの池さんが詳しくて、よく話を聞いたりしているんですよ。そこをちゃんと知ってたら、地球の隅々まで知ったような感覚になれるじゃないですか。宇宙人は人間らしいですよ、未来の。今、人間ってパソコンとかめっちゃするじゃないですか。それで頭がデカくなって、ああいう形になって、タイムマシーンを作った人間がこっちに来て見つかって、それが宇宙人と言われているらしいです。凄いですよね! そういうことを知って私は満足しています。知識を得ることはいいことなので、いろんなことを知りたい。--ゴジは新体制のBiSでどんなメンバーになっていきたいですか?
ゴ・ジーラ:私はライブでは武道館みたいな立ち位置になりたいなと思っています。--「武道館に立ちたい」なら分かるんですけど、「武道館みたいな立ち位置」ってどういうことですか(笑)?
パン・ルナリーフィ:格好良い! ゴ・ジーラ:武士みたいな(笑)。でもサブカルクソ野郎になりたいとも思っているので、いろいろ出掛けて観てます。--サブカルクソ野郎な武士になりたい?
ゴ・ジーラ:はい!--キカは?
キカ・フロント・フロンタール:私は世界に出て行きたい。これは結構本気で思っていて、今こうして日の丸掲げてますけど、本当に世界に出て行けるようなアーティストになりたいなと思っています。--このビジュアルは世界に出て行く上でのキーになりそうですよね。
キカ・フロント・フロンタール:だから私はこの新体制になるタイミングでも白塗りのままだったと思うんです。--あ、そうか。白塗りを辞めるならこのタイミングでしたもんね。
ペリ・ウブ:たしかに! キカ・フロント・フロンタール:っていうことをファンの人からもよく言われるんですね。でも今ここで辞めたらBiSじゃなくなってしまう感じもするので。まだ白塗りでやりきった感じがしないし……これで世界まで行けるのならこのままずっとでも。 パン・ルナリーフィ:それこそキカも白塗り歴のほうが長くなる訳でしょ? 素顔より白塗りのほうが長いから、白塗りでキカを知っている人のほうが多くなってる。 キカ・フロント・フロンタール:もう普通の顔で撮影とかライブするのはちょっと怖い……一同:(笑)
--では、そのまま世界へ羽ばたいて頂いて。
キカ・フロント・フロンタール:そうですね! 本当に夢じゃないと思ってるんで。このまま売れたほうが素顔で悪いこともいっぱい出来るし(笑)。--ももはどう?
▲左から:ゴ・ジーラ/ペリ・ウブ/パン・ルナリーフィ/ももらんど/キカ・フロント・フロンタール
リリース情報
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:Jumpei Yamada
3/4両国国技館「「プー・ルイ、愛してるよ!」っていう気持ちを全力で出したい」
--アヤはいかがでしょう?
GANG PARADE『BREAKING THE ROAD』MUSIC VIDEO
--アヤは他の5人とは違うストーリーを持っているじゃないですか。10ヶ月間にわたってギャンパレだったという。その果てに「アヤの笑顔は信じていい笑顔。ギャンパレを花開かせてくれたのはアヤのそのモットーのおかげでもある」(http://bit.ly/2GVI1Vs)とまでメンバーから言われるほどの存在になりました。それを経てBiSに戻ってきたアヤとしてはどんな存在でありたいと思いますか?
アヤ・エイトプリンス:基本的に自分のスタンスは全く変えるつもりはなくて、BiSに戻ってきたから自分の性格を変えようとは全く思っていないし、ギャンパレに居たときと同じようにステージを楽しみたいし、それは元々BiSに居た5人時代も思っていたことだし、私は入ったときから「BiSHのアイナ・ジ・エンドさんみたいに圧倒的になりたい」と思っていたから、これからそうなりたいです。完全に圧倒的な人になりたい。--BiS加入当初は「プー・ルイと対の存在になりたい」とか「BiSを引っ張っていく存在になりたい」とも仰ってましたけど、そこはどうなんでしょう?
アヤ・エイトプリンス:全然変わってないです。それはどこのグループにいても常にそういう風に思っています。ギャンパレに居たときもそう思って活動していたし、今もそれは変わってないし、それに新しく加わった目標としては「バランサーになりたい」と思っていて。それはココ(※ココ・パーティン・ココ/ギャンパレのムードメイカー)を見ていて思ったことなんですけど、ココはメンバーのことをすごくよく見ていて、誰かがちょっとツラそうにしていたら「なんか悩んでそうだな」ってちゃんと気付いてあげて、寄り添ってあげられる人なんですけど、私もBiSにおけるそういう存在になりたいです。--「ギャンパレで得たものをBiSに持って帰りたい」とも仰っていましたが、具体的にはどんなところを活かしたいと思っていますか?
アヤ・エイトプリンス:コンセプトを一緒にしてしまったら同じグループになっちゃうからダメだとは思うんですけど、ギャンパレでは「自分たちで考える」ということをすごく学んだんですよ。サキさんが私とのトレードでBiSに行ったことで、ギャンパレには大先輩みたいな人がいなかったから。そういうところはたくさん経験してきたので、何かアイデアとかをみんなに言えたらいいなとは思っています。--キカとペリとゴジは元々アヤと同期でBiSに入ってきていますけど、パンとももはこのタイミングで初めて合流。アヤに対して今どんな印象を抱いていますか?
パン・ルナリーフィ:さっきアヤちゃんが言っていた「圧倒的になりたい」感じというのは、ギャンパレに居たときからめっちゃ感じていて。パフォーマンスだけじゃなくて存在感? アヤちゃんから滲み出る人間性とかも本当に凄いなと尊敬しています。ただ、敬意は大事だけど、同じ目線で活動していきたいなと思っていて。そっちのほうが絶対に良いチームワークが作れると思うから、これからは先輩後輩というより仲間として一緒にやっていきたいです! ペリ・ウブ:フラットな関係が大事だと思う。本当に。--ももは?
ももらんど:…………えーっと。--ここはもうコミュニケーションは結構取ってるんですか?
アヤ・エイトプリンス:まだそんなに。練習や取材でしか会ってないんですけど、でもこれからすごく可愛がってしまいそうな予感がしています。 ペリ・ウブ:やったじゃん! 新しい親が出来たよ! ももらんど:……餅をくれた。一同:(笑)
アヤ・エイトプリンス:なんか分かんないんですけど、ももの為に買ってしまって…… ペリ・ウブ:親心だ! キカ・フロント・フロンタール:もう沼だよ。 アヤ・エイトプリンス:私、キス魔なんで、ももはもちろんなんですけど、パンともキスはしたい。 ペリ・ウブ:あ、パンはすごくガード固いから! アヤ・エイトプリンス:でも今まで狙ってキスできなかった娘はいないんで。
▲左から:アヤ・エイトプリンス/ゴ・ジーラ/ペリ・ウブ/パン・ルナリーフィ/ももらんど/キカ・フロント・フロンタール
--何の話をしてんのよ(笑)?
アヤ・エイトプリンス:ギャンパレは全員キスをしました。 ペリ・ウブ:私、1回キスしようとしたら叩かれた! アヤ・エイトプリンス:1回だけでしょ? 大丈夫。徐々に徐々に…… キカ・フロント・フロンタール:まぁそれで距離が縮まるんならいいんじゃない? アヤ・エイトプリンス:それをBiSでの目標にします。--そんな新体制のBiS、和気藹々としていて良いなと思うんですけど、元々BiSと言えば過酷で過激なことをたくさんしてきました。今後どうなっていくか分かりませんが、そこへの覚悟みたいなところはどうなんでしょう?
パン・ルナリーフィ:私はまだ何にもそういうことをやっていないから、活動していく歴史の上でそういうことをひとつぐらいやったほうが地に足がつくというか、BiSとしての血が入る感じがするんですよ。それでマイナスになるようなことは絶対にないし。 ペリ・ウブ:実際にプラスになってきたから「やって良かったな」と思うんですけど、「どうする? やるやらない?」と言われたらやりたくないんですよ! だからこの状態のまま真っ直ぐ進んでいって、もしそういう障害物が来たら……まぁやります! 来たモノに対して一生懸命やっていけたらいいなって思ってます。 パン・ルナリーフィ:なんかありそうな予感はしてます。節目というか、門出というか、新しいから、この6人で最初に何か残すようなことはあるかもしれないなって。だからその覚悟はしていますけど、怖いですね! とても! ペリ・ウブ:あったら立ち向かう! 死ぬ気で! キカ・フロント・フロンタール:でも何をやっても、みんな明るいから悲壮感みたいなものは出ないんですよね(笑)。それが良いところなんですけど!
▲左から:ペリ・ウブ/パン・ルナリーフィ/ももらんど/キカ・フロント・フロンタール
--でもそういう過酷な何かをするとしたら、ももらんどはキーマンになりますよね。「この子にこんな仕打ちをするの?」って炎上しかねない(笑)。
ももらんど:………… キカ・フロント・フロンタール:ももが引き攣ってる! ももらんど:走るのだけは、本当にイヤなんです…… ゴ・ジーラ:でもきっと楽しいよ。行ける、行ける。 キカ・フロント・フロンタール:18時間ぐらいで終わる。 ペリ・ウブ:それはキカだけ! キカ・フロント・フロンタール:私、24時間ライブのほうはイヤです。 アヤ・エイトプリンス:え、やりたい! ペリ・ウブ:やりたい! キカは白塗りが崩れるからね(笑)。 ゴ・ジーラ:プーちゃんから聞いたんですけど、BiSの24時間ライブを以前やったときは、誰ひとり「疲れた」とかそういう弱音を吐かなかったらしくて、もちろん体力的にはめちゃくちゃ苦しいとは思うんですけど、先輩たちはそうやって乗り越えてきている訳じゃないですか。だから私たちもそれをやったら何かまた変わるんじゃないかなって。すごく興味はあります。--では、最後に、3/4両国国技館ワンマンへの意気込みをそれぞれ聞かせてください。
キカ・フロント・フロンタール:国技館はたくさんのお客さんが来てくれる予定なので、全員に「今後のBiSを追いかけたい」と思ってもらえるように魅せたいなと思っています。この6人が「すげぇよかった!」と思ってもらえるようにがんばります! ももらんど:…………BiSが本当に1日で変わってしまう日だから、それぐらい大切な日だから、来てくれるお客さんみんなを虜にしちゃうようなライブをして、自分も悔いのないようにがんばります。 パン・ルナリーフィ:今まででいちばんたくさんの人が来てくれる日で、その人たち全員をひとつのチームに出来るような、私たちもファンの人たちも「これからこのチームでやっていこう」「BiSの仲間になりたい」と思うようなライブにしたいと思っています。そして私個人としてはプーちゃんを超えたいです! ペリ・ウブ:いろんなモノを求めてくる人がいると思うんですけど、そのいろんなモノを求めてくる人たち全員が魅入って、もう抜けられないぐらいにしたいと思っていて。それで「この6人でやっていけるじゃん。応援したい! ついていきたい!」と思わせられるようにしたいと思っています! ゴ・ジーラ:いちばん楽しみたいなと思ってます。あと、目標としては、両国に来てくれる5000人を全員ファンにして、そのひとりひとりが友達を1人誘ってくれて倍になったら10000人になるじゃないですか。そしたら旧BiSの横アリに来ていたお客さん(8000人)を超えられると思っているので、まずは両国きっかけで5000人を10000人にしたい。だからみんなを味方につけられるように頑張ろうと思っています。 アヤ・エイトプリンス:国技館は個人的にもいろんな節目になると思うんで、気持ちをしっかり切り替えてBiSのステージに立ちたいと思っているんですけど、体制が変わってもずっと観ていたいと思わせるライブを絶対にしなきゃいけないと思っているし…………ずっと「プーちゃんとツートップになりたい」と言っていたので、最後に一緒にステージに立てることが単純にすごく嬉しくて。だから絶対忘れられない日にしたいし、私としては「プー・ルイ、愛してるよ!」っていう気持ちを全力で出したいです!リリース情報
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄|Photo:Jumpei Yamada
WHOLE LOTTA LOVE/DiPROMiSE
2018/03/07 RELEASE
CRCP-10392 ¥ 4,180(税込)
Disc01
- 01.WHOLE LOTTA LOVE
- 02.DiPROMiSE
- 03.WHOLE LOTTA LOVE (instrumental)
- 04.DiPROMiSE (instrumental)
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