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インキュバス来日直前インタビュー「とにかく言えるのは、ぶっ飛んだライブ体験ができるということ!」



インキュバス来日記念インタビュー

 米カリフォルニア発のロック・モンスター、インキュバスによる来日公演が2月19日に大阪、20日に東京で開催される。2017年4月にリリースされた最新アルバム『8』は、共同プロデューサーとしてスクリレックスが参加、サウンドはより洗練され、バンド史上最もバラエティに富んだ作品となったが、そんな本作を引っ提げたリリース・ツアーの日本編を間近に控えたこのタイミングで、バンドのフロントマンであるブランドン・ボイド(以下ブランドン)にメール・インタビューを実施。いまだ溢れ続ける音楽への熱量を本稿で感じ取っていただき、探求を止めない彼らの最新モードを、ぜひ今回の来日公演で目撃していただきたい。



▲Incubus - No Fun


――最新アルバム『8』を引っ提げた【The 8 Tour】が昨年スタートしましたが、新しい曲たちをツアーで披露してみていかがでしたか?手ごたえを教えてください。

ブランドン:ここまでプレイするのが楽しいと思える曲をたくさん書いたのは、かなり久しぶりのこと。過去のどのアルバムが演奏して一番楽しい作品なのかは選べないけど、間違いなく『8』はそのリストの上位にあがる。どうしてそう思うのか確かな理由もないんだけど、俺達もかなり順調だし、ファンの反応もかなりいいね!

――アルバム制作中、オーディエンスの反応を想定することはあるのでしょうか?実際にオーディエンスの反応はいかがでしたか?

ブランドン:観客がどう感じるか、それはライティング過程では全く想像もできない。でも、それがアルバム制作において議論の中心になることはないな。俺達はレコーディングやら何やら、全てが完了してからプレイを身に付ける。普通とは反対の方法ではあるけど、これまでずっとこのやり方でやってきて、これが一番しっくりくるんだ。

――最新作のモードに合わせて、古い曲たちも一緒にアップデートされていく実感はありますか?

ブランドン:面白いことに、ひと昔前の曲も最新アルバムと交えても違和感なくしっくりくるんだ! だから、過去の曲も掘り起こして、新しくキラキラした最新曲と一緒にプレイしているよ。

――デビューからの20年間、サイド・プロジェクトを始めたメンバーもいらっしゃいますが、制作とライブの両面で、お互いの活動にフィードバックされるところはありましたか?

ブランドン:俺が思うに、それぞれの活動の一つ一つがインキュバスでの活動に影響を与えている。それは音楽以外のものでも言えて、人間関係やアート・プロジェクト、本とか映画とか、何でもだ。俺達はインキュバスという母船に乗って、宇宙の遥か遠くまで探求をして、そしてそこから情報を発信しつつ、より博識のある本拠地を作っているんだ。俺達は互いを縛り付けるようなバンドではない。27年もこうして一緒にバンド活動ができているのは、俺達が一つのダンスチームだから。互いの活動でバラバラになる時もあるけど、そんな時はまたシミーダンス(ジャズなどの音楽にあわせて、肩や上半身をゆさぶるダンス)すれば温かく迎えられるし、その温かい抱擁に愛と感謝を感じるようになるんだ。

――最近聴いている音楽があれば教えてください。

ブランドン:ローラ・マーリングのニュー・アルバム『センパー・フェミナ』が好きすぎてここ最近ずっと聴いている。あと、最近は名優クリストファー・リーによるクラシックゴシック小説の朗読を聴きながら絵画に取り組んでる。彼が朗読する『ドラキュラ』はアメイジング。YouTubeにあがってるからチェックしてみなよ!

――ソランジュとの共演は日本でも話題になりました。自分たちと音楽性が離れたアーティストからリスペクトされることについて、どう思いますか?

ブランドン:あれは俺達にとっても楽しい時間になった。彼女は才能に溢れていて、また近い将来に一緒に何かできたらなって思っているよ。俺の場合、違う音楽ジャンルのアーティストが俺達の音楽を好きだって言ってもらえるのはかなり光栄なこと。同時に、アーティストは幅広いジャンルの音楽を聴いていることに納得もいく。優れた音楽は誰が聴いても良い音楽に変わりないからさ! 俺もロックよりもR&Bやジャズにインスパイアされる時期があったし、それは一度や二度なんかじゃない。均質化した低カロリーのアートばかり吸収していたら、俺達の作品も痩せて衰えてしまう。だから、インスピレーションを求めて自分の範囲外の分野に手を出すのは、実に賢いことだと思うよ。

――2017年は、初めてヒップホップ/R&Bの売上がロックの売上を超えたと報じられました。そんな中で現在の音楽シーンに感じることはありますか?また、それに対してあなた方がしていくべきことは何だと思いますか?

ブランドン:逆に2017年が初めてそういう年になったってことに驚きだね。ロックの軌道はスローではあるものの、着々と下降し続けている。でも、その盛衰は極めて珍しいことでもない。どのジャンルにも流行の波があるさ。俺達の使命は、流行や勢いを示す振り子がロックから遠ざかっているこの状況に嘆かないことだ。俺達の仕事は、創造に富んだ事実をできるだけ忠実に届ける音楽や芸術作品を作り続けること。その作品はロックサウンドかもしれないし、はたまたR&Bやジャズ、ヒップホップもしくはスペースファンク調のサウンドかもしれない。どちらにしても、俺達はビッグスマイルのままこの調子で進み続けるよ!

――今回の日本公演の見どころは?

ブランドン:とにかく言えるのは、ぶっ飛んだライブ体験ができるということ! 東京と大阪のライブに来る予定の人には、先入観を持たず、寛大な心でライブに参加してほしい。初期の作品から最新曲まで、これまでの俺達を網羅した幅広い内容になるよ。それに、おかしなサプライズもたくさん用意してる! 最高な時間になることは間違いないね。

――ライブ以外で楽しみにしていることはありますか?

ブランドン:今回、もう少し滞在時間があればいいんだけどな! 初めて俺達が日本を訪れたのは遠い昔のことだけど、あれからずっと俺は日本に恋をしている。今回は短い時間ながらも、美味い料理にいくつか出会えたらいいな。あと、新しい友達も作りたい。

――少し気が早いかもしれないですが、次回作の展望があれば教えてください。

ブランドン:うん、確かに早い気もするけど…。今はまだ、次のレコーディング内容を構想しているところ。みんなが期待しているような作風にならないってことだけは言っておくよ!

――お時間ありがとうございました。来日公演、楽しみにしています!

ブランドン:こちらこそありがとう。じゃ、また!



▲Incubus - Loneliest




Interview by Takuto Ueda

インキュバス「8」

2017/04/21 RELEASE
UICL-1137 ¥ 2,750(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.ノー・ファン
  2. 02.ニンブル・バスタード
  3. 03.ステイト・オブ・ジ・アート
  4. 04.グリッターボム
  5. 05.アンディフィーテッド
  6. 06.ロンリエスト
  7. 07.ホエン・アイ・ビケイム・ア・マン
  8. 08.ファミリアー・フェイセス
  9. 09.ラヴ・イン・ア・タイム・オブ・サヴェイランス
  10. 10.メイク・ノー・サウンド・イン・ザ・デジタル・フォレスト
  11. 11.スロー・アウト・ザ・マップ
  12. 12.ニンブル・バスタード (アコースティック) (日本盤ボーナス・トラック)

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