Special
中島美嘉 『CRY NO MORE』インタビュー
PAGE 1
--まず前回のインタビューで出来なかったお話しをひとつさせていただきたいんですが、全国ツアーの東京公演のMCで“おじさんの妖精”を見たって話をされていたじゃないですか。で、僕もそれっぽいのを見たことがあるんですよ!ただ寝ぼけながら見たから・・・。
中島美嘉:そう!みんな寝ぼけてるときに見るんですよ!
--「夢かな?」って思ってたんですけど、中島さんが公の場で「“おじさんの妖精”を見た」と言っていたから「あれは夢じゃなかったのかな?」と(笑)。
中島美嘉:夢じゃないですよ。私はあの話をして以来、「中島美嘉はやっぱりおかしい」「やっぱり疲れてる」と言われるようになっちゃったんですけど(笑)。「本当に見た」って言ってるんですけどね。どんなときに見られたんですか?
--夏場、熱くて目を覚ましてクーラーの電源を入れようとしたら、そのクーラーの上にいました。あんまり怖い印象じゃなかったですけど、少しコミカルな感じで。
中島美嘉:ハッピーになる感じ。
--なんか話して少しスッキリしました(笑)。
中島美嘉:(笑)。
--で、僕だけじゃなく、多くの中島美嘉ファンが聞きたい話をさせていただきたいんですが、映画『NANA』の続編の制作が決定しましたが、続編でも中島美嘉さんが大崎ナナ役を演じられる予定なんでしょうか?
中島美嘉:どうでしょうね?まだ現時点では決まってないです。ただご依頼いただければ、抵抗なくやらせていただきたいと思います。続編の話は一作目の撮影をする前から上がってはいたんですけどね、そのときは動員数を見ながら考えましょう、という話で(笑)。
--映画『NANA』の大反響を見ていかがでした?
中島美嘉:嬉しさ反面、恥ずかしさ反面ですね。
--再び自分を“NANA”モードに持っていくのを想像すると、大変だったりしません?
中島美嘉:別に大丈夫ですよ。髪型とかメイクひとつで女は気分を変えられるので。そういう部分で楽しめると思います。
--今まで散々聞かれてきてることかも知れませんが、中島美嘉さんから見た『NANA』の魅力ってどんなところにあるのか、語っていただけますでしょうか?
中島美嘉:『NANA』って大人向けとは言われてますけど、少女コミックじゃないですか。小学生からおじさん、おばさんまで読んでるわけですけど、そこに恋愛とか夢とかは必ずあるんだけど、ダークな部分があまりに鮮明に書かれてるじゃないですか、『NANA』って。それが良いんじゃないかなって思う。普通に生活していたら絶対に踏み込めない場所が普通に描かれているのが魅力的なところだと思いますね。
--ちなみに好きな登場人物は?
中島美嘉:全員私は好きですけど、ヤスみたいな人がいたら好き放題できるなって思う(笑)。あんな人いないね。
--『NANA』は単行本で読まれてるんですか?
中島美嘉:単行本ですね。まとめ読みしないと嫌なんですよ。そもそも『NANA』を知ったのも9巻が出た頃で、全部まとめて読んでハマったんですけど。
--最新巻を読んでヤスのイメージとか変わりませんでした?過去の話ですけど、レイラをパーティーから引っぱり出して自分のものにしちゃったりして。
中島美嘉:そんなの全然いいですよ!それぐらいヤスもやってもらわないと!むしろ(笑)。
--(笑)。で、『NANA』と言えば『GLAMOROUS SKY』。昨年末はいろんな授賞式や番組であの曲をアコースティックバージョンで披露されていましたよね。
中島美嘉:アコースティックにしたのは“NANA starring MIKA NAKASHIMA”ではなくて、中島美嘉として歌おうという気持ちがあったからですね。オリジナルのスタイルのまま歌ってしまうと、どうしたって“NANA”になってしまうので。アコースティックであれば、やっぱり慣れている部分もあるので中島美嘉として歌えましたね、違和感なく。
Interviewer:平賀哲雄
PAGE 2
--また“REIRA starring YUNA ITO”として『ENDLESS STORY』を歌っていた伊藤由奈さんとの共演も年末の授賞式や番組では見ることができましたが、中島さんから見た彼女の印象ってどんな感じなんですか?
中島美嘉:まだみんなが彼女にどういうイメージを持っているかは分かんないんですけど、テレビで喋ったりしているあのままの感じですよ。ノリも外人なので、すごくフレンドリーで、友達もいっぱい出来るタイプだろうし、いつもニコニコしていて、すごく感じの良い女の子ですね。
--彼女の歌声に対してはどんな印象を?
中島美嘉:私にはあんな風に歌えませんからね、「すごいな」と思いますよ。
--ちょっとマニアックなネタなんですけど、偶然街中で彼女とバッタリ出会ったことがあったそうですね?
中島美嘉:ありますね(笑)。スターバックスだったんですけど、私はお母さんたちと座ってて、そしたらお母さんが「すんごい綺麗な女の子ねぇ」って言いだして、パッと見たら伊藤由奈ちゃんだった(笑)。恰好とかは軽い感じだったんですけど、並んで立ってる姿がとにかく外人なんですよ。とにかくスタイルが良くて。それで声を掛けたら、由奈ちゃんからケーキの差し入れをいただいて(笑)。「ありがとう」って。
--確かに綺麗な女の子ですよね(笑)。あと、昨年末は【日韓友情年記念コンサート】にも出演されましたよね。実際に出演してみてどんな印象を受けました?
中島美嘉:韓国の人たちはすごく元気ですね。パワフル。「下手したら歌は聴いてないんじゃないか」って思うぐらいのエネルギーで(笑)。だけど最後はみんな一緒に日本語で私の歌をうたってくれて、すごく嬉しかったですね。ほんの少し前までは日本語の歌は韓国じゃ歌っちゃいけませんでしたから。それがそうやってみんなに歌ってもらうことができて、「すごいな」と思いますね。
--ちなみにその記念すべきステージではどんな曲を歌われたんですか?
中島美嘉:『雪の華』と『FIND THE WAY』ですね。韓国で認知度が高い曲で。
--バラードでもノリは熱かったわけですか?
中島美嘉:ステージに出た瞬間すごくて。『雪の華』のイントロが流れ出した瞬間にすごかったから「これは聴こえないかも!マズイ!」と思って、だからもう嬉しさもあり不安もありで、ちゃんと歌わないとみんな楽しみにしてるから、「うわぁ~ヤバイヤバイ」と思いながら何とか歌い上げましたね。
--去年は【ap bank fes'05】もそうでしたけど、大きなフェスに出演する機会が増えましたよね。自分のワンマンとはまた違う雰囲気だと思うんですが、楽しめましたか?
中島美嘉:歌う場面は最高ですね。ただやっぱり私ね、誰かと何かをやるのがどうしてもまだ苦手なんですよ。多分自分に自信がないから「私がこの中にいていいんだろうか?」と思いながら出演してるから、まだ楽しめるまでに至らないんですよね。でも歌い出せばどこだって自分のスペースだから楽しんですけどね。だけど、その変なプレッシャーっていうのがあるから、あんまりやりたくない(笑)。【日韓友情年記念コンサート】とか、海外になるとそこまでそういうことを感じないからまだ良いんですけど。
--ちなみにその【日韓友情年記念コンサート】、先日BoAさんへのインタビューで聞いたんですけど、帰りの飛行機がみんな一緒で、そのままみんなで【FNS歌謡祭】に出演されたそうで(笑)。
中島美嘉:すごいスケジュールでしたね(笑)。でもBoAちゃんの頑張りが一番すごかったですね。私たち、BoAちゃん見て泣きそうになってから!それからちょっとファンになりましたね。ダンスも歌もはち切れてたもん!すべて解放するようなパフォーマンスで。
--あと、【日韓友情年記念コンサート】のような海外のイベントに出演するようになると、気になるのが“グローバルな音楽活動の展開”。日本以外の国で音楽活動をしていくところへの興味、していきたい気持ちというのはあったりするんですか?
中島美嘉:強くはないですね。「いつか行くぞ!」という感じではなくて。すごく私の曲を評価してくれてる国もあるので、感謝の意味で歌いに行きたいという気持ちはあるんですけど、自分から進んで海外進出したいという気持ちはまだないかなぁ。
--これまでお話を聞かせていただいた以外にも、クリスマスツリーの点灯式があったり、【紅白歌合戦】への出演があったり、充実した年末を送られていましたが、2006年は今作『CRY NO MORE』でスタート。ここまで豪華な音、アレンジでブルースを歌えるのはシンガー冥利に尽きると思うんですが、最初にこの曲を聴かれたときにはどんな印象を受けられました?
中島美嘉:一番最初はアレンジも全然違って、全英詞だったんですけど、「ブルースにしましょう」という話をした上で曲選をしていたので、私にとってはもうこの曲がそのときのグランプリで(笑)。「この曲大好き!」って言ってて。だからこの曲をやれたこと自体が嬉しかったです。
--それからアレンジがここまで豪華なものに変わって、実際に歌ってみてどうでした?聴き心地良く歌声を響かせるには難しい曲ですよね?
中島美嘉:アレンジはすごく変わってるんで、新鮮でしたね。違う曲みたいでした。あと、この曲はほとんど同じメロディなので、聴いてて飽きがこないようにしなきゃなとは思いましたね。
Interviewer:平賀哲雄
PAGE 3
--あと、今作『CRY NO MORE』のジャケット撮影などで、ブルースの聖地・メンフィスで行ったそうですね。
中島美嘉:はい。メンフィスに行くのは初めてだったんですけど、何とも言えない気持ちになりました。だだっ広い綿花畑とかは、きっと一生に一度見れるか見れないかじゃないですか。それを見て「昔はこれを手作業で摘んでたんだなぁ」とか、そういうことをずっと考えてましたね。私がメンフィスという土地に行こうと一番最初に思った理由が、その綿花畑を見たいからだったんですよ。ブルース発祥の地であることももちろん気にはなっていたんですけど、綿花畑のいろんな歴史を聞いて、そこを見に行きたかったから、ジャケット写真でも綿花を持ったりしてるんですけど。
--なるほど。ちなみに今回ゴスペル調のブルースを歌おうと思ったのは一体どんな経緯で?
中島美嘉:私が昔からゴスペルが好きで、それで『AMAZING GRACE』も歌ってたりして。ただ『CRY NO MORE』のような曲を歌えるほどデビュー当時は余裕もなくて。でもずーっと言い続けてはいたんです、「ゴスペルをやりたい」って。アルバムを出すタイミング毎に言ったりしていて。で、ジャズを歌うようになってから、そういった流れで今回ようやく『CRY NO MORE』のようなブルースを歌うことになった感じですね。
--そんな『CRY NO MORE』を歌う上で、ブルースの聖地・メンフィスまで行って、そしたらなんと、メンフィスの名誉市民に選ばれたそうで。これは驚きますよね?
中島美嘉:最初はそんなすごいことだと思ってなくて、比較的みんななれるものだと思ってたんですよ。そしたら仰々しくメンフィスのすごく偉い方がわざわざ私に“金色のカギ型のオブジェ”を渡してくださって。
--名誉市民にしていただいたからは「何かしたい」という気持ちはあったりします?
中島美嘉:もうとにかくメンフィスを知ってもらう。それぐらいしか私には出来ないから、さすがに連れていくことは出来ないし(笑)。で、メンフィスを知ってもらえば絶対に興味が湧く人がいると思うんですよね。中には実際に行く人も出てくるだろうし、もっとメンフィスが盛り上がればいいのになと思っているので、とりあえず知ってもらいたいですね。
--音楽を通じて協力したいとは思いますか?
中島美嘉:そうですね。そういうこともいろいろ・・・まだ明かせないんですが(笑)考えてます。
--ちなみにそのメンフィスで撮影されたミュージックビデオはどんな内容になってるんでしょう?
中島美嘉:今までで一番シンプルなんじゃないですかね。私服だし、ロケも初めてだし、海外も初めてだし、初めてだらけだけど一番シンプル。仕上がりを見て「気持ち良さそうだなぁ」って自分で思いましたね。
--ライブなどで歌っても気持ち良く歌えそう?
中島美嘉:『CRY NO MORE』は自分の気持ちのテンションを考えないと絶対歌えない曲だから、元気に歌っても伝わらないと思うので、心のテンション、バランスを考えながら歌わなきゃいけないんですよ。気持ちを込めて歌わないと、この前プロデューサーとも話してたんですけど、小学校の校歌になっちゃうんですよ、不思議なことに。その辺は難しいですね。
--そうした難しさは今作のカップリング曲、COLDFEETのローリー・ファインが手掛けた『BLACK & BLUE』にも言えることだと思うんですけど、この曲にはどんな印象を?
中島美嘉:ローリーの曲は毎回そうなんですけど、完璧に仕上げてくるんですよね。デモの段階でめちゃくちゃ格好良いんで。それだけで歌うことに決まっちゃう。この曲も歌うときは気持ちをハイにしなきゃ伝わらない感じなんですけど、ローリーの曲はいつもローリーが付いててくれて、ディレクションも一緒にしてくれるから、すごく上手にハイにしてくれるんですよ。だから苦労をあんなりしたことがない。楽しい。
--COLDFEETの曲はプライベートでも聴かれているそうですが、COLDFEETの音楽の魅力を上げるとしたらどんなところにあると思いますか?
中島美嘉:飽きないですね。一番はそれかな。私はローリーたちがデビューした頃は知らなくて、自分が歌をやり始めてから知った人たちなんですけど、初めて知ったときからずーっと聴いてますね。最初に彼らの曲を聴いたときは衝撃を受けました。本当に飽きない。
--あと、今作『CRY NO MORE』リリース後はどんな展開が待っているんでしょう?
中島美嘉:次の展開に対しては、驚く人と「あ、こう来たのね」って思う人が年齢によって別れると思います。きっと30代、40代の方は「あ、こう来たのね」って思うんじゃないかな。
--ライブの予定は?
中島美嘉:決まってないですね。みんなで「やりたい!」とは言ってるんですけど、まだ決まってはないです。でも時間さえあればいつでもやりたいとは思ってます。
--楽しみにしてます。
Interviewer:平賀哲雄
CRY NO MORE c/w BLACK & BLUE
2006/02/22 RELEASE
AICL-1730 ¥ 1,282(税込)
Disc01
- 01.CRY NO MORE
- 02.BLACK & BLUE
- 03.CRY NO MORE(Instrumental)
- 04.BLACK & BLUE(Instrumental)
関連キーワード
TAG
関連商品